マーケティング用語で「ナーチャリング」という言葉をご存じでしょうか?
ナーチャリングは顧客育成を意味するマーケティングにとても重要な概念です。
今回はナーチャリングのコツやCRM、SFA、MAとの関係性についても解説していきます。
偏ったマーケティング施策を行ってしまうと「焼き畑農業」と呼ばれる、見込み顧客を刈り尽くした状態になってしまう可能性があります。
持続的なマーケティングを展開するためのテクニックについてもご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
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ナーチャリングとは
マーケティング用語でナーチャリングは「顧客育成」を意味します。
「認知・検討」から「購入・成約」へ成長し、そして「リピーター」へとさらに顧客が育成していくためのマーケティング戦略をナーチャリングと呼んでいます。
認知・検討段階ではブランディング広告など、多くの人にサービスや商品を知ってもらい、購入・成約段階ではターゲティング広告やリターゲティング広告などで刈り取りを行います。
一度でもその商材や商品を購入してくれたユーザーにはダイレクトメッセージやメルマガなどを利用して再購入してもらうことでリピーターへと成長していきます。
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ナーチャリングの重要性
ナーチャリングは各フェーズにおいて非常に重要な役割を担っています。
「認知・検討」から「購入・成約」フェーズでは、いかに多くの潜在顧客を見込み顧客へと成長させることができるかがマーケティングの肝となります。
会社から与えられた予算内でどれだけ多くのコンバージョンを獲得するか、CPAを何円以内に抑えるかという点ばかりに着目しがちですが、コンバージョンを意識するあまり獲得効率の良い広告だけに固執してしまうと、見込み顧客をすぐに刈り尽くしてしまう「焼き畑農業」のような状態となってしまいます。
見込み顧客を刈り尽くしてしまうと、コンバージョン数は鈍化しCPAは高騰していきます。
そこで潜在顧客を見込み顧客に成長させる施策を同時並行で進めていく必要があります。
潜在顧客(種まき)→見込み顧客(栽培)→新規客(収穫)へと移行させていくナーチャリングサイクルが構築されていれば、焼畑農業のように新規客の獲得に限界が来る可能性は低くなります。
また「リピート」という点においてもナーチャリングは重要です。
極論ですが、「初回購入」だけを考えたときに、日本の全人口を刈り尽くしてしまえばそこで販路は終了してしまいます。
そこでリピートしてもらうためのナーチャリング施策を行い、1ユーザーあたりのLTVを向上させる必要があります。
一度でも自社と接点のあるユーザーにはアプローチしやすく、商材への信頼度があればリピートしてもらえる可能性は高くなります。
もちろん商材やジャンルにもよりますが、マーケティングはもっと複雑な様々な要素が絡んでくるのでこんなに単純な話ではありませんが、ナーチャリングのイメージは理解してもらえたと思います。
ユーザーにとって必要とされることが大前提
前項で、一度でも自社と接点のあるユーザーにはアプローチしやすく、商材への信頼度があればリピートしてもらえる可能性は高くなるとお伝えしましたが、逆に、手にした商品の質が低く消費者が満足できなかった場合は、リピートへのハードルが高くなってしまうだけでなく、「この会社の商品は別の商品も悪いかもしれない」という悪いイメージが連鎖してしまう可能性もあります。
一度染みついてしまった負のイメージを改善するには、時間的にも費用的にもかなりのコストが必要となってしまいます。
消費者に必要とされる商品を必要とされる価格で販売すること、商品の質や健全性を担保することが大前提であることは忘れないでおきましょう。
フェーズごとのナーチャリング施策
「認知・検討」
「認知・検討」の段階では、まずその商品を知ってもらうということが大事です。
一人でも多くのユーザーに広告との接点を作る必要があるため、「テレビCM」や「ABEMA Ads」「TVer」などのVOD媒体、「YouTube広告」など、動画広告媒体によるブランディング広告を幅広く配信することがおすすめです。
商材が若者やZ世代向けであれば、TikTok広告のハッシュタグチャレンジも活用できます。
UGCによって発生したバズは、そのままトレンドとなるほどの力を秘めています。
会社員をターゲティングしたい場合は、電車内サイネージを利用した動画広告もおすすめです。
動画広告は情報量が多く、商品を知らないユーザーにも商品の魅力を訴求することが可能です。
ブランディング広告のメリットやデメリットについては「認知・ブランディング広告って必要なの?運用のテクニック・考え方を解説」にまとめていますので、目を通してみてください。
「購入・成約」
「購入・成約」のフェーズではターゲットとなるユーザーの中でも見込み客にピンポイントに訴求することで、CPAを抑えてコンバージョンさせることが可能です。
Google広告やMeta広告(Facebook・Instagram)、各種DSPにてターゲットユーザーを細かくセグメントして広告配信していくことをおすすめします。
初めて広告配信をされる方には、アプリのDLからランディングページへの遷移、商品の購入まで幅広くコンバージョンポイントに設定できるGoogle広告が一番扱いやすいです。
Google広告の出稿手順は以下で解説しています。
「リピーター」
メールアドレスを取得していればメールマガジンを配信することで、ユーザーに新商品やコラムなどを配信することが可能です。
一斉配信を行うこともできますが、お誕生日などのお祝いに割引クーポンを付与したり、購入した商品を使い切る直前など、ユーザー1人1人にマッチするタイミングで配信することで、よりメールの開封率が高くなります。
Web上で購入・成約しているユーザーであれば、Google広告やMeta広告にてターゲットリストを作成し、リターゲティング広告を配信することが可能です。
また、SNSでの情報発信も有効です。
その商品やコンテンツのファンであれば、最新情報や有益な情報を求めているため、SNSからの情報を積極的に取得します。
ナーチャリングのコツ
まずはどのフェーズにおけるナーチャリングが必要なのかを明確にしましょう。
見込み顧客の創出なのか、既存顧客のナーチャリングなのか、もしくは休眠ユーザーの掘り起こしなのかもしれません。
課題に感じている部分を洗い出し、対象ユーザーがどのような性質をもった母集団なのかを明確にしましょう。
施策を実施した際にはしっかりと効果計測を行い、どれだけのユーザーにアプローチできたのか、ナーチャリングの達成度、費用対効果を算出するようにしましょう。
ナーチャリングとCRM、SFA、MAの違い
CRM
CRMは「Customer Relationship Management」の略です。
日本語では「顧客関係管理」や「顧客管理」と訳され、顧客との関係値を構築・維持していくことや、そのためのツール全般を指します。
ナーチャリングは潜在顧客からリピーターまでの成長を表す概念ですが、CRMは既存顧客との関係値≒リピートを目的にする施策を意味します。
つまりナーチャリングという幅広い概念の中で、既存顧客へアプローチを行う施策がCRMということになります。
SFA
SFAは「Sales Force Automation」の略で、見込み客を購入へと誘導する営業支援ツールを意味します。
見込み客の属性やこれまでの営業内容をデータ化し、営業活動の効率化を計ります。
MA
MAは「Marketing Information」の略で、見込み客へのマーケティング活動を自動化してくれるツールを意味します。
見込み客の属性やWeb上での行動履歴をデータベース化し、最適なアプローチ方法を自動で導きだし、ユーザー1人1人の属性に合わせたマーケティング活動を行ってくれます。
上図のように、MA・SFA・CRMの各ツールは、それぞれマーケティングや営業活動の一連の流れの中で、各フェーズの施策のサポートをしてくれるツールとなっています。
全てを導入すれば良いということではなく、どのフェーズに課題があり改善していくのかを基準に導入を検討していきましょう。
ナーチャリングについてのまとめ
今回はマーケティング用語で顧客育成を意味する「ナーチャリング」や、CRM、SFA、MAについて説明してきました。
・新規客を獲得するまでには「潜在客(種まき)→見込み客(栽培)→新規客(収穫)」の大きく分けて3フェーズがある
・ナーチャリングサイクルに既存顧客のリピートが組み込まれるとことで、焼き畑農業になりにくい持続的なマーケティングの展開が可能
・「認知・検討」の段階では、「テレビCM」や「ABEMA Ads」「TVer」などのVOD媒体、「YouTube広告」など、動画広告媒体によるブランディング広告おすすめ
・「購入・成約」のフェーズでは、Google広告やMeta広告(Facebook・Instagram)、各種DSPにて見込み客にピンポイントで訴求していく
・「リピーター」のフェーズでは、いかに既存顧客に最新情報や有益な情報を配信できるかがカギ
まずは、どのフェーズにおけるナーチャリングが必要なのかを明確にし、適切な施策を展開していくことが重要となります。
課題の洗い出しやナーチャリングに関することでお悩みの方は、ぜひお気軽に当社にご相談ください。
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