漫画動画は、YouTubeやTikTokといった多くの動画共有サイトでも配信されています。
実写投稿がスマートフォンで手軽にできるからこそ、イラストテイストの動画は印象に残りやすいメリットがあります。他にも、最小限の動きで表現できることからコストも抑えられて、漫画のようにストーリーが伝えやすい特長があります。
このように、周囲がどういった表現を活用しているか、制作コストと収益のバランス、伝わりやすさを考えていくことは視聴者を増やす上で大切です。
漫画動画は、必要なイラスト枚数もフルアニメより少ないことから、1人で作成することもできます。もちろん、他の人に依頼しながら仕上げる場合もあります。
しかし、年間2,000本以上の漫画動画を制作してきた経験から「単に漫画動画にすれば良い映像が作れる」わけではないとお伝えします。表現ばかりでなく、シナリオや音声、編集方法すべてを視聴者が共感できるように計画することが必要になります。
そこで今回は、アニメスタジオ「RE:LY」も運営する当社が、シナリオ作成から編集までの各工程を、どのようなポイントに気をつけて制作するのが良いか?を紹介します。
漫画動画を含むアニメーション表現の種類は「【種類別】アニメーション動画制作の料金が知りたい!種類別の制作料金と活用例を解説」がおすすめです。
「ストーリー設計テンプレート」では、マンガ動画・アニメーション制作にて使えるストーリー設計の方法を公開しています。視聴者を引き込む動画の構成にお困りの際はご活用ください。他にも「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ入手してみてください。
漫画動画とは?
漫画動画とは、イラストで描かれた漫画をスライドショーのように動かし、音声をつけた動画のことです。多くは数分間ほどの長さで、フルカラーのものも多く見られます。YouTubeではたくさんの漫画動画を見ることができますし、テレビCMや情報番組でも活用されていることがあります。
この漫画動画のメリットは、情報が伝わりやすいことです。イラストにすることで、テキストよりも情報が伝わりやすくなります。さらに、そのイラストが順を追って動くため、漫画のコマを読み飛ばしてしまうことがありません。
また、ナレーションやセリフなどの音声を入れることで、視覚以外の情報でも伝えられます。漫画ならではのストーリー性によって、見る人は共感しやすくなり、最後まで飽きることなく閲覧してもらいやすくなっています。
漫画動画を作る時の基本的な流れ
漫画動画は「シナリオ作成」「イラスト制作」「イラストをつないで動画にする」「声入れ」「動画編集」の5ステップで作っています。漫画動画で収益を得る場合は、凝ったシナリオやイラスト作成・ナレーション入れなどが大切です。そして、読者を飽きさせない動画の編集も重要でしょう。
全ての作業を1人で行う人もいますが、チームで作成するケースもあります。また、脚本家や漫画家・声優に外注するケースも多いです。そして、高いクオリティの作品が作れると、読者やファンが増えていきます。
関連記事:YouTube漫画動画の作り方を制作会社が解説!何が最も大変なのかを知っておこう
漫画動画を活用するメリット
ほかの方法と比べて、漫画動画を活用するメリットは何でしょうか。
紙や画面に写るイラストだけでは、情報を見逃されてしまうことがあります。音声だけでは、大切な情報を繰り返すなどの工夫をしなければ、聞き逃されてしまう可能性が高いです。また、文字だけでは、長い文章を最後まで読んでもらえず、十分な情報が伝え切れないことが考えられます。
漫画動画は、このイラスト、音声、文字の全てを組み合わせることができるのです。イラストによる視覚的な情報、話し言葉によって聴覚に訴える情報、そして文章や文字による情報が一度に伝えられることによって、見る人の印象に残りやすくなります。
動画であれば実写のものも多いですが、実写の動画を撮影するには出演者の確保が必要になります。実在の人物が出演する場合、人件費がかかったり、撮影機材も使用しなければなりません。漫画動画であれば、誰かに演じてもらわなくても、イラストで希望どおりの動きを表現することができるというメリットがあります。
漫画動画の制作ステップ全体像
実際に漫画動画をつくるには、いくつかのステップがあります。
まず、大切なのはシナリオをつくることです。そして、それに沿った漫画の執筆をしなければなりません。漫画ができたら、ストーリーに合わせてナレーションやセリフの音声を収録します。最後に、イラストと音声を組み合わせて、一つの動画となるように編集をします。こうした作業によって漫画動画は完成します。
専門的な技術を必要とする作業も多いです。これらの作業を全て自分もしくは自社でできるという場合は少ないかもしれません。必要に応じて、外部に依頼をすることがおすすめです。
中でも、漫画の執筆は重要な作業です。漫画動画のイメージを決める大きな要素であり、外部に依頼する場合、ほかの作業よりも高額な料金がかかることも少なくありません。イラスト化する作業で失敗しないよう、依頼する相手を選定する必要があります。
費用面は「【漫画動画制作会社が解説】漫画動画にかかる外注費用はどうやって考えればよい?」を参考にしてみてください。
漫画動画の制作工程1:シナリオ(脚本)・絵コンテを作成する
漫画動画では最初にシナリオを作成します。シナリオは文章や箇条書きで書く方法もありますが、下書きのイラストや絵コンテで書いても構いません。
イラストと文章を上手に使いながら、シナリオの内容を詳細に決めていくといいでしょう。文章でしっかりと説明し、シナリオの流れや重要箇所を伝える必要があります。
特に意識すべきなのは、相手が理解できる視聴者目線に立ったシナリオにすることです。
アニメの企画方法は「アニメの企画ってどうやるの?実は企画書のフォーマットは重要ではない理由をアニメ会社の視点から解説します」を参考にしてみてください。
シナリオを自分で作れない場合は?
また、シナリオが作れない時には、脚本家に外注することも可能です。シナリオを作成する時は、最初に題材を決めます。題材は多くの人が興味を持っていることや気になる話題が人気です。
例えば、「泣ける話」「スカッとする話」「クスっと笑える話」などの題材は、需要が高いとされています。
題材が決まったら、キャラクターの名前や設定を決めます。動画サイトで漫画動画を配信する場合、キャラクターの名前が前後の漫画動画と同じだと、読者は理解しやすいです。あらかじめ、キャラクターの名前と性格を説明する動画を作っておくのもいいでしょう。
シリーズ化していると、読者も親近感がわきやすくなります。キャラクターの性格を設定する時は、読者に共感してもらうことが大切です。「こんな上司や友達がいる」「こういう場面に遭遇したことがある」など、読者が共感しやすいキャラクター設定や場面設定を考えます。そして、大まかな流れや場面が決まった後に、セリフを作っていくのです。
漫画動画の制作工程2:本編イラストを制作する
漫画動画になるイラストの作成は、紙に描く方法とイラストソフトを使う方法があります。紙でイラストを描く場合、出来上がったイラストをパソコンでスキャンして、画像を取り込む作業が必要です。よって、漫画動画では、多くの作者がデジタルイラストソフトを使っています。
サイズは1つの画面に1~3コマで、紙芝居のような構成にするのが一般的です。制作時のサイズは「1920×1080ピクセル」または「1280×720ピクセル」が多いとされています。約5分の漫画動画を作成する場合、イラストでの作画は約15枚~25枚です。
シナリオや動画編集はできても、イラストが描けない時には、イラストレーターや漫画家に依頼するのも一つの手段です。一般的に漫画動画のステップの中で、イラスト作成が一番外注費は高くなってしまいます。ただし、高いクオリティにするためには、知識や経験のある人に依頼する方法は効率的です。シナリオが面白くても、イラストが上手ではないと、人気が出ない可能性もあります。
関連記事:【アニメ制作会社が解説】今話題のYouTubeアニメーション制作ツールとその特徴とは?
漫画動画の制作工程3:イラストをつないで確認する
イラストが完成した後は、1枚1枚をつなぎ合わせて流れを確認します。イラストをつなぎ合わせる(アニメーション化)作業は、全体の流れや尺を把握する上で重要です。
イラストが表示される時間は、全部のページが同じ場合もあれば、場面ごとに変えることもあるでしょう。入れる予定のナレーションやセリフの時間も含めて、動画の流れが問題ないか確認します。
関連記事:どこでどうやって頼む?漫画動画のためのイラストを依頼するには
漫画動画の制作工程4:ナレーション・音声を追加する
シナリオや大まかな漫画アニメーションが完成したら、映像の分かりやすさを補強するナレーションや、キャラクターの音声を収録します。
ナレーションとキャラクターの両方を追加する場合は、それぞれの音声が必要になるため、複数人に協力してもらうことが多くなります。自分の声のみで行う場合は、ナレーションとキャラクターの声を変え、読者に伝わりやすくしましょう。
また、声の収録をした後は、声のスピードやトーン・周りに雑音が入っていないかなどを確認します。動画編集でも効果音を追加できますが、収録の時点で効果音を入れる時には、事前の準備が必要です。
背景のBGMなどについては「【新時代の作業用BGM】Lo-Fi Beats(ローファイ・ビーツ)とチルアウトミュージックとは?事例や成り立ちを解説」も参考にしてみてください。
漫画動画の制作工程5:動画を編集する
漫画と声動画の編集をします。イラストとナレーション・キャラクターの声などを組み合わせていき、一つの動画を作成するのです。タイトルや効果音・BGMなども入れていき、1つのコンテンツを仕上げていきます。
これらの作業は、動画編集ソフトを使う場合が多いです。動画編集ソフトは求める機能などを考え、無料ソフトにするか有料ソフトにするか決めるといいでしょう。
漫画動画を自分で作れない場合は外注してみる
漫画動画は人気があるコンテンツで、話題になるとネット記事に紹介されることもあります。クオリティの高い作品を作るためには、自分の力だけでなく外注をするのも手段です。
また、漫画動画制作が得意な業者に依頼すると、さまざまなアドバイスやサポートも受けられます。自社では商品やサービスの改善、PR計画に集中し、各プラットフォームに沿った映像は外注するようなパフォーマンスが最大化できる体制を考えていきましょう。
制作会社に依頼するだけでなく、クラウドワークスなどのフリーランスへ直接依頼できるサービスを活用することで、コストを抑えたり、自社に合ったクリエイターを見つけていくのも良いでしょう。
関連記事:クラウドワークスでアニメーション制作を依頼するリスクとは?制作会社との違いを紹介
各プラットフォームに合わせて編集する
優れた漫画動画を作ったとしても、見てもらえなければ意味がありません。人気の動画にするためには、多くの人に興味を持ってもらう必要があります。そのためには、SNSなどで動画の一部を活用したショート動画や関連するトピックを扱った投稿をしていくことも大切です。
また、クリエイターへ単に依頼するのではなく、コラボレーションという形で動画を作ることも、PRの点でおすすめです。
コラボレーションによって、制作者の影響力を活用できるため、動画の存在をアピールしやすくなります。さらに、クリエイター自身のモチベーションアップに繋がることで、細部までこだわった映像が作りやすくなります。詳しくは「SNSで漫画・イラストインフルエンサーとコラボする際のおすすめは?依頼方法まで紹介」を参考にしてみてください。
漫画動画の制作工程についてのまとめ
ここまでのポイントをまとめてみます。
- 漫画動画の制作は5ステップで行われる
- シナリオは視聴者目線で理解しやすく作成する
- 題材選びは人々の興味や話題性が重要である
- サイズは「1920×1080 ピクセル」や「1280×720 ピクセル」が一般的
- イラストをアニメーション化して全体の流れや尺を把握する
- イラストの表示時間やナレーションの時間を考慮して確認
- 映像の分かりやすさを補強するためにナレーションやキャラクターの音声を活用する
- 優れた漫画動画を作成しても多くの人に見てもらうことが重要である
以上、漫画動画の制作に関する各工程とその重要点を箇条書きでまとめました。これらのポイントを踏まえながら、視聴者に響く内容の漫画動画を制作してみてください。
漫画動画に活用できるストーリーテンプレートは、以下のダウンロードページをご覧ください。
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