NOKID編集部
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「高級ブランドとアニメ(IP)のコラボ?それってイメージダウンにならない?」そんな不安を持つ方は少なくありません。
これまで、価格帯や世界観が異なるIPとのコラボは、時にブランドの品格を下げるリスクとして語られてきました。実際に数年前の筆者は、ブランド企業がそう考えてIPコラボに踏み切れずにいるケースをよく見かけました。
ですが、2025年の現在では以前よりも受け入れられやすくなってきたと感じます。特に、海外からの反応が良いことも後押しし、多くのコラボ商品が発表されています。
ただし、高級ブランドとIPのコラボは、正しく設計しなければ「ただの話題づくり」や「売上目的」に見えてしまい失敗するとも感じます。
最近の筆者が実際に購入したコラボ商品として、まさに打ってつけとも言える「高級ブランドとIPのコラボ」があります。それが、ベルギー王室御用達の高級チョコレートブランドGODIVA(ゴディバ)と、日本を代表する創作集団CLAMP(クランプ)のコラボレーションです。
そこで今回は、GODIVAとCLAMPのIPコラボ商品が、他のコラボ商品とは一線を画す理由や、考えておくべきリスクなど、プロモーション展開のヒントとなるよう紐解いて紹介していきます。
キャラクターを「自社に合う見栄えか?」だけで作っても、顧客から受け入れられないことがほとんどです。なぜなら、ユーザーは多くの情報に晒されており、自分が興味を持つものしか見ないからです。興味を持つことは、共感したり何らかの感情的な刺激が必要になります。そのためには、キャラクターの人格や設定などが重要だということです。魅力的なキャラクターを作る要素などの「キャラクター作りのポイント」を「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ活用してみてください。

IPコラボを検討する際、高級ブランドが最も恐れるのが「ブランド価値の毀損」です。具体的には、以下の3つのリスクが存在します。
ベルギー王室御用達という歴史と格式を持つGODIVAにとって、アニメキャラクターとのコラボは諸刃の剣です。一歩間違えば「高級ブランドなのにイメージが合わなくなった」などと、既存顧客から批判される可能性があります。
実際、過去には高級ブランドがキャラクターコラボで失敗し、ブランドイメージを傷つけた事例も存在します。
GODIVAの既存顧客は、贈答用や自分へのご褒美としてプレミアムチョコレートを購入する購買力のある層です。このような場合には、青春アニメのような若年層や、男性視聴者の多い硬派なアニメではターゲットが重なりにくいという印象があります。
両者のギャップを埋められなければ、既存顧客を失いながら新規顧客も獲得できないという最悪の結果に陥ります。
熱心なアニメファンは、自分の愛する作品が商業的に利用されることに敏感です。「ただキャラクターを印刷しただけ」「作品の世界観を理解していない」と感じれば、SNSで一斉に批判が起こります。
特にCLAMPのような芸術性の高い作品のファンは目が肥えており、安易なコラボは印象を悪くしやすいかもしれません。
こうしたリスクが前提にある中で、GODIVAは一体どのようにコラボしたのでしょうか?詳しくは後述しますが、筆者の視点で見ると珍しいコラボ方法を選んでおり、とても参考になる発想だったという印象です。
関連記事:【IPコラボ商品・キャンペーン】参考になる事例から学ぶ!成功させるポイントを紹介

高級ブランドが、IPコラボで特に恐れると考えられることは、前述の通り「ブランドイメージが安っぽくなる」ことです。

半世紀以上もの間「ベルギー王室御用達」の称号を保持し続けているという格式を持つGODIVAにとって、アニメとのコラボの影響力は無視できないものの、大きなリスクも感じるはずです。
「高級ブランドが若者受けを狙いはじめた?」と既存顧客に思われたら、長年築いてきた信頼が崩れてしまいます。さらに、熱心なアニメファンは作品が商業的に利用されることに敏感で、慎重に進める必要もあります。
ですが、GODIVAはこれらのリスクを見事に回避しました。その方法が、特定のキャラクターではなく「CLAMP」という作家性そのものとコラボするという戦略です。
今回のコラボには「カードキャプターさくら」の木之本桜、大道寺知世、「ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-」の小狼、「ちょびっツ」のちぃ、「xxxHOLiC」の壱原侑子、四月一日君尋、「魔法騎士レイアース」の獅堂光のキャラクターたちが複数作品から登場しています。
単一作品のファンだけでなく、CLAMP作品全体を愛する幅広い層にリーチまで期待できる設計になっているのです。
参考:ゴディバの歴史|ベルギーで誕生したプレミアムチョコレートブランド - GODIVA

CLAMPは1989年に『聖伝-RG VEDA-』で商業誌デビューして以来、約36年間(2025年時点)にわたり作品を発表し続けてきた漫画家集団です。デビューから36年が経っているということは、少なくとも初期ファンは現在40代以上になります。
1998年頃の『カードキャプターさくら』をリアルタイムで視聴していた世代は、現在30代以上と考えられるため、世代を超えた購買力のある層を同時に獲得できるということです。
さらに重要なのは、CLAMPが2024年に国立新美術館で展覧会を開催し、芸術作品としての地位まで確立して「現代アート」としても認められているということです。
つまり、GODIVAは「有名だから」「流行っているから」という理由ではなく「格式と芸術性がマッチするから」こそ、CLAMPを選んだのではないでしょうか。
このように、高級ブランドがIPコラボで成功するには、コラボ相手の「人気度」ばかりに注目するのではなく「価値・相性」を見極めて選ぶことが重要なのです。

※筆者が実際に購入したゴディバ×CLAMP コレクション アソートメントとオータム コレクション
既存のイラストを使うだけなら、コストも時間もかかりません。
ですが、GODIVAは違う選択をしました。今回のコラボでは、CLAMPに「ゴディバの制服をイメージしたコスチューム」を新たに描き下ろしてもらうという、手間とコストのかかる方法を選んだのです。

さらに、CLAMP作品のマスコットとも言える「魔法騎士レイアース」のモコナが立体的なチョコレートとして商品化されています。これは製造技術的にも難易度が高く、コストもかかる挑戦です。
その結果、「本気でこのコラボに向き合っている」というメッセージを、ファンに伝えられるようにしています。

例えば、あなたが大好きな漫画のキャラクターが、ある企業の広告に使われたとします。それが昔のイラストをそのまま流用しただけだったら、「結局、お金儲けのために使われただけか」と感じませんか?
ファンは敏感です。作品への愛がないコラボは、すぐに見抜かれます。
つまり、GODIVAは手間をかけることで、CLAMPとそのファンへの敬意まで示しているのです。この姿勢が、SNS(X)投稿321万ビュー(2025年11月時点)という驚異的な反響を生んだ理由のひとつかもしれません。
ファンは細部にも気づきます。普通はここまでやらないようなことをするからこそ、好意的に受け取ってもらえるのです。
そして、かけている思いや労力が「このブランドは他社とは違う」印象を生み出し、自発的に情報を拡散してくれるようになるのです。
参考:CLAMPとコラボレーションしたコレクションが登場!保冷バッグやタンブラーのセットも発売「ゴディバ×CLAMP コレクション」など4商品販売 - PR Times

GODIVAとCLAMPのコラボは、よくある人気IPコンテンツの起用とは言えません。両者には、深い部分で共鳴する価値観があります。それが「愛と勇気」です。

GODIVAのブランド名は、11世紀イングランドの伯爵夫人レディ・ゴディバに由来します。GODIVAのシンボルマーク(馬に跨った裸婦)にもなっているゴディバ夫人は、重税を課そうとする夫を戒め、苦しむ領民を救うために自らを犠牲にした愛と勇気を感じるエピソードがあります。
実際、ゴディバ・ジャパンの公式リリースには、以下のようにCLAMPとのコラボ理由が公開されています。
時代を切り開く勇気と愛を持ったCLAMP作品の主人公たちの姿は、ゴディバのブランド名の由来となった、誇り高き伯爵夫人レディ・ゴディバの愛と勇気の物語と重なる点があります。その共鳴する想いを大切にし、ゴディバの上質なチョコレートと、CLAMP作品の主人公の持つ魅力を掛け合わせました。
引用:あの人気キャラクターたちが、チョコレートと出会ったら?ゴディバとCLAMP、コラボレーション決定! - PR Times

CLAMP作品の主人公たちも、困難に立ち向かう勇気と深い愛を持っています。『カードキャプターさくら』のさくらちゃんは、恐れながらも使命を果たし、『魔法騎士レイアース』の光たちは世界を救うため自らの運命と向き合い、『xxxHOLiC』の壱原侑子は他者の願いを叶えるために代償を払い続けます。
例えば、もしGODIVAが「今、人気だから」という理由だけでCLAMPとコラボしていたら、ファンはすぐに気づいたでしょう。ですが、GODIVAは公式発表で「愛と勇気という共通の価値観」を明確に打ち出しました。
このようなコラボの正当な理由付けが、ファンの心を動かしたと言えるでしょう。
このように、IPコラボで大切なのは「なぜこの二つが組むのか」というストーリーを、誰もが納得できる形で示すことも重要なのです。
参考:あの人気キャラクターたちが、チョコレートと出会ったら?ゴディバとCLAMP、コラボレーション決定! - PR Times
かつては、「いい大人がアニメのグッズを買うなんて恥ずかしい」という風潮がありましたが、アニメの一般化が進んだ2025年の現在、この認識は大きく変わっています。
特に、芸術性の高い作品を応援することは、むしろ「文化的な活動」として認められ始めているのです。前述でも触れた通り、CLAMPは日本を代表する美術館である「国立新美術館」で個展が開かれた実績があります。
つまり、CLAMPを応援することは、もはや「アニメオタクの趣味」ではなく、「現代アートを鑑賞する教養ある大人の嗜み」でもあるのです。
例えば、以前なら「アニメのチョコを買った」と言うと、「え、そういうの好きなの?」と驚かれることも多かったかもしれません。ですが今は、「アニメとのコラボ、すごく良いよね」と共感されやすいということです。
実際、GODIVAの321万ビューを記録した公式Xの投稿(2025年11月時点)は、多くの人が「欲しい」「買った」と自発的に投稿しており、周囲にシェアしたいものと捉えられています。
さらに、GODIVAはSNS投稿(UGC)を促すためのキャンペーンも実施しています。

コラボ商品を買った人が、CLAMPオリジナルフレームで撮影した写真を「#ゴディバCLAMPキャンペーン」というハッシュタグをつけて投稿すると、抽選でステッカーとギフトカードが当たる仕組みです。
つまり、GODIVAは「推し活を堂々と楽しんで、みんなとシェアしてください」というメッセージを送っているのです。
この姿勢も、ファンから強い支持を得た理由のひとつではないでしょうか。
関連記事:TwitterでUGC(口コミ)が爆増した事例は?ユーザーを巻き込むコツも解説
従来のIPコラボは、「グッズを作って売る」という単純な構造でしたが、GODIVAは違うアプローチを取りました。それは「買う」だけでなく「体験する」「シェアする」という一連の流れを設計したことです。

実際にGODIVAは、チョコレートのアソートメントだけでなく、カフェメニュー「ホワイトモカ ショコリキサー」、カップアイスクリーム 保冷バッグセットなど、さまざまな形態の商品を用意しています。

ここから「さまざまな場面で、CLAMPとの思い出を作ってほしい」というメッセージを感じ取れます。
例えば、店舗でドリンクを飲みながら友達と話す時間、自宅でアイスを食べながらゆっくりする時間、タンブラーを使って通勤する日常...それぞれの場面で、CLAMPのキャラクターがそばにいるという「体験」なのです。

さらに、オリジナルステッカーを特典にした購入理由も用意されています。
現代の消費者、特にZ世代・ミレニアル世代は、「モノを所有する」ことより「体験をシェアする」ことに価値を感じる傾向が目立ちます。
InstagramやXで「数量限定のステッカーも貰えた!」などと投稿することが身近になり、体験を伝えやすくなったことが影響しているかもしれません。
つまり、GODIVAはファンを「買う人」ではなく、「コラボを一緒に盛り上げる仲間」として扱っているのです。この姿勢が、広告費をかけずにファン自身がブランドの宣伝者になる仕組みを作ったのです。
関連記事:「ちいかわ」のキャラクターグッズが爆売れする理由は「可愛い」だけじゃなかった?
ここまでのポイントをまとめます。
GODIVAとCLAMPのコラボは、人気キャラを利用しただけのグッズ販売ではなく、「ブランド価値」と「作家性」を丁寧に重ね合わせた成功事例です。
安易な話題性ではなく、世界観や価値観の共鳴によって成立したこのコラボは、今後のIP施策の新しい指針となるでしょう。
ブランドとしての信頼を損なわずにファンの共感を得るためには、このようなコラボだけでなく、ブランドとしてのストーリーなどを積極的に発信していくことも大切です。詳しくは、ダウンロード資料ページで詳細をチェックしてみてください。

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