NOKID編集部
1000件以上の映像制作実績を誇る株式会社NOKIDの編集部メンバーが監修。キャラクター・アニメーション分野のノウハウやトレンドの活用手法の紹介が得意です。
新しいターゲット層を獲得するために、どれだけのリソースを費やしてきたかを振り返ってみてください。膨大な時間と労力をかけて市場調査を行い、キャンペーンを何度も実施しても、想定ほどの効果が出ない。このような経験はありませんか?特に、若年層や新しい地域市場にアプローチしようとするとき、その苦労は倍増します。
そんな中、キャラクターを使ったリブランディングが、新しいターゲット層に自然と届く強力な方法であることをご存じでしょうか?具体的には、キャラクターをブランドの「ストーリーテラー」として活用する方法です。
多くのブランドが、ターゲット層を広げるには膨大な広告費用や複雑なマーケティング施策が必要だと思い込んでいます。しかし、それは必ずしも正解ではありません。効果的なキャラクターを活用すれば、限られたリソースでも新しい層にアプローチすることが可能です。
キャラクターを導入することで、ブランドメッセージを親しみやすくし、広告疲れを感じている消費者の心を捉えられるのです。
メッセージが届かない原因は、ターゲット層との「感情的なつながり」が足りない点にあります。単に製品の特長を伝えるだけでは、新しい層にブランドの価値を感じてもらうのは難しいのです。つまり、「感情の橋渡しの役目」を欠いていたことが、ターゲット層拡大を妨げていたのです。
そこで今回は、キャラクターを活用したリブランディングの方法について、さまざまなキャラクターの企画を提案・制作してきた当社のノウハウを紹介していきます。
キャラクターを活用したSNSアカウントの運用テクニックについては「キャラクターを使ったSNS運用のメリットとは?成功例やコツを紹介」もチェックしてみてください。
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<記事のポイント> ・リブランディングにキャラクターを活用する方法が分かる ・リブランディングに失敗するキャラクターの共通点が分かる ・リブランディングにおけるキャラクターの役割が分かる ・キャラクターを活用したリブランディングをする手順が分かる |
消費者が「自分と同じ」と感じる成長過程を描くキャラクターは、単なるデザインではなく「物語」として消費者の心に刻まれます。
例えば、挫折を乗り越える姿や、小さな成功を祝う姿が、消費者に共感をもたらします。
キャラクターが成長する瞬間に消費者が応援コメントを送り、その影響でストーリーが変化することで、消費者が「物語の共作者」になるのです。
スポーツブランドが、「初心者ランナー」をテーマにしたキャラクターを作成するとします。物語は、キャラクターが最初の1kmランニングに苦労するところから始まり、週ごとに練習を重ねてフルマラソンを目指すという成長物語をSNSで展開することなどが挙げられます。
関連記事:キャラクターを活用するメリットとは?デメリットや効果も解説
キャラクターの目標は、消費者が「私も頑張りたい」と思えるものであるべきです。目標が具体的であればあるほど、消費者はキャラクターと一緒に挑戦している感覚を持ちやすくなります。
例えば、何かに挑戦するようなテーマを共有することで、消費者はキャラクターと一緒に夢を追いかけるようになります。
地域の観光キャラクターが「次の観光地を見つける旅に出る」と設定し、その行き先を消費者が投票で決定するという参加型の挑戦などは、視聴者を巻き込む上で良いでしょう。
地方食品ブランドが、新商品の発売を記念して、キャラクターに「地元の名所を巡り、最終的に地元フェスで新商品をPRする」という目標を設定するとします。消費者はSNSで「次はどの名所に行ってほしいか」を投票で決める形式で、各所でチャレンジしていくような展開が挙げられます。
キャラクターの成長は、新しい要素を取り入れる進化の一環ですが、その変化がブランドの核となる価値観やメッセージと矛盾しないことが重要です。一貫性を守ることで、消費者は「これが私の愛するブランドだ」と違和感なく思い続けてくれます。
ブランドの中でも「変えてはならない要素」と「進化させる要素」をそれぞれ分けることが、成長と一貫性の両立を可能にします。
高級時計ブランドが、キャラクターで「若者向けのポップな表現」を強調しすぎたことで、従来の顧客層が違和感を抱く事態に。そこで、ブランドの核である「ハイステータスの証」というメッセージに回帰する=変えない要素が挙げられます。
キャラクターの成長は、消費者との感情的なつながりを深め、リブランディングにおけるブランドの価値を効果的に伝えるカギとなります。ただし、成長プロセスを消費者と共有し、ブランドの核を守ることが成功のポイントです。
従来のキャラクター活用に加え、ターゲット層ごとに異なるキャラクターのストーリーテリングを発信する「マルチストーリー」に取り組んでみましょう。
<ポイント>・それぞれのターゲット層に合わせた各キャラクターの性格や背景を調整する・SNSでユーザーがキャラクターのストーリーに参加できる仕組みを構築する(アンケートなど)・データ分析を行い、それぞれのストーリーから顧客解像度を上げていく |
キャラクターを単なる広告ツールやシンボルという役割ではなく、「ブランドのナビゲーター」の役割を持つ存在として位置付けるなどの「再定義」に取り組んでみましょう。
<ポイント>・キャラクターが消費者の悩みに回答する「アドバイザー」として機能させる・顧客サポートとの連携を通じて、リアルタイムの助言を提供する(チャットAIなど)・AI技術を活用し、キャラクターを消費者の行動に応じてパーソナライズする |
最初から多くのターゲットに好まれることを考えるのではなく、ニッチなターゲット層にキャラクターを展開し、少しずつ広範囲へ拡張していきましょう。もちろん企業ごとに条件が異なるため、必ずしもこれだけが正解とは言えません。しかし、自社にマッチした熱狂ファンの土台作りをするという意味で重要です。
<ポイント>・小規模な市場やコミュニティでテストを行い、デザインとメッセージを最適化する・ニッチ市場で得たフィードバックを活用して広いターゲット層にリーチする・コスト効率を最大化するため、段階的な展開を計画する |
キャラクターの開発に消費者を参加させる「共創型リブランディング」にも取り組んでみましょう。前述で触れた「巻き込む仕掛け」と同様に、愛着を持たれるきっかけとなります。
<ポイント>・キャラクターデザインのコンペを開催し、消費者からのアイデアを募集する・デザインの候補をSNSで投票形式にして、ターゲット層の意見を反映する・消費者が選んだキャラクターを採用することで、愛着とロイヤルティを強化 |
過去に人気があった自社キャラクターがある場合は、現代風に再構築し、懐かしさを活用して消費者の感情を刺激する方法も良いでしょう。
<ポイント>・過去のブランドキャラクターのデザインや物語を再解釈する・最新の技術やトレンドを取り入れたアップデートを行う・消費者の懐かしさを引き出しつつ、新しい世代にも響くようにする |
キャラクターを広告の中心に据えるのではなく、ブランドのストーリーを軸として、キャラクターは視聴者に情報を伝えるガイドやナビゲーターとしての役割を担う方法も検討してみましょう。キャラクターを中心に展開しすぎると、ブランドと無関係にキャラクターが一人歩きしてしまうからです。
<ポイント>・ブランドの価値やメッセージを反映した視聴者が感情移入しやすいシナリオの広告を作る・キャラクターがガイド役としてどのタイミングで登場し、何を伝えるかを明確にする・キャラクターの言動やデザインが主役になりすぎない程度の控えめな存在感を目指す |
関連記事:ファンのできるキャラクターはどうやって作るの?特徴や作り方のコツを紹介
既視感の強いキャラクターは、消費者にとって記憶に残りにくく、ブランドとしての差別化を図ることが困難になります。さらに、競合ブランドと似通ったデザインは、ブランドのアイデンティティを損なうリスクを伴います。
ただし、トレンドに影響されすぎると長期的なブランド戦略に悪影響を及ぼす可能性があるので注意しましょう。
キャラクターの性格や見た目がターゲット層の価値観や期待にそぐわない場合、消費者に拒否されるリスクがあります。特に、ターゲット層が感情移入できる要素を欠いたキャラクターは、消費者とのつながりを生み出しにくいのです。
ただし、キャラクターがブランドの核となる価値観と矛盾しないよう、整合性を確認しましょう。
関連記事:人気VTuberになるためのコミュニティの作り方は?最初のファンを獲得するコツも紹介
キャラクターのデザインは、ターゲット層の感性や価値観と一致していなければ、拒否反応を引き起こす可能性があります。
過度に奇抜な色使いといった「配慮を欠いたデザイン」は、消費者の共感を得られないどころか、批判を招く恐れがあります。デザインはターゲット層に寄り添い、違和感なく受け入れられることが重要です。
一時的なトレンドに依存したキャラクターは、トレンドが過ぎたときに消費者の関心を失う可能性があります。長期的なブランド構築を目指すには、普遍的な魅力を持つデザインが重要です。
失敗を避けるために過去の失敗事例を分析し、独自性、ターゲット層との親和性、持続性を兼ね備えたキャラクターを設計していきましょう。
関連記事:【初心者向け】魅力的なキャラクターデザインで大切な要素とは?企画手順も紹介
リブランディングの際、キャラクターは新しいブランドメッセージを社員に代わって、さまざまなメディア上でも伝え続けてくれる重要な役割を果たします。
つまり、消費者との橋渡し役として、変化をスムーズに受け入れさせる力があります。さっそく、どのような役割を持つか具体的に見ていきましょう。
ブランドストーリーは、消費者にブランドの価値観や使命を伝えるための重要な手段です。しかし、ただストーリーを語るだけでは印象に残りません。
キャラクターを「語り部」として活用することで、ブランドのメッセージを親しみやすく、感情的に訴えかける形で届けることができます。特に、ブランドが目指す目標や社会的使命をキャラクターが体現することで、消費者との強い絆を築けます。
やり方の具体例
地域限定のお茶ブランドが、環境保護をテーマにしたキャラクターを導入したとします。キャラクターが茶畑での農薬不使用の取り組みや、地元農家のストーリーをSNSや動画で発信する形で、ブランドの環境への配慮を消費者に伝えるといった展開が挙げられます。
リブランディングでは、新しいターゲット層を開拓することが多いですが、既存顧客との関係を損なわずに進めるのは容易ではありません。
キャラクターは、ブランドの一貫性を保ちながら、新しい顧客層へのアプローチを可能にする「感情的なブリッジ」として活用できます。
高級スキンケアブランドが若年層向けの新ラインをリブランディングの一環として導入。従来のキャラクターに若々しい側面を持たせ、TikTokなどの若者向けプラットフォームで活動を展開。一方で、公式サイトや既存顧客向けのメールマガジンでは、従来の上品さを強調した姿を維持。これにより、新旧両方の層に訴求することに成功しました。
リブランディングにおけるキャラクターの役割は、「語り部」「感情のブリッジ」「記憶に残る体験の設計」といった多面的な形で表れます。これらを効果的に活用することで、ブランドは消費者との関係を深め、リブランディングを成功へと導きましょう。
キャラクターの個性だけに依存しすぎると、ブランドそのものの価値が消費者に伝わりにくくなる可能性があります。キャラクターはブランドのサポート役として存在し、製品やサービスが中心にあるという構造を維持することが重要です。
例えば、健康食品ブランドのマスコットキャラクターが目立ちすぎたことで、「この製品がどう健康に良いのか」が伝わらない問題が発生した場合を考えてみましょう。次回のキャンペーンでは、キャラクターを食材の案内役として「脇役」となるように役割を変更するなどです。
キャラクターを中心に置きすぎず、製品を支える存在として設計することで、ブランド全体の信頼性と魅力を向上させましょう。
関連記事:ファンのできるキャラクターはどうやって作るの?特徴や作り方のコツを紹介
テストマーケティングは、初期デザイン段階のキャラクターを小規模なターゲット市場で検証し、フィードバックを基に改善するプロセスです。初期段階でキャラクターがターゲット層にどのように受け入れられるかを把握することで、大規模展開前に問題を修正できます。
例えば、アニメーション動画でキャラクターをテストせず、大規模展開後に「表情が怖い」と批判され、デザインを再修正しなくて済むようにテストマーケティングが不可欠なのです。
適切なチャネルを選定し、それぞれのチャネルで達成すべき目標(KPI)を設定することで、キャラクターの活用効果を最大化します。チャネルごとに消費者層や効果が異なるため、それに応じた戦略を立てる必要もあるからです。
例えば、複数のチャネルでキャラクターを活用したが、効果測定をしなかったことで何が上手くいったのか分からないまま展開を中断することにならないよう効果測定とKPIの設定が必要なのです。
関連記事:KGI・KPI・OKRの違いとは?正しい設定方法やメリット・デメリットを解説
キャラクターの役割を固定化せず、ブランドの成長や市場の変化に合わせて進化させる長期的な計画を立てます。時代やトレンドの変化に対応するためには、キャラクターも柔軟に変化できる必要があります。
例えば、スポーツブランドのキャラクターデザインを定期的に進化させ、長年にわたりブランドの顔として消費者に愛され続けているようなケースです。
単発的なキャラクターキャンペーンでは、一過性の効果しか生まないことが多いですが、長期的なストーリーを軸に展開することで、ブランドと消費者の間に深い絆を育むことができます。キャラクターの成長を見守る形で物語を継続すれば、消費者はブランドを「自分と一緒に成長する存在」として感じるようになります。
関連記事:新規事業の立ち上げを成功させるフレームワークとは?失敗を減らすポイントを紹介
物に溢れる現代の消費者は、単なる商品の購入ではなく、他で得られないブランドとの特別な体験があるかが重要になります。
例えば、イベントやオンラインでの体験時にキャラクターを取り入れることで、消費者に「記憶に残るブランド」として認識してもらえます。特に、消費者がキャラクターと一緒に何かを成し遂げる形の仕掛けは、感情的なつながりを深めるうえで非常に効果的です。
これはフットインザドア(小さな要求を承諾すると、その後も承諾しやすくなる効果)やベンジャミン・フランクリン効果(相手を助けると、その人に好意を感じる効果)などの点からも期待できるやり方だと言えます。
ここまでのポイントをまとめます。
キャラクターを活用したリブランディング戦略は、ターゲット層との感情的なつながりを深め、ブランド価値を効果的に伝えるための強力な手段です。しかし、その効果を最大化するためには、ブランドの核を守りつつ、消費者が共感し参加できる仕掛けを設計することが重要です。また、過去の失敗例や市場データを元にキャラクターの進化を計画し、長期的な視点で取り組む必要があります。
次のステップとして、キャラクターを活用したリブランディングの具体的なアイデアや計画に関する無料相談やガイドブックのダウンロードを活用し、さらに深い理解を得てみてはいかがでしょうか?
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1000件以上の映像制作実績を誇る株式会社NOKIDの編集部メンバーが監修。キャラクター・アニメーション分野のノウハウやトレンドの活用手法の紹介が得意です。