オンライン化が加速したことで、企業は対面ではなくオンラインによる接客や研修のできる体制が求められています。オンライン上で接客や研修を行う際には、ZOOMなどのオンライン会議ツールを活用するだけでなく動画の活用が重要です。
なぜなら、何度も同じ説明を行うような場合には動画に収録しておき公開する方が効率的だからです。それだけではありません。動画で研修内容を公開しておくことは、視聴側にとってもタイミングを選ばず理解できるまで見返すことができるメリットがあります。
そこで今回は、業務効率をアップし、コスト削減にも繋がる「マニュアル動画」についてを詳しく解説します。
新人研修やハラスメント研修などの研修に多大なリソースとコストが発生している企業も多く、そんな研修コストを大幅に削減することができるのが「マニュアル動画」です。
営業シーンでマニュアル動画を活用する方法は「動画を営業ツールとして活用するには?メリットと作り方を動画制作会社が解説」で解説しているので、合わせて目を通してみてください。
「基礎からわかるアニメーション映像制作ガイド」では、さらに具体的なアニメーションの活用方法や効果などを公開しています。アニメーションを企業で活用するべきか迷っている際にご活用ください。他にも「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ入手してみてください。
マニュアル動画とは
商品やサービスの取扱説明書や、新人研修の資料、作業手順書など、様々な場面でマニュアルは活用されています。これまでは紙媒体やPDFのテキストベースでのマニュアルが一般的でしたが、近年では実写映像やアニメーションを用いた動画マニュアルを利用する企業が増えています。
何ページもの分厚い参考書のようなマニュアルよりも、視覚的に理解することができる動画の方が効率良く、そして正確に伝えたいことを伝えることが可能です。マニュアル動画を取り入れることで、研修コストや教育にかかる人件費も大幅に削減することができるかもしれません。
また、BtoBのビジネスシーンでも、クライアントへの営業資料として動画を用いる企業が多くなってきました。
動画で視覚的にフローが見えることでイメージが具体的になり、信頼に繋がるということもあります。
マニュアル動画の表現方法として、アニメーションを活用するのもおすすめです。実写に比べて伝わりやすく顔出し不要、そして撮影も不要なため企業にとっては使い勝手の良い表現方法です。詳しくは「【解説動画】アニメーションを用いた動画教材が社員教育に注目されている理由とは?」で解説しているので、検討する際の参考にしてみてください。
マニュアル動画のメリット
理解しやすい
動画の場合は視覚的に理解できるため、テキストを読むだけよりもより理解度が深まりやすいです。
例えば「車の組み立て作業」のマニュアルを想像したときに、テキストで組み立て方を指示されるよりも、動画で実際の工程を映し出した方が理解しやすいことでしょう。
料理の指示をする場合も「粗めのみじん切りをしてください」や「優しくかき混ぜてください」といわれても、人によって尺度は違ってしまいますよね。
映像であれば動きのニュアンスやイメージをそのまま伝えることが可能です。
動きを伴う複雑な作業には動画でのマニュアルが向いています。
話者によって差が出ない
新人研修やコンプライアンス研修など、講師や指導員による口頭での講習の場合、話者のスキルや技量によって受講者の理解度に差がでてしまう可能性があります。
しかし動画マニュアルであれば、全参加者に同一のマニュアルを視聴させることできます。
また、複数の講師を準備しなければいけない大規模な講習の場合、講師の雇用コストが大きくなってしまいますが、動画の場合は1回の撮影コストだけでその動画を使い続けることができます。
いつでも視聴できる
作成したマニュアル動画はいつでもどこでも視聴することが可能です。
在宅ワークの機会が増えている近年では、オフィスに集まる機会が少なくなっており、ネット環境さえあれば視聴することができるのもマニュアル動画のメリットです。
また、マニュアルは動画は何度でも視聴することができるので、理解できなかった部分のみを巻き戻して視聴することもできます。
コストが削減できる
研修や講習の場合は講師、会場、受講者の移動費、参加費、スタッフ費用など多大なコストが発生しますが、自宅で動画を視聴するだけであればその分のコストを削減できます。
紙媒体のマニュアルと比較しても印刷コストを抑えることができます。
もちろん動画を作成することにコストは発生しますが、長期的に活用できれば圧倒的にコスト削減が望めます。
外国語対応もしやすい
動画のテロップや字幕を外国語に対応させることで、海外のユーザーや留学生への説明も簡単になります。
営業に展開できる
これまでは紙の資料やPDFを用いての商談がメインでしたが、パソコンやモニターに動画を映し出して説明することも簡単にできる時代となりました。
商品やサービスの説明はもちろんのこと、運用体制やデモンストレーションを動画で提示することで、クライアントのイメージも深まり信頼へと繋がります。
また、動画を営業ツールとして活用することで、どの営業が担当しても同じ情報を顧客に伝えることができます。これにより、チーム全体として水準の底上げや契約率を人に依存せず仕組み化することが可能になります。
営業ツールとして活用する具体的な方法については「動画を営業ツールとして活用するには?メリットと作り方を動画制作会社が解説」の記事で詳しく解説しています。
マニュアル動画のデメリット
前述の通り動画を作成する工数が発生してしまいます。
頻繁にスキームやサービス内容が変わったり、流動的に変化していく場合は、その都度マニュアル動画を更新する必要があり、再撮影の手間が発生してしまいます。
また、動画の場合は再生環境が必要であり、パソコンやスマートフォンを持っていない方々を対象にする場合は、視聴環境を整えてあげる必要があります。実際に対面で指導した方が効率が良い作業もあるので、どこまでをマニュアル化するのかを見極めることも大事です。
例えば、ガラス細工や漆塗りなどの伝統工芸技術は、概要やイメージはマニュアル化できても、繊細な動きやニュアンスまで伝えることができず、実際に体験しながら感覚を磨くしかありません。
視覚で表現することができない感覚・感性に依存する作業は、動画化することもマニュアル化することも難しいでしょう。
企業のマニュアル動画活用事例
ここからは、実際のマニュアル動画事例の中から分かりやすいものを厳選して紹介します。どのようにマニュアル動画を自社で活用すると良いかを考える際に、参考にしてみてください。
つばめ中央自動車学校
新潟県の女性専用合宿校『つばめ中央自動車学校』のYouTubeチャンネルでは、マニュアル車の基本操作を解説した動画を公開しています。
教則本で座学は学んでも、実際の運転講習では失敗ばかりだった人も多いのではないでしょうか?
マニュアル動画があることで運転の感覚や手順をイメージしやすくなり、効率良く学ぶことができるようになります。
Amazon Japan official
Amazonの物流拠点であるFC(フルフィルメントセンター)のバーチャルツアー動画です。
業務紹介に重きを置いた動画となっていますが、物流関連の仕事をマニュアル動画化する企業も多くなってきています。
株式会社ナカオ
コンステージの取り扱いマニュアル動画です。
動画で取り扱いフローを学ぶことで、現場での理解度向上に繋がります。
教育出版
アニメーション動画を用いた新しいタイプのデジタル教材です。
小中学生の教材としても動画が利用されています。
ラック セキュリティアカデミー オンライン
セキュリティ研修のサンプル動画です。
新入社員やOJTでは必須項目のセキュリティ研修ですが、マニュアル動画があれば多くの新入社員に同じ粒度の研修を行うことができます。
研修トレーナー太田章代の【ビジネスコミュニケーション術】
電話対応のビジネスマナーと基本マニュアルを動画にしています。
テキストでは伝えることが難しい電話対応ですが、動画であれば比較的簡単に伝えることができます。
日経BP 日本経済新聞出版
セクシュアル・ハラスメント対策の動画研修教材のサンプルです。
セクハラやパワハラ、モラハラは昨今では大きな課題として取り上げられていますが、口頭で説明することの難しいシビアな内容です。
業務用備品センター
商品の使い方マニュアルの動画となります。
こちらはディスペンサーの紹介をしており、実演することで商品の使い方を視覚的に理解することができます。
NTT東日本YouTube公式チャンネル
Webサービスの使い方マニュアルの動画です。
実際の画面を用いて説明することで、初心者の方でみ簡単に取り扱うことができる動画となっています。
マニュアル動画を作る際のポイント
どの工程をマニュアル化するのか決める
まずは何をマニュアル動画化するのかを決めましょう。
すべて動画に収めようとすると長尺になってしまい、ダラダラした動画となり視聴効率も下がってしまいますので、項目ごとに短く区切っていくことをおすすめします。
誰に何を伝えたいのかを明確にする
次に誰に何を伝えたいのかを明確にしましょう。
その動画をどんな人が見るのかを設定することもとても大事です。
学生アルバイトの方が視聴するのか、ご年配の方が視聴するのか、もしかしたら外国人スタッフ向けの動画かもしれません。
視聴する方の特性やレベルにあった動画を作成するようにしましょう。
テロップをしっかり入れる
環境音やノイズ、話者の滑舌によっては、動画の音声が聞き取りにくい場合もあります。
また、視聴者の再生環境や再生端末によっても音質は左右されてしまうため、動画にはテロップや字幕をしっかりと挿入するようにしましょう。
テロップや字幕があることで、視聴者もより理解度が高くなります。
作業者が自分自身で解説する手法もありますが、別撮りでナレーションを収録する方が音質も良く、聞き取りやすい動画となります。
単調にならない編集を心がける
マニュアル動画は単調な動画となりがちなので、できるだけ簡潔に編集するようにしましょう。
ポイントを都度明示することで、視聴者も飽きずに視聴できて理解度も深まります。
BGMや効果音などを付け加えることも有効的です。
映像制作のプロに依頼する
映像制作のポイントをまとめてきましたが、ゼロから機材や編集ソフトを購入するのはハードルが高く感じるかもしれません。さらに、慣れないうちは撮影や編集に手間取ってしまうことと思います。そういった場合は撮影・編集のプロに依頼するという選択肢もあります。
当社では、アニメーション型のマニュアル動画の制作をお受けしておりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。
アニメーションでのマニュアル動画を依頼する際に知っておきたいリスクについては「動画制作を依頼するのはリスク?後悔しないアニメーション動画制作の依頼方法を解説」で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
まとめ
今回は商品やサービス、業務指導や研修のマニュアルを動画化することのメリットやデメリットについて執筆させていただきました。
分厚い説明書の印刷コストや、大規模な研修も、マニュアル動画を作成することで、大幅にコスト削減が見込めます。
また、テキストでのマニュアルよりも動画の方が視覚的に理解することができるため、視聴者に効率良く理解してもらうことが可能です。
マニュアル作りや業務研修でお悩みの方はぜひご検討いただければ幸いです。
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