NOKID編集部
1000件以上の映像制作実績を誇る株式会社NOKIDの編集部メンバーが監修。キャラクター・アニメーション分野のノウハウやトレンドの活用手法の紹介が得意です。
新規事業のアイデアを計画していて、「IPビジネス」「メディアミックス」「版権事業」などを目にすることがあったかもしれません。特にIPビジネスは、アニメーション業界において相性が良いとされています。
しかし、具体的なメリットが分かりづらく仕組みも知られていないケースが多くあります。
また、IPビジネスの中でも「自社IPを作るべきか?他社IPの知名度を活用するべきか?どちらが良いのか。」といった疑問を持っているのではないでしょうか。
この記事では、IPビジネスをテーマに以下のことを解説していきます。
・IPビジネスについて
・自社IPが新たなチャンスにつながる可能性
・キャラクターを活用する価値
オリジナルのキャラクターが持つ可能性について知りたい方は、ぜひご覧ください。
キャラクターの具体的な作り方は「ファンのできるキャラクターはどうやって作るの?特徴や作り方のコツを紹介」がおすすめです。
キャラクターを「自社に合う見栄えか?」だけで作っても、顧客から受け入れられないことがほとんどです。なぜなら、ユーザーは多くの情報に晒されており、自分が興味を持つものしか見ないからです。興味を持つことは、共感したり何らかの感情的な刺激が必要になります。そのためには、キャラクターの人格や設定などが重要だということです。魅力的なキャラクターを作る要素などの「キャラクター作りのポイント」を「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ活用してみてください。
IPビジネス(事業)とは、知的財産を活用して利益を得るビジネスのことで、自社だけでなく他社に利用してもらうことで、権利料(ライセンス料)などを得る方法もあります。
例えば、日本ではアニメやゲームコンテンツそのもので利益を得る方法だけでなく、これらのキャラクターのグッズ販売をしたり、著名人のキャスティングのように他社に起用されるケースもあります。他にも、コラボレーション商品を販売したりするといった利用も含まれます。
知的財産とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの
参考:知的財産権について - 特許庁
まず、IP(Intellectual Property)とは商品のデザインや仕様、作成した記事や動画などのコンテンツのように知的財産としての価値を持ったものを意味します。他にも、芸術作品、企業のノウハウといったものも知的財産となります。この知的財産であるIPをライセンスとして販売することをIPビジネスというビジネスモデルがあります。
THE OWNERの記事によると、IPビジネスを次のように述べています。
雑誌から生まれたマンガ作品や登場キャラクターの場合、原作者、漫画家、出版社など権利関係が複雑化する。こうした権利関係をまとめてビジネス化するのがIPビジネス。
引用:隆盛!キャラクタービジネス IPビジネスに進化中(THE OWNER編集分)
IPビジネスには、マンガやキャラクターのイメージが多いですがマンガに動きをつけた「マンガ動画」というものも存在します。YouTubeチャンネルで公開し、IP価値を高めたり広告収益を狙います。
マンガ動画の収益については「Youtubeの漫画動画って本当に稼げるの?漫画動画制作会社が個人的な見解を解説します」で詳しく解説しています。
関連記事:キャラクターを活用するメリットとは?デメリットやキャラクターとのコラボ事例を解説
IPビジネスの収益モデルは、「ビジネスモデル | デジタルアニュアルレポート2016(オンラインアニュアルレポート)」によると、次のようなモデルとなっています。
登場するキャラクターを制作した原作となる「コミックス」。そのキャラクターを使って最新技術によって付加価値を高めた「アニメーション」。アニメーションを映画化やテレビでによって配信し、ファン層の拡大に繋げる。
こうしてファン層が広がったところで、それぞれのメディアに出して収益を得るビジネスモデルです。
企業でキャラクターを活用する方法は「【制作会社が解説】企業がキャラクターを上手く活用する方法とは?」で詳しく解説しています。
近年、コンテンツビジネスの業界ではアニメ作品やキャラクターなどのIPビジネスが注目されており、成長している市場のうちの1つとなっております。
総務省の発表した「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査 報告書<概要>」によると、2019年の国内コンテンツ市場規模は11兆9,552億円でした。また、PwCが調査した「コンテンツビジネスの未来」というデータによると、次のような結果が出ています。
コンテンツビジネスの日本市場をみると、市場成長率は年平均1%と大きくないものの、市場規模は780億米ドルを超える産業となっています。その中でコンテンツのデジタル市場は特に近年の成長が著しく、年平均8%の成長が予測され、2020年までに190億米ドルを超える規模になると予想されています。
引用:コンテンツビジネスの未来 - PwC
このように、コンテンツビジネス自体も今後市場が発展していくと考えられます。
IPビジネスの種類には、大きく分けて3種類ほどあると考えています。この3つの分類は定義として分けられておらず、解説しやすくするためのものとなっています。
・ノウハウ(システム)の販売
・コンテンツ(作品)の販売
・ライセンス(利用権利)の販売
それぞれについて見ていきましょう。
目に見えない部分であり、制作工程に当たる技術や知識部分のことを示します。一般的に、専門的な知識や技術などの意味として利用されます。
可視化できる部分であり、アニメやゲーム、マンガなどの制作物を販売することを示します。制作会社やデザイナーが制作したホームページ、NFTの販売なども挙げられます。
関連記事:NFT動画を購入・販売するには?具体的な手順とメリット・デメリットを解説
自社が権利を保有する制作物を利用する権利や、他社が持っている技術や権利を使用するための許可のことを示します。アニメやゲームに限らず、芸能人(タレント)とのイメージキャラクター契約なども挙げられます。
IPビジネスを成功させるためには、いくつかの重要な要素があります。これらの要素は、IPの魅力を最大限に引き出し、市場での成功を導くために不可欠です。
IPビジネスにおいて最も重要なのは、魅力的なキャラクターや豊かなストーリーテリングです。消費者が感情的に共感できるキャラクターや物語は、IPの価値を高め、ファン層を拡大します。
魅力的なキャラクターとストーリーテリングは、IPビジネスの核心です。キャラクターは、消費者に感情的な共感を引き出す要素であり、強力なストーリーテリングは、キャラクターに深みを与え、ファンの興味を惹きつけます。
例えば、「鬼滅の刃」は独自の世界観と魅力的なキャラクターが融合し、広範なファン層を獲得しました。キャラクターと物語は、消費者にIPに対する強い感情的な結びつきを作り出し、長期的なファン層を確保するために不可欠です。
IPを市場に打ち出す際には、効果的なブランディング戦略が求められます。一貫性のあるメッセージングと独自性を持つブランドイメージは、消費者の心に残り、長期的なブランド価値を構築します。
IPビジネスにおいて強固なブランディング戦略は、消費者の心に残る独自のイメージを築く上で重要です。一貫性のあるメッセージングと独自性のあるブランディングにより、IPは市場で際立ちます。
ディズニーのようなブランドは、一貫したファミリー向けのイメージとストーリーテリングにより、幅広い年齢層に愛されています。強力なブランディングは、消費者との関係構築とブランドの長期的な価値向上に不可欠です。
IPビジネスは、一つのメディアにとどまらず、多様なプラットフォームやメディアで展開することが重要です。テレビ、映画、オンラインコンテンツ、商品化など、さまざまなチャネルを通じてIPを広めることが成功のカギとなります。
IPビジネスにおける幅広い展開とマルチプラットフォーム戦略は、多様なチャネルを通じてIPを広めるために重要です。テレビ、映画、オンラインコンテンツ、商品化など、さまざまなメディアで展開することにより、IPの影響力は大きく拡がります。
例えば、「ポケットモンスター」シリーズは、アニメ、ゲーム、グッズなど多岐にわたるプラットフォームで展開され、幅広い層に訴求しています。この多角的な展開は、新しいファン層の獲得とIPの市場価値の増大につながります。
市場のニーズや最新のトレンドに敏感であることも、IPビジネス成功の重要な要素です。消費者の関心が高まっているトピックや文化的トレンドをIPに取り入れることで、時代に合った魅力的なコンテンツを提供できます。
IPビジネスは、市場ニーズとトレンドへの適応が成功の鍵です。時代の変化や消費者の嗜好に合わせたIPの展開は、IPの魅力を維持し、市場での競争力を高めます。
例えば、最近の環境意識の高まりを反映したエコフレンドリーなキャラクターや、ダイバーシティを重視した物語などが注目されています。市場の変化に敏感であり、柔軟に対応することで、IPは常に新鮮さを保ち、消費者との繋がりを強化します。
デジタル技術、特にVR、AR、メタバースなどの最新技術を活用することで、IPビジネスは新しい次元の体験を提供し、ユーザーとのエンゲージメントを深めることが可能です。
デジタル技術の活用は、IPビジネスにおいて新たな次元の体験を提供し、消費者とのエンゲージメントを深めます。VRやARを使用することで、IPは従来のメディアでは不可能だったインタラクティブな体験を実現し、消費者に新しい魅力を提供できます。
例えば、VRを利用したアトラクションやゲームは、ファンに没入感のある体験を提供し、IPの魅力を一層高めます。デジタル技術の進化に合わせたIPの展開は、消費者との新しいつながりを築き、市場での競争力を強化します。
他の企業やクリエイターとのパートナーシップやコラボレーションは、IPビジネスの幅を広げ、新しい市場の機会を創出します。異業種とのコラボレーションは、予期しない形でIPを活用し、新しいファンを獲得することができます。
パートナーシップとコラボレーションは、IPビジネスに新たな可能性をもたらします。他の企業やクリエイターとの連携により、IPは新しい市場を開拓し、さらに多くのファンを獲得する機会を得ます。
例えば、異業種とのコラボレーションは、IPを予期しない形で活用し、新しいファン層の獲得につながります。このような協力関係は、IPビジネスの展開を加速させ、多様な市場での成功を実現します。
これらの要素を総合的に取り入れ、戦略的に展開することで、IPビジネスは市場での成功を達成し、持続的な成長を実現することができます。各要素は相互に関連し合い、IPの魅力と市場価値を最大化します。
IPビジネスにおいて、単にキャラクターなどを作り出せば良いわけではありません。どのようにして収益化するのか?までを考える必要があります。
例えば、自社商品の集客に繋げる方法もあれば、IPそのもので収益化を目指す方法もあります。ここからは、企業や事業のIPビジネスにおける展開事例を紹介していきます。
講談社がサウジアラビアの企業と結んだコンテンツライセンス契約は、日本のマンガを世界に広める先駆けとなりました。2021年のこの取り組みは、アラビア語圏での日本マンガの初出版であり、両国間の文化交流の窓口となる可能性を秘めています。
このように、IPビジネスは単に商業的な成功を追求するだけでなく、異文化理解の促進という社会的な価値も提供することができるのです。
参考:サウジ・リサーチ&メディアグループ、『マンガ・アラビア』で日本の出版大手、講談社とコンテンツライセンス契約を締結 - PR Times
参考:サウジ・リサーチ&メディアグループ、マンガ・アラビアで日本大手出版社とのグローバルパートナーシップ締結を発表 - PR Times
ブシロードはシンガポールの企業との資本業務提携を通じて、海外市場への進出を図りました。このような戦略的提携は、IPビジネスをグローバルなスケールで拡大する上で重要な役割を果たし、新たな市場の開拓を可能にします。
これらの内容は、IPビジネスの多様性とその影響力を深く理解するために重要な情報となります。
読者に対して、IPビジネスが持つ様々な側面や成功のポイントを詳細に伝えることで、知的財産の活用方法についての理解を深め、新たなビジネスチャンスを発見するきっかけを提供することを目指しています。
参考:ブシロードとバザール・エンタテインメント、途上国向けデジタル・コンテンツ配信で資本業務提携のご報告 - PR Times
参考:ブシロードとMobiClix、途上国向けデジタル・コンテンツ配信で資本業務提携のご報告 - PR Times
環境省は講談社との共同プロデュースのもと「もったいないばあさんプロジェクト」として、世界の子どもたちへ日本語の「もったいない」の大切さを伝える人気絵本「もったいないばあさん」シリーズ4作品をアニメ化し、SDGs活動の一環として展開されています。
国際的なNPOの協賛を受け、作品のアニメ化や多言語吹き替え版の制作が行われました。インドでの読み聞かせキャラバンは、子どもたちの環境意識を高めるための一歩となり、IPビジネスが社会貢献に貢献できる明確な例として挙げられます。
出典:アニメ『もったいないばあさん』の公開について - 環境省
このコラボレーションでは、佐渡市の象徴である「トキ」と地域の農業と「けものフレンズ」のキャラクターがコラボレーションすることで、田んぼアートにストーリー性と親しみやすさを加えています。その結果、人々の心に響きやすくなり注目されやすい状況を作れたと言えるでしょう。
また、 稲の成長に合わせて絵が浮かび上がる点は、継続的に注目され続ける状況を作ることにも繋がっています。訪問者が一度見て終わりではなく、成長の過程を見るために複数回訪れる可能性があるということです。
出典:『けものフレンズ』が「朱鷺と暮らす郷」とコラボ「トキ」のフレンズが田んぼアートに! - KADOKAWA
地域の特性をそのままアピールするだけでなく、IPとのコラボレーションによって相乗効果を得ることが可能です。具体的には、以下に挙げる活用方法が考えられます。
地域の特性を活かしたコラボレーションは、SNSやオンラインメディアを通じて積極的に宣伝することで、より多くの注目を集めることができます。特に、ビジュアルが印象的な田んぼアートはSNS映えするため、写真や動画を通じた宣伝が効果的です。
通常であれば、田んぼアートに興味を持つ人か、地域を知っている人からの注目しか集めづらいものの、キャラクターをきっかけに新たな層から注目されやすくなるということです。
関連記事:キャラクターを使ったSNS運用のメリットとは?成功例やコツを紹介
地域の観光資源と連携し、田んぼアートを訪れる観光客に向けた特別なイベントやグッズの販売を行うことで、地域経済の活性化に寄与します。
前述と同様、グッズを購入する理由を作ることで、地域の経済的な発展と認知度アップに繋がります。
関連記事:地域イベントで町おこしをするには?効果的なPR方法や過去のイベント事例を紹介
「トキ」のフレンズを通じて、地域の自然環境や生物多様性の大切さを伝える教育プログラムを設けることも可能です。これにより、子どもから大人まで幅広い層に対して、教育的な影響を与えることができます。
このコラボレーションは、地域文化とIPビジネスの結びつきを示す素晴らしい事例です。地域の特色を活かし、物語性と教育的要素を取り入れることで、IPビジネスの新たな可能性を開拓することができます。その結果、地域振興と経済活性化に貢献することが期待できます。
特に、キャラクターと相性の良いアニメーションは解説動画にも適しています。詳しくは「【解説動画】アニメーションを用いた動画教材が社員教育に注目されている理由とは?」をご覧ください。
デジタル技術の進化は、IPビジネスの可能性を大きく広げています。特に、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)のような技術は、IPを活用した新しい体験を提供し、消費者との関わり方を変革しているのです。
例えば、バンダイナムコの「機動戦士ガンダム」シリーズは、メタバースとの組み合わせにより、IPビジネスの新たな可能性を模索しています。デジタル化が進む中、メタバースを活用することで、既存のIPを新しい形で消費者に提供し、異なる体験価値を生み出すことができるのです。
VRやAR技術を活用することで、IPは単なる視聴体験からインタラクティブな体験へと変貌します。他にも、AR技術を用いたキャラクターとの対話や、リアルタイムでの環境との融合は、従来のメディアでは実現不可能だった体験を提供します。
例えば、VRを通じて人気アニメの世界に没入することができれば、ファンの没入感は格段に高まります。
また、世界中の人々が簡単にIPを通じた体験を得られることで、地理的な制限がなく、さまざまな文化圏の人々がIPを楽しむことが可能になるでしょう。
関連記事:VR動画をビジネスでどう活用するのか?AR・MRとの違いや業界別事例も解説
メタバースは、IPビジネスの未来において大きなカギとなるのではないでしょうか。メタバースによって、仮想空間におけるIPとの交流を可能にし、新たな体験を提供する機会が作れます。これにより、ユーザーはただの観察者ではなく、IPの世界の一部として直接関与することができるようになります。
例えば、デジタルコンテンツの販売、オンライン上でのイベント開催、仮想商品の取引など、従来のビジネスモデルでは考えられなかった形での収益化が可能になります。これらは、IPビジネスの可能性をさらに広げ、多様な市場ニーズに応えることができるのです。
メタバース以外にも、NFTを用いてIPを活用することも良いでしょう。
<関連記事>
・NFTを会員権として活用するPR施策とは?参考事例や注意点を紹介
・NFT(画像・動画)をPR施策にどう活用するのか?参考事例も交えて解説
IPのデジタル化には、さまざまな注意も必要です。技術の急速な進化に適応するための投資、デジタルセキュリティの確保、法的な枠組みの整備など、注意が必要な点は少なくありません。特に、対策をしていなければ簡単にコピーできてしまうため、著作権の問題には注意が必要です。
ただし、これらの課題を克服することで、IPビジネスは今後もデジタル技術を活用した新しい形での成長が期待されています。
デジタル技術の進化により、ユーザーへIPを体験する機会を増やし、新しい市場を切り開くことができるでしょう。これからのデジタル技術の発展に合わせて、IPビジネスの可能性は無限に広がっていくと言えます。
IPビジネスにおけるブランディング戦略は、長期的なブランド価値の構築に不可欠です。
特に、キャラクタービジネスは、消費者の心を掴み、強いブランドイメージを築くための重要な要素です。矢野経済研究所の「キャラクタービジネスに関する調査を実施(2023年)」によると、2023年度の市場規模は前年比101.4%増の2兆6,508億円と予測され、キャラクタービジネスの成長は目覚ましいものがあります。
また、KADOKAWAのような企業は、強力なブランディング戦略を通じて、IPビジネスの可能性を最大限に引き出しています。
出典:キャラクタービジネスに関する調査を実施(2023年) - 株式会社矢野経済研究所
IPの基本的なブランディング戦略は、物語性やストーリーテリングを通じて、強力なブランドイメージを築くことです。他にも、1人の主人公に感情移入させることで、ファンの心を掴む方法以外にも、多様なキャラクターを展開することで、多様な現代に対応してファンを獲得する方法もあります。
例えば、ウマ娘プリティーダービーでは、様々なキャラクターが展開することで、異なる世代や趣味の層に訴求し、幅広い消費者層から支持を受けています。キャラクターごとに異なる魅力とストーリーテリングが可能になることで、ファンの心を捉え、継続的な関心を呼び起こしています。
IPビジネスの成功において、キャラクターの魅力を感じてもらうことは重要な要素と言えるでしょう。
関連記事:キャラクターを用いたコラボ戦略と活用事例から成功の秘訣を探る
IPビジネスにおけるメディアミックスのブランディング戦略は、消費者に対する独自の価値提案を明確にし、ブランドの個性を際立たせることにあります。この戦略により、キャラクターはアニメ、映画、ゲーム、グッズなど、多様な形で展開されています。この戦略はキャラクターの魅力を多面的に伝え、ファン層の拡大に寄与しています。
また、商品化権市場の成長も見逃せません。テーマパークでのグッズ販売の増加や、VTuberの活用による版権市場の拡大は、キャラクタービジネスの多角化を象徴しています。
例えば、KADOKAWAの事例では、メディアミックス戦略を通じて、原作の小説やコミックを様々な形で映像化し、ブランドの認知度を高めています。このような一貫したブランディング戦略は、消費者との強い結びつきを生み出し、長期的なブランドの成功に寄与するのです。
これらの要素を踏まえると、キャラクタービジネスの成功とブランディング戦略は、IPビジネスを成功に導くための重要な要素であることがわかります。消費者の心を捉え、継続的な関心を呼び起こすために、メディアミックスによるブランディング戦略を効果的に展開することが、IPビジネスの成長と持続性には不可欠です。
参考:『KADOKAWAのメディアミックス全史』プレゼント! - BOOK WORKER
ブランディング戦略においては、一貫性と独自性が鍵となります。IPを活用する際には、そのIPが持つ個性や価値観を大切にし、一貫したメッセージを伝えることが重要です。
また、独自性を持つことで、競合他社との差別化を図り、消費者の心に深く刻まれるブランドを構築することが可能になります。
IPビジネスは、ただ商品やサービスを提供するだけではなく、消費者の心に響くストーリーと感情を提供することで、ブランドの深い理解と強い繋がりを築くことができます。このようなブランディング戦略により、企業は長期的なブランド価値を高め、持続可能な成功を実現することができるのです。
関連記事:ブランディング動画で感動を与えるには?効果・活用方法・作り方のコツを解説
KADOKAWAは、台湾角川と文化內容策進院(TAICCA)との間で基本合意書(MOU)を締結しました。
この提携は、台湾のオリジナルIPの映像化投資と製作に関するもので、グローバルエンターテインメント企業としてのKADOKAWAの影響力を活かし、台湾発のストーリーと人材が世界の舞台で活躍する機会を創出しています。
簡単に説明すると、「知名度の足りない海外IP」が「日本国内で影響力を持つKADOKAWA」とのパートナーシップにより、戦略的にブランディングをしたということです。
企業間のパートナーシップは、IPビジネスの成功において非常に重要です。KADOKAWAは、自社の持つ知的財産のライセンスを活用し、多岐にわたるプロジェクトを成功させています。このような強固なパートナーシップは、IPの可能性を最大限に引き出し、より大きな市場での成功を実現できるのです。
出典:台湾からIP世界を変革しよう! 台湾角川と文化內容策進院(TAICCA)、映像化製作の投資に関する基本合意書を締結 - PR Times
サンリオのハローキティは、世界中で愛されるキャラクターとして、長年にわたり成功を収めています。ハローキティは、単なるキャラクターグッズ販売に留まらず、コラボレーション、イベント、映画など多岐にわたる分野で展開されています。
この多角的な展開は、キャラクタービジネスの可能性を広げ、安定した収益源となっています。
キャラクタービジネスの成功には、キャラクター自体の魅力が大きく影響しています。愛されるキャラクターは、商品やサービスに対する好感度を高め、消費者の忠誠心を育てます。また、キャラクターのイメージがブランドイメージに直結し、企業のブランディング戦略において重要な役割を果たすのです。
関連記事:IPビジネスを代理店に依頼するメリットとは?活用するコツや費用感も紹介
認知を広めたり購入意欲を高めたりするための施策の中には、さまざまな手法があります。具体的には広告、CM、チラシやパンフレットの配布などが挙げられます。その中でも認知拡大や興味関心を得る施策として、「キャラクターマーケティング」が位置付けられています。
キャラクターを活用する主な効果として、主に以下の2つが挙げられます。
それぞれ解説していきます。
キャラクターを活用することによって、社員を前面に出すよりも顧客からの好みが分かれにくくなります。親近感の持ちづらい抽象的なサービスでも、キャラクターによって親しみが持てるようになります。
例えば、「キャラクターが可愛らしくてつい見てしまう」など、他ブランドよりも想起されやすくなり注目が集まるといったことがあります。
また、キャラクターを用いた企画やイベント・宣伝を行うことによって、自社のイメージアップを図ることも可能です。単にサービスのイベントを行っても、集客することは簡単ではないはずです。
このように、商品やサービスに対して「興味を持つための理由」を作っていくことは、ブランドを作る上で非常に重要ではないでしょうか。つまり、顧客にとって親近感が湧きやすく、愛着を持ってもらうために見た目を自由に表現できる点はメリットの大きい魅力だということです。
キャラクターをアニメーションによってPRするアニメプロモーションについては「意外と知らないアニメプロモーションの落とし穴!?タイアップだけではないアニメの活用方法」で詳しく解説しています。
キャラクター自身が広告塔として、企業のPR・ブランディング活動が可能です。商品やサービスをアピールするだけでは、なかなか目に留めてもらえない場合も、キャラクターによって印象を変化させることで注目されるきっかけになることもあります。
顧客からブランドに対して共感を持ってもらえれば、悩みなどで商品を購入していた顧客も、ブランド自体を好きになってもらえます。その結果、今までは購入していなかった「ブランドに関連した別商品やサービス」を購入してくれるきっかけになるのです。
顧客生涯価値=LTVが向上することで、更なる商品改善やマーケティング投資が可能になるのです。このように、ブランドを知ってもらい共感を得られることは業績に大きな影響を与えるということです。
キャラクターを活用したマーケティング手法については「キャラクターマーケティングの活用メリットと絶大な効果について」で詳しく解説しています。
サンリオのハローキティは、さまざまな企業とコラボレーションを実施しています。ハローキティというキャラクターを一度制作したことで、IPビジネスとして他社企業から利益を得ることができています。
他社キャラクターを使用して商品やサービスとコラボする場合の利点は、コストを削減しながら収益につなげることができる点です。本来、自社だけで認知度を上げていくためには相応の費用や手間をかける必要があるからです。
例えば、サンリオグループでは、IPビジネスの認知拡大により「ソーシャル・コミュニケーション・ギフト事業」「テーマパーク事業」などが主な事業として展開することに成功しています。ハローキティとコラボする場合は、その認知度を活用して多くの人に知ってもらう「きっかけ」を作ることができます。
このように、スピード感を持って自社キャラクターや商品の知名度を確立するのに適したPR方法だと言えます。
注意点としては、キャラクターを使用する際に、他社へ「ライセンス料」を支払わなければならないことです。この費用と認知効果やブランドイメージなどを総合的に検討し、コラボを検討していきましょう。
キャラクターの知名度を上げるコラボ事例は「キャラクターを用いたコラボ戦略と活用事例から成功の秘訣を探る」で詳しく解説しています。
自社キャラクターを使用する場合の利点は、キャラクター自身が自社のものなので、永続的に使用することができます。また、そのキャラクターを用いて他社とコラボレーションを行うことで収益を得られます。
キャラクターの認知度=ブランドの認知度となるため、その後の商品展開がスムーズになります。
自社キャラクターを作るコツは「ファンのできるキャラクターはどうやって作るの?特徴や作り方のコツを紹介」と「ゆるキャラの成功事例と作り方を解説!キャラクターでPR効果を生むには」を参考にしてみてください。
IPビジネスを最大限に活用するためには、オリジナルキャラクターの知名度を上げて存在を確立することが大切です。これにより、ライセンスのメリットを最大限の価値に高めることが大切です。
つまり、キャラクターを単に制作するだけなく、広く認知されるようにしていく工夫も必要なのです。
なぜなら、どれだけ素敵なキャラクターがいても、知られていなければ価値が上がらないからです。他にも、イメージキャラクターであれば商品やサービスの知名度貢献に繋がらないということです。
ゆるキャラなどを例に挙げると、ゆるキャラの人気が出ることで該当する地域が知られていくきっかけとなります。反対に、ゆるキャラの人気が出なければ地域の知名度は他の方法で上げるしかありません。
このように、キャラクターを作ることに力を注ぐだけでなく、どのようにPRしていくかも同様に考えていく必要があるのです。
ゆるキャラについては「ゆるキャラの成功事例と作り方を解説!キャラクターでPR効果を生むには」で解説しているので、参考にしてみてください。
キャラクターを活用したPRの企画や動画制作は、数々のイベントの認知拡大やアニメーション制作を支援してきた当社へ無料相談してみてください。おすすめできるポイントは以下のような点です。
アニメーションという表現方法の中にも、スライドに動きをつけたものから3DCGを活用したもの、セル画など多岐に渡るテイストがあります。NOKIDでは、独自審査を通過したクリエイターによって幅広い要望にお応えできます。
動画を制作する場合には、要望通りに動画を制作することだけでは効果を発揮しないことが多くあります。NOKIDでは、動画の活用目的に沿った構成や表現を計画しております。
例えば、TikTokであれば認知に適したアルゴリズムになっておりユーザーが次々と動画をスワイプして観ていきます。そのため、冒頭の2〜3秒で注意を引くためのアイデア、PRに繋げるためにどのような情報を発信すべきかといった"ビジネス視点とクリエイティブ視点"のバランスを意識しております。
反応が取れるからといって、ビジネスにまったく繋がらない「奇抜な投稿」では制作費用を掛けても企業の価値が上がることはほとんど考えられません。
イベントの成功には、どれだけの見込み客にイベントを知ってもらい、興味を持ってもらえるかがカギを握ります。素晴らしいイベントであったとしても、上手くPR活動を行わなければ知られることはなく盛り上がりにかけた状態で終了を迎えます。
NOKIDでは、どのようにオンラインでイベントを認知させていくか、そのために適した動画はどんな内容にすべきか、といった企画から支援してきました。
SNSを効果的に活用することで、イベント開催前から認知を広げるだけでなく、開催期間中にも飽きさせず盛り上がりを演出することで「参加はしていないユーザーにも興味を持つきっかけを作る」ことまで工夫を凝らしました。
NFTなどの最新技術も積極的に取り入れて、PRに活かすよう心がけております。上図のようにカンファレンスへも登壇することで情報の発信も行っております。
ぜひ、各サービスの詳細をご覧になって、どういった面でお役に立てるか確認してみてください。
ここまでのポイントをまとめてみます。
当社では、そんな魅力が伝わりやすいキャラクターを1から企画するだけでなく、アニメーション動画にしてSNSでの展開方法までご相談いただくことが可能です。キャラクターを中心にした企業アカウントを作成し、視聴者に親しまれやすい状況を作ることもできます。
また、キャラクターにはPR効果を持たせた自社や商品のストーリー発信が必要不可欠です。下記の「資料ダウンロードページ」にあるテンプレートも活用して、貴社に最適なストーリー作りにお役立てください。ダウンロードは無料なので、ぜひ活用してみてください。
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