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インディーアニメの制作費用と仕組みを公開!MVにも使われる人気の秘密を解説

従来のフルアニメーション制作費用は、テレビアニメ1話を例に挙げると「1,000万円以上も必要な状況」だと言われています。顔出しの必要がない点や、キャラクターの認知度を上げられる点などの魅力が多いフルアニメーションですが、PR活動に活用するのは現実的ではないのでしょうか?

実際、我々が多くのPR相談を受ける中でも、中小企業やベンチャー企業で活用しようにも多額の費用がネックとなっているケースが多々あります。そんな中、インディーアニメの登場によって、多くの企業でフルアニメーションが活用され始めています。

フルアニメーションによって注目を集めた例を挙げると、YouTubeにて1億2千万回以上再生されているYOASOBIの「夜に駆ける」や、「ずっと真夜中でいいのに。」などの2020年話題となった曲のMVにフルアニメーションが使われています。

そこで今回は、インディーアニメについてをテーマに以下のことを解説していきます。

・インディーアニメとは何か
・インディーアニメが従来のアニメ制作よりコスパが良い理由
・インディーアニメの魅力

その他のアニメーション動画の種類や制作料金については「【種類別】アニメーション動画制作の料金が知りたい!種類別の制作料金と活用例を解説」の記事がおすすめです。


基礎からわかるアニメーション映像制作ガイド」では、さらに具体的なアニメーションの活用方法や効果などを公開しています。アニメーションを企業で活用するべきか迷っている際にご活用ください。他にも「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ入手してみてください。


目次

インディーアニメの概要

インディーアニメとは

インディーアニメとは、自主制作アニメやイラストのことです。または自主制作を行うコミュニティのことを指します。

コミュニティとしては、人気アニメーション作家の「こむぎこ2000」さんが2020年4月に創設したインディーズアニメクリエイターたちを活性化するためのコミュニティがあります。アニメーション動画やGIFにハッシュタグ「#indie_anime」をつけてSNSに投稿すると、拡散をサポートしてくれるようになっています。

このように、自主制作アニメクリエイターたちを応援するような取り組みが行われています。

インディーアニメが誕生した目的

「#indie_anime」のハッシュタグには、各クリエイターたちが制作した様々な作品が投稿されています。クリエイターの課題として、依頼者に認知されづらい点が挙げられます。こうした拡散のサポートがあることは、クリエイター側にとってはモチベーションの向上や多くの作品に触れることでクオリティアップが自然と起こる良い仕掛けとなっています。

また、音楽アーティストのアニメMVがトレンドとなったり、広告にアニメーションを活用したい企業が増えたことでインディーアニメの注目が集まっています。SNSでの「#indie_anime」の盛り上がりもあり、自主制作アニメクリエイターへ依頼することが当たり前になる日が来るかもしれません。

企業でアニメーションが活用される理由や活用例は「企業でアニメーション動画が活用される理由とは?」で解説しているので、ぜひ目を通してみてください。

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インディーアニメのクリエイター紹介

発起人のこむぎこ2000

冒頭でも紹介した「こむぎこ2000」さんは、2000年生まれの自主制作アニメーション作家です。ノスタルジーを感じさせる色づかいとタッチで描き出されたアニメーションMVがSNSを中心に人気となっています。

2021年12月には、こむぎこ2000初個展「KG-2000」という初となる個展も行っています。

出典:こむぎこ2000初個展「KG-2000」 - pixiv WAEN GALLERY

優しい朝 【自主制作アニメーション】

インディーアニメの活用事例

インディーアニメの事例をいくつかご紹介します。特に最近では、インディーアニメで制作されたアニメーションMVが増えてきており、企業や音楽アーティストからアニメーションの表現力が求められていることが分かります。

アニメーションMV

夜韻-Yoin-  溶けて、解けて

flower『ジャイアントキリング』MV/ルワン

ずっと真夜中でいいのに。『正しくなれない』MV(ZUTOMAYO – Can’t Be Right)

アニメーションMVの活用にあたり、他社IPを利用する場合もあるでしょう。トラブルにならないためにも著作権に関することも理解しておくのがおすすめです。

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コンセプト動画

NOKIDアニメーションMVコンセプトムービー

「インディーアニメ・ショートプログラム」予告トレイラー

コンセプト動画は、ブランドの想いや目指すべき指針などのコンセプトを伝えるための動画です。 そのブランドの考え方や価値観を視聴者に伝えるにはテキストよりもコンセプト動画が適しています。伝えたい相手に合わせて世界観やキャラクター、シナリオ、作風を調整することが大切です。

イベントPR動画

Project Young. アニメーション動画

イベントPR動画は、コンセプト動画やPV(プロモーションビデオ)に近いものですが、イベントに参加したい感情を刺激したり盛り上げるために活用される動画です。感情に訴えかけるには、テキストよりもビジュアル的な表現が適しています。

また、共感を得たり参加したい気持ちを持ってもらえることで、動画がSNSによって拡散されて広いPR効果が期待できることがメリットです。

プロジェクトに参画したインディーアニメクリエイターは「制作実績ページ - Project Young.」で紹介しています。

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ループアニメ

【公式】NURO光_作業用 “高速” Lo-fi Hip Hop【BPM=135固定ver.】

ループアニメは一定のポイントまで再生されると最初の状態へ戻り、それが繰り返される数秒〜数分程度のアニメーションです。繰り返しても違和感がないため、ずっと続いているような印象を与えます。

この特徴を活かして、YouTubeに多く見られる「作業用BGM」のビジュアルとして使われることも多いのがループアニメです。

他にも、GIFアニメ化してWeb広告で配信したり、SNSなどで投稿することにも活用されます。ループアニメの作中に自社商品イメージを入れたり、間接的に自社サービスの利用へ繋がるシーンを描くことでPR効果も期待できます。

動画をSNSで公開する場合に、YouTubeかTikTokのどちらが良いか迷うことがあります。それぞれの選び方についてを「動画を活用するならYouTubeとTikTokどちらがいい?」で解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:【新時代の作業用BGM】Lo-Fi Beats(ローファイ・ビーツ)とチルアウトミュージックとは?事例や成り立ちを解説

アニメとインディーアニメの違い

インディーアニメは通常のアニメ制作より費用を抑えられる

なぜ金額を抑えられるかを先にお伝えすると、制作工程に関わる人数が少なく済むからです。詳しくお伝えするために、通常のアニメ制作にかかる費用と制作工程を解説します。

アニメ1話あたりの制作費

国内におけるテレビアニメ制作予算の上限は3億円と言われています。おおよそ1話30分を制作するのに掛かる費用は、1,000万円以上になります。動きの滑らかさを決める作画枚数によって金額に幅はありますが、1,000〜3,000万円程度が目安です。アニメ制作費用を1分あたりに換算すると30〜100万円です。

以前は500万円ほどでも制作可能でしたが、デバイスの発達で解像度が上がってからは制作費が上述の通りになっています。

マーベラス創業者である中山晴喜氏によれば、テレビアニメ1話30分の制作費は1,300万円が主流だそうなので、1分あたり43万円が主流となります。

一方、インディーアニメは尺や作画枚数によりますが1分あたり10〜50万円と大幅に費用が安くなっています。クリエイターやクオリティにもよりますが、通常の30%〜50%程度は抑えられています。

インディーアニメの制作費用

インディーアニメの制作費用は、フレームレートや動画の長さによって変わります。目安としては、100万円〜になります。

アニメーションの各費用・制作期間の目安も以下の表にまとめてみました。

動画の種類料金相場制作期間相性の良い活用方法
スライドショー10〜30万円1〜2週間商品紹介
モーショングラフィックス40〜200万円1〜2ヶ月間複雑なサービス解説
ホワイトボードアニメーション50〜100万円1〜1.5ヶ月間セールス動画、学習関連の解説
キャラクターアニメーション50万円〜100万円
+キャラクター企画費用
2〜3ヶ月間YouTube投稿、ショート動画広告
フルアニメーション300万円〜2〜6ヶ月間ブランディング
ショートアニメーション5〜10万円1〜2週間TikTok、Twitter投稿
3DCG200〜500万円2〜3ヶ月間商品や建物の内部構造の解説、ゲーム
アニメMV100万円〜2〜3ヶ月間ゲームMV、アーティストMV
ループアニメ10〜30万円1〜2ヶ月間Web広告、作業用BGM動画
※動画の制作料金・期間・活用例

インディーアニメとセルアニメーションは基本的に同じですが、インディーアニメの方が携わる人数が少ないため企業のPRでも活用しやすいと言えます。

アニメーションの種類について詳しくは「【種類別】アニメーション動画制作の料金が知りたい!種類別の制作料金と活用例を解説」で解説しているので、併せてご覧ください。

アニメーションの制作工程

次にアニメーション制作工程を見ていきましょう。

アニメーション制作には、企画・素材制作・イラスト制作・録音・動画編集といった工程を経て完成します。それぞれの工程ごとに専任のディレクターや担当者がいることで、必然的に関わる人数も増えて費用が膨大になるということです。

30分のアニメ作品を制作するのに携わる人の数は制作陣だけで100人と言われています。このほかにも声優や音響など様々な人が関わってきます。そして30分のアニメ作品を一本仕上げるのにかかる期間はなんと3ヶ月前後だと言われています。

最近では、アニメーション映像制作にCGを活用することで品質を担保しつつ少人数で仕上げる場合も増えてきました。CGを活用した映像制作については「映像制作に活用されるCGとは?種類や制作会社を選ぶコツまで解説」の記事がおすすめです。

インディーアニメは関わる人数が少ない

制作の種類関わる人数
インディーアニメーション制作個人クリエイター + αの数人チーム
通常のアニメーション制作各領域の責任者 + 個人クリエイターの数十人チーム
※アニメーション制作に関わる人数の目安

本来であれば、制作進行やアートディレクター、声、音などそれぞれにディレクターが居て、そこから個人クリエイターたちへ依頼をかけるケースが多いはずです。

一方、インディーアニメ1本分に関わる人数は数人規模です。個人クリエイターが監督のようなポジションで全体をまとめているためコストを抑えられるのです。そのため、量産には向きませんが少数の動画制作であればクオリティは維持したまま値段を抑えることができるというわけです。

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インディーアニメ制作を安くするポイント

企画を自社で行う

掲載料が安くコストパフォーマンスが良好なのが特徴のネットCMですが、CMとして流す動画を社内で自主制作すればさらに低コストでアプローチできます。出演者を社員に限定する、撮影機材を自前で用意するといった手段を併用すればさらに効果的です。

動画制作を外注に依頼すると、認識の食い違いやディスコミュニケーションによって想定した内容にならない懸念もあります。内製なら自社の商品やサービスをしっかりと把握した人員が制作に参加できるので、狙い通りの動画を作れるでしょう。

動画の枚数を調節する

作画枚数が多いほど動きに滑らかさが出てクオリティが上がります。反対に作画枚数を減らせば、動きがが劣る分コストも抑えられるということです。

しかし、作画枚数が少ないことは一概に悪いことではありません。キャラクターを動かし過ぎない方が良い場合もあるためです。インターネット広告で配信する場合は、反応を得ることが第一で、色々なパターンの検証が必要です。こういった場合には、枚数を減らしてパターンを増やす方が適しています。

テレビCMなどの場合は、企業イメージが重要なためクオリティを上げたものが多く使われています。

このように作画枚数を調節することで、アニメ動画制作にかかる費用を調節することが可能です。

テレビCMを検討している場合には「テレビCMを配信するメリットとは?Web広告との連携や効果測定の仕組みを解説」もおすすめです。

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素材を提供する

素材を1からクリエイターに依頼するよりも、自社で用意しておくことで安くスピーディに仕上げられます。キャラクターや世界観を決めるところからスタートする場合は、それぞれの企画・デザイン・制作費用が必要になるためです。

すでにキャラクターなどのデザイン部分が必要ない場合は、必ず共有するのを忘れないようにしましょう。

関連記事:YouTubeに載せる漫画の制作を依頼する方法と料金相場

尺の長さを調整する

短いほど費用はもちろん抑えられます。ショート動画のトレンドなので、短尺のインディーアニメ動画を複数制作してTikTokやYouTubeショートで拡散するのもおすすめです。

1本の長さを短くしてクオリティを上げるのも良いでしょう。反対に、クオリティは上げずに本数を増やすべきかは動画の目的によって使い分けるのがおすすめです。例えば、広告などで使用する場合は複数のパターンが必要になるケースが多いためクオリティよりも本数が重視されがちです。

YouTubeショートの活用方法は「YouTubeショートの活用方法とは?企業の事例やZ世代へのアプローチ方法を解説」で解説しているので、参考にしてみてください。

関連記事:【TikTokアニメ】”バズる”アニメーションの特徴とは?大人気アカウントを一挙ご紹介!

インディーアニメを依頼する際の注意点

著作権を確認する

著作物の権利は制作者にあるため、依頼したからといって著作権はありませんので別途契約締結が必要となります。制作会社によって条件は様々ですが、「著作権買取」の形で別途費用が発生する場合が多いです。

企業として著作権が必要な場合は、あらかじめその旨も伝えた上で見積もりを取りましょう。その他にも知っておいた方が良いリスクについては「動画制作を依頼するのはリスク?後悔しないアニメーション動画制作の依頼方法を解説」を参考にしてみてください。

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著作権の譲渡とライセンス契約の注意点を解説!発注前に知っておくべきこと
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作風・テイストを確認する

作風イメージ1

シンプル・アニメっぽさのある作風・テイスト

作風イメージ2

リアル・スタイリッシュな作風・テイスト

作風イメージ3

コミカル・キュートな作風・テイスト

作風イメージ4

デフォルメ・パペット・その他の作風・テイスト

インディーアニメと言ってもイラストがベースになっているため、クリエイターごとに得意とするテイストが変わります。依頼後にイメージと違うといったことにならないように、希望するテイストを絞っておき伝えることが大切です。

動画制作会社が、最適なクリエイター候補をピックアップする際に役立ちます。依頼時の作風・テイストについては「YouTubeの漫画動画を依頼するときの注意点は?よくある失敗例や相談しておきたいポイントのまとめ!」を参考にしてみてください。

効果的なインディーアニメを制作するには編集が重要

制作した動画が、広告やSNSで効果を発揮するかどうかは「編集」に左右されます。例えば、TikTokなどのショート動画共有プラットフォームなのに、じっくりとオープニングが始まるような編集ではスワイプされて視聴してもらえません。

公開先やターゲットに最適な動画にするためには編集が欠かせないのです。動画のビジュアル的なクオリティだけでなく、公開先に合っているかも考慮して最適な構成を探っていきましょう。

こうした公開先まで考えた動画制作をするためには、マーケティングに精通していることが前提となります。制作を依頼する上で、こうしたポイントも意識してみてください。

なお、制作会社の選び方のコツは「アニメーション動画の制作会社は増えている?上手な選び方をご紹介」で詳しく解説しています。

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インディーアニメについてのまとめ

・インディーアニメは自主制作アニメクリエイターのコミュニティの活性化を目的に創設された
・インディーアニメは制作に関わる人数が少ないため量産には向かないが費用が大幅に抑えられる
・企画の有無、動画の尺、作画枚数の調整などで費用をコントロールすることができる
・依頼時には著作権やテイストを確認しておき希望通りのものを制作してもらう

フルアニメーションの魅力は、撮影や出演者の手配などをしなくても世界観や登場人物をイメージ通りに表現できることです。過去は大手企業にしか制作できなかったほど膨大な費用が掛かっていたアニメも、インディーアニメの登場によって気軽に制作できるようになっています。

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