今回はクラウドワークスなどのクラウドソーシングサービスで、アニメーションやCG、デザインを依頼することのメリットやデメリット、制作する際に気を付けること、依頼を失敗しないためのディレクション方法についてご紹介いたします。
クラウドワークスは非常に便利なサービスで、安価にクリエイティブを発注することもできますが、しっかりとデイレクションを行わないと想定しているクリエイティブとはかけ離れたモノが出来上がってしまったり、修正作業に大幅な時間を費やすことになったりと、最初から制作会社に依頼した方が早かったということも。
映像制作やクリエイティブ作成をクラウドワークスで依頼するか映像制作会社に依頼するかで悩んでいる方はぜひこの記事を参考にしてください。
アニメーション動画の種類や料金相場は「【種類別】アニメーション動画制作の料金が知りたい!種類別の制作料金と活用例を解説」を参考にしてみてください。
「基礎からわかるアニメーション映像制作ガイド」では、さらに具体的なアニメーションの活用方法や効果などを公開しています。アニメーションを企業で活用するべきか迷っている際にご活用ください。他にも「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ入手してみてください。
クラウドワークスとは
クラウドワークスは2011年に創業した、株式会社クラウドワークスが運営している日本国内最大級のクラウドソーシングサービスです。
契約から受注、納品、報酬の支払いまで、全工程をオンラインで完結することができます。登録料は無料なので、フリーランスや専業主婦だけでなく、正社員の兼業・複業としての利用も増えています。
アプリ開発やデザイン作成、ライティングから商品モニターやテープ起こし、翻訳業務など、幅広い仕事が掲載されています。報酬体型は固定報酬型やコンペ・タスク形式、そして時給単価形式があり、依頼内容に応じて報酬形態を選択することができます。
登録しているワーカーもプロレベルの方から初心者まで幅広く、依頼内容や単価に応じて、希望するレベル感のワーカーに仕事を依頼することも可能です。
クラウドワークスで仕事を依頼する仕組みは?
クラウドワークスで仕事内容を登録すると、登録しているワーカーに依頼内容が公開され、それをみたワーカーは依頼に対して応募することができます。
クライアントは応募者のプロフィールや経歴、評価やスキルなどを確認したうえで採用するか不採用にするかを判断できます。採用者と契約が成立すると正式に仕事がスタートとなります。
契約はクラウドワークス上でワンクリックで可能なので、契約書を用意したりする手間はありません。タスクが納品され、クライアントが検収を完了させるとワーカーに報酬が支払われます。
クラウドワークスには「仮払い」という事前入金システムがあり、ワーカーにとって納品したのにクライアントが検収をしてくれない、報酬が支払われないといったトラブルがあったときには、クラウドワークス事務局が対応、入金を行うことになっています。
クラウドワークスのビジネスモデルは、報酬確定額から5%〜20%の手数料が引かれることで成り立っています。
クラウドワークスでアニメーション制作を依頼できる?
クラウドワークスでアニメーション制作を依頼することは可能です。クラウドワークスには多くのクリエイターが登録しており、プロレベルから初心者まで、金額や内容に応じてワーカーを選択することが可能です。
「クラウドワーカーを探す」から、クリエイティブにカーソルを合わせてアニメーターもしくは動画クリエイターを選択すると見つかるはずです。
ただし、評価の高い人気クリエイターほど安心して仕事を依頼できる反面、スケジュールを確保することが難しくなるため、納期に余裕を持っておくと良いでしょう。
クラウドワークスでアニメーション制作を依頼するメリット
安価に依頼できる
クラウドワークスで依頼する場合、映像制作会社に依頼するよりも制作単価が安くなる傾向にあります。
もちろんクリエイターのレベルや制作物のクオリティにもよりますが、映像制作会社に依頼するよりも7割程度の金額で発注できる場合が多いです。
駆け出しクリエイターであればさらに安価に依頼できることも。
個人とのやりとりになるのでディレクション費用などが発生しないため、その分価格が安くなる傾向にあります。
契約が簡単
クラウドワークス上でオンラインでオンラインで契約できるので、契約書などを用意することなく、ワンクリックで簡単に契約することが可能です。
クラウドワークスの契約で取り決めがない点は、別途双方の同意の上で決める必要があるので、その点は注意が必要です。
案件にマッチするクリエイターを選べる
応募があったクリエイターの中から案件にマッチしていそうな人材を選んで依頼することができます。
過去実績やスキル、ポートフォリオなどを確認してからクリエイターと契約をするようにしましょう。
クラウドワークスでアニメーション制作を依頼するデメリット
プロフィールだけではスキルがわからない
応募があったクリエイターに発注してみたら、全然スキルが足りていなかった、クリエイティブのクオリティが低い、思っていたものと違うモノが納品された....という経験をしたことがある人も多いようです。
プロフィールやポートフォリオだけでは、そのクリエイターのレベルを正しく見極めることは難しく、ミスマッチな人材に依頼してしまうことも。
クラウドワークス上のメッセージ機能でコミュニケーションを取りつつ、できるだけミスマッチが起こらないよう見極める力が重要になってきます。
契約内容に気を付ける
クラウドワークスではクライアントとワーカーが個別に契約書を結ぶ必要がありません。
クラウドワークス上で用意されている利用規約に従って契約し仕事を依頼する形になります。
しかしこの規約は汎用的なものであり、著作権などのシビアな契約の場合は別途、クライアントとワーカーの間で話し合いを行ったり、別途取り決めをする必要があります。
例えばクラウドワークスの規約では、事前に取り決めがない場合は、著作権はクライアントには譲渡されず、ワーカーに帰属することになっています。
著作物の使用方法によってはトラブル防止のため、著作権譲渡契約書を交わす必要があるということになります。
この規約はクラウドソーシングサービスによっても違うので十分注意してください。
納期が守られない可能性もある
クラウドソーシングサービスでは主に個人が登録していることが多いため、納期や進捗の管理も個人で行わなければいけません。
もちろんしっかりとコミュニケーションが取れて納期を守ってくれるワーカーも多いですが、中にはなかなか連絡が付かなかったり、納期に間に合わなかったり、音信不通になってしまうということもあります。
そういったリスクを考えて余裕をもって発注を進めていったり、複数のクリエイターに依頼しておくなど、リスクヘッジをしておく必要があります。
ディレクション工数が発生する
制作会社に依頼する際は、担当窓口やディレクターがクライアントの要望や依頼を汲み取り、クリエイターとの間に入ってディレクションから納期管理までを担当してくれます。
しかしクラウドソーシングサービスでは対個人となるため、クライアントが自らクリエイターに要件定義を伝え納品までのディレクションをしなければなりません。
このディレクション工数が大きくなってしまい、制作会社に依頼した方が安上がりだったということも多々あります。
複雑な依頼や難易度が高い依頼であればある程、ディレクション工数は大きくなるので、その際は制作会社に依頼する方が無難であるといえます。
関連記事:動画広告を上手く作りたい!制作ディレクション方法と発注のコツを解説
クラウドワークスでアニメーション制作依頼を失敗しないためのディレクション方法
前述の通り、クラウドワークスでアニメーションを依頼する際には、しっかりとしたディレクションを行うことが、失敗しないために一番重要なことです。
依頼背景を伝える
まずは依頼する背景をしっかりと伝えましょう。ターゲット、どんな媒体で出力するのか、どんなシチュエーションで視聴されるのか、視聴者にどんな行動をしてほしいのか、なぜその作品が必要なのかという、制作の背景が大事です。
簡潔に依頼内容をまとめる
次に、どんなアニメーションにしたいのかを細かく指示する内容をまとめます。どこまで「細かくすべきか」の定義は非常に難しいかもしれません。
細かく指示することに集中してしまい、抜け漏れがないように「長文で説明する」ということをしてしまいがちですが、長文になるほど読解力が求められ、ポイントを掴みづらくなります。そのため、簡潔に箇条書きでいいので要点をまとめて伝えることが大切です。
例えば、自動車の製造会社による大学生向けの採用広告動画であれば以下のようになります。
■制作の背景
ターゲット:大学生
どんな媒体:YouTube
シチュエーション:YouTubeを視聴している際に広告として差し込み
視聴後にどんな行動をしてほしいか:広告をタップ
■制作内容
・15秒尺
・冒頭は自動車整備業務で汗を流す社員
・車を購入した家族に車を引き渡し感謝される
・笑顔でドライブを楽しむ家族
・やりがいを感じる自動車整備社員
・求人広告のコンバージョンスライド
実際に発注する際にはもっと細かい指定やイメージをディスカッションしていく必要がありますが、このように目的や制作内容を簡潔にまとめ、クライアントとワーカーの間での完成形のイメージの誤差を少なくしていくことが大事です。
制作会社とクラウドワークスへ依頼する違い
ここまでクラウドワークスでのアニメーション発注について解説してきました。これはアニメーションだけでなく、開発やデザイン、マーケティングなど、あらゆる仕事をクラウドソーシングで発注する際に共通して言えることですが、専門の制作・開発会社に依頼した方が費用は高くなります。
しかし、企業へ依頼する方が任せられる範囲が広くなって工数が少なく済んだり、安定したクオリティで納品してもらうことができます。つまり、品質担保に価値を置くか、自分で品質を担保する代わりにコスト面を抑えるか、というのが大きな違いです。
ディレクション工数があまり発生しない簡易的なクリエイティブや単純作業などは、クラウドワークスに依頼する方が楽な場合もあります。
しかし、アニメーションのようにフレームレートやエフェクト、映像の流れ(絵コンテ)、希望するテイストといった柔軟さが必要なアニメーション制作を依頼する場合には、専門の制作会社へ依頼する方が安心でしょう。
また、アニメーションにはキャラクターの起用が欠かせないため、視聴者に好まれるコンセプトやデザインを考えることも大切です。詳しくは「ファンのできるキャラクターはどうやって作るの?特徴や作り方のコツを紹介」を参考にしてみてください。
関連記事:アニメーション動画の制作会社は増えている?上手な選び方をご紹介
クラウドワークスでのアニメーション制作依頼についてのまとめ
ここまでの内容をまとめてみます。
- クラウドワークスではアニメーション制作の依頼が可能で、多くのクリエイターから選択できる
- プロレベルから初心者まで、金額や内容に応じてワーカーを選択できる
- 評価の高い人気クリエイターほど安心して仕事を依頼できるが、スケジュール確保が難しい
- クラウドワークスでのアニメーション制作依頼のメリットは安価に依頼できること
- 映像制作会社に依頼するよりも制作単価が安くなる傾向がある
- 契約が簡単で、オンラインでワンクリックで契約可能
- 応募があったクリエイターの中から案件にマッチしていそうな人材を選んで依頼できる
- アニメーション制作依頼のディレクション方法として、依頼背景を伝えることが重要
- 簡潔に依頼内容をまとめることが大切
- クラウドワークスでの仕事内容を登録すると、登録しているワーカーに依頼内容が公開され、それを見たワーカーは依頼に対して応募できる
- クラウドワークスのビジネスモデルは、報酬確定額から5%〜20%の手数料が引かれることで成り立っている
アニメーション制作をお考えの皆様が、クラウドワークスを利用する際の参考になれば幸いです。クリエイティブな世界を一緒に創造していきましょう。
NOKIDでは、多くのクリエイターを抱えており、多くのアニメーション動画を制作できる体制が構築されています。そのため、コンテンツのシナリオ設計やキャラクター企画など、必要なことを一気通貫で対応可能です。
クラウドワークスでは、ディレクションに自信がないという場合や、さまざまなテイストからじっくり選びたいという場合には、制作会社への依頼を検討してみてください。
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