iBerry
ギタリストとしても活動。 NOKIDでは主に映像・楽曲のプロデュースを担当。【主な仕事経歴】TM NETWORK「Whatever Comes」REC参加、COUNTDOWN JAPAN 23/24 設置の企業ブースにて演奏、Positive Grid Spark セミナー出演‥その他多数
クリエイターの取材を通して、プロとしてのマインドやノウハウを記録していく「NOKID CREATIVE LOG」のクリエイターインタビュー企画。
イラストレーターのジカセイ氏は、"多彩な絵柄"という強みを最大限に活かしながら、独特の世界観を持った作品作りで知られています。ジカセイ氏は、イラストレーターとしてだけでなく、アニメ業界で制作進行の経験を持ち、幅広い視野と豊かなスキルを身につけているという点が特筆すべきポイントです。
アニメ業界で培ったプロジェクト管理やスケジュール管理のノウハウが、イラストレーションの仕事にも深く活かされており、ジャンルを問わず多彩なクリエイティブを手がけるジカセイ氏は、現代のクリエイターシーンにおいても特に才能を発揮しています。
今回は、絵柄のバリエーションに悩んでいる方や、自分のアートを幅広く展開していきたいと考えている方に向けて、ジカセイ氏の成功ストーリーをお届けします。
ゲスト:ジカセイ氏 Freelance Illustrator , Art Director 【主な仕事経歴】HOLOSTARS English ARMIS 「WARNING!」Manga PV /AD、構成、絵コンテ、一部イラスト ・オリンピア Tシャツ2024Paris/イラスト・ 映画『きみの色』セブンティーンアイスコラボムービー/ 演出、KV、3DCG‥その他多数 Official Site:https://lit.link/jikaseisan X(旧Twitter):https://x.com/jikasei_san |
インタビュアー:iBerry NOKIDでは主に映像・楽曲のプロデュースを担当。 【主な仕事経歴】マイメロディ「めろめろ♡マイメロディ」作詞協力 ・COUNTDOWN JAPAN 23/24 設置の企業ブースにて演奏・TM NETWORK「Whatever Comes」REC参加‥その他多数 X(旧Twitter):https://x.com/iberry_guitar Instagram:https://www.instagram.com/iberry_guitar/ YouTube:https://www.youtube.com/@iBerryGYM1515 |
iBerry:絵を描き始めたきっかけや、好きになった理由を教えてください。
ジカセイ:きっかけは中学生の頃かもしれません。それより前から絵を描くことは好きだったんですが、中学生の時に周囲の影響を受け、「もっと本格的に絵を描いてみたい」と思ったんです。それまではスポーツや音楽に夢中だったので、絵は本当にノートの端に小さい動物のキャラクターを落書きする程度だったんです。
でも、中学になると、小さい頃からずっと絵が好きで描き続けているような子達とも関わるようになって。負けず嫌いな性格もあって「自分も上手くなりたい」と思ったんですよ。自分のやっていることの中で、その時点では”絵が一番苦手だった”からこそ、逆に挑戦したい気持ちになりました。
それと、漫画を読み始めた影響もかなりあります。小学生まではあまり漫画を読ませてもらえない家庭だったので、中学生になってわりと読むようになって。それが中学1年生くらいのときですね。その流れで、高校受験は美術推薦で受けました。
iBerry:中学生の頃はどんな絵を描いていたか覚えていますか?
ジカセイ:その頃はキャラクター、とくに人物を漫画風に描き始めた時期でしたね。それまでは野菜とか乗り物とか風景とか、実際に見たものを絵の具で描写するのが好きで、そういうものを描いていました。だから、キャラクターを初めて描いたのは中学生の時だと思います。漫画も描いたりしていました。
iBerry:今の作品はデジタル、つまりパソコンやiPadを使って描かれていると思いますが、中学生の頃はスケッチブックなど紙に描いていたんですか?
ジカセイ:そうですね、紙に描いていました。今みたいに一般人がデジタルで絵を描くのが浸透していた時代ではなかったので。漫画のためにつけペンも練習したりしましたよ。
友達の中にも漫画を描いているような子が多くて、鉛筆やつけペンで絵を描いたり、余ったトーンを交換したりしてましたね。
iBerry:その後、どのようにプロの道に進んだのか教えていただけますか?
ジカセイ:プロになりたいというよりは、シンプルに「上手くなりたい」という気持ちがずっとありました。それは今でも変わりません。人体構造やそれを表現することを本格的に学びたくて、美大受験をして、浪人を経て入学しました。
でも途中で辞めてちゃって。今度はニューヨークで3Dアニメーションの勉強をしたりして。その後、日本のアニメ会社に入社しましたが、過酷な労働環境で体調を崩し、退社しました。ただ、大学生のときから絵を教える仕事をバイトでしていて、それは継続していました。
ジカセイ:改めてバイト一本の生活に戻ったときに、生活の一部として絵がずっとあったので、やっぱり絵以外で生きていくなんて想像つかないなと。その時ちょうどバイト先の繋がりでイラストレーターさんのアシスタントとして2年くらい働かせていただく機会がありまして、イラストをもっと描きたいなとだんだん方向性が決まってきた感じです。
自分の絵をもっと描きたいという気持ちがずっとあったので、独立して今に至ります。それが2、3年前のことですね。
ただ、辞めたときに何か仕事があったわけではなかったので、営業が仕事に繋がらずかなり病んだりする時期もありましたよ(笑)。人脈を通してなんとか食い繋いで、お取引先を少しずつ増やして、なんとかここまでこれました。
一緒に仕事をしてくださる方々にはとても感謝しています。
iBerry:ニューヨークで3Dアニメーションを学んでいたと伺いましたが、どういうきっかけで行かれたんですか?
ジカセイ:中学生の時にスティーヴン・キングさんの小説「スタンド・バイ・ミー(The Body)」にはまって、英語を猛勉強した時期があったのですが、その頃から海外留学に憧れがあったんです。
美術大学に入ってから、思ったような経験を得ることができず、それなら自主退学して残りのお金を海外留学に充てようと。そのあと1年間はバイトを掛け持ちしたりして貯金して、ニューヨークの学校を電話面接で受けて。なんとか合格できたので、その年の夏に向かいました。
iBerry:いろいろな経験を経て、現在フリーランスで活動されていると思いますが、アニメ会社時代にはどんな仕事をされていたんですか?
ジカセイ:アニメ会社では制作進行をやっていました。絵を描く側ではなく、プロデューサーの補佐のような仕事で、アニメの話数を担当して、営業をかけてスタッフを集め、スケジュールを作り、アニメ制作の全ての工程に関わりながら、納品まで滞りなくプロジェクトを進めるお仕事です。
iBerry:すごいですね!
ジカセイ:なんでこれだけ絵が描けるのにアニメーターにならないの?と面接で何度も確認されました(笑)なぜかポートフォリオを提出するよう言われたり。
でも、最初からアニメーターになりたいとは思ってなくて、3Dアニメーションを学んでいる頃から、どちらかというと監督業に興味があったので、プロジェクト内のすべての工程に関わることができる制作部を受けました。
iBerry:そこからフリーランスになられて、今はどういったジャンルのお仕事をされていますか?
ジカセイ:フリーランスになってからは本当にいろいろですね。ゲームの立ち絵やキャラクターデザイン、スチル、絵コンテやweb漫画、動画用のイラスト、イラストの添削、3Dモデリングや素材作り、油絵の発注もいただいたりして、とにかくいろんな仕事をしています。
ここまで聞いていただいたら何屋?って感じだと思うんですけど(笑)
実際、自分が何者なのかわからないという悩みが昔からずっとあったのですが、自分の人生だし、無理に自分を型にはめることはないなと今では考えています。それに、紆余曲折してきたことが結果的に私の絵に全て集約されている。
プロの絵描きになる為に決まった道なんてないんです。なので、名刺の肩書きはイラストレーターではなくアーティストにしています(笑)技術(art)を売る自分にはそれがぴったりじゃないかと思って。
iBerry:今のお仕事は、ニューヨークでのご経験やアニメの制作進行のお仕事が生きていると感じることはありますか?
ジカセイ:そうですね、絵コンテやアートディレクター的なポジションでプロジェクトに関わると、今までの経験がすべてつながっていると感じます。
スケジュール管理もそうですし、自分がやらない工程の担当者の意図を理解してどう伝えるかなども感覚的にわかります。
ジカセイ:完成形のイメージがまず湧いて、それを逆算して絵コンテに起こすという作業ができるので、今までの経験がかなり役立っていますね。
自分が絵だけを描いていたら分からなかったことばかりです。自営業している点においても、かなりそれは感じます。
iBerry:ご自身で絵も描けて制作進行の経験もあるというのがジカセイさんの強みですね。すごいです!
ジカセイ:そう言っていただけて嬉しいです。
iBerry:ジカセイさんのイラストは振り幅が広いと感じます。かわいい系からかっこいい系、ダークなものまで本当にバリエーション豊富ですね!
例えば、実写っぽい絵柄は、美大でのご経験などが影響しているんですか?
ジカセイ:美大というよりは、そこに行くまでの勉強の期間と、デッサンや油絵を教えていた経験が影響しているかもしれません。美術を学び始めた時期に、それまで好きだった漫画風の絵が描けなくなったことがあって、美術とイラストは別物だとか、そういう壁に行き詰まったことがありました。
でも、色々なテイストの絵を描いているうちに、あらゆるジャンルにある共通点を見つけるというよりは、自分で共通点を抽出して決めていくことができると気付いて、それからは、美術で培った技術も少しずつイラストに落とし込んでいけるようになりましたね。
iBerry:絵柄のバリエーションが豊富で、色使いも様々だと感じていますが、色彩の勉強はどうされていたんですか?
ジカセイ:色彩学を本格的に学んだことはないです。一応、使っちゃいけない色とか、隣り合わせや対極にある色についての知識はありますが、実際に絵を描くときにはそういうルールに囚われず感覚的にやっています。
iBerry:才能ですね!
ジカセイ:ありがとうございます(笑)。
iBerry:クリエイターとして活動する中で、挫折や壁にぶつかった経験があれば教えてください。
ジカセイ:フリーランスでやっていると、仕事を自分で継続的に取っていかなければならないので、月の稼ぎが2千円とかになってしまうことも稀にあって、そういうときは落ち込みます(笑)
あとは、絵が全然描けなくなる期間がたまに訪れるんです。そういう時は自分の絵がよく見えなくて辛くて。
でも、そういう時は自分の目が一段階肥えたからだと考え方を切り替えて対処します。その時の行動としては、苦しいけどとにかく描き続けるか、一度絵から離れるかのどちらかですね。
iBerry:時には思い切って離れるのも大事なんですね。
ジカセイ:離れてみて、もう絵を描かない!ってなったら辞めよう、というくらいの思い切った気持ちで。で、けっきょく絵を描かずにはいられなくなって戻ってくるんですよ。
iBerry:今後の目標や取り組みたいことがあれば教えてください。
ジカセイ:最近は、自分の本当に好きなものだけをもっと突き詰めたいと思っています。その為には絵だけではなく、例えば風景とか、色や形とか、食べ物とか、音とか。とにかくあらゆる物に触れる時に、その中で自分は何が一番魂的な部分で魅力を感じているかを見つける作業をしています。
今後は、自分の世界観や好きなものをより深めた、ニッチな絵を描いて、似たような世界観の中で生きている人たちと繋がっていきたいです。
iBerry:特に突き詰めたいと思っている絵柄はありますか?
ジカセイ:ヴィンテージライクで重厚感と奥行きがあり、寂しげで孤独で、でも本当に美しくて愛おしくて・・・ちょっと抽象的な表現ではあるんですけど、そんな絵ですね。天気で言ったら少し明るい空の雨、みたいな。私が好きな物を見るときによく感じる感覚です。
iBerry:今後やってみたい仕事は何かありますか?
ジカセイ:自分の作家性が求められている仕事がしたいです。あなたの絵が好きと言ってもらえるのはやはり一番嬉しいので。そんな方にプレゼントをするような気持ちで関われたら最高ですね。
それから、密やかに持っている野望なんですけど、いつか渋谷のスクランブル交差点に自分の絵を出してみたいです。あ、お仕事はいつでも募集中です(笑)
iBerry:素敵な夢ですね。実現したら教えてください!写真を撮りに行きます。
ジカセイ:ありがとうございます。その時は、ぜひ!あとは、クリエイティヴを通して様々なバックグラウンドの人たちと話をするのが好きなので、今後はまた海外というステージを視野に入れて活動していきたいと考えています。
iBerry:海外を視野に入れて、素敵です!インタビューはこれで終了です。ありがとうございました!
ジカセイ:こちらこそ、ありがとうございました!
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