Googleが提供するDSPであるDV360(ディスプレイ&ビデオ360)という広告手法をご存じでしょうか?DV360は、DoubleClick Bid Managerというマーケティングプラットフォームがリニューアルして「Google DV360」になりました。
通常のGoogle広告には出稿している広告主の方でも、DV360については知らなかったという方も多いことと思います。
そこで、この記事ではDV360の出稿方法やメリットデメリット、Google広告との違いについて解説していきます。Google広告にて出稿されてる方はもちろんのこと、新たな広告配信先やDSPを模索している方はぜひ参考にしてみてください。広告配信の幅が広がるかもしれません。
広告を配信する際には、DV360などの配信先の選定だけでなくクリエイティブが重要です。Google広告のクリエイティブをどのように考えると良いかを「【初心者向け】Google広告の出稿手順とクリエイティブの考え方をキャプチャ付きで解説」の記事もご覧になって参考にしてみてください。
YouTubeやTikTokで効果的なPRを行うための「動画広告の設計方法」から「アニメーション動画の活用方法」まで「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。多くの自社チャンネル運用、他社チャンネル運用代行を行なってきたノウハウを凝縮したガイドブックを入手してください。
DV360(ディスプレイ&ビデオ360)とは?
DV360(ディスプレイ&ビデオ360)はGoogleが提供しているDSPです。
DSPはDemand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)の略称です。
広告配信者のための広告配信プラットフォームで、広告在庫の掲載面やオーディエンスを管理し、広告枠の買付や入札単価の調整を行ってくれます。
Google広告が保有している配信面だけでなく、国内の主要なSSPにアクセスできるため、Google広告よりも多くの配信面にアプローチすることが可能です。
より多くの配信面を横断的に配信できるだけでなく、総合的に広告効果を確認し、最適化することができます。
DSPとSSPの違い、運用のコツやDSPの選び方については「広告のDSPとは?SSPとの違いや「効果を上げる」媒体の選び方や運用方法まで解説」を参考にしてみてください。
DV360とGoogle広告の違いは何か?
前述の通り、Google広告であればGoogle広告が保有している配信面にしか広告を出すことができません。
Google広告でもGoogleと提携する200 万以上のウェブサイトに配信できますが、DV360の保有するインプレッション数は3,800億以上とも言われています。
DV360の配信面の例としてはMicroAd、AppNexus、adstir、OpenX、Fluct、Geniee、Xrost、YieldOne、i-mobileなど、数えればきりがないほどで、Yahooディスプレイ広告にも出稿することが可能です。
簡単に説明すると、Google広告やYouTubeにも出稿できるDSPだと考えていただければわかりやすいかと思います。
Google DV360で何ができるのか?
GDNのリマーケティングリストと連携可能
既にGoogle広告でディスプレイ広告を配信している方であれば、広告データをDV360と連携することができます。
ゼロからのリマーケティングはユーザーデータが溜まるまでに時間がかかってしまいますが、Google広告のリマーケティングデータをDV360に連携することで、リマーケティング配信をすぐに行うことができます。
主要SSP以外にも配信可能
主要SSP以外にもAbemaTVやTVer、テレビ東京などへの動画広告を出稿できる他、音声広告への出稿も対応しており、Spotify、radiko、YouTube Musicへ配信が可能です。
大手サイネージ広告のTokyo Primeへの配信が可能なので、タクシー広告へ出稿することもできます。
横断的なレポーティングが可能
Google広告の場合はGoogle広告としての配信結果しか見ることはできず、最適化もGoogle広告内で簡潔してしまいます。
しかしDV360であれば出稿できる媒体全てを横断的にレポーティングすることが可能で、複数メディアを含めた総合的な指標やディメンションを設定することができます。
また広告コントロールにおいても横断的に可能で、例えばフリークエンシーを全ての媒体で制御することもできます。
DV360のメリット
3rdPartyツールとの連動の幅が広いのでブランドリフトサーベイや3rdPartyDataを活用したターゲティングを得意としています。
複数媒体を横断したレポーティング等が可能になるので、主にブランディング広告に使う場合により効果を発揮します。
YoutubeやAbemaTVやTverなどコネクテッド・テレビと掛け合わせて運用することでブランディングを行いたい場合、DV360以外に出来るプラットフォームはありません。
DV360のデメリット
Google広告よりも圧倒的に効果的なDSPであるように感じますが、DV360にもデメリットがあります。
運用がGoogle広告よりも煩雑なため、とても難易度が高く、単純にアプリのインストールやURLのクリックなどシンプルな目的をゴールにするのであれば、Google広告の方が自動で最適化してくれるので、運用工数は少なく成果を出すことができます。
媒体によっては最低出稿額が決まっており、その場合はミニマムでの運用ができないことがリスクとなります。
DV360を活用して広告出稿するには?
2022年8月現在、DV360の新規アカウント発行は行われていません。広告出稿額と将来性を審査された上で一部の会社が発行されていますが、基本的に新しいアカウントは発行されていないようです。
DV360を利用するためには、DV360のアカウントを保持している一部の代理店経由で出稿することとなります。広告代理店に出稿を依頼する場合は出稿手数料が発生します。
また、広告代理店によってはDV360を運用するうえでの月々の最低出稿額を定めている場合もあります。
複数の広告代理店に相見積もりを依頼し、どの代理店が自社の広告プランとマッチするのかを比較していきましょう。
広告の配信手法に関する記事
YouTube広告の配信手法は何がある?メリット・デメリットを徹底解説
YouTube広告は手間が掛かる?広告手法と運用ステップを具体的に解説
【保存版】TikTokの広告出稿は実際どうなの?TikTokの特徴を徹底解説
広告の配信手順に関する記事
【初心者向け】Facebook(Meta)広告の配信手順をキャプチャ付きで解説
【初心者向け】LINE広告の配信手順をキャプチャ付きで解説
【初心者向け】Twitter広告の配信手順をキャプチャ付きで解説
【初心者向け】Google広告の出稿手順とクリエイティブの考え方をキャプチャ付きで解説
【初心者向け】YouTube動画広告の配信手順をキャプチャ付きで解説
広告代理店の選び方に関する記事
YouTubeチャンネルと広告の運用代行を選ぶ前に知るべきポイントとは
TikTok広告出稿は自社でやる?外注する?それぞれのメリット・デメリットを解説
DV360で効果的な動画クリエイティブを作成するには?
DV360で動画クリエイティブを作成する際におすすめのフォーマットをご紹介いたします。
動画クリエイティブのフォーマット
このフォーマットはGoogleで推奨されているフォーマットとなります。
【動画】
ファイル形式:.mov または .mp4
サイズ:
横向き→1280×720、1920×1080、1440×1080
縦向き→720×1280、1080×1920、1080×1440
スクエア→720×720、1080×1080、1920×1920
コーデック:H.264
フレームレート:23.98 または 29.97
ビットレート: 20 Mbps 以上
動画の長さ:15 秒または 30 秒
ファイルサイズ:1 GB 以下
【動画の音声】
コーデック:PCM(推奨)または AAC
ビットレート:192 Kbps 以上
ビット:16 ビットまたは 24 ビットのみ
サンプルレート:48 kHz
音声設定:必須
動画広告の再生時間について
DV360の動画広告枠は以下の6種類の配信枠に分かれています。
- 15 秒未満
- 15 秒
- 20 秒
- 30 秒
- 60 秒
- 90 秒以上
動画は、広告枠内の最大再生時間と同じ長さである必要はなく、それ以内であれば正しく配信できます。
例えば22秒の動画であれば30秒の広告枠で再生することができます。
また、広告枠の再生時間は各10%であればオーバーしていても配信可能なため、30秒の広告枠には33秒までの動画広告を配信することが可能です。
オーディオ広告のクリエイティブについて
DV360ではSpotify、radiko、YouTube Musicなどの音声配信媒体にて、オーディオ広告を出稿することができます。
クリエイティブのフォーマット
ファイル形式:.ogg、.mp3
ファイルサイズ:最大1GB
再生時間:15秒、30秒(推奨)
※オーディオクリエイティブは、さまざまな再生時間に対応していますが、15 秒または 30 秒のクリエイティブの広告在庫が多いです。
クリエイティブ作成のポイント
最適なクリエイティブを作成するポイントは以下の8点です。
①オーディエンスを理解し、パーソナライズされたメッセージを配信する
②ユーザーが各種プラットフォームでどのようにコンテンツを聴いているかを意識する
③簡潔で印象に残る音声にする
④行動を促すフレーズやブランド名を2~3回繰り返すこともおすすめです。
⑤音声バランスを第一に考える
⑥トーンやテンポに一貫性を持たせる
⑦コンテンツに対して不自然じゃないタイミングで広告を配信する
⑧ストーリーを伝える
※リスナーを不快にさせる可能性のある耳障りな効果音(アラーム、警告音)や派手なジングル、リスナーを混乱させるような複数の声を使用した広告は控えましょう。
動画広告のディレクション方法は「動画広告を上手く作りたい!制作ディレクション方法と発注のコツを解説」で解説していますので、参考にしてみてください。
広告クリエイティブに関する記事記事
Facebook(Meta)広告を最適化するには?クリエイティブの考え方をプロが解説
【TikTok広告】クリエイター起用動画を制作したいときは何をしたら良い?制作会社が解説
3DCG動画広告で効果的なPRを行うには?相性の良い広告手法から反応を得るための内容までを解説
【DV360】ディスプレイ&ビデオ360のまとめ
今回はGoogleが提供するDSPであるDV360(ディスプレイ&ビデオ360)について解説してきました。
DV360は、Google広告やYouTubeにも出稿できるDSPだと考えていただければわかりやすいかと思います。
- DV360の保有するインプレッション数は3,800億以上とも言われ、国内の主要なSSPにアクセスできるGoogle広告よりも多くの配信面にアプローチすることが可能
- 複数媒体を横断したレポーティングが可能になるので、主にブランディング広告に使う場合により効果を発揮
しかし、DV360を利用するためには、DV360のアカウントを保持している一部の代理店経由で出稿しなければなりません。
出稿までのハードルが高いDSPではありますが、運用次第でとても効果的な手法となる可能性があります。
おすすめの記事
基礎知識:企業でアニメーション動画が活用される理由とは?活用事例も解説
事例解説:【PR動画事例】企業のPRアニメーション動画を制作会社が解説
種類・費用:アニメーション動画制作の種類別の制作料金と活用例を解説
制作技法:インディーアニメの制作費用と仕組みを公開!MVにも使われる人気の秘密を解説
制作工程:実写・アニメーションの映像制作を外注する流れとは?費用や依頼時のポイントをご紹介
依頼方法・コツ:ショートアニメの制作を依頼するコツは?制作会社の選び方をプロがご紹介
依頼リスク:動画制作を依頼するのはリスク?後悔しないアニメーション動画制作の依頼方法を解説
制作会社:アニメーション動画の制作会社は増えている?上手な選び方をご紹介
MV制作:アニメMVで楽曲のファンを増やすには?最新マーケティング手法とMVの作り方を解説
実写比較:アニメーションPRと実写PRの違いとは?自社サービスをPRする最適な方法
SNS動画:【TikTokアニメ】”バズる”アニメーションの特徴とは?大人気アカウントを一挙ご紹介!
企画方法:アニメの企画ってどうやるの?実は企画書のフォーマットは重要ではない理由
制作ツール:今話題のYouTubeアニメーション制作ツールとその特徴とは?
採用動画:多くの求職者を応募に導く!採用アニメーション動画を作るコツを解説
動画制作の基礎についての記事
・映像制作に活用されるCGとは?種類や制作会社を選ぶコツまで解説
・Unreal Engine(アンリアルエンジン)は映像制作に向かない?機能の特徴や企業が使うメリットを解説
・アニメーションMVとはなに?尺の短いアニメ作品が急増している理由とは。
・会社・事業説明(案内)の動画とは?採用向けとPR向けをそれぞれ紹介
・おしゃれで芸術性の高いアートアニメーションとは?ブランディング向けな理由や事例を紹介
・HIPHOPのラップ/R&BのMV制作にはリリックビデオ?人気の理由を紹介
・ゲーム実況配信(動画)は売上に影響する?無視できない効果やメリットを紹介
・TikTok広告で使うUGC(風)動画とは?効果的に活用する方法を紹介
・縦型ショート動画「WEBREEN」とは?注目される理由や活用ポイントを紹介
動画制作の依頼方法についての記事
・アニメーションMVの依頼方法を解説!トラブルなくMVを納品してもらうには?
・動画制作をフリーランスに依頼する際の相場は?発注先の選び方と注意点も紹介
・アニメーション動画を外注依頼する前にすべきことを一覧にまとめました
・アニメーション制作に困っている方へ。独学・外注どちらが良いのかを解説
・動画広告を上手く作りたい!制作ディレクション方法と発注のコツを解説
・クラウドワークスでアニメーション制作を依頼するリスクとは?制作会社との違いを紹介
・【まとめ版】動画制作をスムーズに依頼するための専門用語を解説
・アニメーション動画制作は外注せず内製化すべき?メリット・デメリットを解説
動画の作り方についての記事
・採用動画を制作しても応募は来ない?内容の考え方や制作事例まで紹介
・動画広告を上手く作りたい!制作ディレクション方法と発注のコツを解説
・反応を得られるプロモーション動画の作り方とは?企画方法から外せないポイントまで紹介
・ブランディング動画で感動を与えるには?効果・活用方法・作り方のコツを解説
・YouTube漫画動画の作り方を制作会社が解説!何が最も大変なのかを知っておこう
・TikTokでフォロワーを増やす動画の作り方とは?良い投稿の特徴や事例を紹介
・YouTube・イベントのオープニング動画(映像)の作り方は?おしゃれ・かっこいい事例も紹介
・イベント(展示会)を成功させる動画の活用方法とは?目的別に制作のコツを紹介