
「ゆるキャラ」はPR効果が期待できるキャラクターを、低コストで生み出すことができるプロモーション手法です。自治体が町おこしなどのために広告塔となるオリジナルキャラクター「ゆるキャラ」をメディアへ露出させたりグッズ販売をするケースが一般的となりました。
これにより、あまり知名度のなかった町も認知されるようになったり、グッズによる収益アップなどで地域の経済発展に重要な存在となっています。町おこしの「ゆるキャラ」だけでなく、企業や商品のキャラクター活用は、ブランドを確立させたり販売促進を後押しするのです。
そこで今回は、「ゆるキャラの成功事例」を参考に、キャラクターでPR効果を生むための方法を解説します。
キャラクターのようなIP活用するメリットは「【制作会社が解説】IPビジネスがアニメ事業のチャンスに!自社IPの可能性とは?」がおすすめです。
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目次
ゆるキャラとは
ゆるキャラとは都道府県の名産や特色を擬人化した着ぐるみキャラクターのことで、地域の知名度向上や観光振興の目的で作成されています。
最近では企業のPRキャラクターとしてゆるキャラが採用されることもあります。
ゆるキャラの最大の特徴は親しみやすくかわいらしい見た目です。
小さな子どもからお年寄りの方まで楽しめるよう工夫され、経済効果を生み出す秘訣を持ち合わせています。
ゆるキャラを作成するメリット
自由なビジュアル作成が可能
ゆるキャラは「可愛らしさとゆるさがある」キャラであれば、自由なビジュアルでキャラクターを作成することが可能です。
これまで、都道府県や地域の形をモチーフにしたり、特産物や名物の形をモチーフにしたり、個性豊かなキャラクターが生み出されてきました。
スキャンダルリスクが低い
ゆるキャラはあくまでもキャラクターであるため、芸能人やタレントなどを採用した場合と異なり、不倫騒動や傷害スクープなどのスキャンダルが起こりにくいといえます。
また、起用したタレントが引退などで降板した場合、新しいキャストでゼロから知名度や活動を積み重ねなければならないリスクもあります。
低コストで大きなPR効果を生む
ゆるキャラは一度キャラクターが完成すれば追加コストは大きくありません。
個性的なキャラクターはSNSやメディアでも拡散対象となりやすく、大きなPR効果を生み出すポテンシャルを持ち合わせています。
キャラクターを活用するアニメーションでのPRと実写PRにも違いがありますので、「アニメーションPRと実写PRの違いとは?自社サービスをPRする最適な方法」もご覧になるのがおすすめです。
ゆるキャラの成功事例
ゆるキャラの多くは、独特なルックスや活動スタイルなど、個性と強みを活かすことで成功してきました。
次の4体の事例からゆるキャラ成功のヒントを探ります。
くまモン

くまモンは九州新幹線の開業に合わせ観光客を増やす目的でつくられた熊本県を代表するご当地キャラクターです。
2014年時点で国内の認知度は87%で「ゆるキャラ」の中で最も知名度が高いゆるキャラと認定されたくまもんですが、その成功の秘訣は次の3つの活動にありました。
・32種の名刺を『くまモン』自身が配布し積極PR
・著作権フリーで全国に商品PR
・配慮を欠かさない対応力
イラスト入りのポスターの掲載は費用がかかるうえにすぐに忘れ去られるため、くまモン自身が名刺の配布をしたところ、全国ニュースで取り上げられ一気に話題となりました。
名刺を配る際には、手を振られたら元気に挨拶を返し、小さい子とふれあうときには同じ目線になるためにしゃがむなど、配慮をした姿勢も好感に繋がりました。
さらに、くまモンのイラストやキャラクターグッズを使用する際の著作権をフリーにしたことで、多くの企業が参加しやすい状況をつくりました。
参照:全国ゆるキャラ・ご当地キャラについて / 日本リサーチセンター
ひこにゃん

ひこにゃんは滋賀県彦根市のご当地キャラクターで、兜を被った白猫がモデルになっています。
ひこにゃんの成功の秘訣は以下の3点にあります。
・表情やキャラクターの設定がない
・彦根城イベントに特化した活動
・日本各地に『ご当地ひこにゃん』を販売
表情がなく何を考えているのか分からないキャラクターは、見た人の想像力を刺激し記憶に残りやすいと言われています。
活動初期は認知度をあげるため彦根城での活動に特化し、地域の方の理解を得ることに注力しました。
地域の方の心を掴んだ『ひこにゃん』は著作権をフリーにし、全国に『ご当地ひこにゃん』を販売することでその知名度を広げていきました。
すだちくん

徳島の名産品「すだち」や「阿波踊り」を広めるべく活躍している『すだちくん』の成功の秘訣をみていきましょう。
すだちくんの最大の特徴である「すだちの姿」は徳島を示すのに最適でしたが、あまり大きな功績を残せずにいました。
打開策としてダンスを取り入れたところ「かわいい」「すだちが踊っている!」など大きな反響を得ることに成功し、2013年の「ゆるキャラグランプリ」では前年の306位から12位まで人気度を上げることに成功しました。
また、国民文化祭でタキシードを着たり、パイロットの制服を着たりと、コスプレの多い独特なキャラクターとして差別化をはかることで独自のブランドを形成しています。
せんとくん

平安遷都1300年祭に産まれた奈良県のご当地キャラクター『せんとくん』の成功の秘訣をみていきましょう。
『せんとくん』のデビュー当時は『くまモン』や『ふなっしー』など「かわいらしさ」をポイントとしたゆるキャラが流行しており、人間らしさのあるせんとくんは「ゆるキャラらしくない」と大きなバッシングを受けていました。
市民団体がおこなったアンケートでも90パーセント以上が反対と回答するなど、最も批判の多いご当地キャラクターとして多くのメディアがとりあげたことがきっかけで知名度を上げ、次第に認められるようになりました。
炎上マーケティングに近い形ですが、悪評を乗り越えた今ではご当地キャラとして定着し、奈良県の顔としてPRに励んでいます。
自社IPだけでなく、他社IPを活用することでもPR効果が期待できます。キャラクターの活用方法については「キャラクターを用いたコラボ戦略と活用事例から成功の秘訣を探る」と「【制作会社が解説】企業がキャラクターを上手く活用する方法とは?」で詳しく解説しています。
成功事例から読み解くPR戦略
成功事例の共通点は次の3点です。
・知名度アップにコストをかけていない
・個性的なキャラクターをつくり、地域の最大の魅力ポイントを推す
・著作権フリーとし企業の参入を促進する
いずれのキャラクターも大きな広告費用をかけずにSNSやメディア、名刺配りなどで高い知名度を獲得していました。
また、個性的なキャラクターをつくり地域の魅力を推している点も共通しています。
『すだちくん』は徳島県の名産品であるすだちの形をした踊れるキャラクター、『せんとくん』は平安京をイメージした奈良県のキャラクターというようにご当地の名産品や建造物を象徴するゆるキャラが人気を集めています。
著作権をフリーとし、小規模な事業者でもグッズや企画に参入できる状態をつくることも成功に繋がっています。
著作権については制作会社に依頼する前に「著作権の譲渡とライセンス契約の注意点を解説!発注前に知っておくべきこと」と「動画の著作権を二次利用するとは?権利範囲や二次創作を解説」であらかじめ知っておくと良いでしょう。
ゆるキャラの作り方
①コンセプトの確認
どのような目的で「ゆるキャラ」をつくるのかを入念に確認しましょう。
例えば、富士山にちなんだ「ゆるキャラ」をつくり、目的を富士山への観光客増加とします。
その場合、富士山の魅力を伝えていくだけではなく、近隣観光施設や宿泊施設などとも連携してPRをしていく必要があるかもしれません。
では具体的にどんなことを行うのか、どのようなキャラだとそれが達成できるのか、逆算して構築していく必要があります。
②キャラクターのペルソナをつくる
コンセプトが決まったら、キャラクターの表情や性格、話し方などを決めましょう。
さらに年齢や性別、職業や家族構成などペルソナ(キャラクターの細かい設定)を構築し、イメージを具現化させていきます。
③ラフ画の作成
キャラクターのイメージができたら実際に描く行程に入りますが、いきなり完璧を求めようとすると制作が大変になる場合もあるので、簡単なイメージ図としていくつか描いてみましょう。
イメージとマッチする雰囲気がつくれたら描き起こしへと移行します。
④描き起こし
色をどうするか、線の太さはどうするのかをイメージした後に作成をするとスムーズです。
ラフ画の作成の段階でイメージが整わないままだと描き起こしをしても満足に仕上がりません。
言葉で説明するのは簡単ですが、想像以上に大変な作業です。
⑤仕上げ
ラフ画とのイメージがコンセプト通りのイラストとなっているかどうかをチェックします。
キャラクターづくりは細かい作業が多く、知識や器用さだけでなくセンスも求められます。
とはいえ、絵が描けないとしても、ゆるキャラを作ることは可能です。
制作を依頼する
自分で「ゆるキャラ」を制作できない方には、外注をするという選択肢もあります。
外注を検討する際は、プロのイラストレーターにできるだけ理想のイメージが伝わるように何度もすり合わせをすることが大切です。
特に色の感覚は人によってかなり違いがあるため、理想に近い配色をしている他の作品などを参考作品としていくつか提示してあげると認識を合わせやすいです。
制作会社へ外注する場合のリスクは「動画制作を依頼するのはリスク?後悔しないアニメーション動画制作の依頼方法を解説」で詳しく解説しています。
まとめ
ゆるキャラの成功事例と導入方法を解説しました。
地域の発展や観光を促進する目的で成功をおさめた『くまモン』や『せんとくん』などの「ゆるキャラ」ですが、自力で「ゆるキャラ」を作成をするのは大変です。
コンセプトやペルソナ設定が終わり、ある程度イラストの内容が決まったら無理をせず外注することも検討しましょう。
イラストが理想の形に仕上がり、プロモーション活動を始めてからが本当の勝負です。
キャラクター作成やイラストのことでお悩みの方はぜひ、お気軽にご相談ください。
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