
映画や映像作品の中にはさまざまなグラフィック技術が使われており、その技術は日々進化しています。
今回は映像技術である「VFX」「SFX」「CG」の特徴や違い、メリット・デメリットについて説明していきます。
そしてCGやVFXに優れている映画作品も紹介していきます。
映像制作に興味がある方はぜひご一読ください。
制作した動画をYouTubeやTikTokに投稿して、広告に頼りすぎないPRを行なっていきたい場合は「無料資料ダウンロードページ」で多くの自社チャンネル運用、他社チャンネル運用代行を行なってきたノウハウを凝縮したガイドブックを入手してください。
目次
VFXとは
VFXは「Visual Effects(ビジュアル・エフェクツ)」の略で、前述のCGによる技術を使って実際の映像と組み合わせたものがVFXです。
例えば、ワイヤーアクションで撮影された映像からワイヤーを削除したり、あとから背景を合成したり、撮影された映像を元に新たな映像効果を追加する技術はすべてVFXと呼ばれます。
CGとの違いは?
CGとの違いが分かりづらいかもしれませんが、VFXは実写との合成技術です。そのため、CGや実写映像といった素材が揃った状態で行う編集工程のひとつです。
一方で、CGはデジタル上で創り出されたキャラクターや背景などのことを指します。つまり、コンピューターによって制作された映像です。
SFXとの違いは?
SFXは「Special Effects(スペシャル・エフェクツ)」の略で、映像に対して特殊な効果を施す「特殊撮影」のことです。
例えば、戦隊モノなどによくある爆薬を実際に使用して撮影した映像がSFXにあたります。他にも、特殊メイクやスーツアクター、ミニチュア模型を用いた撮影などもSFXです。
撮影した映像にCGなどのコンピューター・グラフィックスを反映させる「撮影後にCG編集によって特殊効果を出す技法」がVFXである一方、SFXは撮影時に工夫して映像にする「撮影時にアナログ・実際の現場で特殊効果を出す技法」といった違いがあります。
かつてSFXだけで表現していたものが、デジタル技術の発達でVFXが普及したことで、映像表現の幅だけでなく手間を減らすことにも繋がっています。
CG・VFXの技術がすごい映画
アバター
アバターは2009年に制作されたSF映画で、ジェームズ・キャメロンが監督・脚本・製作・共同編集を務めました。
構想14年、製作期間4年、総製作費300億円以上を費やした3D映画作品で、風景描写はまるでロケーション撮影のように雄大な仕上がりとなっています。
役者の表情や筋肉の動きを記録し、CGとあわせることでよりリアルなアバターを作りだすことに成功しました。
続編である『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は2022年12月16日に公開予定です。
ALWAYS続・三丁目の夕日
さまざまな手法を用い昭和30年代の東京に暮らす人々を描いた「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズは、VFXを効果的に利用した映画作品です。
例えば昭和30年代の羽田空港のシーンではすべてをCGで撮影するのでなく、現代の羽田空港にブルーバック合成で昭和30年代の羽田空港の姿を合成することでよりリアリティが増しています。
参考:昭和34年の日本をVFXで再現『ALWAYS続・三丁目の夕日』- 山崎貴監督に訊く
シン・ゴジラ
東宝が製作したオリジナルの「ゴジラ」映画で、総監督・脚本は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」の庵野秀明が務めています。
現代日本にゴジラが襲来したらどのように政府は対応するのかを、リアリティのあるストーリーで表現した話題作で、シン・ゴジラの制作にあたっては、ゴジラそのものがCGで描かれるなどVFXが多用されています。
参考:「シン・ゴジラ」最大の課題は、総監督「庵野秀明」のこだわり--制作裏話を聞いた
パシフィック・リム
環太平洋地域(パシフィック・リム)の海底から現れる怪獣と戦う巨大ロボットの活躍を描いたSF映画です。
パシフィック・リムのVFXを手がけた映像チーム「Mirada Studios」が、VFX加工のシーンをまとめた「Pacific Rim 'Before & Afters'」をYouTubeにて公開しています。
迫力満点の映像がどうやって出来上がっていくのかがわかります。
ヒックとドラゴン 聖地への冒険
イギリスの児童文学作家クレシッダ・コーウェル原作「ヒックとドラゴン」シリーズの映画化第3弾です。
バイキングのリーダーに成長したヒックが、仲間のドラゴンや村人を率いて新天地を求めて旅する物語が描かれます。
最新CG技術で飛び交う6万5,000匹のドラゴンが印象的な作品です。
アイリッシュマン
マフィアのヒットマン・フランク・シーランの半生を描いた映画で、ロバート・デニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシなど豪華メンバーが出演しています。
俳優の顔にCGの映像を重ねる技術で、ロバート・デニーロはフランク・シーランの若き日を演じることができました。
VFXをCG制作で活用するメリット
前述の通り多くの映画やドラマで必要不可欠な存在であるVFXのメリットをまとめていきます。
①現地ロケをせずともリアルな映像を作り出せる。
コロナ化では海外での撮影や国内であっても密になってしまうような大人数での撮影は制限されてしまいます。
しかしVFXであれば実際に現地にキャストを連れてロケをしなくても、スタジオでの映像と現地映像を組み合わせることで、リアルな映像を作り出すことができます。
また、ロケに行くことのできない遠い過去の映像もリアルに再現することができます。
例えば「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズでは、昭和の風景をリアルかつ哀愁漂う懐かしみのある映像に仕上げています。
「アバター」では仮想の土地である衛星パンドラがCGだとは思えないほど神秘的な映像となっています。
②絶滅した生物や架空の生命体を作り出せる。
「ジュラシックパーク」シリーズでは既に絶滅している恐竜をリアルに再現し映像に出演させています。
「パシフィック・リム」のような迫力満点のロボットもVFXだからこそ成し遂げることができています。
従来のSFXでは再現できなかったことが、VFXでは再現できるのです。
③人間の容姿も自由自在に操れる
「アバター」や「アイリッシュマン」のように、役者の顔をカメラでスキャンすることで、演技や顔の表情、筋肉の質、肌感などの臨場感をそのままに、「新しい容姿」を演出することが可能です。
特殊メイクだけでは再現できなかった容姿に関する表現も、VFX技術の進化によって幅広く表現することができるようになりました。
VFXをCG制作で活用するデメリット
専用のソフトやそれを処理できるハイスペックなPCが必要となり、初期設備にかなり費用が発生します。
また、VFXは様々な工程を経て作られるため、素人が一人で作るのは容易なことではありません。
私たちが映画館で視聴するような映画で採用されるような技術を身に着けるまでには、とてつもなく長い道のりとなります。
そしてVFXは一歩間違えると映像が安っぽくなり、物語を壊してしまうというリスクもあります。
臨場感のある作品を作り上げるためには多くのVFXクリエイターと、とてつもない工数が必要となります。
アメリカのB級ホラー映画はその安っぽさが逆に面白かったりもするのですが...。
プラクティカル・エフェクトへの回帰
CGやVFXの技術が進化していく一方で、SFXやプラクティカル・エフェクトへの回帰を狙う作品も多く作られています。
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」では極力CGを少なくし、SFXを多様することでより臨場感のある映像を作り出しています。
例えば爆発シーンは危険が伴う撮影となるため、CGで撮影するのが一般的ですが、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」では実際のセットを爆発させて撮影しています。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズでも、非常に大きなスケールモデルをつくり、撮影することで、VFXにはないリアイティを生み出しています。
まとめ
今回は映像技術である「VFX」「SFX」「CG」の特徴や違い、メリット・デメリットについて説明させていただきました。
CGは非現実的な映像や架空のキャラクターを作り出す映像技術で、それを撮影済みの映像に組み込む技術がVFXです。
SFXは特殊メイクやスーツアクター、ミニチュア模型を用いた撮影など、撮影時に特殊効果を与える技法のことです。
CG技術やVFX技術はどんどんアップデートされており、より迫力ある映像が制作できるように日々進化しています。
しかしその一方でSFXの技法も見直されており、プラクティカル・エフェクトへの回帰を掲げる作品も多く作られています。
PRサポートを開始しました
今ならWeb広告出稿手数料を無料で承っています。制作した動画をぜひ上手く活用してください。詳しくは「Web広告の運用手数料を無料にします!」をご覧ください。
おすすめの記事