2023.04.28

2024.07.11

IPビジネスを代理店に依頼するメリットとは?活用するコツや費用感も紹介

ゲームやアニメ業界で多く活用されてきたIP(知的財産)。

最近では業界を問わず、特許やブランド、コンテンツなど様々なシーンで活用されており、うまくIPを使って数億円規模の事業に成長させたケースも珍しくありません。

そんなIPビジネスでは、権利関係を含んだ専門知識が求められることから、代理店を活用することが重要なポイントとなります。

本記事では、キャラクタービジネスにおける代理店の活用方法やメリット・デメリット、そして代理店を上手に利用するためのポイントについて解説していきます。

IPは作るだけでなく知ってもらわなければ価値が上がりません。IPを広めていくには動画視聴が普及した現在は、アニメーションを活用することがおすすめです。詳しくは「企業でアニメーション動画が活用される理由とは?活用事例も解説」も併せてご覧ください。


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IPビジネスとは 

IP(intellectual property)は、日本語では「知的財産」と訳されます。

知的財産とは、発明やデザイン、著作物など、人間が創造的活動により生み出したものを指し、楽曲やデザインといった芸術分野の作品のほか、顧客リストや社内のノウハウといった営業秘密も対象となります。

また、知的財産には法令により定められた権利または法律によって保護されるという利益を得られる権利として「知的財産権」が認められています。

例えば、楽曲や小説の作者に与えられる著作権は、日本国内では著作権保護法で保護されています。

そのため、著作権を保有していない他者がその作品を無断で利用することはできません。

一方で作者は他者から契約のもとライセンス料を受け取り、作品の利用を認めることも可能です。

IPビジネスとは、こういった知的財産権をもつ人物や企業が作品自体を販売して収益を得るだけでなく、自身の知的財産を販売または貸与することによってさらに収益を得ようとするビジネスモデルなのです。

IPとして分かりやすいものにキャラクターがあります。

このキャラクタービジネスの市場規模については、世界的にも規模が拡大しており、大きな経済的価値を持つ産業の一つとなっています。

また、海外市場についても、特にアジア地域で急速に成長しています。中国や韓国などのアジア諸国では、アニメやキャラクターを用いたコンテンツが人気を博しており、多くの企業がこの市場に参入しています。

以上のように、IPビジネスの市場規模は拡大傾向にあり、今後も成長が期待される産業の一つです。

関連記事:【キャラ活用】IPビジネスがアニメ事業のチャンスに!自社IPの可能性とは?

IPビジネスのビジネスモデル 

ここからは、IPビジネスの代表的なビジネスモデルについて、事例を交えて紹介します。

ライセンスビジネスモデル

ライセンスビジネスモデルは、自社が所有するIPのライセンスを第三者に貸し出すことで収益を得るビジネスモデルです。

代表的な事例としては、ディズニーのキャラクターが挙げられます。

ディズニーは、自社のキャラクターをライセンス契約によって玩具メーカーや出版社、アパレルメーカーなどに貸し出し、ロイヤリティー収入を得ています。

グッズ販売ビジネスモデル

キャラクターグッズ販売ビジネスモデルは、自社IP、または他社IPを用いたグッズを製造・販売し、収益を得るビジネスモデルです。

代表的な事例としては、サンリオのキャラクターが挙げられます。

サンリオは、キティちゃんやマイメロディなどのキャラクターを用いた文具やアクセサリー、キッチン用品などのグッズを販売しています。

イベントビジネスモデル

イベントビジネスモデルは、自社IP、または他社IPを用いたイベントを開催し、入場料やグッズ販売、スポンサーからの広告収入などで収益を得るビジネスモデルです。

代表的な事例としては、ワーナーブラザースの「ハリーポッター展」が挙げられます。

この展覧会では、映画『ハリー・ポッター』に登場する衣装や小道具、設定資料などを展示することで、入場者数やグッズ販売などから収益を得ています。

キャラクターライブビジネスモデル

キャラクターライブビジネスモデルは、自社IP、または他社IPを用いたライブイベントを開催し、チケット収入やグッズ販売、スポンサーからの広告収入などで収益を得るビジネスモデルです。

代表的な事例としては、サンライズの「ラブライブ!」が挙げられます。このアニメでは、主要キャラクターたちがバーチャルアイドルユニットとして活躍し、ライブイベントを開催することでファンを増やし、収益を得ています。

以上のように、IPビジネスには様々なビジネスモデルがあります。

これらのビジネスモデルは、そのIPが持つ人気や魅力を最大限に活用し、多様な収益源を生み出すことが特徴です。

また、キャラクタービジネスは、コンテンツ産業の中でも成長が著しく、今後ますます多くの企業がこのビジネスに参入していくことが予想されます。

キャラクターライセンスの活用方法と権利

キャラクターライセンスの活用方法としては、上記で挙げている“グッズ販売”や“イベント”がメインとなります。

ただし、どの場合においても、ライセンスビジネスを展開するためには、ライセンスにかかわる権利の種類と、使用目的ごとにどのような許諾が必要になるのかを把握する必要があります。

ライセンスは許可や許諾といった意味をもち、本記事で取り扱うライセンスビジネスにおいては版権(著作権)と商品化権の2つを指します。

版権は著作物の複製や販売に関する権利で、商品化権は商品の販売や販促活動を目的とし、特定のキャラクターやブランドを利用する権利です。

ライセンス契約の締結にあたっては、利用目的ごとの許諾が必要です。

例えば、キャラクターを広告や商品に使用する場合は複製・譲渡の許諾を得る必要があります。

トラブルを防止するためにも、ライセンス契約を結ぶ際には使用する場面や期間など、使用許諾の範囲を明確に定めなければいけません。

IPビジネスを代理店に依頼するメリット 

ここまでIPビジネスの概要・活用方法をご紹介しましたが、特に他社IPを活用する際に実際の業務をすべて自社で完結にはある程度のリソースが必要となります。

その際に活用できるのが代理店です。

ここからは、代理店を活用するメリット・デメリットをご紹介してきます。

専門的な知識やネットワークを持っている

前述したように、ライセンス契約の締結にあたり、非常に煩雑な手続きが必要となります。

代理店は、ライセンス獲得に必要な手続きや交渉に関する専門的な知識を持っているため、その点が最大のメリットといえます。

また、自社ではアクセスできないようなライセンス権利者やマーケットに対するネットワークを持っていることがあります。

契約交渉や使用料交渉の代行が可能

代理店は、ライセンス契約や使用料交渉を代行してくれる場合があります。

こうした交渉は専門知識や交渉力が求められるため、代理店の活用により迅速かつスムーズに進めることができます。

ローカルマーケットの知識を持っている

代理店は、特定の地域におけるマーケットについて深い知識を持っています。

自社が商品を展開する際には、地域に応じたマーケティング戦略の策定が必要です。

代理店であれば、地域に合わせた戦略の提案が可能です。

リスクヘッジにつながる

代理店を活用することで、自社が直接権利者と交渉するよりもリスクヘッジができます。

代理店は、権利者との交渉や契約に関するリスクを自社が負うことなく、代理店の名義で行います。

マーケティングサポートが期待できる

代理店は、ライセンス取得後のマーケティングや販促についてのサポートを提供する場合があります。

これにより、自社が展開する商品の知名度向上や販売促進が期待できます。

以上のように、代理店を活用することで、ライセンス獲得や商品化に関する手続きや交渉のスムーズ化や効率化、マーケティングサポートが期待できます

IPビジネスを代理店に依頼するデメリット 

一方、代理店を活用することには以下のようなデメリットもあります。

コストがかかる

代理店を利用する場合、手数料や仲介手数料などが発生します。

また、代理店が提案するマーケティング戦略や販売戦略に関する費用もかかる場合があります。

これらの費用が、ライセンス獲得や商品化のコストに加算されることがあるため、自社で完結する場合と比較して、ビジネスに際して多くの原価が発生します。

代理店とのコミュニケーションの調整が必要

代理店を利用する場合、自社と代理店との間でコミュニケーションの調整が必要です。

特に、商品やマーケティング戦略についての意思疎通がスムーズに行われない場合、商品開発や販売に影響が及ぶことがあります。

代理店の能力や信頼性に関するリスクがある

代理店の能力や信頼性に関するリスクもあります。

代理店が適切なライセンス権利者と交渉や契約を行わなかった場合、権利侵害による訴訟や著作権侵害などの問題が生じる可能性があります。

代理店による情報漏洩のリスクがある

代理店には、自社の商品開発やマーケティング戦略など、機密情報を伝える必要があります。

代理店が機密情報を漏洩した場合、自社の競争力を損ねることになります。

自社の意思決定に影響を与える可能性がある

代理店が提案するマーケティング戦略や販売戦略に従うことで、自社の意思決定に影響を与える可能性があります。

自社が掲げるビジョンや目標と相反するような提案をされた場合、自社の戦略やブランドイメージに悪影響を与えることがあります。

以上のように、代理店を活用することには、コストやコミュニケーション、代理店の信頼性や情報漏洩のリスク、自社の意思決定に与える影響などのデメリットが存在します。

代理店の上手な活用方法 

キャラクタービジネスにおける代理店を効果的に活用するためには、いくつかのポイントがあります。

代理店の選定

まず必要な最初のフェーズは、代理店を選ぶことです。

そのためには、各代理店の実績や専門性が重要のため、過去にどのようなIPビジネスを成功させてきたのか、どのような業界や分野に強みがあるのかを把握することが大切になります。

しかし、それよりも大切なことは、自社の方針を明確化することです。

相手の得意分野が自社の方向性とマッチしているか、を見極めるためには自社が何をしたいのか、を明確に把握することが重要だからです。

そのため、相手を知ると同時に、自社を知る、ということがこのフェーズでは重要になります。

コミュニケーションの確立

実際に代理店選定が完了したら、次は代理店との円滑なコミュニケーションが、プロジェクトをスムーズに進めるために不可欠です。

定期的なミーティングや報告を行い、互いの進捗状況や課題について共有しましょう。

また、状況に応じて柔軟に対応できるよう、連絡方法や頻度を調整することも重要です。

クリアな目標設定

代理店と協力して成功を収めるためには、明確な目標設定が必要です。

短期的な目標から長期的なビジョンまで、具体的な数字や期限を設け、それを達成するための戦略を共有しましょう。

権利交渉と契約

代理店は、権利者との交渉や契約手続きをスムーズに進める役割を果たします。

ただし、自社でも権利に関する知識を持っておくことが重要です。

適切な契約内容や金額を把握し、代理店に依頼する範囲や条件を明確にしておきましょう。

IPビジネス代理店を活用するコツについてのまとめ 

今回は、IPビジネスと代理店の活用ポイントをご紹介してきました。

前述のとおり、IPビジネスの市場はこれからも右肩上がりになるでしょう。

自社でキャラクター等のIPを保有していない場合でも、他社IPを活用することでマーケティング施策の可能性は何倍にも広がります。

今回の記事を参考に、ぜひ代理店を活用したIPビジネスに取り組んでみてください。



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