2022.10.17

2024.05.31

インタラクティブ動画の活用術とは?視聴者ごとに分岐できる動画の事例を紹介

みなさんはインタラクティブ動画という動画形式をご存じですか?

インタラクティブ動画はユーザーのクリックやタップなどの行動によって、動画のストーリーが変わる視聴者参加型の映像コンテンツを意味します。

従来の映像コンテンツよりも視聴者のエンゲージメントが高く、マーケティング施策としてもとても効果的なため、インタラクティブ動画を制作する企業も増えてきています。

今回はインタラクティブ動画のメリット・デメリット、企業の活用例をご紹介していきます。


ストーリー設計テンプレート」では、マンガ動画・アニメーション制作にて使えるストーリー設計の方法を公開しています。視聴者を引き込む動画の構成にお困りの際はご活用ください。他にも「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ入手してみてください。


インタラクティブ動画とは

インタラクティブは情報の送り手と受け手の関係が固定的ではなく、互いにやり取りできる状態を意味します。

これまで、YouTubeやTikTokなどの動画媒体やテレビやCTVなどの映像は、完成された配信コンテンツを受動的に視聴するということが多かったと思います。

クリックやタップなど、視聴者自身のコマンドや選択で、ストーリーが変わっていくなど、視聴者参加型の動画コンテンツがインタラクティブ動画となります。

これまでの受動的に視聴するというような形ではなく、視聴者自身がストーリー選択をすることで、動画の視聴時間が長くなったり、映像へ意識を向けている時間が長くなり、マーケティング効果が高まることが期待できます。

インタラクティブな映像といえばテレビゲームが代表的でしたが、Webの技術が進歩するにつれて、マーケティングやPR活動に活用することができるようになりました。

インタラクティブ動画のメリット

ユーザーのニーズに応えやすい

インタラクティブ動画であれば、ユーザーがストーリーを選択できるため、ユーザーが必要としている情報に辿り着きやすく、ユーザーの離脱が少なくなります。

インタラクティブの幅が広がることで、ユーザーのニーズに応えやすくなります。

エンゲージメントが高くなる

前述の通りユーザーの離脱率が少なくなるので、エンゲージメント率も高くなります。

商品説明やプロダクトの説明であれば、通常の動画よりもユーザーの理解度が深まるため、コンバージョンに繋がりやすくなります。

通常の動画であれば幅広い人が視聴することを前提に、基本的には1から100まで説明しなければなりません。

しかしインタラクティブ動画であれば視聴者の理解度に合わせて、必要な情報だけを視聴させることも可能なので、視聴者側のストレス軽減にもなります。

ユーザーの行動を分析することができる

インタラクティブ動画であれば、視聴者がどのようなストーリーを選択したのか、ユーザーの視聴行動データを収集することが可能です。

ユーザーの視聴行動データを分析することで、ユーザーのニーズを洗い出すことができるので、次回以降の動画制作に活かすことができます。

インタラクティブ動画のデメリット

制作コストが大きい

通常の動画と違い、クリックやタップなどの機能を実装したり、分岐するストーリーを制作する必要があり、制作コストは通常の動画よりも高い傾向にあります。

また、制作するには専門的な知識が必要なため、インタラクティブ動画を制作できる映像制作会社が限られてしまいます。

ストーリーが難しい

複数のストーリーが組み合わさるインタラクティブ動画は、ストーリーが複雑になりすぎてしまい、本当に伝えたいことや訴求内容がブレてしまう可能性があります。

できるだけ複雑になりすぎないようなストーリー設計を心がけましょう。

視聴のハードルが高い

インタラクティブ動画はユーザーが能動的に視聴する必要があるため、視聴ハードルは通常の動画よりも高くなります。

通常の動画であれば流し見ということもできますが、ユーザーの操作が多くなればなるほど、視聴に結びつけることが難しくなります。

プラットフォームが限られる

インタラクティブ動画はまだまだ配信プラットフォームが多くなく、選択肢が限られてしまいます。

また、YouTubeのような大手動画プラットフォームでは完全にインタラクティブ動画に対応しているとはいえず、配信方法などについては検討する必要があります。

YouTubeのインタラクティブ機能ではリンクカードやアクションゲッターのみとなります。

インタラクティブ動画の活用方法

採用でインタラクティブ動画を活用する

近年では採用動画を制作する企業が増えています。

企業の雰囲気や理念を求職者に伝えることで、企業のブランディングになるだけでなく、企業と求職者のミスマッチを減らすことができます。

インタラクティブ動画であれば、部署やチームごとのストーリーを求職者にえらんで視聴してもらうことが可能です。

動画内に応募ページへの導線を組み込むことで、動画視聴で興味を持った求職者にダイレクトにアプローチできます。

ECサイトでインタラクティブ動画を活用する

商品説明をインタラクティブにすることで、ユーザーが知りたいことを効率良く視聴することができます。

ファンションであれば、服装のカラー選択をインタラクティブすることで、ユーザーが好みのカラーで商品を確認することが可能です。

動画内に購入フォームやECページへのリンクを挿入することで、動画視聴から商品購入に誘導するのもインタラクティブ動画ならではです。

学習コンテンツでインタラクティブ動画を活用する

教育コンテンツや学習コンテンツでもインタラクティブ動画は活用されています。

クイズ形式で視聴者に解答を促したり、レベルに応じて難易度を選択できたりすることで、視聴者のニーズによりマッチした学習コンテンツとなります。

また、診断形式の動画を作ることも可能なので、学習の前段として、どのような学習をしていくのか診断するところからスタートすることもできます。

インタラクティブ動画の活用事例

マカロニ

インタラクティブ動画イメージ
出典:macaroni - インタラクティブ動画

食にフォーカスしたライフスタイルメディア「マカロニ」では、食材に応じてレシピのストーリーが分岐するインタラクティブ動画が公開されています。

最初の分岐で鶏むね肉か豚バラ肉かを選択すると、次に4種類のメニューが表示されます。

好きなメニューを選ぶと、そのメニューのレシピが表示されるというストーリーになっており、その時の食材と気分でレシピを選ぶことができる面白い動画となっています。

出典:macaroni公式HP

東京都消防庁

出典:いっしょに学ぼう!ふむふむ防災TV(ぼうさいティービー)火災編 - 東京都消防庁公式HP

楽しみながら防災について学べるデジタルコンテンツとしてインタラクティブ動画が制作されました。

動画内に出てくるクイズに答えながら、防災について勉強することができます。

小学3年生から4年生向けのコンテンツですが、インタラクティブ動画にすることで子供でも飽きずに楽しめます。

セブンプレミアム

出典:セブンプレミアム - インタラクティブ動画

セブンプレミアムの商品をハロウィンデコレーションしていく動画で、動画で使用されている商品をタップすることで、商品の説明が表示される仕組みとなっています。

商品サイトへの動線も確保しており、気になった商品はそのままWebサイトで確認することも可能です。

出典:セブンプレミアム公式HP

新生銀行

出典:新生銀行 - インタラクティブ動画

資産運用の新規顧客獲得を目的としたインタラクティブ動画です。

投資コンサルタントに直に相談しているかのような作りになっているのがこの動画の特徴で、視聴者の投資イメージに合わせてストーリーが展開されていくので、興味を維持したまま動画を視聴させることができます。

説明することが難しい商材やプロダクトであってもインタラクティブ動画であれば効率良く視聴者に伝えることができます。

出典:新生銀行公式HP

くまモン

出典:くまモン - インタラクティブ動画

熊本の人気キャラクターくまモンのイベント「くまモン誕生祭」のPRのために作られたインタラクティブ動画です。

視聴者の選択によってくまモンの行動が変わるため、くまモンが好きな人は何度も分岐ストーリーを視聴してしまうことでしょう。

出典:くまモン公式HP

パートナーエージェント

出典:パートナーエージェント - インタラクティブ動画

婚活サポートサービスの疑似体験がインタラクティブ動画となっています。

動画内で自身の性別を選択し、次に理想の結婚観を選ぶことで、コンシェルジュがどのように婚活をサポートしてくれるのかを説明していきます。

動画内で婚活サポートの疑似体験を受けることで、本サービスへのコンバージョンに繋げることが可能です。

出典:パートナーエージェント公式HP

Mfro

出典:株式会社エムフロ - インタラクティブ動画

新米エンジニアの一日をインタラクティブ動画で実現した採用動画です。

動画視聴完了後にエントリーページへの導線をシームレスに表示しています。

出典:株式会社エムフロ公式HP

インタラクティブ動画についてのまとめ

・インタラクティブ動画は、視聴者のクリックやタップなどの行動によって、ストーリーや情報が変わっていく動画のこと。

・インタラクティブ動画は、ストーリー構成が難しい反面、視聴者によって分岐するシナリオを魅せることができる。

・専用の制作プラットフォームを活用することで、ユーザーの行動を分析することも可能。

従来の映像コンテンツのように受動的に視聴するというような形ではなく、視聴者自身がストーリー選択をすることで、視聴者が映像へ意識を向けている時間が長くなり、マーケティング効果が高まることが期待できます。

動画制作コストが大きい点やストーリーの難しさがデメリットとして挙げられますが、広報やPRとしての効果はもちろんのこと、採用やEC、営業ツールなど幅広く活用することができます。

ぜひインタラクティブ動画を検討してみてはいかがでしょうか?



おすすめの記事

基礎知識:企業でアニメーション動画が活用される理由とは?活用事例も解説


事例解説:【PR動画事例】企業のPRアニメーション動画を制作会社が解説


種類・費用:アニメーション動画制作の種類別の制作料金と活用例を解説


制作技法:インディーアニメの制作費用と仕組みを公開!MVにも使われる人気の秘密を解説


制作工程:実写・アニメーションの映像制作を外注する流れとは?費用や依頼時のポイントをご紹介


依頼方法・コツ:ショートアニメの制作を依頼するコツは?制作会社の選び方をプロがご紹介


依頼リスク:動画制作を依頼するのはリスク?後悔しないアニメーション動画制作の依頼方法を解説


制作会社:アニメーション動画の制作会社は増えている?上手な選び方をご紹介


MV制作:アニメMVで楽曲のファンを増やすには?最新マーケティング手法とMVの作り方を解説


実写比較:アニメーションPRと実写PRの違いとは?自社サービスをPRする最適な方法


SNS動画:【TikTokアニメ】”バズる”アニメーションの特徴とは?大人気アカウントを一挙ご紹介!


企画方法:アニメの企画ってどうやるの?実は企画書のフォーマットは重要ではない理由


制作ツール:今話題のYouTubeアニメーション制作ツールとその特徴とは?


採用動画:多くの求職者を応募に導く!採用アニメーション動画を作るコツを解説


解説動画:アニメーションを用いた動画教材が社員教育に注目されている理由とは?


動画制作の基礎についての記事

映像制作に活用されるCGとは?種類や制作会社を選ぶコツまで解説


Unreal Engine(アンリアルエンジン)は映像制作に向かない?機能の特徴や企業が使うメリットを解説


アニメーションMVとはなに?尺の短いアニメ作品が急増している理由とは。


会社・事業説明(案内)の動画とは?採用向けとPR向けをそれぞれ紹介


おしゃれで芸術性の高いアートアニメーションとは?ブランディング向けな理由や事例を紹介


HIPHOPのラップ/R&BのMV制作にはリリックビデオ?人気の理由を紹介


ゲーム実況配信(動画)は売上に影響する?無視できない効果やメリットを紹介


モーショングラフィックスとは?作成の流れや活用方法を紹介


VFXとは?SFX・CGとの違いや各映像技術の事例を解説


TikTok広告で使うUGC(風)動画とは?効果的に活用する方法を紹介


縦型ショート動画「WEBREEN」とは?注目される理由や活用ポイントを紹介


実写・アニメを融合した合成CM(MV)が増加中?理由や魅力・事例を紹介


動画制作の依頼方法についての記事

アニメーションMVの依頼方法を解説!トラブルなくMVを納品してもらうには?


動画制作をフリーランスに依頼する際の相場は?発注先の選び方と注意点も紹介


アニメーション動画を外注依頼する前にすべきことを一覧にまとめました


アニメーション制作に困っている方へ。独学・外注どちらが良いのかを解説


動画広告を上手く作りたい!制作ディレクション方法と発注のコツを解説


クラウドワークスでアニメーション制作を依頼するリスクとは?制作会社との違いを紹介


【まとめ版】動画制作をスムーズに依頼するための専門用語を解説


アニメーション動画制作は外注せず内製化すべき?メリット・デメリットを解説


アニメーション動画制作のヒアリングシートとは?役割と効果を上げるための項目も紹介


動画の作り方についての記事

採用動画を制作しても応募は来ない?内容の考え方や制作事例まで紹介


動画広告を上手く作りたい!制作ディレクション方法と発注のコツを解説


反応を得られるプロモーション動画の作り方とは?企画方法から外せないポイントまで紹介


ブランディング動画で感動を与えるには?効果・活用方法・作り方のコツを解説


YouTube漫画動画の作り方を制作会社が解説!何が最も大変なのかを知っておこう


TikTokでフォロワーを増やす動画の作り方とは?良い投稿の特徴や事例を紹介


YouTube・イベントのオープニング動画(映像)の作り方は?おしゃれ・かっこいい事例も紹介


イベント(展示会)を成功させる動画の活用方法とは?目的別に制作のコツを紹介


【企業向け】ブランディングに成功する動画の要素とは?参考事例も挙げて解説


動画の著作権についての記事

著作権の譲渡とライセンス契約の注意点を解説!発注前に知っておくべきこと


動画の著作権を二次利用するとは?権利範囲や二次創作を解説


動画の事例についての記事

TikTokメニュー「ブランドエフェクト」とは?アニメを活用した効果的な事例をもとに紹介


VR動画をビジネスでどう活用するのか?AR・MRとの違いや業界別事例も解説


【業種別】PR動画の活用事例8選!効果的な動画にする方法も解説


RECOMMEND