顧客のファン化とは?ブランドにとっての効果や手法まで紹介
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- NOKID編集部
「顧客のファン化」は、企業の成長と繁栄にとって不可欠な要素です。その理由は、ファン化した顧客は単なる消費者以上の存在となり、企業やブランドに対する強い愛着や忠誠心を持つためです。
ファンは、自社の商品やサービスを積極的に他人に推奨し、企業の広告やマーケティング活動を自然にサポートしてくれる存在です。例えば、スノーピークやスターバックスのような企業は、顧客との強い絆を築くための独自の戦略を展開し、その結果、顧客のロイヤリティを高め、ブランドの価値を向上させているのです。
しかし、ファン化の道のりは容易ではありません。時間と労力を必要とし、一度ファンになった顧客が批判的な立場に回るリスクも存在するからです。だからこそ、企業は顧客のファン化を戦略的に進め、その過程で得られるフィードバックを商品やサービスの改善に活かすことが重要です。
そこで今回は、顧客のファン化のメリットとデメリット、成功事例、そしてその評価方法について詳しく解説します。
ファン作りをサポートする魅力的なキャラクターの作り方は「ファンのできるキャラクターはどうやって作るの?特徴や作り方のコツを紹介」がおすすめです。
顧客のファン化とはアンバサダーになることに近い
顧客のファン化とは、顧客を企業やブランドに対して強いサポートや愛着を持っている状態にすることを言います。単に顧客として、商品やサービスを利用するだけでなく、その企業やブランドに対して応援したり、他の人に勧めたりするなど、アンバサダーのように積極的な関与を示す状態の顧客が「ファン」という状態を意味します。
例えば、日経BPコンサルティングが2023年3月24日に発表した、ブランド価値評価プロジェクト「ブランド・ジャパン 2023」の結果によると、一般生活者編でUSJが1位となっています。
企業の持つブランドにとってファンは欠かせない存在
前述した通り、ファンの存在によって企業の存続が変わってくるため、顧客のファン化は非常に重要です。一般的な顧客はより安くスペックの高い商品が現れると移行する可能性がありますが、「ファン」はその企業の商品を「応援」しているため、安くスペックの高い他の商品に移行する可能性が低くなるからです。
このようにファン化した顧客は通常の顧客よりも継続的かつ長期的な関係を築く傾向があります。
ファンは顧客の上位2割ほどで売上の半分以上を作る存在
イタリアの経済学者、ビルフレッド・パレート氏が提唱したパレートの法則(別名2:8の法則)によると「全顧客の2割に当たる優良顧客が売上の8割を賄っている」といいます。この2割の優良顧客は「ファン」と言い換える事ができるのです。
数値が絶対にそうなるという意味ではなく、傾向を表すためのものです。我々の経験からお伝えすると、売上6〜7割程度を占めるというのが現実的な水準だと感じています。
顧客は平等ではなく優遇して差をつけることも重要
全顧客に平等なアプローチをするものだという意見があるかもしれません。ですが、使う金額に大幅な差がある状況において、必ずしも正しいとは限りません。私個人の体験でも、他の顧客よりも優遇されているような案内やサービスを受けることで、お返しがしたくなるからです。
つまり、利用金額やメッセージへの反応率など、企業ごとに基準は変わったとしても、何らかの差をつけることは大切だと考えられます。ファン化した顧客に優遇したアプローチをすることが、会社の売上および利益の向上につながっていくのです。こうした意味で、顧客のファン化は非常に重要であると言えるのです。
ファンとリピーターの違いは?
| 特徴 | ファン | リピーター |
|---|---|---|
| 感情的結びつき | 高い(ブランドの価値観に共感) 情緒面でのつながり | 低い(商品単位での満足) 機能面でのつながり |
| 推奨行動 | 積極的にブランドを推奨し、新たなファンを生み出す | 限定的 |
| ブランドへの影響 | ブランドの「アンバサダー」として影響力を広げる | 商品やサービスの質に基づく満足度が高い |
| 移行(離脱)の可能性 | 低い(ブランドへの深い愛着があるため) | 高い(他に良いオファーがあれば) |
ファンとは"ブランドと感情的に共感してくれた"存在
ファンは、単に商品やサービスを何度も購入する消費者を超えた存在です。ファンは、ブランドやその提供する価値に対して深い感情的な結びつきを持っています。彼らは、ブランドの価値観や哲学に共感し、その成功を自分事として喜びます。
また、ファンは積極的にブランドを推奨し、他者にその魅力を伝えることで、新たなファンを生み出す可能性があります。ファンは、ブランドの「大使」としての役割を果たし、その情熱を通じてブランドの影響力を広げることができます。
リピーターとは"商品単位で満足してくれた"存在
リピーターは、商品やサービスの質、価格、利便性などに満足して再購入する消費者です。リピーターはブランドに対して肯定的な印象を持っているかもしれませんが、ファンほどの情熱や感情的な結びつきは持っていないことが一般的です。
リピーターにとっては、ブランド単位ではなく商品やサービス単位で、具体的な価値や利便性に満足して再購入しています。そのため、より良いオファーが他にあれば、リピーターが他のブランドに移行する可能性もあります。
顧客のファン化による企業のメリット
リピート率が上がり顧客として支え続けてくれる
商品・サービス・企業・ブランドのファンは、スペックや値段で選ばず、その商品やサービス、企業自体に価値を感じてくれているので、当たり前の事ではありますが、繰り返し購入してくれるリピートの傾向が高くなります。
また、リピート率が高くなることで新規顧客獲得のためのコストを削減でき、さらに売り上げの予測もしやすくなるため事業の安定性・持続性の向上に繋がります。
関連商品も購入しやすく購買単価が上がる
特定の商品やサービスのファンは、企業やブランドが持つ価値観・コンセプトに共感を抱く傾向があります。
そうするとその企業の他の商品やサービスについても興味を持ってくれるようになり、はじめは手を伸ばしていなかった高単価な商品やサービスを購入してくれる可能性も高まります。
この商品も顧客の期待に応える事ができればさらに異なる商品も購入してみようというサイクルが生まれる事も期待できます。
結果、顧客の購入単価が向上していきます。
口コミや紹介をしてくれる強力な宣伝効果がある
商品やサービスに愛着を持つファンは、その商品の魅力を多くの人に知ってもらうため、SNS等で口コミや商品情報を発信し、他社にシェアする傾向があります。
結果、新規顧客を獲得してくれるので、ファンが増えれば増えるほど大きな利益が期待できます。
自社に代わってカスタマーサポート(Q&A)をしてくれる
熱心なファンが増えれば顧客同士が商品の活用法や疑問点を解消してくれる可能性が高く、カスタマーサポートとしての役割を担ってくれることが考えられます。
企業としての問い合わせ窓口も必要ではありますが、顧客同士が教えあう事でコストをかけずにサポートが循環する体制が構築されます。
特に熱心なファンはSNSで商品・サービスの使い方や問題解決方法を紹介してくれるケースもあるので、宣伝や教育効果も期待できます。
リアルで熱のこもった良質なフィードバック(回答)を得られる
ファンからの口コミやレビューは良質なフィードバックにもなっています。各ブランドを持つ企業は、顧客へのインタビューなどを行い、それによって広告などの宣伝活動に活用します。この際、顧客の視点で価値を語ってくれることで、見込み客にも良さが伝わりやすくなります。
そのため、中長期的に利用している熱心な顧客からの視点で、良質なフィードバックを得られることは、今後の改善や方針の決定に非常に役立ちます。この改善点を元に商品の改良を続けると、よりファンからの支持を多く受ける事に繋がり、好意的な口コミやレビューも増えていきます。
顧客のファン化による企業のデメリット
このように顧客のファン化には多くのメリットがありますが、デメリットももちろん存在します。
ファンを形成するためには時間と労力がかかる
顧客にファンになってもらうまでに多くの時間と労力が必要となります。ファン化の施策を始めてすぐに効果が出る事は稀で、そう簡単には成功しません。
ファン化のためには、顧客にとって良い商品があるのは前提で、ストーリーによる共感やイベント、コミュニケーションを通じて、ブランドに巻き込みながら体験を提供していく必要があります。こうして多くの時間と労力をかけてストーリーが形成された場合、その理念や価値観に共感してファンになってくれるユーザーが出てきます。
忍耐強く、長期的な視点で戦略を考えで施策を取っていく事が重要になります。
ファンが批判側になるリスクがある
時間と労力をかけてファンが生まれたとしても、予測できないような炎上リスクも存在します。
例えば、創業者や社員の価値観・人柄に惹かれてファンになったとしても、隠された裏側の事実を知ることで幻滅されてしまい、批判側に回ってしまう可能性があります。
中長期的なファンは思いやりが強い分、一度ネガティブな感情が生まれると商品やサービスに対する批判的な発信を行うようになってしまう事が考えられるでしょう。
発信する情報や炎上後の対処法を事前に考えておく事が重要です。
このようなデメリットを理解して顧客のファン化の施策を行うことが重要です。
顧客のファン化を目指す際のポイント
当然のことですが、顧客がまた利用したい!と思い、ファンになってもらうには満足度を高める事が重要です。ここからは顧客のファン化を進める戦略として重要な「顧客満足度の向上」のポイントをご紹介していきます。
満足度を高めたい顧客像の明確化
幅広い顧客ではなく、重点的に満足度を高めたい顧客層を明確に定める事は非常に重要です。
幅広い顧客に対するアプローチは多くのコストがかかります。
また、全ての顧客へ平等にアプローチを行う企業の姿勢は、顧客に「自分は大勢の顧客の中の1人」という印象を与えてしまい、特別だと感じられる他社の商品・サービスに移ってしまいます。
ピンポイントな顧客層にアプローチすることで企業と顧客の関係性の強化につながっていきます。
求められる満足感の把握
満足感は支払った金額よりもその商品やサービスから得られた価値が上回った時に生じていきます。
求められる満足感を把握して、商品・サービスの品質の確保をする他、購入前後のフォローを実施することも顧客の満足度を向上させる上で非常に重要です。
顧客との会話やSNSで発信された情報などを元に求められるものを把握し、顧客に対して付加価値を与える事が顧客のファン化に繋がっていきます。
信頼感を与える
企業への不信感はファン離れに直結します。
顧客に対して常に誠実であり、それを示すことが重要です。
顧客のクレームや不満などを真摯に受け止め、それに対する施策や回答を伝える事で誠実さを示すことができ、信頼を得る事に繋がっていきます。
顧客のファン化までの具体的な手段
パーソナライズドマーケティングの導入
顧客のファン化においてパーソナライズドマーケティングを導入する事は有効的です。
例えば音楽配信サービスのSpotifyにはユーザーの好みに合わせた音楽のプレイリストを自動で作成してレコメンドしてくれるというパーソナライズド機能があります。
ユーザーの好みだけでなく好みが似ている他のユーザーの聴いた曲も紹介してくれるため自分好みの新しい曲を発見できるとして多くのファンがついています。
このように、ユーザーは自分に合ったレコメンドを紹介してくれるサービスや会社に対して愛着を感じたり、自分にとって有用だと考えてファンになる傾向があります。
個人に合わせた質の高いパーソナライズサービスはユーザーのロイヤリティが高まり関係性が強固にしていくため非常に有効な手法だといえます。
リファラルマーケティングの活用
リファラルマーケティングは一般のユーザーが他のユーザーに向けて商品やサービスを紹介する手法です。
紹介された商品やサービスを他のユーザーが利用・購入することで、紹介したユーザーにお礼として対価が払われます。
リファラルマーケティングは実際に商品・サービスを体験した人の感想であるため、情報の信頼性は高い水準で担保されます。
また、紹介された側は信頼できる人からの紹介であれば購入率が高くなる傾向があり、結果ファンになる可能性も高まります。
ユーザーコミュニティの形成
ユーザーコミュニティは、ある特定のサービスや商品について、ユーザー同士あるいは提携企業を集めて情報共有するコミュニティです。
ユーザーコミュニティで議論されたことが商品改善へ行かされることで顧客は自分も商品に関わっている特別感が生まれます。
結果企業にも愛着や信頼が生まれ、顧客のロイヤリティが向上することになります。
イベントやプレミアム特典の提供
イベントやプレミアムの特典は顧客のファン化に非常に有効な手段です。
特別なイベントに参加したり、限定的な特典をもらえる事は顧客に特別感を与えるため、結果として顧客のファン化に繋がっていきます。
顧客のファン化に成功した事例
株式会社スノーピーク
株式会社スノーピークはアウトドア用品のメーカーです。
スノーピークのスタッフとユーザーが共にキャンプを行う「Snow peak Way」というイベントを毎年開催しています。
スタッフが企画したイベントやワークショップを通してスタッフとユーザー、ユーザー同士の親睦を深める場であり、毎年話題になる人気のイベントです。
ポイントカード会員であれば誰でも参加できるイベントですが、「Snow Peak Way Premium」という上位会員イベントも開催されています。
ブランドの熱狂的なファンは限定的なプレミアムの高いイベントに参加することでより愛着が増えていき、長期的なパートナーとしてブランドを支えてもらえるようになりました。
スターバックス株式会社
スターバックスのオンラインコミュニティMy Starbucks Ideaは「お客様との心の絆を取り戻す」というコンセプトのもと実施されました。
自分のアイデアを投稿し、他のユーザーはそのアイデアに投票、そのアイデアをスターバックスが取り入れ実行できるというものです。
自身のアイデアが採用されるかもしれない、投票したものが実現されるかもしれない、といったように自身が商品開発に参加しているような体験を与える事で特別感を与え、顧客との関係・絆が強化されました。
また、顧客の望むことをデータベースに落とし込み顕在化させたことで商品・サービス、マーケティングに関する顧客のインサイトを抽出しやすくし、改善につなげる事ができるようになり、結果として業績の回復に大きく貢献しました。
顧客のファン化状況や効果を評価するには?
ここまで顧客のファン化のための施策や成功事例をご紹介してきました。ここからは顧客のファン化・効果に関する評価方法についていくつかご紹介していきます。
この方法で評価し、改善を行うことで更なる顧客のファン化に繋がっていきます。
リピート購入率
顧客のファン化の効果を評価する一つの方法は、リピート購入率があります。
ファン化された顧客は継続的にブランドの製品やサービスを購入する傾向があるので、その割合や頻度を追跡し、前後の比較を行うことで効果を評価できます。
NPS(ネットプロモータースコア)
NPSは顧客の口コミや推奨を評価する指標です。例えば顧客に「友人や同僚に推薦する可能性はどれくらいありますか」という質問をし、得られた回答からNPSスコアを算出します。
高いNPSスコアは、ファン化の効果を示す重要な指標となります。
顧客のファン化についてのまとめ
ここまでの内容をまとめてみます。
- 顧客のファン化は、顧客が企業やブランドに対して強いサポートや愛着を持つ状態
- ファンは企業の存続に大きな影響を与え、その存在は企業にとって欠かせない
- ファン化した顧客は通常の顧客よりも継続的かつ長期的な関係を築く傾向がある
- ファン化の施策を始めてすぐに効果が出る事は稀で、時間と労力が必要
- ファンが増えれば増えるほど大きな利益が期待でき、新規顧客を獲得する可能性も高まる
- ファンからの口コミやレビューは良質なフィードバックになり、商品改善や方針決定に役立つ
- ファン化には満足度を高める事が重要で、重点的に満足度を高めたい顧客層を明確に定める事が重要
- 顧客の満足感を把握し、商品・サービスの品質の確保をする他、購入前後のフォローも顧客満足度を向上させる
- 顧客に対して常に誠実であり、顧客のクレームや不満などを真摯に受け止め、その対応によって信頼に繋がる
- パーソナライズドマーケティングの導入は、顧客のファン化に有効で、ユーザーは自分に合ったレコメンドを紹介してくれるサービスや会社に対して愛着を感じたり、自分にとって有用だと考えてファンになる傾向がある
今回は顧客のファン化の重要性やメリット・デメリット、施策の手法、評価方法をご紹介しました。顧客のファン化を行うには、時間と労力、資金的なコストは必要です。粘り強く真摯に取り組むことで大きなリターンが期待できるため、顧客のファン化は企業にとって取り組むべき施策であるといえます。
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NOKID Lab「顧客のファン化とは?ブランドにとっての効果や手法まで紹介」株式会社NOKID、2023年6月30日公開(2026年11月1日更新) https://nokid.jp/blog/6671/
キャラクターIPの専門メディア NOKID Lab の編集部です。アニメーションとキャラクター制作を手がける株式会社NOKIDの知見をもとに、IPの起用事例やコラボ・ライセンスの実務、業界の動きを解説しています。



