企業の商品やサービスのPRに活用される動画ですが、どういったPR動画にすれば良いのか判断が難しいのではないでしょうか。オンライン上で表示されている数多くの動画広告や街中での動画広告など、数多くある中から参考にするものを選ぶのは至難の業です。
また、同じ業界の動画広告ばかりを参考にしてしまい競合他社と似たり寄ったりということも少なくありません。ですが、自社に関係のない業界こそ参考にすべきなのです。
なぜなら、顧客の反応を得られる動画というのは構成にパターンがあるからです。だからこそ、自社と競合しない業界の動画広告からアイデアを参考にしていくことは成功しやすくする上で重要です。
そこで今回は、我々が業種別に参考にできそうなPR動画を順にご紹介します。
PRアニメーション事例については「【PR動画事例】企業のPRアニメーション動画を制作会社が解説」で紹介しています。
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PR動画とは
企業やサービスのブランディングや、認知拡大のために活用する動画が「PR動画」です。
採用のために企業を知ってもらう動画、地域の観光地をまとめた動画、サービスのマニュアル的な動画など、様々なPR動画を見かけるようになりました。
今回は業種別に企業がどんなPR動画を活用しているのかを紹介していきます。
企業のPR動画活用事例を業種別に紹介
転職系
IndeedJapan
求人検索エンジンを運用する「Indeed」では、坂本九が歌って大ヒットし、童謡としても親しまれている「幸せなら手を叩こう」の曲にあわせてサービス名を連呼するCMを配信しています。
様々なシチュエーションで動画を作成しており、この曲が流れると「Indeed」を思い出してしまう方も多いかもしれません。
とにかくサービス名を認知してもらい、実際にユーザーが「仕事を探す必要があるタイミング」で思い出してもらえるような戦略になっています。
介護・医療系
京都清水メディケアシステム
介護士の1日に密着という動画を配信しています。
良質な介護の様子を映像化することで、老人ホームの入居先を探している方が「依頼したいと思える」ブランディングとしての役割と、介護業界の求人を探している方が「働きたいと思える」採用PRとしての役割を果たしています。
宅配・ドライバー系
ベストラインTV
運送会社「株式会社ベストライン」では、ドライバー目線の密着動画から、新人社員の成長の様子や社内での取り組みをコンテンツ化しています。
大型トラックの運転手は肉体的にハードなイメージがありますが、昔とは違う新しい「働き方」にフォーカスすることで運送業のイメージアップにも繋がっています。
地域系
岐阜県関市
刃物の生産地で知られ、「世界三大刃物産地」の一つとされる岐阜県関市の地域PR動画です。
もしもこの世に刃物がなかったら...というテーマで構成されており、大根やニンジンを手でカットしようとするお母さんに、ヒゲをガムテープで処理しようとするお父さん、美容院ではハサミがないので髪を食いちぎろうとする姿がとてもシュールで面白い映像となっています。
FacebookやInstagram、TikTokなどでも拡散され、気になったユーザーがYouTubeで視聴するという良いサイクルができています。
Saas系
freee
freeeは中小企業や個人事業主向けの経理など、バックオフィスを効率化するためのサービスです。
B級ホラー映画のようなテイストで、確定申告の準備を怠った主人公たちがパニックに陥るというようなストーリーになっています。
確定申告を忘れていた方にとっては心に残る動画なのではないでしょうか?
特設サイトまで用意しており、かなり作り込んだ施策となっています。
確定申告パニック『TAX SHARK(タックス・シャーク)』
製造系
BlueBlue
「BlueBlue」は館山に製造工場を持つ釣具メーカーです。
館山の夏の海をイメージした爽やかな動画になっており、SILENT SIRENの曲と映像がマッチしています。
商品の製造工程や裏側がわかると、その商品への愛着が強くなります。
製造工程や働いている人が見えると安心できたり、商品が完成するまでの過程を知ることで愛着が湧いたりする効果を狙った「工場見学」と同じ効果をPR動画で具現化しているといえます。
教育系
MOJchannel
法務省が広報活動の一環として運用しているYouTubeチャンネルで、法教育の推進動画となります。
子供たちが校庭の利用をめぐってケンカになっており、「ルール」を策定していくというストーリーで、アニメーションを用いることで完結に分かりやすく表現されています。
「ルールを決めることの大事さ」のような抽象度の高い内容はアニメーションの方が伝えやすい傾向にあります。
ネットワーク系
IIJ
IIJのセキュリティブランドである「wizSafe」のPR動画となっています。
インターネットとデータ通信の仕組みは複雑で表現が難しいのですが、この動画ではとてもわかりやすく表現されています。
全ての顧客がインターネットセキュリティに知見があるわけではありません。
「仕組み」と「必要性」をわかりやすく表現することで、視聴者に「もっと詳ししく知りたい」と思わせることに成功しています。
PR動画のメリット
PR動画を見てもらうことで会社やサービスを深く知ってもらうことができます。
会社の雰囲気や制度、一緒に働く人が見えることで、「採用」に繋げることができたり、業界全体のイメージアップに繋げることも可能です。
また、商品の製造工程をPR動画に入れ込むことで、「モノづくりの様子」がわかることでの安心感や愛着にも繋がり、結果として承認の購入促進やリピートにも繋がります。
PR動画はどこに配信できる?
オンラインであればYouTubeやTikTokなどの動画配信媒体、Facebook、Instagramなどの各種SNSなどで配信可能です。
PR動画を作成する目的やターゲットとなるユーザーのペルソナに応じて、適切な動画を適切な媒体に配信する必要があります。
オフラインであれば、デジタルサイネージや電車やタクシーなどの交通広告、企業であれば受付モニターやイベント会場などで動画を配信することができます。
採用や説明会などでPR動画を活用する企業も増えてきています。
例えばですが、複数会場で1日に何度も説明会を開催する場合、複数の説明者を用意するコストが発生します。
また、話し手の力量やスキルにバラつきが出てしまったり、最悪の場合は「伝えたいことが聞き手に伝わらない」という事態も考えられます。
動画であれば上記のような課題を解決することができます。
Web媒体は運用に課題も
PR動画の配信先としてすぐに思い浮かぶ動画媒体といえばYouTubeだと思いますが、制作したPR動画をアップロードしたら完了というわけにもいきません。
チャンネル登録者やファンが数万人いるアカウントであれば、公開するだけで多くの人に再生していただけると思います。
しかし、チャンネルを開設したばかりの企業や、まだ知名度の低いサービスであればチャンネル登録者も少ないため、動画を公開したところですぐに視聴される可能性は低いです。
選択肢としては「YouTube広告で強制的に動画を視聴させる」、「チャンネルを育てることでオーガニックで視聴してくれるユーザーを増やす」のどちらかになります。
後者の場合は、コンテンツやファンを積み上げる必要があるので一朝一夕で告知できるというわけにはいきません。
PR動画を広告で配信しつつ、長期的な施策としてコンテンツ作りをしていくというのが理想形ではあります。
効果的になPR動画にするには
ターゲティング
効果的なPR動画を作成するためには、まずターゲット、見て欲しい人を定めることです。
どんな人に商品を購入してもらいたいのか、どんな人にサービスを知ってもらいたいのかなど。
性別、年齢、家族構成、収入など、ターゲットのペルソナを構築していくことが必要です。
例えばファミリータイプの乗用車であれば、「子供が2人以上いて、年収がサラリーマンの平均以上の家庭」というようなターゲティングができます。
伝えたいこと
次に伝えたいことを整理します。
しかし動画の尺によっては伝えたいことを全て入れ込むことができないかもしれません。
伝えたいことに優先度をつけ、必要な情報を厳選しましょう。
情報が多すぎると視聴者は考えることをやめてしまい、頭に残りません。
どこに配信するかを決める
PR動画を配信する媒体や、動画をどこで使うのかを想定しておきましょう。
配信できる動画の尺や、入稿ルールを確認しておかないと、いざ出稿しようとしたときに入稿できず焦ることになります。
トリミングや容量の調整など、二度手間にならないように準備しておくことをおすすめします。
また配信タイミングや日時設定も重要になってきます。
車のCMが夕方から夜にかけて、洗剤や柔軟剤のCMが日中に多いのも、ターゲティングされているからだといえます。
まとめ
今回は業種別にどんなPR動画を制作しているのか、活用事例を紹介してきました。
業種や目的によって様々なPR動画が制作されており、これからPR動画を初めて制作する方はとても迷ってしまうことと思います。
効果的なPR動画にするためには、「ターゲティング」「伝えたいこと」「どこに配信するか」の3点が大事ですので、忘れないようにしましょう。
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