TwitterなどのSNS上で、多くの支持を集めて商品を宣伝し、個人で収益を稼ぐインフルエンサーや、マーケティング施策として利用する企業の公式SNSアカウントも今や当たり前となりました。
そんな中、キャラクターを活用するTwitterアカウント、通称「キャラクターアカウント」をマーケティング施策として利用する企業が増え、知名度のあるBtoC企業だけでなくBtoB企業も活用しています。
キャラクターがSNS上で人気になれば、キャラクターを通じて商品やサービスの宣伝効果を得やすく、非常に有効なマーケティング施策となります。
例えば、キャラクターをTwitterアカウント運用に活用することは、複数人で運用ができることで社員の誰かに依存しない仕組みを作ることができます。
他にも、企業という抽象的なものに人間味を与えることができるため、見込み客にとっても親しまれやすくなるメリットがあります。
人は、人間が自分たちが持つ特性を他のものに当てはめることにより、人間でないものを人間であるかのように捉えようとする擬人観という性質があります。この性質によって、企業に対しても親しみを持って認識してもらうことが出来ます。
今回は、Twitterでのキャラクターアカウント運用のメリット・デメリット、運用のポイント、実際の企業の運用事例を紹介していきます。
キャラクターを活用したSNS運用については「キャラクターを使ったSNS運用のメリットとは?成功例やコツを紹介」もおすすめです。
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X(Twitter)のキャラクターアカウントとは?
Xのキャラクターアカウントとは、架空の人物やキャラクターの名前・外見を借りて、SNSやオンラインコミュニティで活動するアカウントのことで、SNSの普及とともに登場しました。キャラクターアカウントはマーケティング施策の1つとして多く利用されており、情報の拡散や認知度アップ、ユーザーとのコミュニケーション、ニーズの情報収集、商品の宣伝など様々な活用方法が存在します。
アカウントに利用するキャラクターの特徴
アカウントに利用するキャラクターは、アニメや漫画、ゲーム、公式キャラクターなど既存のキャラクターをモチーフにするものと、オリジナルのキャラクターを作成するものがあります。既存のキャラクターを使ったアカウントであれば、ある程度の認知度があるため、注目を集めやすくSNS上での情報発信の効果がすぐに表れやすいです。
一方、新たにオリジナルキャラクターを作成する場合は、企業が発信したい商品やサービスに合わせてキャラクターを設定することが可能という柔軟性があります。
アカウントにキャラクターを利用する効果
キャラクターがSNS上で人気になれば、キャラクターを通じて商品やサービスの宣伝効果を得やすく、非常に有効なマーケティング施策となります。本来、抽象的な存在である企業やブランドも、キャラクターの存在によって具体化されることで注目を集めやすくなるからです。
また、そのキャラクター自体が資産となり、キャラクター商品の販売やイベント開催に発展するなど多くの可能性を秘めています。
関連記事:Twitterの「中の人」が親近感を得る秘訣だった?運用テクニックや参考例を紹介
X(Twitter)のキャラクターアカウントのメリット
キャラクターアカウントは拡散力のあるSNSと相性がとても良く、多くのメリットが存在します。
認知度がアップしやすい
キャラクターアカウント運用の1番のメリットは認知度アップのしやすさです。
現代社会には多くの情報が溢れていますが自社の発信がユーザーの目に留まり、さらに関心・好感を抱かれるには、何か「強み」が必要です。
キャラクターという人格をもつ存在はユーザーの目に留まりやすく、記憶にも残りやすいという「強み」があります。
SNS上でキャラクターアカウントの存在感が高まれば企業の知名度や影響力が高まり、新たなファンや顧客の獲得に繋がっていきます。
コーポレートイメージの向上
企業のキャラクターアカウント運営担当者は、キャラクターの設定を忠実に反映させた運用を行います。
例えば、かわいいキャラクターのアカウントでは、かわいい言葉遣いでユーザーに癒しを与えるコンテンツ投稿を行ったり、リプライを返すなどコミュニケーションをとります。
そこで親近感を覚えたユーザーは、そのキャラクターを通じて企業への安心感や信頼感を持ち、コーポレートイメージの向上につながっていきます。
複数人での運用が可能
SNSの定期的な投稿は企画をする時間も含め想定よりも工数がかかる作業で1人では多くの負担がかかってしまいます。
しかし、キャラクターがいればトンナマを合わせることで複数人での更新が可能となり、負担を軽減して運用することができます。
関連記事:キャラクターを活用するメリットとは?デメリットや効果も解説
X(Twitter)のキャラクターアカウントのデメリット
ここまで紹介したようにキャラクターアカウントの運用は多くのメリットが存在しますが、もちろんデメリットも存在します。
認知拡大・定着にかかる時間とコストが存在する
キャラクターアカウントの認知拡大・定着には時間がかかります。
また、キャラクターのデザインやマーケティング戦略、コンテンツ制作など、多くのコストも必要です。
さらに、運用するためのスタッフや外注費用もかかります。
事前に予算を確保して計画的に運用することが重要です。
キャラクターイメージの失敗
キャラクターアカウントの運用にはイメージに注力する必要がありますが、失敗した場合企業のイメージが悪化する可能性があります。
特に、SNS上では一瞬のうちに拡散されてしまう為、その影響が大きくなる可能性があります。
綿密な計画と吟味がキャラクターアカウントを運用する上で重要となります。
対応不備によるリスク
キャラクターアカウントを運用する場合、顧客からの問い合わせやクレームなどに対して適切に対応する必要があります。
しかし、適切な対応ができなかった場合、顧客満足度の低下や、企業の信頼低下につながるリスクがあります。
また、SNS上で企業に対するネガティブな反応が寄せられる事がありますが、キャラクター自体にもネガティブな反応が寄せられることもあります。
その場合の対応の仕方によっても、企業のイメージに大きく影響してきます。
どのように対応するかガイドラインを作成するなど事前に準備しておくことが重要となります。
X(Twitter)でキャラクターアカウントを運用する手順
キャラクターアカウントの運用におけるメリット・デメリットについてご紹介してきましたが、ここからは実際に運用するためのポイントを簡単にご紹介していきます。
ペルソナを決める
ペルソナは商品やサービスを購入する人々の特定のグループを代表する理想的な顧客像を指します。
通常は企業が消費者を設定する際にペルソナ設定をしますが、自社のSNSアカウントの第一人称になる人物像(キャラクター)でペルソナ設定を行うことで文章スタイルの安定を図ることができます。
具体的には、以下を設定しましょう。
- 性別
- 社歴
- 家族構成
- 趣味
- 出身地
例えば、趣味や出身地を想定すると、季節ごとのイベントなどの文章が企画しやすいため、長期戦となるTwitter運用の助けとなります。
トンマナを決める
ペルソナを決定した場合は、さらに文章スタイルとなるトンマナを策定していきます。
トンマナは広告におけるデザインの一貫性を持たせることを指します。
トンマナがあることで担当者が変わった場合でも、アカウントの投稿にぶれがなく継続できるため、SNS運用の成功につながります。
例えば、カスタマーサポートを兼ねた固いキャラクターの場合は、カスタマーサポートのオペレータのように丁寧語と尊敬語を利用した文章にします。
一方、フレンドリーなキャラクターの場合は、友人と話すようなトーンで文章を作成し、より親しみやすさを出していきます。
それぞれの企業がどのようなブランディングを行いたいかという点から緻密に設定をしていきましょう。
アカウントの運用方針を決める
SNSアカウントで重要なのは、投稿が注目され、継続的に見てもらえる(フォローしてもらう)ようにすることです。そのため、単にアカウントを作って投稿すれば良いわけではなく、一貫性を作るための運用方針を決める必要もあります。
運用方法には、そのキャラクターを生み出したデザイナー自身が投稿するスタイルもあれば、日々の運用を社内・イベント告知は代理店といったような体制をとるケースなど、様々なものがあります。
また、SNSで返信するなど相互のコミュニケーションによってファン層を増やしていくスタイルをとるのか、カスタマーサポートまで行っていくのかといった細かい部分まで決めていきます。
関連記事:TikTokでフォロワーを増やすアカウント作りのコツとは?個人・企業別の参考例を紹介
キャラクターの設定を緻密に行う
キャラクターアカウントを成功させるためには、キャラクターや運用方針の緻密な設定が非常に重要です。
ターゲット層に合わせてキャラクターの性格や趣味、口調などを設定することが、ファンに共感や親しみを与える事に繋がります。もちろん、企業のブランディングにおいても非常に重要です。
運用方針においても、設定や始めてから経た時期等によって、コンテンツの発信内容や数値目標も変わっていきます。
例えば、駆け出しでまだ認知度が低いキャラクターであれば数値目標を設定せずに、まず「知ってもらう」という事を意識したコンテンツを多く発信することが考えられるでしょう。
また、違う例として、世界観がしっかりしているキャラクター(サンリオのキキララやマイメロディなど)の場合、世界観から逸脱した内容は発信できず、投稿の幅は狭くなります。
このように様々な観点から設定を緻密に行う事がキャラクターアカウント成功の鍵となります。
コンテンツのスケジュールを立てる
キャラクターアカウント運用にあたり、属人化の問題が発生しやすくなります。
例えば運用にあたり、キャンペーンや広告関係を代理店にお願いし、通常のツイートを社員が1人で行っている場合、担当が倒れるとキャラクターも倒れるというリスクが存在します。
その対策としてスケジュールを立てて予約投稿を軸に運用するなどの対策をとる必要があります。
関連記事:Twitterコミュニティを作ってメンバーを増やすには?CRMで活用する方法まで紹介
参考:Twitterを活用する - Twitterヘルプセンター
X(Twitter)のキャラクターアカウント運用事例
ここまでメリット・デメリット、運用についてご紹介してきました。
ここからは実際にTwitterで運用している企業の事例をご紹介していきます。
ローソン
ローソンはTwitterで「あきこちゃん」というキャラクターアカウントを運用しています。
あきこちゃんは20歳のローソンでアルバイトしている学生という設定で、笑顔とポジティブさが特徴の親しみやすいキャラクターです。
発信するコンテンツは新商品やキャンペーン情報だけでなく、あきこちゃんの日常を描いたコンテンツやユーザーとのコミュニケーションを重視した返信をするなど、バリエーション豊かなコンテンツを発信しています。
また、あきこちゃんをキャラクターとした限定商品の販売や、あきこちゃんを使用した広告展開など、様々なマーケティング施策とも連動して運用されています。
あきこちゃんの「一般的な学生」という設定が多くの人に親近感を与えていることから、誰もが使うコンビニというビジネスと非常に相性が良いことがわかります。
また、ローソンは運用にあたり、炎上を防ぐための初期消火の重視、ローソンクルーの不要な書き込みを防ぐため、研修段階からの指導や雇用契約書への明文化して罰則規定を設けるなど社内の仕組みの変更など、SNSに真摯に向き合って運用を行っています。
このように様々な点を考慮して運用を行っている事が成功の要因の1つとなっています。
ニッカウイスキー
ニッカウヰスキーの主力商品は好みの分かれる強いお酒ですが、アカウントのキャラクターや役に立つ内容の投稿で多くのフォロワーを獲得しています。
ニッカウヰスキーは「ヒゲのおじさん」というキャラクターを運用しており、特徴的な語り口調のユニークなキャラクターが支持されています。
発進するコンテンツはおつまみ、スイーツ、カクテルなどのレシピ、ウイスキーの豆知識などを投稿しています。
おじさんの渋い風貌や口調、ウイスキーへの熱い思いを持っているという設定が魅力的で多くの人の共感を集めるとともに、「役に立つ」情報が興味を引いています。
また、ファンとのコミュニケーションも取り入れるなどユニークなコンテンツ作りを重視している事が、アカウントの成功要因の1つであるといえるでしょう。
関連記事:TwitterでUGC(口コミ)が爆増した事例は?ユーザーを巻き込むコツも解説
X(Twitter)のキャラクターアカウント運用についてのまとめ
今回は企業のキャラクターアカウントの運用についてご紹介しました。
キャラクターアカウントの運用は企業のコーポレートイメージ向上や経営成果の向上に非常に有効な手段の1つといえます。
企業それぞれの方針に合わせ緻密な設定を行う事、そして、SNSに真摯に向き合う事が成功の秘訣といえるでしょう。
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