
近年話題になっているNFT(Non Fungible Token)。
これまでは“販売する商品”としてのNFTに注目が集まっていましたが、現在では、NFTを中心とした“コミュニティ作り”という点に注目が集まっています。
コミュニティといえば、「オンラインサロン」が一般に浸透してきている中で、NFTという技術を使ったデジタルアートと、それに集まる人たちがWeb上で会するオープンな場となっており、日本でもすでに多くの人が参加しています。
ユーザーが情報取得だけでなくコミュニティ運営にも参加できるという点が特徴的ですが、新たなコミュニティビジネスの形としてこれからも注目度が上がっていくと言われています。
この記事では、そもそもNFTとは何か、という基礎的な情報から、NFTを活用したコミュニティ作りに関してご紹介していきます。
コミュニティをどのように運営するかは「Discordがコミュニティ作りに活用される理由とは?熱狂的なファンが勝手にできる仕組みを解説」がおすすめです。
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目次
NFTについて
そもそもNFTとは、Non Fungible Token(ノンファンジブルトークン)の略で、簡単に言えば「世界に一つだけのデジタル資産」のことです。
ファンジブルが代替可能という意味なので、ノンファンジブルは「代替不可能」、つまりそれぞれが固有で唯一無二の存在ということです。
NFTが注目を集める理由は、デジタルアセットを“所有”することができる点です。
従来、デジタルアセットは容易にコピーされ、オリジナルとの差異が認識できないため、その所有権を証明することができませんでした。
しかし、NFTはブロックチェーン上にデータを保持することで、デジタルアセットの所有権を確認できるようになりました。
NFTは、デジタルアートや音楽、ゲームのアイテムなど、様々なデジタルアセットに適用されます。
NFTを発行するためには、ブロックチェーン上でトークンを作成する必要があります。
このトークンは、デジタルアセットと一対一で対応しており、ブロックチェーン上に記録された情報に基づいて、オーナーシップを確認することができます。
NFTが話題になっている最大の理由は、前述した通り所有権が明確になることです。
これにより、保有だけでなく自分の所有物として他人に売買することが可能になりました。
この二次流通が可能になった点を踏まえ、NFTを保有する人たちで形成されたコミュニティが「NFT保有者限定のコミュニティ」です。
Discordについて
NFT保有者限定のコミュニティを作る場合によく使用されるのがDiscordと呼ばれるチャットサービスです。まずはこのDiscordについて説明します。
Discordは、アメリカで誕生したボイスチャットサービスです。
音声とテキストの両方によるユーザー間でのコミュニケーションが可能で、1対1だけでなく大人数でのやりとりにも対応しています。
主にオンラインゲームのプレイヤーが使用するサービスとしてアメリカを中心に人気を集めており、日本でもユーザー数が増加し話題を集めていますが、チャットサービスとしてのクオリティの高さや使いやすさなどから、ゲーマーだけでなく、NFTコミュニティを作成する際の主要なツールとして使用されるようになりました。
参照:Discord
Discordが人気の理由
招待制の「サーバー」でコミュニケーションが取れる
Discordでは「サーバー」という単位を用いて他のユーザーとコミュニケーションを取ることができます。
他のユーザーが作ったサーバーに招待してもらったり、自分で作ったサーバーにユーザーを招いたりして使用します。
このサーバーに、NFTを保有する人を招待したり、NFTに興味を持つ人が参加することが可能です。
1対1、少人数、多人数などさまざまな形でサーバーを作ることができる上に、NFT関連のやり取りから、趣味の繋がり、コミュニティ運営に関する業務連絡など幅広い用途で使用されています。
音声とテキストの両方でやりとりが可能
Discordは、音声を用いた「ボイスチャット」と文字を用いた「テキストチャット」の2種類に対応しています。
テキストチャットでは、チャンネルごとに名前を決めることで特定のテーマに関して書き込める掲示板のような使い方が可能です。
ボイスチャットでは音声通話だけでなくビデオ通話にも対応しており、同時通話人数は無制限で行えます。
シンプルで使いやすい操作性
デザインがシンプルで使いやすい操作性もDiscordの魅力の1つです。
少ないタップ数で目的の操作ができるようなデザインになっているので、ゲームをプレイしながらでも緻密な連携が取れるようになっています。
余計な広告表示もなく、視覚的にもストレスが少ないというのもユーザー数が多い理由と言えるでしょう。
メンバーの管理が楽にできる
Discordでは、作成したサーバー内のメンバー管理が楽なことでも知られています。
コミュニティ運営の業務連絡を各セクションに分けて行うような際でも、コミュニティごとに色分けをするなど視覚的にわかりやすくすることもできます。
NFTだけでなく、eスポーツ大会の運営にもDiscordが使われている理由としては、こういった使いやすさも挙げられるでしょう。
関連記事:Discordがコミュニティ作りに活用される理由とは?熱狂的なファンが勝手にできる仕組みを解説
NFTホルダー限定コミュニティとは
ここまでNFTとDISCORDをそれぞれご紹介してきました。
ここからは本題である、NFTのコミュニティ性に関してご紹介していきます。
改めて、「NFTホルダー限定コミュニティ」とは、売買可能で非代替性の“NFT”を所有する人々だけが参加できるコミュニティです。
該当NFTを保有する人だけが入れるオンラインサロンともいえますが、NFTを所有する人々が特別なアクセスや情報を共有することができる場所として機能します。
この種のコミュニティは、NFTアート、ゲーム、コレクターアイテム、仮想不動産など、様々な分野で見られます。
例えば、ある特定のNFTアートを所有する人々が参加するコミュニティでは、そのアート作品に関するディスカッションや、次の施策に関する意見交流などが行われます。
前述したように、似たサービスに“オンラインサロン”がありますが、参加方法やコミュニティの構造から大きく異なります。
まず、オンラインサロンの参加には、入会費や月額費用がかかることが一般的です。
また、オンラインサロンの運営者は参加者からお金をもらうため、「運営者」対「参加者」という構図ができあがりますし、退会しようとすると一定のルールに沿って退会手続きが必要です。
一方、NFTコミュニティでは参加するためにお金を払う必要はありません。
もちろんコミュニティを創設した人達はいますが、誰もがフラットに興味関心のある事についてチャットしたり、プロジェクトに参画したりすることができます。
いつでも参加できて、そしていつでも距離を置くことができるのもNFTコミュニティの特徴といえます。
NFTホルダー限定コミュニティのメリット
運営参加権
NFTホルダー限定のコミュニティは、運営者との距離感が異なるのが大きな特徴です。
運営者と参加者ではなく、参加者が運営に携われるのが一番のメリットともいえます。
後ほど事例をご紹介しますが、運営からの特典を受けることだけではなく、自分達で創出した価値を還元することが可能です。
限定アイテムへのアクセス
コミュニティに参加することで、そのNFT保有者にのみ提供される限定アイテムにアクセスすることができます。
例えば、NFTアーティストが保有者限定のデジタルアート作品を作成した場合、そのNFTを保有する人々にのみ提供されることがあります。
特別なアクセス権限が得られる
NFT保有者限定のコミュニティに参加することで、そのNFTに関する特別なアクセス権限や情報にアクセスすることができます。
例えば、NFTアート作品を所有している人は、そのアーティストの制作過程や、限定アート作品の入手方法など、一般の人々よりも詳細な情報を入手することができます。
コミュニティ内での交流
NFT保有者限定のコミュニティは、共通の興味を持つ人々が集まる場所です。
そのため、参加者同士で交流することができ、新しい友人やビジネスパートナーを見つけることもできます。
NFTホルダー限定コミュニティのデメリット
参加資格が制限される
NFT保有者限定のコミュニティに参加するためには、ある特定のNFTを所有している必要があります。
そのため、そのNFTを所有していない人は参加できないため、コミュニティへの参加資格が制限されることがあります。
情報の秘密性
NFT保有者限定のコミュニティは、限定的な人数のみが参加するため、そこで共有される情報やアイテムが秘密に保たれることがあります。
そのため、コミュニティに参加しない人々には、情報が不足する場合があります。
逆に情報が漏洩する可能性もあり、限定であることの価値が薄くなってしまう事例もあります。
コミュニティ内での競合
NFT保有者限定のコミュニティには、同じNFTを所有する人々が参加しているため、コミュニティ内で競合することがあります。
例えば、NFTアート作品を所有している人々が、そのアーティストから限定アート作品を入手するために競合することがあります。
NFTコミュニティ施策事例
次に、ユニークなNFTコミュニティの事例を二つご紹介します。
デジタル村民
新潟県長岡市にある山古志地域(旧山古志村)は、2004年の新潟中越地震以降、急激に人口が減少しました。
その結果、約2,200人いた地域住民は約800人になり、高齢化率が55%を超えるなど、地域は存続の危機に。
そんな中で2021年12月から取り組まれたのが、山古志村が発祥である「錦鯉」をシンボルにしたNFTアート「Colored Carp」の発行です。
このNFTは、同地域の「電子住民票」の意味合いも兼ねたものです。
定住人口にとらわれずにグローバルな「デジタル関係人口」を生み出し、NFTの販売益をベースに独自の財源とガバナンスを構築することで、持続可能な「山古志」を誕生させることが狙いだといいます。
現在は、リアルな人口を超える900人以上もの「デジタル村民」が世界中に誕生しており、Discord上のコミュニティでは、地域を存続させるためのアイデアや事業プランについて議論が行われているそうです。
また2022年2月には、デジタル村民から具体的なアクションプランを募り、投票によって実行する施策を決定する「山古志デジタル村民総選挙」が実施され、「Colored Carp」第一弾セールの売上の一部を活動予算とする形で、当選した4つのプランを実行中です。
参照:デジタル田園都市国家構想
盆栽を学ぶ
NFTを活用してコミュニティを形成し、国内の盆栽市場の課題に向き合いながらその魅力を海外に届けるプロジェクト、「BONSAI NFT CLUB」。
盆栽業界では、すでに国内外で市場があるものの、盆栽農家の高齢化に伴って海外輸出に積極的に取り組めないという課題が存在しています。
そこで、NFTホルダーでコミュニティを形成し、参加者がそれぞれ盆栽を育成、海外へ輸出するという試みを行っているのがこのプロジェクトです。
具体的には、まずBONSAI NFT CLUBのNFTを購入すると、自宅に本物の盆栽が届きます。そして、育成方法が共有されるDiscordのコミュニティに参加し、ホルダーが盆栽について学びながら育成するという仕組みです。
このBONSAI NFT CLUBが配布している盆栽は、すでに2000本以上の海外用盆栽の育成を経験されている、愛媛県の農業法人、赤石の泉さんにご協力いただいているとのこと。
現在、NFTは段階的に販売されており、初月に販売されたNFTによってコミュニティが形成され、次回の販売時には、コミュニティメンバーがNFTの展開をともに企画したり、新たなプロジェクトに販売益を投資したりといったことが行われるといいます。
参照:NFTを買うと本物の盆栽が送られてくる「BONSAI NFT CLUB」が、第二弾となる8031体のNFTプロジェクト「BONSAI NFT FARM」を10月18日にリリース
NFTホルダー限定コミュニティについてのまとめ
NFTを活用したコミュニティづくりに関して説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
単純に売買を行うための商品ではなく、コミュニティ作りのためのNFTという立ち位置が、これからのファンビジネスの主流となる日も近いと言われています。
コミュニティ内で恩恵を受けるファンが、自ら運営にも携わり更にプロジェクトを拡大していく。
今までのコミュニティビジネスとは、視点が異なるコミュニティビジネスといえるでしょう。
自社サービスのファン拡大のミッションを背負っている方は、ぜひNFT保有者限定のコミュニティ作りに挑戦してみてください。
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