2021.08.02

2026.09.11

YouTube広告運用の代行費用や代理店はどうやって判断するべきなのか?選ぶ基準や注意点を紹介

「YouTube広告に強い代理店は、どこを見て選べばいいのか」

この質問に、実績の本数で答えを出そうとしている宣伝担当の方は多いと思います。YouTubeはリスティング広告やMeta広告で取り切れない層にまだ届く場所で、そこに予算を置く判断そのものは正しいはずです。それなのに数字が動きません。動画はきれいに上がってきましたし、配信の設定も直しました。それでも報告書の数字は毎月同じ形で並んでいる——ここまで来ている方に向けて、この記事を書きます。

先に結論を書きます。代理店を実績の本数で選ぶほど、同じ打ち手をする会社に当たり続けます。実績が示しているのは「その案件でCPAが合った」ところまでで、YouTubeで要る順番を組み立てられるかどうかまでは示していないからです。

物差しが1種類しかないのは、あなたの探し方のせいではありません。検索上位の「選び方」記事19本のうち、視聴完了率や視聴維持率といったYouTube特有の指標を項目に立てていたのは1本だけでした。読める場所に、実績以外の物差しがほとんど置かれていません。

この記事では、提案の場でよくある"実績"が測っていないものは何かと、代わりに何を見るのかを順に書きます。読み終えると、次の相見積もりの場でそのまま口に出せる質問が2つ残ります。

YouTube広告の配信手法については「YouTube広告は手間が掛かる?広告手法と運用ステップを具体的に解説」がおすすめです。

YouTube広告の代理店は実績の本数では選べない

実績が示すのは、CPAが合ったところまで。実績から分かる3つと、分からない1つを並べた図

代理店が並べている実績が示しているのは、その案件でCPAが合ったところまでで、順番を組み立てられるかどうかは読み取れません。実績は見る。そのうえで、実績が示していないものを確かめる材料を1つ足す——その材料を、ここから書きます。

YouTube広告は、探しに来ていない人に出す

検索広告は、その商品を探しに来た人の前に出ます。YouTube広告は、別の動画を見に来た人の前に割り込みます。同じ「広告運用」の4文字で発注していても、必要になる仕事はここで分かれます。

Google広告ヘルプの「動画広告フォーマットの概要」を開くと、YouTubeで出せる動画広告は5つの枠に分かれています(スキップ可能なインストリーム広告、スキップ不可のインストリーム広告、インフィード動画広告、バンパー広告、マストヘッド広告)。しかも枠ごとに、何に対して払うかが違います。マストヘッド広告だけでも、表示された回数に応じて払うCPMと、掲載する時間で買うCPHの2つの購入形態があります(2026年9月時点)。

リスティング広告なら、キーワードを入れて上限単価を決めれば、出す形はおおむね決まります。YouTubeは、どの枠に出すかを先に決めないと、尺も払い方も動画の作り方も決まりません。

だとすると、外した原因の置き場所が変わります。動画の出来か、配信の設定か——その2つに原因を置いている限り、次の代理店でも同じ場所で止まります。止まっているのは、その手前にある「どの枠で、誰に、何番目に見せるか」を誰も決めていないところです。

参考:Google 広告ヘルプ 動画広告フォーマットの概要

代理店の選び方に、YouTubeの物差しがない

NOKID編集部が2026年9月に、検索上位の記事19本を開いて、「選び方」をいくつか調査してみました。項目は全部で64。そのうち、視聴完了率や視聴維持率といったYouTube特有の指標を立てていた記事は、19本を数えて1本だけでした。

残りの項目に並んでいるのは、実績と専門性、料金の透明性、サポート体制です。どれも間違ってはいませんが、他業種=ホームページ制作会社などでもそのまま使える言葉で、YouTube広告の代理店を分ける言葉ではありません。

この違いは、読者が持てる質問の違いになります。

実績と専門性を問う項目は、その会社が上手くやれるかを聞いています。視聴維持率を問う項目は、その会社が動画のどこで人が離れたかを見ているかを聞いています。会社の格を確かめる質問と、仕事のやり方を確かめる質問の差です。

読める場所に格を確かめる質問しか並んでいないと、同じ物差しで選ばれてきた、同じ打ち手をする会社に当たります。3社に問い合わせて説明がほぼ同じだったのは、3社が似ていたというより、選び方の記事が同じことしか書いていないからです。

実績が示すのは、取引があったことまで

実績の欄からは、取引が続いている会社かどうかも、ある程度の規模の予算を扱ってきたかどうかも分かります。読み取れないのが、設計力のほうです。当社は代理店側もブランド企業側も経験していますが、並んでいる事例が示しているのは、次のどれかであることが多いと感じています。

  • その会社と取引があった
  • 発注元にもともとブランド力があった
  • クライアント側が設計まで持っていた
  • 条件が揃ってたまたま上手くいった

どれも「その代理店に設計力がある」ことの証明にはなりません。外部の材料でも同じ形が見えます。

株式会社グラッドキューブが自社サイトで公表している動画広告の運用実績3件は、美容クリニックの来院予約完了率が172.1%向上、BtoBクラウドツールの資料請求率が148.6%向上、金融系アプリのインストール率が134.2%向上です(2026年9月時点)。

3件ともYouTube広告だけで完結した案件ではなく、複数の媒体を組み合わせています。実績のロゴが並んでいても、そのときYouTubeが担っていた役目までは読み取れない、ということです。

理由は、代理店の役割の定義にあります。標準的な役割は「媒体の面で、合いそうな人にリーチを届けること」です。配信もターゲティングも予算管理もやりますが、何を、どの順番で見せるかというクリエイティブの設計は、その役割に含まれていないことが多いのです。

当社が代理店側に立っていたときの実感で言えば、預かった予算を許容できる範囲の効率で消化し切ることが基本のスタンスになります。

特定の会社が悪いのではなく、取引の構造がそうなっています。役割に入っていない仕事は評価もされないので、動画の順番を組み替えて結果を伸ばした会社も、渡された動画をそのまま流した会社も、実績の一覧では同じ1行になります。

設計に力を入れる会社が少ないのは、能力のある人が居ないからではなく、役割の定義から外れているからです。

参考:株式会社グラッドキューブ 動画広告制作・運用代行

代理店を替えた人は、半数を超えている

株式会社Shirofuneと株式会社キャスターが2023年1月に実施した「BtoB企業のデジタルマーケティングにおけるWeb広告運用体制に関する調査」では、1度でも代理店に運用を任せた経験がある47名のうち、半数以上が代理店を切り替えたことがあると答えています。5回以上替えたという回答も約1割ありました(有効回答109名。設問ごとに答えた人数が違い、この数字の分母は47名です)。

物差しが1種類しか供給されていない市場では、判断を変える手段が残っていないので、会社を替えるという行動しか取れなくなります。同じ物差しで次の1社を選べば、当たるのは同じ打ち手をする会社です。そしてまた替えることになります。

替えずに任せ続けている人の理由も、同じ調査に出ています。最新のやり方を自分たちで追い続けるのが難しいこと、社内で人を育てずに済むことでした(この設問に答えたのは、一度も自社運用を経験していない16名です)。任せる判断そのものは同じ理由で選ばれていて、分かれるのは任せる相手を何で選ぶかのほうです。

だとすると、問題は替えたことではありません。替えるときに使った物差しが前回と同じだったことのほうです。3社目に進む判断を失敗の証拠として持つ必要はなく、変えるのは次に使う物差しのほうです。

といっても、実績の欄を閉じるわけではありません。見る場所は同じで、そこに何を探しに行くかが変わります。これまでは、ロゴが何社あるかを探していました。これからは、その実績で誰が順番を決めたのかを探します。発注元が決めたのか、代理店が決めたのか。提案書にその話が1行も出てこないなら、まだ確かめていないということです。

媒体ごとの違いは「動画を活用するならYouTubeとTikTokどちらがいい?」と「動画広告とバナー広告はどちらが効果的?活用メリットから選び方まで解説」で解説しています。

参考:株式会社Shirofune BtoB企業のデジタルマーケティングにおけるWeb広告運用体制に関する調査

YouTube広告で代理店に任せる「順番」の中身

良い動画をつくると配信の設定をするの間に、どの枠で誰に何番目に見せるかという段階の設計がある図

YouTube広告で要るのは、良い動画でも良い配信設定でもありません。その間にある段階の設計です。どの枠に出すかで尺が変わり、見て楽しめる中身として出す広告と、申し込みを求める広告とでは、見せる相手も変わります。この順番を決めるところが、代理店に任せたい中身です。

実績の代わりに何を見るのか。その中身を、ここで具体的に書きます。

動画より先に、出す枠を決める

動画を先に作って、あとから出す枠を決める——この順番だと、作り直しか、合わない枠での配信のどちらかになります。

Google広告ヘルプに書かれている尺の規定を並べると、バンパー広告は「6 秒」、スキップ不可のインストリーム広告は「15~60 秒」(キャンペーンのサブタイプによって異なる、と併記されています)、スキップ可能なインストリーム広告は推奨が「3 分未満」です(2026年9月時点)。同じ1本の動画をすべての枠に流せる保証は、どこにもありません。

何のために出すかを決める、出す枠を決める、枠が決まると尺が決まる、尺が決まると動画の構成が決まる、の順序図

先に決まっているのは、動画ではなく枠のほうです。ブランドを広く知ってもらいたいのか、資料請求まで持っていきたいのか。それによって出す枠が変わり、枠が変われば尺が変わり、尺が変われば動画の構成そのものが変わります。

だから、制作を発注する前に、どの枠で、誰に、何番目に見せるのかを決めておく必要があります。きれいな動画が上がってきたのに5秒でスキップされ続けたのだとしたら、それは品質の問題ではなく、この順番の問題です。

YouTube広告の配信手順は「【初心者向け】YouTube動画広告の配信手順をキャプチャ付きで解説」、枠ごとの使い分けは「インストリームとインフィード動画広告を最適化するには?」で解説しています。

動画広告の8割超は、回しながら直している

動画広告に使われているお金の8割超は、出したあとも配信先や動画を差し替えながら使われています。動画が納品されたところまでを発注の範囲だと考えていると、市場の主流の使い方から外れます。

株式会社電通が2026年3月に公表した「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によると、2025年のビデオ(動画)広告は1兆275億円(前年比121.8%)で、そのうち運用型広告が84.6%を占めています(この84.6%は動画広告の1兆275億円を分けた割合で、媒体費全体で見た運用型の88.7%とは割る前の金額が違います)。

運用型広告というのは、出稿したあとも配信先や予算配分や動画そのものを変えながら回し続ける買い方のことです。

だとすると、発注の範囲を「制作まで」で切ったときに何が起きるかが見えてきます。直し続ける役目が、誰の手にも残りません。制作会社は納品で仕事が終わり、運用会社は渡された動画を配信するところから始めるので、動画の中身を数字を見ながら直す人が居なくなります。

制作会社と運用会社を分けて発注して「間で話が通らない」と感じたことがあるなら、話が落ちていたのはこの位置です。

参考:株式会社電通 2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

YouTube広告の運用代行は3工程に分かれる

「運用代行をお願いします」とだけ伝えて発注すると、どこまでが含まれてどこからが含まれないかが決まらないまま契約が始まります。仕事の中身は、動画を作る・広告として出す・出したあとを直す、の3つに分かれます。前の2つは頼む相手が分かれることが多く、動画制作会社と、広告を扱うメディア会社です。

ただ、この分け方だけでは足りません。当社が相見積もりを取ってきた範囲では、「制作から運用までワンストップで行います」と掲げる会社の多くが、実作業を別の会社に出していました(中身は次の章で書きます)。どの会社がやるかを聞いても、その先に誰が居るかまでは決まりません。

ですから、確かめるのは「どの会社がやるか」ではなく、それぞれを誰が決めるのかにしてください。次の4つを、提案ごとに埋めてみてください。

決めること誰が決めるかを聞く
どの枠に、何本目を出すか御社が決めますか。それとも、こちらで決めて渡しますか
動画の構成(冒頭の数秒に何を置くか)御社が構成から入りますか。撮影・編集は自社の人ですか
配信先(誰に見せるか)の絞り込み初回の設定だけですか。出したあとも組み替えますか
出したあとの直し方数字の報告だけですか。動画のどこを直すかまで出しますか

この1行目が、いちばん埋まりにくい行です。動画を作る会社は「渡された企画で作ります」と言い、配信する会社は「渡された動画を出します」と言う。順番を決めるのはその手前の仕事なので、どちらの見積書にも項目として載っていないことがあります。

だからこの4つは、資料を読み比べる前に口に出して聞いてください。1行目に自分の考えを持っている会社かどうかは、その場で分かります。

YouTube広告の代理店を提案の場で見分ける

提案書を読み比べる前に見る5つ。責任の終わり、両方できますの中身、2つの質問、戦略と動画の構成が主題か、下限額と初期費用

提案書を読み比べても、順番を組み立てられる会社かどうかは分かりません。判断の基準は、提案の場で戦略と動画の構成の話が主題になるかどうかです。そのために見るところは5つあります。

  • その会社の責任がどこで終わるか
  • 「制作も運用も両方できます」の中身
  • その場で投げる2つの質問
  • 戦略と動画の構成の話が主題になるか
  • 料金表の下限額と初期費用の行

この章では、この5つを順に書きます。

制作会社は納品まで、運用会社は配信の先まで

同じ「代理店」と呼んでいても、責任が終わる地点が違います。

当社が発注側と受注側の両方で見てきた範囲で整理すると、次のようになります。

項目動画制作会社メディア会社(広告代理店・WEBマーケティング会社)
仕事の中身企画と構成/撮影/編集/音響とナレーション/動画のアップ広告配信戦略とターゲティング設計/入稿と配信開始/運用結果のレポート/分析の報告会と示唆出し
責任が終わる地点動画が完成して納品されたところ配信して、結果を分析して示唆を出したところ
発注側が用意するもの何のための動画かという目的予算と、獲得したい成果

制作会社の責任は納品で終わり、運用の側(メディア会社)の責任は配信のあとまで続きます。この差を知らないまま両方に発注すると、動画が思ったように効かなかったときに、どちらに聞けばいいのかが決まりません。

ですから、提案書を読むときに最初に確かめるのは、実績の欄ではなく、その会社の責任がどこで終わるか、になります。

発注前の準備は「動画広告を上手く作りたい!制作ディレクション方法と発注のコツを解説」と「アニメーション動画を外注依頼する前にすべきことを一覧にまとめました」にまとめています。

代理店が言う「制作も運用も両方できます」の中身

代理店のサイトや提案書には「制作から運用まで両方できます」と書いてあります。ところがこの一言では、その会社に何を頼めるのかが決まりません。

NOKID編集部が2026年9月に自社サイトを開いた6社のうち、制作と運用の両方を掲げていたのは4社でしたが、「両方」の書き方は同じではありません。撮影と編集まで自社で行うと書いている会社もあれば、「ディレクションを行い」と書いている会社もあります。

つまり「両方」という言葉は、2つの意味で使われています。1つは、自社の人が全部やるという意味です。もう1つは、窓口としてまとめて受けて、実作業を配るという意味です。

当社が相見積もりを取ってきた範囲でも、ワンストップと言う会社のほとんどは自ら手を動かしておらず、動画制作や広告配信を別の会社に外注していることが多いという実感があります。

どちらが良いという話ではありません。まとめて受ける会社は窓口が1つで済み、その代わり間に1社入るぶんの費用が乗ります。決まらないのは、そのどちらなのかが「両方できます」からは読み取れない、ということです。ですから、そう書いてあったら1つ聞いてください。3工程のうち、どれを自社の人がやるのですか、と。

提案の場で投げる質問は、2つで足りる

提案書を読み比べる代わりに、その場で2つ質問します。動画制作会社には、この1つです。

「ホームページに掲載されている動画は、どんな意図・経緯で作られたのでしょうか?」

メディア会社に対しては、この1つです。

「制作した動画を活用して、予算〇〇万円までで適切な広告戦略を考えたいのですが、どうすれば良いでしょうか」

どちらも、当社が発注側として実際に使ってきた質問です。あえてざっくり聞くのは、目標の立て方そのものをその場で組み立てられるかを見るためです。答えの正しさを採点する質問ではありません。

提案の場で、戦略と動画の構成の話が主題になるか

2つの質問を投げたあと、当社が両側を経験して行き着いた基準は1つだけです。返ってきた答えの中で、戦略と動画の構成の話が主題になっているかどうかを見ます。

ここで差が出るのは、YouTube広告の相手が探しに来ていない人だからです。検索広告なら、探している人が相手なので、他社より安い、早いといった強みを並べれば比較の土俵に乗ります。YouTubeでは強みを並べても手が止まらないので、誰に、何番目に、何を見せるかを先に組み立てる必要があります。

ところがこの組み立ては、前の章で書いたとおり代理店の仕事の範囲に入っていません。だから提案の多くは、商品の強みをどう見せるかの話で終わります。

とはいえ、その場で「戦略はありますか」と聞いても、無いと答える会社はありません。だから、返ってきた答えを2つに分けて見ます。

主題になっている主題になっていない
誰に、どの順番で見せるかから始まる実績・体制・料金から始まる
冒頭の数秒に何を置くかに理由がある見せ方は納品後の相談になる
1本で完結しない組み方が出てくる動画1本と配信の設定で完結する
予算からの逆算をその場で組み立てる持ち帰って後日の見積書になる

右側は間違いではありません。どれも普通の受け答えで、動画の出来とも関係ありません。ただ、右側だけで話が進むとき、その提案は「作って出す」で終わっています。作り、出し、報告するところまでは書いてあるのに、どの枠に何本目を出すかを決める話が入っていません。

この4行のうち、いちばん差が出るのは3行目です。

1本の動画に、知ってもらう役目と買ってもらう役目の両方をやらせようとすると、どちらの役目も果たしません。相手はまだこちらを知らないのに、いきなり申し込みを求めることになるからです。役目ごとに分けて、順番に出す。たとえば1本目は最後まで見てもらうための広告にして、2本目でその1本目に触れた人に申し込みを求める、という組み方です。どこで区切るか、何本に分けるかは商材でも予算でも変わるので、決まった正解はありません。

これは特別な手法でもありません。Google広告ヘルプの「動画キャンペーンのターゲティングについて」には、YouTubeチャンネルをGoogle広告アカウントとリンクすれば、自社の動画・動画広告・チャンネルへの接触履歴をもとに配信先を作れると書かれています(2026年9月時点)。

媒体の側に仕組みが用意されているので、提案でこの話が出てこないなら、そこまで設計していないということです。

1つ目の質問で、掲載動画をどんな意図で作ったのかをはっきり答えられない会社は、断って構いません。2つ目の質問で段階の話が出てこない会社も、同じです。

参考:Google 広告ヘルプ 動画キャンペーンのターゲティングについて

手数料20%でも、払う額は同じにならない

運用手数料は「広告費の20%」のように率で示されることが多いのですが、この率だけを並べても、実際に払う額は決まりません。

NOKID編集部が2026年9月に、公式サイトで運用手数料の率か金額を公表している12社を集めて数えたところ、広告費の20%を基準の率として掲げていたのは10社でした。そのうち8社に、手数料の下限額か初期費用のどちらか、または両方がありました。

具体的な条件は会社ごとに違います。

ある企業では、手数料の下限を月額20万円と公表している一方、最低出稿金額の取り決めも最低契約期間の設定もないと明記している企業もあります(どちらも各社が公表している2026年9月時点の数値で、業界で決まっている基準ではありません)。

同じ手数料20%でも、下限額なしなら10万円、下限が月20万円なら実質40%の20万円になる比較図

率が同じでも払う額が変わるのは、下限額が広告費に連動しないからです。

手数料の下限が月20万円の会社に月50万円で発注すると、率で計算した10万円ではなく下限の20万円を払うので、実質の負担は広告費の40%になります(各社の公表値からの計算です)。小さく出すほど、率の表と実際の請求書は離れていきます。

ですから、見積書を並べるときは、下限額の行と初期費用の行を最初に確認してみてください。

YouTubeチャンネルそのものの運用を外注したい場合は「YouTube運用代行会社はどこへ依頼すべき?外注できる内容や費用相場を紹介」をご覧ください。

まとめ:代理店選びで、次にやること

候補を絞り込む前に、やることは1つだけです。提案が「作って出す」で終わっていないかを確かめてください。

確かめ方は、この記事で書いた2つの質問です。動画制作会社には、掲載されている動画がどんな意図で作られたのかを聞きます。メディア会社には、この予算内でどう戦略を打てばいいのかを、あえてざっくり聞きます。返ってきた答えの中で、戦略と動画の構成の話が主題になっているかどうかを見ます。

実績は見て構いません。そのうえで、実績が示していない「順番」を確かめる質問を1つ足すだけで、選び方は変わります。実績は、順番を組み立てられるかを教えてくれません。この質問をする発注側が少ないぶん、順番を語れる会社に当たったときの差は大きくなります。

3社目を探しているのは、失敗のやり直しではありません。物差しを1つ持ち替えて、次の場に出るということです。


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NOKID編集部

キャラクターIPの専門メディア NOKID Lab の編集部です。アニメーションとキャラクター制作を手がける株式会社NOKIDの知見をもとに、IPの起用事例やコラボ・ライセンスの実務、業界の動きを解説しています。

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