NOKID編集部
1000件以上の映像制作実績を誇る株式会社NOKIDの編集部メンバーが監修。キャラクター・アニメーション分野のノウハウやトレンドの活用手法の紹介が得意です。
学習マンガ市場は、近年急成長しています。その背景には、視覚的な魅力とストーリーテリングによる学習意欲の向上、若年層における学習マンガの人気上昇などが挙げられます。
そんな学習マンガとはいえ、手に取ってもらえなければ効果も発揮しません。こうした状況を打破するためには、すでに知られているマンガ作品などのIPとコラボレーションすることです。
これにより、学習マンガそのものを知ってもらいやすくなり、マンガによる意欲的な学習の両立が可能です。
そこで今回は、学習マンガにIPコラボを活用する理由や効果について解説します。学習教材や書籍、または初心者には親しみづらいようなジャンルの製品を扱う方は、アイデアの参考例としてぜひご一読ください。キャラクターのコラボについては「キャラクターを用いたコラボ戦略と活用事例から成功の秘訣を探る」がおすすめです。
キャラクターを「自社に合う見栄えか?」だけで作っても、顧客から受け入れられないことがほとんどです。なぜなら、ユーザーは多くの情報に晒されており、自分が興味を持つものしか見ないからです。興味を持つことは、共感したり何らかの感情的な刺激が必要になります。そのためには、キャラクターの人格や設定などが重要だということです。魅力的なキャラクターを作る要素などの「キャラクター作りのポイント」を「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ活用してみてください。
<記事のポイント> ・実際の事例から見るIPコラボの成功条件が分かる ・IP選定のポイントとターゲット層への調整が分かる ・学習マンガとIPコラボがターゲットへ与えるメリットについて分かる ・IPコラボを活用したプロモーション戦略の重要性が分かる |
シンフィールドのマンガ広告を見たユーザーはどう感じているのか?のアンケート結果では、マンガ広告は70%以上の人々の興味をひき「つい読んでしまう」「興味が湧く」「少し興味が湧く」と感じた人が多く、広告を見ても何も感じない人は約20%でした。
このデータからも、マンガ形式のコンテンツが多くの人々の心を動かす力を持つことがわかります。IPコラボの成功事例として、歴史的な人物や事件をテーマにした学習マンガに人気アニメキャラクターを導入することで、子供たちの関心を引きつけられます。
また、人気キャラクターを用いることで、SNSやメディアでの拡散効果が期待でき、販売促進にもつながるでしょう。
では、学習教材をマンガにするメリットについて詳しく見ていきましょう。
学習教材に重要なことのひとつに、最後まで教材に取り組んでもらうことが挙げられます。勉強に取り組む際は、無理にやらされて取り組むよりも、意欲が湧いて自主的に取り組む方が自然に覚えられます。
アメリカの心理学者であるエドワード・デシ(Edward L. Deci)とリチャード・ライアン(Richard M. Ryan)によって1985年に提唱された「自己決定理論」によれば、自分自身の興味や好奇心に基づいて行動する際(内発的動機づけ)には、効果的に学習できると言われています。反対に、無理にやらされると外発的動機づけが中心となるため、学習への意欲が低下します。
そこで、学習マンガによって「自主的に内容を見てみよう」と思ってもらうことは、勉強のきっかけを作る上で重要となります。シンフィールドの同アンケート結果からも明らかであるように、マンガ広告は70%以上の人々の興味を引き「つい読んでしまう」「興味が湧く」と感じる人が多いことが示されています。
そして、このような学習マンガを用いる際によく知られている作品やキャラクターをコラボすることで、さらに興味を持ってもらいやすくなるということです。
例えば、人気アニメのキャラクターが歴史の重要な出来事を解説することで、子供たちは自然と学習に興味を持ち始めるでしょう。結果として、学習マンガを通じて勉強への意欲が向上し、継続的に学ぶことが可能になるでしょう。
学習教材にマンガを用いて内容を伝えることは、読者に伝わりやすいという点でも非常に有効です。学習教材に取り組む際、内容が難しいと感じることも意欲が低下するきっかけになりがちだからです。
マンガの視覚的なストーリーテリングは、複雑な概念を理解しやすくします。情報量としても、テキストだけよりもマンガによる視覚的な情報がある方が多くのことを伝えられます。
実際に、多くの研究機関で実証されており、従来のテキスト教材を使用した学生よりも学習意欲が向上したと報告されています。
特に、IPコラボによって教材の読者がすでに馴染みのあるキャラクターや世界観を用いることで、興味を維持したままストーリーによって理解がスムーズとなるのです。
学習マンガにIPコラボを取り入れることで、教育効果の向上だけでなく、新たな顧客層の獲得や既存ファン層へのリーチが期待できます。
学習マンガにIPとのコラボを取り入れることで、期待できる効果の一つは、認知度の向上です。特に既存のIPを持つキャラクターやストーリーを活用することで、IPのファン層に新たな形でリーチできます。
例えば、人気のアニメやマンガのキャラクターを学習マンガに取り入れることで、既存のファンが新しい知識や教育内容に触れられます。これにより、教育コンテンツへの関心が高まり、学習マンガがより多くの人々に受け入れられやすくなるでしょう。
また、コラボをきっかけに新たな層にも知ってもらう話題性を生むことで、より多くの人に興味を持ってもらうことにつながります。
IPコラボは、読者や視聴者に親近感を与え、興味関心を引くことが可能です。特定のキャラクターやストーリーに親しんできたファン層は、そのキャラクターが教育コンテンツに取り入れられることで、学習意欲が高まる傾向があります。
たとえば、人気アニメキャラクターを活用した数学や科学の学習マンガは、読者にとって親しみやすいでしょう。視覚的な表現やキャラクターの持つ特性を通じて、読者が理解しやすくなります。
これにより、教育的なコンテンツでも興味を持ってもらいやすくなり、学習のモチベーション向上に役立つと言えます。
学習マンガとIPコラボによって、得られるメリットについて解説しました。実際、学習マンガにIPはどのような形でコラボしているのでしょうか。
ここでは、学習マンガとIPコラボの事例を3つ紹介します。
集英社が展開する「学習まんが 世界の歴史」シリーズは、世界史をアニメーションと豊富なイラストで解説する学習ツールです。このシリーズでは、有名な歴史的出来事や人物を取り上げ、それらを楽しく視覚的に学べます。
たとえば、第一次世界大戦やフランス革命などのテーマがマンガで紹介されることで、読者はテキストだけではなくビジュアルでも理解を深められるでしょう。
アニメーションやマンガの特性を活かし、歴史の複雑な出来事を視覚的に整理し、記憶に残りやすくする工夫が凝らされています。また、このシリーズは歴史教育に革新をもたらし、学習の興味を引き出す効果的な教材となっています。
小学館が発行する「名探偵コナン歴史まんが」は、人気マンガ「名探偵コナン」のキャラクターを起用した学習マンガです。コナンや灰原哀、服部平次、毛利蘭といったお馴染みのキャラクターたちがタイムトラベルをするストーリー展開が特徴です。キャラクターたちがさまざまな歴史時代の事件に遭遇し、歴史上の人物や出来事と出会いながら、歴史の謎を解き明かしていきます。
「名探偵コナン」のキャラクターたちが登場することで、子供たちが親しみやすく、歴史に興味を持ちやすい工夫がされています。コナンの推理力を使って事件を解決していく様子は、まるで本物の探偵小説を読んでいるようなワクワク感を味わえるでしょう。
縄文時代から現代まで、12巻にわたって幅広い時代のエピソードが収録されています。各巻では、その時代の代表的な人物や出来事を取り上げ、分かりやすく解説しています。
各巻の最後には、コナンが出題するクイズコーナーがあり、読者は学んだ知識を活かして謎を解くことが可能です。楽しみながら歴史を復習できるだけでなく、理解度を確認するのにも役立ちます。
講談社発行の「はたらく細胞 ウイルスの教科書」は、人気マンガ「はたらく細胞」のキャラクターを起用した学習マンガです。赤血球や白血球、マクロファージなどの細胞たちが擬人化され、ウイルスの種類や感染症の仕組みなどをわかりやすく解説しています。体内で働く様子をコミカルに描いた「はたらく細胞」の世界観を活かしているのが特徴です。、
「はたらく細胞」のキャラクターたちが登場することで、子供たちが親しみやすく、ウイルスの脅威について楽しく学べる工夫がされています。細胞たちがウイルスと戦う様子は、まるでアニメを見ているようなワクワク感を味わえるでしょう。
各ページには豊富なイラストや図解が掲載されており、ウイルスの構造や感染経路などを視覚的に理解できます。また、難しい専門用語を極力使わず、分かりやすい言葉で説明されているのもポイントです。
巻末には、体内で働く細胞たちを擬人化したシールや、ウイルスの種類を学べるカードゲームなどの体験型コンテンツが収録されているので、楽しみながら知識を定着できます。
学習マンガとIPコラボは、子供たちの学習意欲を引き出し、理解しやすい内容で人気を得ています。しかし、学習マンガに人気のキャラクターを起用したからといって、成功するとは限りません。
ここでは、学習マンガがIPコラボで成功するためのポイントついて解説します。
IPの世界観と学習内容を無理なく融合させることが重要です。IPの世界観を活かしたストーリー展開にすることで、子供たちはより楽しく学習することができます。
IPを選ぶ際には、ターゲット層の年齢や性別、興味関心を考慮する必要があります。ターゲット層に合致したIP選定の例は以下のとおりです。
年齢
性別
興味関心
これらの点を踏まえ、ターゲット層にとって魅力的なIPを選ぶことが重要です。
IPの世界観と学習内容を無理なく融合させることも重要です。IPの世界観を活かしたストーリー展開にすることで、子供たちはより楽しく学習することができます。たとえば、歴史上の事件を舞台にした物語にすれば、子供たちは歴史に興味を持つことができます。
IPのキャラクターを学習内容に関連した役割で登場させることも効果的です。たとえば、科学の学習マンガであれば、科学者や実験器具を擬人化したキャラクターが登場するようなストーリー展開にすると効果的でしょう。
IPの世界観を学習内容に活かすこともできます。たとえば、宇宙を舞台にしたマンガであれば、天体や宇宙の仕組みについて学べます。これらの点を工夫することで、子供たちはより理解しやすく、楽しく学習できるでしょう。
IPの知名度を活かしたプロモーション戦略は、ブランドや製品の認知度を大幅に向上させる効果があります。
まず、デジタルコンテンツとの連携が効果的です。具体的には、人気のあるIPキャラクターやストーリーを用いたモーションコミックをSNSやYouTubeなどのプラットフォームで公開することが考えられます。これにより、ブランドや製品の既存のファン層に加え、新たなターゲット層にもリーチできます。
さらに、イベントやキャンペーンの実施も有効です。IPの知名度を活用したポップアップショップや展示会、ファンミーティングなどのリアルイベントは、ファンとの直接的な交流を通じてブランドロイヤリティを高める絶好の機会です。
また、SNSでのフォトコンテストやプレゼントキャンペーンを展開することで、ユーザーの参加意欲を喚起し、SNS上での話題性を高められます。特に、キャンペーンにおいては限定グッズや体験を提供することで、参加者の関心を引き、口コミ効果を狙うことが重要です。
近年、ネットの普及によりスマートフォンやパソコンなどさまざまな媒体で学習することも増えています。そのため、静止画よりもイラストに動きをつけたアニメーション動画を活用して解説をすることで、より分かりやすく表現でき、現代の学習方法に最適であると言えます。
市場が成長している学習マンガとIPコラボを、より効果的にする方法として、アニメーション動画を活用して解説するのがおすすめです。
これらの施策を組み合わせることで、IPの知名度を最大限に活用し、効果的なプロモーションを実現することができます。デジタルコンテンツとイベントの両方を活用することで、多角的なアプローチが可能となり、ブランドの認知度向上とファン層の拡大に繋がります。
IPコラボは、学習マンガの新たな可能性を広げる有効な手段ですが、実際に進める際にはさまざまな疑問が生じるものです。ここでは、IPコラボに関するよくある質問とその回答をまとめました。
IPコラボの交渉には、主に以下の3つのポイントを押さえておく必要があります。
コラボするIPについて十分な情報収集を行い、自社の目標やターゲット層を明確にしておくことが重要です。また、誠意を持って丁寧なコミュニケーションを心がけ、相手方の立場やニーズを理解するように努めましょう。
単にコラボを希望するだけでなく、具体的な企画内容やスケジュール、予算などを提示することで、相手方の検討を促しやすくなります。双方が納得できる落とし所を見つけるために、柔軟な対応を心がけましょう。
IPコラボを行う際には、著作権法や商標法などの法令を遵守することが重要です。コラボするIPの著作権者に、許諾を得ずに利用することはできません。許諾の範囲や条件は、書面で明らかにしておく必要があります。
また、コラボするIPの商標権者に、許諾を得ずに商標を使用することもできません。許諾の範囲や条件は、書面で明らかにしておきましょう。
コラボするIPが人物の場合は、肖像権を侵害しないように注意する必要があります。肖像権の許諾は、書面で行うことが望ましいです。
IPコラボを進める上で、契約書は双方の権利関係を明確にし、トラブルを防ぐために重要な役割を果たします。IPコラボの契約書に盛り込むべき内容は、主に以下になります。
項目 | 内容 |
契約当事者 | コラボを行う企業や団体名IPホルダーの名前と住所名義人や担当者に関する情報 |
コラボの内容 | コラボの目的コラボ期間コラボの対象となるIPコラボの形態コラボの範囲コラボの成果物の利用方法 |
権利関係 | IPの使用許諾範囲IPの改変・二次創作に関する権利IPの表示方法IPの商標登録に関する権利IPの独占使用権の有無 |
費用 | ライセンス料制作費宣伝費販売手数料 |
秘密保持 | 守秘義務の対象となる情報守秘義務の範囲守秘義務の解除条件 |
紛争解決 | 裁判管轄準拠法紛争解決手段 |
その他 | 契約期間契約更新契約解除損害賠償責任著作権商標権肖像権パブリシティ権 |
IPコラボの契約書は、双方の権利関係を明確にし、トラブルを防ぐために重要な役割を果たします。上記を参考に、内容を精査し、必要に応じて弁護士に相談しながら作成することをおすすめします。
ここまでのポイントをまとめます。
学習マンガにIPコラボを取り入れるメリットや具体的な活用方法について解説しました。IPコラボは、既存のファン層の取り込みが期待できる手法です。
人気キャラクターや作品を活用することで、学習マンガに新たな魅力と興味を持たせ、読者層を拡大する効果があります。
また、IPの知名度を活用したプロモーション戦略により、広告効果も期待できます。これにより、学習マンガの認知度向上と市場拡大が見込め、教育的なコンテンツがより多くの人々に届くことが可能です。
ショートアニメ制作プロダクションNOKIDは、マーケティング視点に特化したアニメーション制作で、御社の製品PRを強力に後押しいたします。
企画から制作、運用まで、すべてをNOKIDにお任せください。豊富な経験と実績を持つプロスタッフが、御社の想いを込めたアニメーションを制作いたします。
・【キャラ活用】IPビジネスがアニメ事業のチャンスに!自社IPの可能性とは?
・キャラクターを用いたコラボ戦略と活用事例から成功の秘訣を探る
・ブランドのファンを増やすオリジナルグッズ・ノベルティとは?具体的な効果や制作方法を紹介
・にじさんじのコラボ商品は何がある?他社事例を分析してまとめてみた
・なぜ企業同士のコラボ事業が注目されるのか?参考事例までPR会社が解説
・【IPコラボ商品・キャンペーン】参考になる事例から学ぶ!成功させるポイントを紹介
NOKID編集部
1000件以上の映像制作実績を誇る株式会社NOKIDの編集部メンバーが監修。キャラクター・アニメーション分野のノウハウやトレンドの活用手法の紹介が得意です。