
ブランドの帰属意識を高める上で、コミュニティ作りに注目が集まっています。コミュニティを作るためには、NFTを会員権として活用したりイベントを開催することが挙げられます。ですが、コミュニティは共通点を持つ人々の繋がりを意味するため、ブランド側が一方的に集まりを作っても意味がありません。
つまり、コミュニティメンバー同士が主体的に発信し合って、交流を図れることが大切だということです。このようなコミュニティを運営する上で、適したコミュニケーションツールとなっているのがDiscord(ディスコード)です。
今回は、Discordを活用して"コミュニティをどのように作るのか"を紹介していきます。企業として、顧客同士が交流を図り帰属意識を高める方法を知りたい場合は参考にしてみてください。
他にも、PR活動やマーケティング施策としてDiscordをどのように取り入れられるかを紹介していきます。
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目次
Discord(ディスコード)はコミュニティ運営に適したツール
Discord(ディスコード)とは、アメリカ合衆国で開発された「ボイスチャットサービス」です。
テキストでのチャットだけでなく、音声でのボイスチャット、Webカメラを通してのテレビ電話にも対応しており、1対1の会話はもちろんのこと、大人数でのコミュニケーションツールとしても利用可能です。
高品質なビデオ通話でありながらタイムラグが発生しないことがDiscordの特徴で、2015年のリリース以来、ゲーマーの間で人気となりました。
PlayStation 5のコンソールにもボイスチャットを実装する動きがあり、ゲーム業界全体で注目されていることがわかります。
近年では企業がテレワークの手段として活用したり、ファンコミュニティやオンラインサロン、ウェビナーなどでも利用されるようになってきており、ゲーム業界以外にもDiscordが徐々に広まってきています。
参考:Discord
Discordで出来ることは?

Discordは、「サーバー」と呼ばれるグループの中に、細かくチャンネルを作り、招待されたユーザー同士でボイスチャットやテキストでのチャットを楽しむことができます。
Discordで出来ることは以下が挙げられます。
- サーバーを立てて役職を割り当てられる
- テキストチャットが楽しくなる絵文字がある
- ボイスチャットのボイスチェンジャーで声を変えられる
- ダイレクトメッセージで個人間のやり取りが可能
社内コミュニケーションツールとしては、SlackやChatWork、Teemsなどが使われることが多いかもしれません。ですが、Discordにもほとんどの機能が備わっており社内ツールとしても問題なく活用が可能です。
順に見ていきましょう。
サーバーを立てて役職を割り当てられる
サーバーでは「ロール(役職)」を作成してメンバーに割り当てることができ、ロールごとに「サーバーの管理」、「メッセージの管理」といった権限を設定できます。
テキストチャットが楽しくなる絵文字がある

テキストチャットでは、オリジナルの絵文字を登録することができます。無料のものから有料のものまで、さまざまな種類が存在しており、「文章だと冷たい印象を持たれてしまう」といった心配もありません。
また、大人数のサーバー内では発言が流れてしまいがちですが、スレッド機能を活用することで、トピックごとにメッセージのみを集められます。スレッドの名前を設定して何のトピックなのかを明確にすることもできるため、企業間のプロジェクト進行にも最適です。
他にも、"発言を黒塗りで隠せる"といったネタバレ防止に使える「スポイラータグ」という楽しい機能まであります。やり方は、以下のテキストをメッセージ入力欄に入力することで使えます。
ネタバレ防止機能の使い方
「||」で囲う:||あいうえお||
「/spoiler」と入力する:/spoiler あいうえお

上図のように、|| で囲った文字列を発言すると"黒塗りでテキストチャットに表示"されます。内容を見るときは、クリックすれば表示されます。
このように、コミュニケーションが楽しくなるような機能も多く存在しています。
ボイスチャットのボイスチェンジャーで声を変えられる
上質なボイスチャットとビデオ通話機能が備わっており、ストレスなくコミュニケーションを図ることが可能です。個人間での通話や、グループ通話なども可能です。
また、「iMyFone MagicMic」というボイスチェンジャーを使うことで、コミュニケーションを楽しくしたり、プライバシーを守ることもできます。
ダイレクトメッセージで個人間のやり取りが可能
Disocrdでは、フレンド追加されているか同じサーバーメンバーでなければDMを送ることができません。こうした仕様によって、無関係の相手から個別の連絡が来ることを抑制できるようになっています。
当ブログを運営するNOKIDでも、社内コミュニケーションツールとしてDiscordを活用しています。
なぜDiscordがコミュニティ作りに適しているのか?
数多く存在するコミュニケーションツールの中で、Discordがコミュニティ作りに適している理由は、ユーザーが自然と参加したくなるような仕掛けが作れるからです。そのカギとなるのがbotによる機能拡張です。
例えば、発言を繰り返すとレベルが上がり優遇されることで、自然とユーザー同士が交流をしやすい環境を作れる点などです。
- botによる手軽なカスタマイズ性
- サーバーブーストによる優遇措置
botによる手軽なカスタマイズ性
具体的なbotの例を挙げると、コミュニティに参加したユーザーに自動で対応を行うMEE6やDiscord内でアンケートを取れるSimple Poll、自動翻訳を行うDiscord Translatorなど、多数のbotが公開されています。
MEE6は、サーバー(コミュニティ)に入ってきた新規ユーザーへ自動で対応することができます。ウェルカムメッセージを自動で送ったり、役職の付与したり、発言の量によって対象ユーザーのレベルが上がる機能などがあります。
このようにエンジニアでなくとも手軽にカスタマイズして使いやすくできる点も魅力です。
参考:Explore millions of Discord Bots & Servers
サーバーブーストによる優遇措置
サーバーブーストとは、「使用されたブーストの数に応じて、サーバーの機能が拡張される」という機能です。サーバーのレベルを上げることで、レベルに応じて各機能が使用できるようになります。具体的には、以下の図をご覧ください。

このように、コミュニティ(サーバー)へ参加したユーザーが優越感を感じられたり、一定の熱狂的なユーザーだけしか発信しないことを仕組みとして防ぎやすくできるため、コミュニティ運営に適しているのです。
Discordの成り立ち
創業者のジェイソン・シトロン氏は、スマホ向けゲームにコミュニティ機能を追加できるサービス『OpenFeint』で創業しました。
OpenFeintは2011年に日本のグリー株式会社に1億4000万ドルで売却、その資金で2012年にゲーム開発スタジオ『Hammer & Chisel』を設立しました。
MOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)を制作するも商業的な成功はできませんでした。
しかしシトロン氏は、ファイナルファンタジーXIVやLeague of Legendsなどのゲームで、既存のVoIPソフトウェア(インターネットやイントラネットなどのIPネットワーク上で、音声による通話を実現する技術のこと)を使用してのチーム戦術が、タイムラグや通話品質の問題でとても難しいことに気がつき、2015年にDiscordをリリースしました。
Twitchのユーザーやゲームコミュニティを中心に広まり、多くのゲーマーによって利用されるようになりました。現在では、ゲーマーだけでなくテレワークや友人とのコミュニケーションツールとしての利用ユーザーが増加しています。
Discordで運営しやすいコミュニティの種類
Discordを活用したコミュニティとして、以下の活用方法が挙げられます。
- ファンコミュニティを運営する
- オンラインサロンを運営する
- ウェビナーを運営する
Discordを最大限活用してコミュニティを運営するには、タイムラグが少ない高品質なボイスチャット機能を使って、リアルタイムで速報性のあるコンテンツでの施策がマッチします。
例えば、スピーチや会見をリアルタイムで翻訳・通訳するコンテンツや、有識者が解説するようなコンテンツ、スポーツの試合をリアルタイムで解説する、映画の解説など、ライブ配信に近い形かつ、相互コミュニケーションを円滑に取れる形が、Discordの機能を活かした施策に繋がります。
ファンコミュニティを運営する
ファンコミュニティであれば、ファン同士が集まり交流する場として活用したり、抽選で当選したユーザーのみがボイスチャットをできるなど、いわゆるオンラインサイン会のような形で活用することができます。
自社サービスやブランドにフォーカスして、ユーザー同士がディスカッションできる場を提供し、プロダクト側とユーザー側との繋がりを持つというのも施策の一つです。
ゲーム企業が運用するサーバーでは数千人規模のコミュニティもあり、大規模なオンラインイベントにもDiscordは有効です。
オンラインサロンを運営する
オンラインサロンを運営する場合は、大人数でのライブチャット機能やユーザーごとの権限設定によって快適に運営できます。また、サロン加入者が簡単に登録してサーバーに参加できるという点も大切になります。
また、オンラインサロンは参加ユーザーとのコミュニケーションで場の空気が作られていきます。そのため、
リアルタイムでオンライン中のユーザーが分かり、リアルに近いライブ感を感じてもらいやすい仕様は、雰囲気づくりにも役立ちます。
ウェビナーを運営する
ウェビナーを運営する場合は、サポートスタッフの権限を設定したり、オンラインサロン同様にライブチャット機能で快適に運営できます。
また、ウェビナー終了後もサーバー内でコミュニケーションを取りやすい状態を維持できるため、開催後のフォローがしやすいと言えます。
オンラインサロンやウェビナーも同様に該当ユーザーを限定的に招待することで、Discord上でコミュニケーションを取る形で運営可能です。
関連記事:セミナーを売上に最大限つなげるためには?対面型とオンラインの違いやメリットを紹介
Discordでコミュニティを作るメリット

Discordでコミュニティを構築する一番のメリットは、低コストでオンラインコミュニティを作ることができる点です。サーバーは無料で立てることができ、必要に応じてbotなどの機能に課金することで、運用コストを抑えることが可能です。
また、複数の言語をコミュニケーションを1つのサーバーの中でで運用することができます。
ユーザー間で招待しやすいのもDiscordの特徴で、運用次第では集客ツールとしての機能も果たしてくれます。
参考:Community Onboarding FAQ - Discord
Discordでコミュニティを作るデメリット
商品やサービス、プロダクトのマーケティングキャンペーンにてDiscordを活用する際には、DiscordそのものがTikTokやインスタグラムのようなソーシャルネットワークとして開発されたプラットフォームではないことがデメリットとなります。
全世界で月間アクティブユーザーは1億5000万人を超えるサービスではありますが、ユーザーは数千ものサーバーに散在しているため、そもそもの知名度やニーズがないプロダクトや企業によるリーチは困難となります。
また、DiscordにはInstagramでいう発見タブや拡散機能がなく、広告配信などもできないため、自身が立ち上げたサーバー以外でマーケティングキャンペーンを遂行することが難しいサービスでもあります。
後述する他クリエイターの人気サーバーを利用して商品紹介を行う、フリップス社のようなマーケティング施策も可能ではありますが、ターゲティングや分析を細かくできない点に注意が必要です。
サーバーの参加状況から大まかにどのセグメント層が参加しているのかはわかりますが、実際に誰にどれくらいリーチしたのかを測定したり、ジオターゲティングなどを行うことはできません。
Discordの活用事例
J-WAVE「Tokyo Young Boss」

2022年12月に、J-WAVE(81.3FM)のインターネットオーディオ事業を担うJAVEによるデジタル音声コンテンツ配信サービス「SPINEAR」では、ポッドキャスト『Tokyo Young Boss』のDiscordコミュニティを開設しました。
『Tokyo Young Boss』は、Z世代を代表するモデル兼起業家として活躍する長谷川ミラ、佐藤マクニッシュ怜子が届ける、おしゃべりポッドキャストです。
トークの内容は恋愛相談から上司の愚痴、自分のセクシャリティについての悩みや、起業の具体的なアドバイスまで幅広く展開し、18〜27歳の女性リスナーを中心に支持を受けています。
Discordサーバーでのコミュニティ特典として、ここでしか見ることのできないオフショットや、動画の投稿などが行われている他、今までに送られてきたメッセージの中に多くみられたカテゴリーをチャンネルに設定し、『Tokyo Young Boss』リスナーが交流しやすい環境を作りました。
HOT TOPIC(ホットトピック)

「ホットトピック」は、アメリカのポップカルチャーグッズの販売チェーンで、全米で800以上の店舗およびECプラットフォームを展開しています。
日本でもポップアップストアが展開されるなど、人気のブランドとなっています。
ホットトピックが立ち上げたのは、自社のサービスとは関係のないコミュニティサーバーで、アニメにフォーカスしたDiscordサーバー「アニメ&ビヨンド(Anime & Beyond)」を立ち上げました。
ホットトピックの商品を購入しているユーザーと親和性の高いジャンルのサーバーを立ち上げ、コミュニティを活発化させることにより、自社の新商品やアイテムを発表できる場となりました。
Nestle「Flipz(フリップズ)」

Nestle社によって誕生したチョコプレッツェルブランド「Flipz(フリップズ)」は、ホットトピックのようにDiscordサーバーを立ち上げるのではなく、人気サーバーとコラボすることで自社の製品をPRしていきました。
各サーバーに配備されている自動化ゲームを利用し、ユーザーはDiscordのボットを相手にジャンケンをし、勝つと景品としてFlipzを1袋もらえるというものでした。
出典:Brands are tiptoeing into Discord - Modern Retail
コミュニティ形成の企画を外注する
Discordを活用したコミュニティ作りの企画は、動画制作だけでなくNFTを活用したコミュニティ作りを支援している当ブログを運営するNOKID(ノーキッド)がおすすめです。おすすめのポイントは以下のような点です。
1.2,000名を超えるNOKID審査基準を満たしたクリエイターによる幅広いテイストへの制作対応力

アニメーションという表現方法の中にも、スライドに動きをつけたものから3DCGを活用したもの、セル画など多岐に渡るテイストがあります。NOKIDでは、独自審査を通過したクリエイターによって幅広い要望にお応えできます。
2.PR方法までを考慮した"作るだけではない"動画企画・制作力
動画を制作する場合には、要望通りに動画を制作することだけでは効果を発揮しないことが多くあります。NOKIDでは、動画の活用目的に沿った構成や表現を計画しております。
例えば、TikTokであれば認知に適したアルゴリズムになっておりユーザーが次々と動画をスワイプして観ていきます。そのため、冒頭の2〜3秒で注意を引くためのアイデア、PRに繋げるためにどのような情報を発信すべきかといった"ビジネス視点とクリエイティブ視点"のバランスを意識しております。
反応が取れるからといって、ビジネスにまったく繋がらない「奇抜な投稿」では制作費用を掛けても企業の価値が上がることはほとんど考えられません。
3.イベント・プロジェクト企画からPRまで対応可能な企画力

イベントの成功には、どれだけの見込み客にイベントを知ってもらい、興味を持ってもらえるかがカギを握ります。素晴らしいイベントであったとしても、上手くPR活動を行わなければ知られることはなく盛り上がりにかけた状態で終了を迎えます。
NOKIDでは、どのようにオンラインでイベントを認知させていくか、そのために適した動画はどんな内容にすべきか、といった企画から支援してきました。
アクセス数の経過報告により擬似的な行列を表現 イベントの魅力を随時発信することで認知を広げる
SNSを効果的に活用することで、イベント開催前から認知を広げるだけでなく、開催期間中にも飽きさせず盛り上がりを演出することで「参加はしていないユーザーにも興味を持つきっかけを作る」ことまで工夫を凝らしました。
4.NFTなどの最新技術をいち早く実行して蓄積された変化への対応力
NFTなどの最新技術も積極的に取り入れて、PRに活かすよう心がけております。上図のようにカンファレンスへも登壇することで情報の発信も行っております。
ぜひ、各サービスの詳細をご覧になって、どういった面でお役に立てるか確認してみてください。
Discordを活用したコミュニティ作りについてのまとめ
今回は、コミュニティ作りに適したツールである「Discord」について紹介しました。
・Discordは、アメリカ合衆国で開発された「ボイスチャットサービス」
・ゲーマー中心だったユーザーも、現在では幅広いユーザーのコミュニケーションツールとしての利用されている
・Discordでコミュニティを構築する一番のメリットは、低コストでコミュニティを作ることができる点
・サーバーは無料で立てることができ、必要に応じてbotなどの機能に課金することで必要なコストだけで運営できる
・ユーザーごとの細かい分析やターゲティングには向いていないため、あくまでコミュニケーションツールとして活用するのがおすすめ
ぜひ、ブランドのファンを一層盛り上げるためにも、イベントだけでなくDiscordを活用したオンラインコミュニティ作りも検討してみてください。
また、ブランドのPRやSNSでの投稿を考える際に役立つ資料を下記で公開しているので、参考にしてみてください。
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