動画広告の配信先はYouTubeやTikTokなどWeb媒体だけではありません。近年、Web広告でのリーチが難しくなっているからこそ、「電車内ビジョン広告」の価値が見直されているのです。
最近では、スマートフォンで撮影してSNSでシェアすることが当たり前となっています。インターネットコンテンツが飽和状態となっている中で、デジタルサイネージのような「リアルの場で視聴できる」コンテンツは競合企業との競争率やSNSシェアの可能性を考慮すると決して無視してはいけない施策かもしれません。
そんなSNSシェアとの相性を考えた時、アニメ動画の特徴であるキャラクターの力は実写に比べて優位に働きやすくなります。他にも音声がなくとも伝わりやすいこともアニメ動画が注目される理由のひとつです。
そこで今回は、デジタルサイネージ広告の代表格でもある「電車内ビジョン広告」の広告効果やメリット、動画作成時の注意点などを詳しく紹介していきます。
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電車広告の種類
電車広告はJRや私鉄、地下鉄の車両や社内に掲示される広告のことで、車体そのものを装飾する車体ラッピングから、電車の窓に貼ってあるステッカーまで種類も価格もそれぞれです。
電車広告の種類は以下の通りです。
電車内ビジョン広告
ドア上部のモニターに映し出される動画広告です。動きのないポスター広告に比べ、乗客からの興味を引きやすい広告です。
無音声で放送されるため、字幕やテロップなどで訴求を補う必要があります。
車体ラッピング
車体表面をフィルムなどで装飾し車体そのものが広告となります。乗客だけでなく、駅付近や沿線にいる人にもインパクトを与えることができます。
ラッピングに時間が必要なこと、コストの高さがデメリットでもあります。
中吊り広告
車内の天井部より吊り下げられているポスター広告です。混雑時でも遮られることなく乗客の視界に入ります。
また、狭い空間で密になってしまうと心理的に上を向いてしまう傾向があり、混雑時は特に視界に入る可能性が高いといえます。
ステッカー広告
ドア窓などに貼ってある手の平サイズ程のステッカー広告です。乗降時に視界に入る可能性が高く、広告到達率が高いのも特徴です。
ドア横ポスター
電車内のドア横に設置されたポスター型の広告で、目線の高さにB3サイズの大きなポスターが掲載されるので視認性が高い広告です。
1車両に複数枚設置できるので、それぞれを違うポスターにすることでストーリー性を持たせることも可能です。
まど上・ドア上ポスター
窓の上の荷物置き場がある棚付近や、ドアの上に掲示される横長のポスター広告で、メニューによっては2連貼り〜4連貼りにすることもできます。
乗客は車内に一定時間滞在するため、多少長い広告でも最後まで読んでもらえる可能性が高いです。
電車広告の特徴・効果
電車は日本で最も利用されている公共交通機関で、通勤・通学等で毎日利用する人を中心に多くの年代層にアプローチできるのが電車広告の特徴です。首都圏におけるJR全線の1週間あたりの延べ利用者数は11,195万人といわれており、アプローチできる母数が多いことも魅力ですね。
また、繰り返し広告に触れることで、刷り込みによる視認訴求効果が見込めます。乗客の多くが携帯電話やスマートフォンを所持していることもあり、広告視聴後の行動喚起を起こしやすいといわれています。
動画広告なら電車内ビジョン広告
電車広告にもたくさんの種類があるわけですが、今その価値を見直されているのが「電車内ビジョン広告」です。電車広告の中で唯一動画広告を配信可能です。モニターがドア上に掲載されているために視認性も高いです。
広告到達率は42.6%で乗客の約半分が広告動画を視聴している計算となります。
アドブロックやcookie規制などでWeb広告のターゲティングが難しくなっている中で、動画広告の新たな配信媒体として電車内ビジョン広告を選択する企業も多くなってきています。
電車内ビジョン広告のメリット
Web広告よりも親しみやすい
電車内ビジョン広告はYouTube広告などの動画広告と違い、無理に視聴する必要がないため、視聴者に与えるストレスがWeb広告よりも少ないといわれています。
また、電車内ビジョン広告のコンテンツは乗客にとって、「乗車中の暇つぶし」となり得る可能性もあり、好意的に受け止められる傾向にあります。
参考:一都三県の通勤・通学で二路線以上使用している男女に聞いた「日常に溢れている広告の影響力に関する調査」 - 株式会社ネオマーケティング(PR TIMES)
路線や時間帯でターゲティングできる
電車は路線によって客層や利用状況が変わってくるため、どの路線を選択するかが重要となってきます。
電車内ビジョン広告の場合、ポスター広告やステッカー広告と違い、配信する時間帯を指定することもできるので、「学生が多い時間」「会社員が多い時間」などのターゲティングをすることも可能です。
PRしたい商品やサービスのターゲットとマッチする路線や時間帯を見つけることができれば、効率良く訴求することができます。
広告視聴後の購入喚起度が高い
電車内ビジョン広告を視聴した乗客にアンケート調査を行ったところ、43.1%が「とても購入したい」「やや購入したい」と回答しています。
調査対象の商品やサービスは開示されていませんが、広告視聴後の購入喚起度が高いのも電車内ビジョン広告の特徴です。
電車内ビジョン広告のデメリット
音声が出ないため視覚的な伝わりやすさが必要
電車内ビジョン広告は映像のみの配信となるので、音声は出力されません。
字幕やテロップで補う必要があるのはもちろんのことですが、映像の幅が狭くなってしまうというデメリットがあります。
場所に対して公開されるため視聴者1人1人に最適化されない
また、Web広告のようにユーザーアクションを数値化することが難しく、費用対効果を可視化する場合は間接的な指標で仮説を立てる必要があります。
例えば、「広告配信前と配信後にアンケートや認知度調査などを行い、どれだけ認知度が向上したかを調べる」「広告配信期間の商品の売上を広告配信前と対比する」などが挙げられます。
電車内ビジョン広告の参考料金
路線や車両によっても様々なプランがあるため、ここでは一例をご紹介いたします。
セットプランや快速車両限定、女性車両限定プランなどもあるので、商品やサービスにマッチしたプランを選びましょう。
放映時間は15秒〜30秒程度で、オリジナル番組提供型CMでは1分以上の枠もあります。
※設定期間や素材枠によっても料金は異なりますので、詳しくはお問い合わせください。
会社 | 路線 | 期間 | 放映時間 | 料金 |
JR | 全線セット※ | 1週間 | 15秒 | 4,800,000円 |
JR | 山手線 | 13週間 | 15秒 | 30,000,000円 |
JR | 中央快速線 | 1週間 | 15秒 | 1,100,000円 |
JR | 中央快速線 | 26週間 | 15秒 | 15,500,000円 |
JR | 埼京線 | 1週間 | 15秒 | 550,000円 |
JR | 埼京線 | 26週間 | 15秒 | 7,800,000円 |
東京メトロ | 銀座線、丸ノ内線他 | 1週間 | 15秒 | 3,300,000円 |
東京メトロ | 銀座線、丸ノ内線他 | 26週間 | 15秒 | 42,900,000円 |
都営地下鉄 | 浅草線、新宿線、大江戸線 | 1週間 | 15秒 | 400,000円 |
東急 | 東横線、田園都市線他 | 1週間 | 15秒 | 1,500,000円 |
※JR全線セット・・・山手線、中央線快速、京浜東北線・根岸線、京葉線、埼京線、横浜線、南武線、常磐線各駅停車、横須賀線・総武線快速、ゆりかもめセット
電車内ビジョン広告における動画作成の注意点
前述の通り、無音声で放送されるため、字幕やテロップを工夫する必要があります。
しかし、字幕やテロップが多すぎても視聴者にとってストレスになってしまい、悪い印象を与えてしまう可能性があります。
無音声でも視聴者に伝わるシンプルな映像でありながら、商品やサービスのPR効果を上げていくためには動画の構成やコンセプトが大事になってきます。
アニメ動画という選択肢
電車内ビジョン広告の効果を最大限に引き上げるために、アニメーションの活用という選択肢もあります。アニメーションは表現の幅が広く、無音声であっても情報量の多い動画にすることができます。
また、実写動画よりも抽象度の高いモノを表現することに優れている点もアニメーションのメリットです。親しみやすさでもアニメーションは優れており、電車内ビジョン広告との相性も良いです。
まとめ
- 動画広告の配信先として電車広告(電車内ビジョン広告)の価値が見直されている。
- 電車広告は多くの人にアプローチできるだけでなく、刷り込みによる視認訴求効果が見込める。
- 路線や時間帯で客層が違うので適切なプランを選択する必要がある。
- 広告到達率と購入喚起度が高い。
- 無音声で放送されるので動画作りは要注意。
- 電車内ビジョン広告とアニメーションの相性が良い。
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