NOKID編集部
1000件以上の映像制作実績を誇る株式会社NOKIDの編集部メンバーが監修。キャラクター・アニメーション分野のノウハウやトレンドの活用手法の紹介が得意です。
小説などの原作をアニメ化させたいという原作者は、当社とつながりを持つクリエイター約2,000名と話していても多い夢のひとつです。
しかし、ほとんどが途中で諦めるか、出版社から打診をもらえずに終わってしまいます。なぜでしょうか? それは「ビジネスだということ」を考慮できていない場合があるからです。
一方で、クラウドファンディングで1億円以上を集めた作品、電子書籍からスタートしてアニメ化まで駆け上がった作品、文化庁のプロジェクトから生まれた作品など、成功した原作者たちは違う行動を取っています。彼らの共通点は何なのでしょうか?
これらのアニメ化できた作品は「価値を証明」し、「小さくても形にし」、「自ら売り込む」ことで、市場にアピールできる状態を作り上げました。作品の面白さは当然のこととして、意識してのことかはともかく、結果的に”どうすればビジネスとして成立するのか?”を考えて動いていました。
例えば、出版社や制作会社にアピールする際、ただ「面白い作品です!」と主張しても響かないでしょう。成功した原作者たちは、フォロワー数や売上データ、クラウドファンディングの支援者数など、具体的な数値を提示して「この作品には需要がある」と証明してきています。
つまり、アニメ化を成功させるには「話題性」「投資回収を裏付ける実績」「行動力」が必須だということです。では、具体的に何をすべきか? 本編では成功事例も交えながら、原作をどうやってアニメ化させるのかを詳しく解説します。
「TikTokアニメ運用ガイド」では、アニメーション動画を活用したTikTokアカウントの運用方法を公開しています。実写投稿の多い中でアニメーション投稿を行うことは注目を集めやすく、顔出しなしで可能なため自社のキャラクターを活用することと非常に相性が良いと言えます。企業でTikTokを活用したい際にご活用ください。他にも「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ入手してみてください。
<記事のポイント> ・小説などの原作をどうやってアニメ化するかがわかる ・小説などの原作がアニメ化される確率を上げる方法がわかる ・小説などの原作のアニメ化したあとにヒットさせるコツがわかる ・小説などの原作をアニメ化に成功した事例が具体的にがわかる |
まずは、自己資金で短編アニメやパイロットフィルムを制作し、それを制作会社や出資者へのプレゼンテーション資料として活用することです。自分のビジョンを完全にコントロールできる一方で、資金面での負担が大きいため、計画的な運営が求められます。
例えば、アニメ「リトルウィッチアカデミア」は、クリエイターたちが自主制作した短編作品が多くの評価を集め、その後クラウドファンディングやNetflixのサポートを受けてシリーズ化されました。
1.実現可能な範囲で形にしてみる
フルエピソードのアニメを目指すのではなく、数分程度の短編アニメやパイロットフィルムに焦点を当てましょう。映像の完成度を重視し、見る人に強い印象を与えることが重要です。
2.アニメのプロから協力を得る
自費制作の場合でも、アニメ制作に精通したプロフェッショナルの協力を得ることで、品質を確保できます。アニメーションスタジオやフリーランスのアニメーター、脚本家とのネットワークを築くことが大切です。
3.プレゼンを見せる相手が着目するポイントを明確にする
完成した作品をどのような場で、誰に向けてプレゼンするかを明確にしましょう。制作会社への持ち込み、アニメフェスティバルへの出品、あるいはSNSでの公開など、次のアクションにつながる戦略を練る必要があります。
関連記事:TikTokのショートアニメ動画はどうやって作るべき?種類から収入源まで解説
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて個人や企業から資金を募る仕組みです。
アニメ制作では、OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)やパイロットフィルムの制作資金を集めるために活用されています。この方法では、ファンや支援者がプロジェクトに直接参加する感覚を持てるため、多くの注目を集めることができます。
例えば、後述する「邪神ちゃんドロップキック」はクラウドファンディングで1億円以上を集め、OVA制作に成功しました。
1.魅力的なリターンを用意する
支援者を惹きつけるために、特典の内容は非常に重要です。例えば、作品に名前が載る権利、キャラクターとして登場できる権利など、支援者が「特別感」を感じられるものを提供しましょう。
2.進捗・資金用途を定期的に報告する
プロジェクトの進捗や資金の使用状況を定期的に報告することが、支援者の信頼を得る鍵です。ある作品のクラウドファンディングでは、定期的な進捗報告が信頼感を高め、多くの支援を引き出しました。
3.積極的にプロモーション活動を行う
SNSや動画プラットフォームを活用してプロジェクトを広めましょう。成功事例では、ファンや支援者による口コミが大きな効果を生み出しました。支援者自身がプロジェクトの存在を広めるアンバサダーの役割を果たすのです。
リターンは、支援者がクラウドファンディングに参加する大きな動機の一つです。単に作品を応援するだけでなく、「特別な何か」を手に入れられることで支援の価値が生まれます。
リターンの種類 | 特典内容の参考例 |
---|---|
低額支援 (1,000~5,000円) | ・支援者の名前を作品のエンドロールに掲載 ・支援者限定のデジタル壁紙やキャラクターのイラストを提供 |
中額支援 (10,000~50,000円) | ・支援者限定イベントへの招待(オンライン参加可能) ・キャラクターデザインや設定資料集の送付 ・声優や制作スタッフからの感謝メッセージ動画 |
高額支援 (100,000円〜) | ・支援者の名前やイメージのキャラクターを登場させる ・制作現場の見学や試写会への招待 ・監督や声優との直接対話やディナーイベント招待 |
出版社やエージェントを活用することは、プロのチームを味方につける最短ルートです。ただし、その「味方」は、ただ作品を持ち込むだけでは動いてくれません。信頼性の高い提案と作品の市場価値を明確に示す必要があります。
出版社やエージェントは、制作会社やプロデューサーとのネットワークを持つ強力なパートナーです。特に注目すべきは、作品の独自性や市場価値を見極めた上で戦略的に提案することです。しかし、そのためには、作品の強みを理解し、的確に伝える準備が不可欠です。
関連記事:PR施策の企画書を"読まれる"ように作成するコツは?何を入れたら伝わるのか解説
賞やコンペティションは、業界の「スポットライト」を浴びるためのステージです。特に、信頼性や作品の注目度を飛躍的に高める力があります。
賞の受賞歴は、作品の信頼性を証明する重要な肩書きとなります。受賞作として注目されることで、出版社や制作会社が新たな価値を感じるきっかけにもなります。
また、受賞歴があることで、業界関係者から「この作品には可能性がある」との評価を受けやすくなり、さらに次のチャンスが広がります。
関連記事:【初心者向け】魅力的なキャラクターデザインで大切な要素とは?企画手順も紹介
適切な場で信頼関係を築き、プロデューサーや制作会社への直接的な道=人脈を作ることも良いでしょう。具体的な場として、業界イベントやセミナーは、制作会社やプロデューサーとの交流の場を提供してくれます。
また、SNSやブログで情報を発信し続けることで、業界関係者に作品を知ってもらうチャンスを広げることができます。ただし、アプローチは控えめで誠実であることが大切です。「売り込み」よりも「交流」を心がけましょう。
一つの手段に頼らず、複数のアプローチを組み合わせて戦略的に取り組むことです。読者に届けたい作品を、アニメという形でさらに多くの人に楽しんでもらうために、着実に行動を積み重ねていきましょう。
関連記事:アニメの企画ってどうやるの?実は企画書のフォーマットは重要ではない理由をアニメ会社の視点から解説します
SNSは原作の認知度を高めるだけでなく、ファンとの直接的なつながりを作る意味でも欠かせないツールです。映画の予告編のように、作品の一瞬の魅力などを発信して、新たな視聴者を引き込むことを続けましょう。
例えば、キャラクターが持つ特徴的なセリフやシーンを短い動画や画像で発信することで、フォロワーが「これ、面白そう!」と思うきっかけを作れます。
関連記事:キャラクターを使ったSNS運用のメリットとは?成功例やコツを紹介
タイアップやコラボは、作品を広めるだけでなく、別の新たな価値を生み出す強力な手法です。コラボ相手のファンに知ってもらうきっかけを作りながら、新たな作品を生むことにつながるかもしれません。
例えば、地元や企業と連携することで作品の魅力を広範囲に伝えることができます。
関連記事:キャラクターを用いたコラボ戦略と活用事例から成功の秘訣を探る
前述の賞への応募と同様に、作品を複数のメディアで展開することは、読者層を広げるだけでなく作品の価値を異なる視点で伝える手段です。
例えば、Web小説投稿サイトでランキング上位に入ることは、読者の注目を集めるだけでなく、出版社や制作会社の目に留まるきっかけになります。
それぞれのメディアで異なるコンテンツが、最終的に作品全体の影響力を広げることにつながります。
読者やファンとの接点を増やし、作品の認知度を上げていきましょう。
関連記事:資産になるコンテンツマーケティングとは?記事を作るだけじゃないPRに必須の手法を解説
アニメ化の成功は、原作者の関与の仕方によって大きく左右されます。ただ原作を提供するだけではなく、制作陣と緊密に連携し、原作の魅力を最大限に引き出すことが重要です。
他にも、原作執筆の段階から映像化を意識する工夫を取り入れることもポイントです。
アニメ化プロジェクトでは、原作者は単なる原作提供者ではなく、制作の重要なパートナーとなることが求められます。原作の魅力をアニメに反映させるためには、キャラクター設定や脚本、ビジュアルの監修を通じて、制作陣との緊密な連携を図る必要があります。
「涼宮ハルヒの憂鬱」は、アニメ史に残る傑作として、革新的な演出とファン心理を徹底的に理解した作り手のこだわりによって大成功を収めた事例です。
1.原作者との打ち合わせでコンセプトを議論 アニメオリジナルエピソード「サムデイ イン ザ レイン」について、原作者と「キョン以外の第三者視点を取り入れる」という提案が行われました。 |
2.原作の表現に固執せず新しい試みを後押し 原作者はアニメ制作チームの「視点変更の試み」を許容し、アニメならではの独自表現(第三者視点・定点観測など)の試みを後押ししました。 |
3.原作の構造を尊重しつつアニメならではの表現にする 原作者があらかじめ想定していなかった「視聴者の能動的な物語体験を生み出す構成」についても、アニメ制作側が自由に解釈し実現した様子がうかがえます。 |
特に時系列シャッフルやライブシーンの表現が話題を呼び、アニメ業界の新たな可能性を示しました。
この作品の成功は、従来の常識に囚われず、意図的に視聴者を混乱させるような構成や演出を採用し、それが一部のコアファンを中心に熱狂を生み出したのです。
参考:山本寛監督インタビュー「いまだからこそ語るべきアニメのこと」第4回 『ハルヒ』『らき☆すた』演出ノート【不定期連載】 - PLANETS
アニメ制作において、原作者が監修に関わることは、原作ファンの期待を裏切らない作品作りに直結します。キャラクターの性格や世界観の細部に至るまで監修を行うことで、アニメ版が原作の魅力を忠実に、かつ新たな形で表現できるようになります。
「涼宮ハルヒの憂鬱」では、原作者の谷川流氏が第三者視点のエピソード構成を提案し、アニメ版独自のコンセプトが形作られました。このように、原作の持つ可能性を最大限に引き出すのが、原作者監修の役割です。
アニメ化を見据えた原作を執筆する際には、読者が頭の中で簡単に映像を想像できる要素を盛り込むことが効果的です。以下は、映像化に適した作品の特徴です。
アニメでは、視覚的な要素や動きが大きな影響を与えます。物語において、風景やキャラクターの動作、衣装のディテールなど、映像としてイメージしやすい描写を増やしましょう。
<例:風景描写の工夫> 「夕焼けに染まった街並み」のような抽象的な表現よりも、「オレンジ色の太陽が瓦屋根に影を落とし、風が干し草の香りを運んでくる」といった具体的な描写の方が、アニメ化した際に鮮明なビジュアルを生み出しやすくなります。 |
アニメでは、キャラクターの性格や行動が視聴者の興味を引く重要なポイントとなります。独自の口癖、ユニークな動作、強烈な第一印象を作り上げましょう。
<例:キャラクター設定の工夫> 平凡な主人公であっても、「いつもポケットに古びた万年筆を忍ばせている」「独り言を英語でつぶやく」といった細かな特徴を加えるだけで、アニメ化した際に視覚的な個性が際立ちます。 |
ストーリーの中で、視覚的に映える場面を意識して盛り込むと、アニメ化した際に印象的なシーンが増えます。戦闘やダンス、儀式といった動きのあるシーンが多いほど、映像化の魅力が高まります。
<例:動きを活かした戦闘シーン> 「敵を打ち倒す主人公」の場面を描写する場合、ただ「剣を振り、敵を倒した」とするよりも、「主人公が地面を蹴って空中に跳び上がると、剣先から青白い光が尾を引き、鋭い弧を描いて敵の鎧を切り裂いた」といった、躍動感を含む描写がアニメ化の際に映像的な魅力を高めます。 |
アニメ放送後は、ファンとのつながりを継続することで作品の熱量を保つことが大切です。特にSNSを活用することで、リアルタイムでのコミュニケーションや新情報の提供が可能になります。
また、イベントやグッズ展開を通じて、作品の世界観をより深く楽しんでもらうことができます。
例えば、アニメ放送後もグッズ展開やイベントを通じてファンとのつながりを維持しておき、劇場版の大ヒットにつなげるようなケースです。
アニメ化後の成功は、原作の魅力を忠実に伝えつつ、新たな価値を付加することで実現します。原作者として制作に積極的に関わり、ファンとのつながりを深めることで、長期的なヒットを目指しましょう。
アニメ化の成功は、単なる「映像化」ではなく、原作の新たな魅力を最大限に引き出して新たなファンを獲得するプロセスでもあります。
ここからは、実際にアニメ化&ヒットした作品の事例を分析し、その成功の要因を深掘りします。
「リトルウィッチアカデミア」は、日本アニメの成功例の中でも、特に変わった成り立ちを持つ作品です。
「リトルウィッチアカデミア」は、2013年に文化庁が若手アニメーター育成のために立ち上げた「アニメミライ」のプロジェクトとして制作されました。
限られた制作期間と予算内で、魅力的な短編作品を仕上げることが求められ、監督の吉成曜氏が原案・キャラクターデザイン・監督を一手に担当しました。限られたリソースをチャンスとして捉え、短尺ながらも濃密なストーリーと美しい映像で話題を呼び、続編への道を切り開きました。
短編の成功は、いわば「プロモーション映像が本編の期待を一気に高めた」ようなものです。最初から長編を目指すよりも、コンパクトな形で作品の可能性を示すことができました。
短編の成功を受け、「リトルウィッチアカデミア」は続編の制作資金をクラウドファンディングで募集しました。このプロジェクトでは、わずか数時間で目標額を達成するほどの支持を集め、劇場版が制作されました。
クラウドファンディングは資金集めの手段だけでなく、ファンとの関係性を強化するツールでもあります。「リトルウィッチアカデミア」の支援者は、プロジェクトを「自分たちの作品」として愛し、アニメの成功を後押ししました。
クラウドファンディングの支援者は、「応援して育てた木の果実を共に楽しむような喜び」を得ました。自分が関与したプロジェクトの成功は、ファンにとって大きな誇りとなります。
劇場版の成功を経て、テレビシリーズ化が実現した「リトルウィッチアカデミア」。その際、吉成監督は個性的な演出家を起用し、幅広い雰囲気と世界観を取り入れました。
また、舞台設定やキャラクターをグローバルにアピールする形にすることで、海外からの支持も獲得しました。
作品を成功させるには、一貫性と多様性のバランスを取ることが重要です。「リトルウィッチアカデミア」では、アッコという一貫した軸を保ちながらも、エピソードごとに多様なテイストを取り入れました。
この作品の成功は、最初の一歩を踏み出すための創意工夫と、ファンとの深い関係性がいかに重要かを物語っていると言えるでしょう。
参考:次回作への展望も!アニメ『リトルウィッチアカデミア』最終回後だからこそ語れる制作秘話/監督・吉成 曜さんインタビュー - animate Times
「魔女の旅々」は、最初にAmazon Kindleで電子書籍として自費出版された作品です。当初の売れ行きは振るわなかったものの、原作者が自ら2ちゃんねるのニュース速報VIP板でスレッドを立てて作品を宣伝しました。
その結果、ニュースまとめサイトに取り上げられ、一気に注目を集めることとなりました。この反響を受け、大幅に加筆修正されたバージョンがGAノベル(SBクリエイティブ)から2016年4月に刊行され、ついにアニメ化も実現しました。
「魔女の旅々」が成功したポイントの一つは、原作者が積極的に作品を宣伝し、読者とのコミュニケーションを大切にしたことです。こうした活動を通じて、ネット上で話題を作り、出版社や制作会社の目に留まることができました。他にも、美しいイラストや魅力的なキャラクター設定が多くの読者の心をつかんだ点も成功要因と言えます。
また、本作が連作形式となった理由について、作者は「読者に気軽に読んでもらいたかったこと」と「明るい話と暗い話の両方を書きたかったこと」を挙げています。これにより、エピソードごとに異なる雰囲気を持たせ、読者を飽きさせない工夫がなされています。
アニメ化を目指す際には、このようにビジュアルの魅力や独自性、そしてネット上での話題性を意識することが重要です。
アニメ「邪神ちゃんドロップキック」は、クラウドファンディングを活用して約1億1,500万円もの資金を集め、OVA制作を成功させた代表的な事例です。
本作の取り組みは、熱心なファンとの結びつきを生かし、独自のリターンを用意することで、多くの支援を得ることに成功しました。
「邪神ちゃんドロップキック」の成功の裏には、放送済みのアニメシリーズで培われた熱心なファン層の存在がありました。このファン基盤が、クラウドファンディングの支援者を集めるための土台となりました。
アニメが一定の人気を得た後も、ただ続編を期待するだけではファンの関心は薄れがちです。しかし「邪神ちゃん」は、独特のユーモアとファンサービスに徹したコミュニケーションを取り続けることで、ファンとのつながりを強化しました。
「邪神ちゃんドロップキック」では、「目標額が3,000万円に到達するごとにOVAを1話制作する」という具体的な計画が示されていました。この段階的な目標設定が支援者に安心感を与え、次第に支援額を押し上げていきました。
単に「目標額」を提示するだけでは支援者の興味を引きにくいものです。「邪神ちゃん」のように、具体的な成果物(例:OVA1話)を約束することで、支援のハードルを下げ、支援者がプロジェクトのゴールを明確にイメージできるようにしました。
「邪神ちゃんドロップキック」のクラウドファンディングは、ファンが「ぜひ欲しい」と思う独自のリターンが用意されていました。
支援者限定イベントや作品内で名前がクレジットされる特典は、ファンに特別感を与え、支援意欲を掻き立てました。
ファンは単なる「もの」よりも、「自分の存在が作品の一部になる」経験に価値を見出します。「邪神ちゃん」のリターンは、ファン心理を巧みに突いたものでした。
この作品の成功は、単なるファンド集めではなく、ファンとの深い絆を築くことで大きな成果を生むことが可能だと言えるでしょう。
参考:アニメ「邪神ちゃん」クラファンに1億円以上集まる OVA 3話の制作が決定 - ITmedia
映画「この世界の片隅に」は、クラウドファンディングによる資金調達で成功を収め、アニメ化プロジェクトの実現に大きな一石を投じました。
本作は、資金集めだけでなく、支援者との絆や新しいマーケティング手法の確立にも成功した一例です。
通常、映画は公開直後に観客が最も多く、徐々に減少するのが一般的です。しかし、「この世界の片隅に」は公開後も口コミで話題が広がり、上映規模も徐々に拡大しました。
(初週63館だった公開館数は、年末までに195館に増加)
この現象の背景には、SNSを活用した支援者たちによる「自発的な宣伝活動」がありました。彼らが映画を推す声を発信することで、口コミの波が次第に大きくなり、新たな観客層を取り込むことに成功したのです。
当初、制作資金の調達は困難を極めましたが、クラウドファンディングを活用し約3,900万円を調達。この資金をもとに、5分間のパイロットフィルムを制作し、それを企業や投資家へのプレゼンに活用しました。
特筆すべきは、クラウドファンディングそのものが「この作品にこれだけの支持者がいる」という証拠となり、さらなる支援を引き寄せた点です。
例えば、SNSでの熱量が企業に伝わり「このプロジェクトならリスクを取る価値がある」と判断されるようなケースもあるでしょう。
本作の宣伝費は非常に限られていましたが、SNSや口コミを活用することで宣伝効果を最大化しました。
特に、出資者が「自分が応援した映画が成功した」と感じられるような仕組みが功を奏しました。これにより、支援者自身が積極的に映画を広める役割を果たしたのです。
例えば、映画評論家や漫画家のゆうきまさみ氏などが、自発的に作品を宣伝した結果、出資者の声が広がり、作品の魅力が多くの人に届きました。
この作品の成功は、「新しい作品には支援が集まらない」という固定観念を覆しました。
この例が示すのは、クラウドファンディングが単なる資金調達手段ではなく、ファンとの信頼関係を築き、プロジェクトの成功を後押しする重要なツールであるということでしょう。
参考:「この世界の片隅に」ヒット導いた“3つの非常識” 前作不振でも… - withnews
ここまでのポイントをまとめます。
小説などの原作をアニメ化するには、原作の魅力を最大限に引き出す計画と努力が必要です。企画から制作、プロモーションに至るまでのポイントをしっかり押さえることで、アニメ化の成功率を高められるでしょう。
大掛かりなアニメ化だけでなく、SNSなどでショートアニメから始めて実績を作りたい場合には、ぜひ当社までお気軽にご相談ください。
グラフィック系の招待制クリエイターコミュニティ「Creators On(クリエイターズオン)。
Creators Onは「世界中にクリエイターの舞台を」という理念で、株式会社NOKIDが運営する”熱量の高いクローズドコミュニティ”です。独自の審査によって選ばれた新進気鋭のクリエイター(認定クリエイター)との相互コミュニケーションを重視することで深い繋がりを実現しています。
認定クリエイターは、実力や影響力、次世代クリエイティブの創出などの選定基準を突破して招待されたプロのクリエイターだけの限られた称号です。深いコミュニティでの繋がりによって得たクリエイターのリアルな情報から、各企業にぴったりなクリエイターとのタイアップ(コラボレーション)作品作りを実現します。
NOKIDが運営するアニメーションスタジオ「RE:LY」、グラフィックデザインスタジオ「KAKKU」、グラフィック系クリエイターコミュニティ「Creators On」のチームメンバー・コミュニティメンバーとして活躍したいグラフィック系クリエイターを募集しています!
登録は簡単、以下のフォームに必要事項を入力するだけです。ご応募お待ちしております。
・YouTube漫画動画制作はイラストレーターにとって良い仕事となる4つの魅力
・【初心者向け】魅力的なキャラクターデザインで大切な要素とは?企画手順も紹介
・イラストレーターの副業としてもYouTube漫画動画はおすすめ!収益を得る方法
・Youtube漫画動画で収益を出したい!動画編集のおすすめ方法を自前と外注で説明します!
・【キャラ活用】IPビジネスがアニメ事業のチャンスに!自社IPの可能性とは?
・キャラクターを用いたコラボ戦略と活用事例から成功の秘訣を探る
・ブランドのファンを増やすオリジナルグッズ・ノベルティとは?具体的な効果や制作方法を紹介
・にじさんじのコラボ商品は何がある?他社事例を分析してまとめてみた
・なぜ企業同士のコラボ事業が注目されるのか?参考事例までPR会社が解説
・【IPコラボ商品・キャンペーン】参考になる事例から学ぶ!成功させるポイントを紹介
NOKID編集部
1000件以上の映像制作実績を誇る株式会社NOKIDの編集部メンバーが監修。キャラクター・アニメーション分野のノウハウやトレンドの活用手法の紹介が得意です。