採用動画を制作しても応募が得られない場合、その原因は内容の考え方や制作手法に原因がある場合がほとんどです。適切な内容と効果的な制作を行うことで、応募者の興味を引きつけ、採用の成果を上げることは有名企業でなくても実現できます。
近年、多くの企業が採用動画を作成していますが、それにもかかわらず応募が増えないという悩みを抱える人事担当者は少なくありません。なぜ採用動画を制作しても応募が来ないのでしょうか?
採用動画の制作においては、単に企業のPRや仕事内容を紹介するだけでは十分ではありません。応募者に訴求するためには、魅力的なストーリーテリングや視覚的な表現、応募者の関心を引く要素が必要です。
また、応募者の価値観を理解し、それを考慮したコンテンツを提供することも重要です。
この記事では、採用動画の制作における内容の考え方や効果的な制作事例について詳しく紹介します。成功事例を通じて、応募者の心をつかむためのアイデアやテクニックを学びましょう。
採用動画を制作しても応募が来ない場合には、今一度、内容の見直しや新たなアプローチを検討することが必要です。採用の成果を最大化するために、適切な内容と魅力的な制作に取り組みましょう。
採用動画は、応募者に「この会社へ入りたい」と思ってもらう必要があります。そのためには、感情を刺激できる企業独自のストーリーや想いが必要です。具体的な制作時のコツは「ブランディング動画で感動を与えるには?効果・活用方法・作り方のコツを解説」も目を通してみてください。
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現在の採用は売り手市場
近年の求職求人市場は売り手市場といわれており、企業の求人数に対して、求職候補者が少ない状態となっています。
企業が求職者を選ぶのではなく、いかに求職者に選ばれる企業になるのかが大事になってきます。
企業が掲げるミッション、ビジョン、バリュー、社会貢献から、福利厚生や社内イベント、社内の雰囲気などを発信し、求職者に「この企業で働きたい」と感じてもらえることで、企業への応募数が多くなり、それにより優秀な人材からの応募も得ることができます。
採用動画とは
近年の採用活動において「採用動画」を制作する企業が多くなってきています。
採用動画は、企業が求職者に向けて制作する、会社の雰囲気や文化、仕事の魅力などを伝える動画のことです。
企業の採用ページや求人広告などを見ただけでは、どんな経営者が何を目指して事業を進めているのか、社内の雰囲気は自分に合っているのか、自信のキャリアップに繋がるのかどうかが分からず、不安になってしまう求職者も多くいます。
テキストだけでは伝わらないことも動画にすることで、企業の魅力を求職者に簡単に伝えることが可能です。
また、各種SNSでの拡散はもちろんのこと、YouTubeやTikTokでの動画戦略で採用の応募を増やすことに成功した企業も多いです。
求職者が集まらない、せっかく採用してもすぐに退職してしまうなど、採用で困っている方はぜひ採用動画を検討してみてください。
採用動画のメリット
求職者の関心を引きつける
採用動画は、映像や音声などを通して企業の魅力を伝えるため、求職者の興味を引きつけることができます。
また、動画を見ることで、求職者が企業の理念や、職場環境、仕事内容についての理解を深めることができます。
社員インタビューなどを取り入れることで、求職者が実際に働く環境や社員の声を聞くことができ、自分が働く環境を具体的に想像することができるようになります。
これにより、求職者が入社後に「思っていたのと違っていた」というミスマッチを減らすことができるので、離職率を下げることにも繋がります。
入社後の早期離職は教育コストなどの面からみても、企業としては避けたいところだと思います。
様々な媒体に掲載できる
採用動画は様々な媒体で掲載できるため、多くの求職者にアプローチすることが可能です。
企業の採用ページやコーポレートブログ、YouTubeやTikTokなどの動画媒体、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNS媒体など、Web広告やCMなどにも掲載することができます。
公共交通機関やビルなどのデジタルサイネージや、大手求人広告代理店が主催するイベントでの配信など、Webだけでなくリアルな場でも採用動画は活用できます。
コストパフォーマンスが高い
動画制作というと制作費が高いのではないかというような懸念もありますが、3分〜5分程度の動画でも求職者に企業の魅力を伝えることが可能です。
動画の内容にもよりますが、インタビューを中心として簡単な動画であればコストを抑えて動画制作することができます。
また、採用動画をアニメーションで制作するという選択肢もあります。
仕事内容や抽象的な概念を簡潔に表す場合はアニメーションが向いており、インディーアニメーションであれば、費用を抑えつつもクオリティの高いアニメーションを制作することも可能です。
採用動画は、一度制作すれば資産となり、長期間にわたって利用することができます。
採用広告や求人票などにかかる費用に比べて、制作費用が比較的低く、コストパフォーマンスに優れていると言えます。
採用動画のデメリット
製作コストが発生する
いくらコストパフォーマンスに優れていても制作コストは発生します。
製作チームに依頼する場合は制作費が、内部で制作する場合は機材費や制作のためのリソース、人件費が発生します。
映像の内容を凝ったものにしようとすればするほど、制作費は高くなっていくので注意が必要です。
動画は作っただけでは見られない
当然のことですが採用動画は作っただけで、多くの求職者に見てもらえるというものではありません。
見てもらうための運用が必須となります。
登録者が0人のYouTubeに採用動画を1本投稿したとしても、その企業に知名度がない限りはほとんど再生されません。
日々の運用で媒体を育てたり、広告配信で有料で拡散したり、イベントのサイネージで配信するなど、求職者に視聴してもらうためのアプローチを模索する必要があります。
もちろん、興味を持った求職者だけが検索して映像にたどり着けば良い、というような考えも間違いではなく、企業のスタンスや方向性に応じて進めていけば問題ありません。
負のイメージを与えることもある
映像の完成度やクオリティによっては、求職者に負のイメージを与えてしまうこともあります。
求職者がこの企業で働きたいと思えるような採用動画にしなければなりません。
応募者が殺到する採用動画の作り方
コンセプトを決める
採用動画と一口に言っても、「会社のブランディングをメインにした動画」「仕事内容にフォーカスした動画」「企業理念や経営方針を明示する動画」「社内の雰囲気や福利厚生について」「社員のインタビュー動画」など、動画の方向性は様々です。
まずは求職者に応募してもらえない要因は何か、そしてどんなことを求職者に伝えたいのかを明確にしましょう。
例えば、スタートアップ企業であれば潤沢な資金があることが少なく、福利厚生をアピールすることは難しいと思います。
その場合は「企業理念や経営方針、経営者のビジネスに対する思いや熱意」をメインに構成を組み立てていくことが多いです。
世間からみるとニッチな業界や認知度の少ない職種であれば、「仕事内容や社内の雰囲気を知ってもらう」採用動画が良いでしょう。
建設業や配送業では「会社のブランディングや仕事のやりがい」をメインに訴求することが多いです。
構成を組み立てる
コンセプトがある程度決まったところで、映像制作会社に依頼する場合は、各制作会社とブレストを行いながら構成を組み立てていきます。
動画の掲載媒体にマッチする動画の尺であったり、画角を確認の上、効果的な動画にするための構成案を組み立てていきます。
YouTube広告の中でも、5秒後にスキップ可能なスキッパブル広告やバンパー広告などで利用するのであれば、冒頭で視聴者の興味を引くようなインパクトが必要となります。
客足が流動的なイベントや就活セミナーで掲示するサイネージ広告であれば、求職者がサイネージの前を通ったときに、どの場面が流れていたとしても求職者にある程度の情報を提供できるような構成を意識する必要があります。
実際に撮影する
作成した構成案に従って実際に撮影していきます。
社員のインタビュー動画では台本作成や出演者が練習する時間も必要となります。
社内の自然な雰囲気を重視したい場合は、作り込み過ぎない方が良い場合もあるので、コンセプト次第で考えていくようにしましょう。
制作会社に依頼する場合は撮影の雰囲気作りなども提案してくれるので、どんな映像にしたいのかを明確に伝えるようにしましょう。
編集から完成まで
制作会社に編集まで依頼する場合は初稿や納品時期、可能は修正回数などを明確にしておくようにしましょう。
基本料金が安かったとしても修正の度に追加料金が発生し、費用が割高になってしまったという例もあるようです。
また、動画の二次利用や編集の可否、編集データの譲渡なども確認しておくべき項目です。
初稿が上がってきたら動画の全体をチェックし、次にテロップにミスがないか細かくみていきます。
いくら制作会社といえど業界特有の用語や専門用語まで熟知しているわけではないので、細かいテロップミスは必ず発生するものだと思ってチェックすることをおすすめします。
修正事項についてやりとりが終われば、採用動画は完成です。
アニメーションを採用動画に活用したい場合は「多くの求職者を応募に導く!採用アニメーション動画を作るコツを解説」も参考にしてみてください。
映像制作会社の選び方
採用動画を数多く撮影している制作会社や、構成案のブレスト段階から親身に対応してくれる映像制作会社を選ぶことがベストではありますが、前述の通り、動画の二次利用や編集の可否、編集データの譲渡、納品までの修正回数など、細かい規約をしっかりと確認しておくようにしましょう。
映像制作を制作会社に依頼したい場合、確認すべきポイントは大きく2点あります。
- 制作する目的を明確にする
- 制作会社の制作事例から活用背景を読み解く
何社か相見積もりを取りながら、条件のマッチする映像制作会社を比較・検討していきましょう。
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採用動画(企業PR動画)の事例
企業の作る採用動画の事例を紹介していきます。
どの企業もコンセプトに沿った個性溢れる採用動画になっています。
株式会社ダンボール・ワン
株式会社ダンボール・ワンは、石川県七尾市を拠点にダンボールの通販サイトを運営する会社です。
大人気ゲームである「ドラゴンクエスト」をモチーフにした動画で興味を引きつつ、社員のインタビューで会社の雰囲気や様子を求職者に伝えています。
清水建設株式会社
清水建設株式会社は、「建設事業(建築、土木、海外建設)」を柱に、非建設事業である「不動産開発」「エンジニアリング」「LCV(ライフサイクル・バリュエーション)」「フロンティア」の4分野で事業を展開しています。
現場で働く若手社員2名に密着しつつ、社員インタビューや仕事の様子を通して、仕事のやりがいを伝えているだけでなく、「若い人に寄り添う」ことを明確にすることで、新卒や若手求職者に安心して働ける環境が整っていることをアピールできています。
トヨタ自動車九州
トヨタ自動車九州の新卒採用ムービーです。
冒頭では軽快なEDM系の音楽と企業のブランディングイメージから始まり、後半では社員インタビューが展開されています。
仕事へのやりがいだけでなく、「福岡から世界へ発信していくこと」を明示する地元密着型の訴求で、地元の新卒求職者にアピールしていることがわかります。
採用動画についてのまとめ
現在の採用は売り手市場であり、求職者が少ない状況となっている。
・企業が求職者に選ばれるためには、ミッション、ビジョン、バリュー、社会貢献などを発信し、求職者に魅力を伝える必要がある
・採用動画は、企業が求職者に向けて制作する動画であり、会社の雰囲気や文化、仕事の魅力などを伝えることができる
・採用動画は採用ページや求人広告だけでなく、SNSやYouTube、TikTokなどの動画媒体で活用することもできる
・採用動画のメリットは、求職者の関心を引きつけることができること、様々な媒体に掲載できること、コストパフォーマンスが高いことが挙げられる
・採用動画のデメリットは、制作コストが発生すること、動画は作っただけでは見られないため運用が必要となること、映像のクオリティによって負のイメージを与える可能性があることが挙げられる
・採用動画を作るための方法としては、まずコンセプトを決めることが重要であり、企業の魅力や求職者に伝えたいメッセージを明確にすることが求められる
今回は採用動画の作り方、メリット・デメリット、企業の採用動画事例について紹介いたしました。
近年の採用トレンドとして、求職者に企業のミッションやビジョン、会社の雰囲気などを知ってもらい、入社後のミスマッチが少ない形での採用を目指す企業が増えてきています。
テキストだけでは伝えることが難しいことも、「採用動画」であれば就活生に効率良く伝えることができます。
しかし採用動画は作っただけで多くの求職者に見てもらえるというものではなく、見てもらうための運用が必須となります。
まずは求職者に応募してもらえない要因は何か、そしてどんなことを求職者に伝えたいのかを明確にし、そのためにどんな運用をすることで映像を求職者に届けていくのかを考えていくことが重要です。
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