NOKID編集部
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プロジェクターを使用して、建物等の立体物に映像を投影する「プロジェクションマッピング」。
このプロジェクションマッピングが新しい表現方法と言われ始めてから随分と時間は経ちますが、技術の発展と共に、今なお集客や商品PRなど、様々な場面でプロジェクションマッピングを目にする機会が増えています。
東京ディズニーランドのシンデレラ城や、東京駅でのプロジェクションマッピングなど、みなさんも記憶にある事例があるのではないでしょうか。
この記事では、プロジェクションマッピングとは何かを説明しながら、その仕組みや活用事例をご紹介していきます。
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プロジェクションマッピングは、リアルとバーチャルを融合させた映像技術のことです。
一番の特徴として、建物や樹木、空間などの立体物をスクリーンとして使用し、映像を投影する点が挙げられます。
平面と違って凹凸のある立体的な建物に映像をピタリと張り合わせるのは一定の技術が必要ですが、うまく重なり合うと息をのむ美しさが広がるため、プロジェクションマッピングはSNSなどで拡散されやすく、広告効果が高い点がメリットです。
各地でプロジェクションマッピングを活用したイベントの開催が増加していますが、国内でプロジェクションマッピングが広く認知されたきっかけは、東京駅丸の内駅舎保存・復元完成後に実施された「TOKYOHIKARI VISION」といってもいいでしょう。
観客が集まりすぎて車道に溢れ危険な状態になったため、途中で中止となってしまったイベント。
いかに注目度が高かったイベントかが分かりますね。
そんなプロジェクションマッピングですが、スケールが大きい立体的な映像表現ができる点から、複雑な仕組みが必要だと思われるかもしれません。
しかし、実はその仕組みは至ってシンプルです。
プロジェクションマッピングは、スクリーンとなるものの形状に合わせた映像を制作し、プロジェクターでその制作した映像を投影してスクリーンと合わせることで成立させます。
必要な機材としては、①プロジェクター ②プレイヤー の2つがあれば、プロジェクションマッピングは完成します。
プロジェクターに関して、実はプロジェクションマッピング用のプロジェクターというものは存在せず、学校や会議で使用されているものと同じプロジェクターでも問題ありません。
しかし、前述した東京駅の事例のように、大きな建物に映像を投影するためには高精度のプロジェクターが必要となりますので、高額なプロジェクターが必要となります。
プレイヤーとは、映像を再生するための機械のことです。
プレイヤーにはさまざまな種類があり、PCに専用のアプリケーションを入れたものや、高度な画像補正に加え動画編集までできる高性能なメディアサーバという専門の機材もあります。
どんなにスクリーンの形状と同じ形に映像を制作しても、プロジェクターの投影位置やレンズの歪みなどでずれてしまいます。
これをプレイヤー(映像を再生する機械)などで補正してスクリーンに合うように(マッピング)しています。この補正技術が充実したことにより、複雑な形にもマッピングできるようになりました。
ここで、プロジェクションマッピングの作品を3つご紹介します。
東京2020オリンピックのセレモニーで行われた、パナソニックの高輝度プロジェクターを用いたプロジェクションマッピング。
津軽三味線の演奏、新体操のしなやかな踊り。それに呼応するプロジェクションマッピング。
3要素がきれいに織りなす映像美ですが、なんと実は、映像に合わせて人が踊っていたのではなく、超高速ダンスに映像が追従しているのです。
スポーツの祭典オリンピックのセレモニーですので、一番目立たせたいのはやはり選手。
選手のしなやか且つ高速の動きの美しさを引き出すという目的を達成するために活用された高技術プロジェクションマッピングです。
2017年11月26日(いい風呂の日)に公開された、「FUROjection TOYAMApping~風呂ジェクション富山ッピング~」。
富山県の北日本新聞社が制作したもので、実は銭湯とゆかりの深い富山県をPRしていく目的でプロジェクションマッピングを活用したとのことです。
銭湯全面に富山県の大自然をプロジェクションマッピングしたこの映像。
銭湯という文脈からは想像できない、120%の未来感溢れる作品にしあがっており、古くから庶民に親しまれてきた銭湯のイメージを大きく塗り替えるものとなっています。
ファッションブランド「ラルフ・ローレン」が、香水の新発売に合わせて行ったプロジェクションマッピングです。
ショップの外壁を活用して、実際のファッションショーのように、ラルフ・ローレンの洋服を身にまとったモデルたちが次々登場し、架空のファッションショーが行われます。
人物だけでなく実際の商品も投影されますが、なんとその際に本物の香りも使うという演出が話題に。
香りも使った4Dプロジェクションマッピングとして大きな話題を呼びました。
関連記事:PR目的のイベントを成功させるには?企画のコツや開催するメリットを解説
上記の例のように、企業がプロジェクションマッピングを活用する事例は増えてきていますが、その最大のメリットは、宣伝効果が計り知れないという点が挙げられるでしょう。
なぜ宣伝効果が高いのか。その要素は大きく分けると以下の2つに分けられます。
大きなインパクトが生み出されるポイントは、投影先となる建物や物体の特性によるものです。
単なる映像作品ではなく、建物の形状とそのストーリー性を組みあわせたプロジェクションマッピングを実施することで、活用する建物の大きさや知名度が高かったりするほど、より大きなインパクトや感動を与えることができます。
冒頭で触れた東京駅の事例はその良い例です。東京駅という誰しもが知っている歴史的建造物。
その背後には「東京駅が開業して100周年」というストーリーがあります。
東京駅の過去から現在、そして未来へのつながりを印象付けるという演出は、それまでの表現世界ではなしえなかったものであり、そのストーリー性と建造物の知名度により、多くの観客が殺到する事態となりました。
また、さらに多くの人は「目の前で繰り広げられるインパクトのある体験」をSNSにてシェアし、その興奮・感動を共有しようとします。
そのため、「その場にいない人」でもその体験を感じることができ、話題性が高まります。話題性があるとなれば、パブリシティにも取り上げられることとなり、高い広告効果を生むことも可能となるのです。
プロジェクションマッピングが、リアルとバーチャルの融合であるように「現実のイベント」を「バーチャルの世界」へ拡張させる力を潜在的に持ち合わせているのが「プロジェクションマッピング」の最大の強みだと言えます。
プロジェクションマッピングは3DCG映像が活用されています。AR・MRとの違いや基礎知識は「映像制作に活用されるCGとは?種類や制作会社を選ぶコツまで解説」をご覧ください。
プロジェクションマッピングは、目的に応じてさまざまな活用方法がありますが、
ここでは、特に相性がいいと思われるジャンルを2つ、事例と共にご紹介いたします。
まず、参考になるのが歴史コンテンツではないでしょうか。
歴史は過去に実際に起きたことでありつつ、一方、現代を生きる我々にとっては、ある種のファンタジー的要素を感じてしまいます。
そんな歴史的建造物を被写体にしたプロジェクションマッピングは、まさにリアルとファンタジーの融合であり、見る人々に大きなインパクトを残すことが可能です。
高野山の神秘的な雰囲気に投影する映像。
それに呼応するように僧侶が一斉にお経を読み上げる様。
仏教という古典宗教の歴史的背景と現代アートが織りなす様は、映像からでもその迫力が伝わってきます。
このイベントでは日本人観光客はもちろん、外国人観光客も多く訪れる結果になりました。
次にご紹介するのは、坂本龍馬とプロジェクションマッピングのコラボ。
高知県にある大河ドラマ『龍馬伝』の撮影セットを移築したパビリオンの展示として披露されたものです。
障子に対して坂本龍馬をイメージした映像を投影されたものですが、
幕末時代の和室の景観を利用したプロジェクションマッピングは他に類を見ない試みで、当時の現場を体感するかのような美しいビジュアルで観客を包み込みます。
このプロジェクションマッピングは展示物の一つではありますが、これを実施したことにより、公開前年比で1.2倍の入館数を記録したとのことです。
次にご紹介するのは、エンタメコンテンツにおけるプロジェクションマッピングの活用事例です。
音楽や映像作品などのエンタメコンテンツとプロジェクションマッピングは、融合すると一層のインパクトを残すため、よく活用されています。
例えば、きゃりーぱみゅぱみゅは20歳の誕生日に自身の楽曲である「つけまつける」に合わせて増上寺の山門にプロジェクションマッピングを行い、 つけまつげのような模様やきゃりーぱみゅぱみゅらしいポップな水玉模様を映し出し、観客を沸かせました。
この演出で話題にあがったのは、来場者や視聴者がきゃりーぱみゅぱみゅの呼びかけに応じてスマホを操作すると、本殿壁面のプロジェクションマッピングや東京タワーのライティングが変化するという、驚きあふれる空間になったことです。
事前に映像を作ってそれを立体物に綺麗に投影するだけではなく、一瞬一瞬の反応によって映像を投影・変化させるという前代未聞の試みで、当時大きな話題になりました。
次にご紹介するのは、番組内でのプロジェクションマッピングの活用例です。
2021年に12月に放送された「目撃!超逆転スクープ7 家族を引き裂く衝撃のミステリー事件簿」
実際に起きた過去の事件を深堀し、真相に迫るという番組です。
この番組が話題になったのは、番組内にプロジェクションマッピングを活用したことです。
内容を深掘りする際は事件のVTRを見るのが通常ですが、この番組はスタジオセット内に、当時事件現場を再現したプロジェクションマッピングを活用しました。
忠実に再現された当時の現場に入り込みリアルに体感できる映像に、出演した小島瑠璃子は「ボロ泣き通り越して、滝みたいに涙が出た」とコメント。
“体感できる”というプロジェクションマッピングの強みを活かした演出方法が話題となりました。
青森県弘前市で毎年開催される「弘前城雪燈籠まつり」内で、実施されたプロジェクションマッピング。
地元が舞台のアニメ「ふらいんぐうぃっち」の映像を、雪像に投影するという内容です。
ちなみに、アニメでは、弘前の建物や劇中が多く登場し、投影場所であった藤田記念庭園の洋館も、劇中に登場します。
劇中に登場する建物×アニメ映像という組み合わせは、プロジェクションマッピングの最大の魅力であるリアル×ファンタジーの融合という世界観にピッタリな組み合わせで、県外各地からのイベント集客に貢献したようです。
CG映像を活用したイベント事例は「【事例紹介】3DCG/VR/ARをイベントで活用した新たなプロモーション手法とは?」で詳しく解説しています。
PRイベントの企画は、動画制作だけでなく数々のイベントの認知拡大を支援してきた当ブログを運営するNOKID(ノーキッド)がおすすめです。おすすめのポイントは以下のような点です。
アニメーションという表現方法の中にも、スライドに動きをつけたものから3DCGを活用したもの、セル画など多岐に渡るテイストがあります。NOKIDでは、独自審査を通過したクリエイターによって幅広い要望にお応えできます。
動画を制作する場合には、要望通りに動画を制作することだけでは効果を発揮しないことが多くあります。NOKIDでは、動画の活用目的に沿った構成や表現を計画しております。
例えば、TikTokであれば認知に適したアルゴリズムになっておりユーザーが次々と動画をスワイプして観ていきます。そのため、冒頭の2〜3秒で注意を引くためのアイデア、PRに繋げるためにどのような情報を発信すべきかといった"ビジネス視点とクリエイティブ視点"のバランスを意識しております。
反応が取れるからといって、ビジネスにまったく繋がらない「奇抜な投稿」では制作費用を掛けても企業の価値が上がることはほとんど考えられません。
イベントの成功には、どれだけの見込み客にイベントを知ってもらい、興味を持ってもらえるかがカギを握ります。素晴らしいイベントであったとしても、上手くPR活動を行わなければ知られることはなく盛り上がりにかけた状態で終了を迎えます。
NOKIDでは、どのようにオンラインでイベントを認知させていくか、そのために適した動画はどんな内容にすべきか、といった企画から支援してきました。
SNSを効果的に活用することで、イベント開催前から認知を広げるだけでなく、開催期間中にも飽きさせず盛り上がりを演出することで「参加はしていないユーザーにも興味を持つきっかけを作る」ことまで工夫を凝らしました。
NFTなどの最新技術も積極的に取り入れて、PRに活かすよう心がけております。上図のようにカンファレンスへも登壇することで情報の発信も行っております。
ぜひ、制作実績をご覧になってどういった表現ができるかを確認してみてください。
技術の発展とともに様々な可能性が広がりますが、重要なのは“何を伝えたいのか”ということです。
この部分を引き立たせるからこそ意味をなすデジタル技術。
今後更に登場してくるであろう、プロジェクションマッピングを活用した事例が今から楽しみです。
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