NOKID編集部
キャラクターIPの専門メディア NOKID Lab の編集部です。アニメーションとキャラクター制作を手がける株式会社NOKIDの知見をもとに、IPの起用事例やコラボ・ライセンスの実務、業界の動きを解説しています。



IPコラボによる新商品の販売やPR活動が一般的となってきましたが、単に有名な相手とコラボすれば良いわけではありません。自社の顧客になりうるファン層を持っていたり、価値観がマッチしているなど、一貫性の部分をよく考えることが大切です。
具体的にどのようにコラボ相手を決めていけば良いかを判断できるようにするためには、実際のコラボ事例を詳細に分析し、どのような商品が成功または失敗しているか?を理解する必要があります。これらの情報を基に、ターゲットに適したデザインや機能を持つ商品を企画・開発することが重要です。
そこで今回は、コラボ活動を積極的に行っている「にじさんじ」のコラボ商品事例を参考に、詳細を分析しながら独自の視点で解説していきます。さらに、にじさんじのファン層の特性を詳しく調査することで、どのような商品がその層に響くかまで把握できます。
ブランドの認知度を高めると同時に、ファンからの忠誠心を獲得しやすくなるため、最終的には売上向上につなげましょう。
コラボ商品だけでなくPR活動にもIPを活用していきたい場合は「キャラクターを用いたコラボ戦略と活用事例から成功の秘訣を探る」がおすすめです。
| <記事のポイント> ・コラボ商品の企画から実現までの効果的なプロセスは何かが分かる ・ファンの反応を予測し、成功するコラボ商品の特徴が分かる ・コラボによる売上げ増加やブランド認知度の向上の具体的な事例が分かる ・他の企業との競合を避けつつユニークなコラボを実現する方法が分かる |

コラボ商品の販売が失敗する原因は多岐にわたりますが、主な理由として以下が挙げられます。
このように、市場における商品の位置付けが明確でない場合や、消費者の期待と実際の商品が一致しない場合、コラボレーション商品を販売しても成功は難しくなります。
また、プロモーションやブランドメッセージが対象消費者に適切に伝わっていないことも、コラボ商品の失敗につながります。
人気VTuberとコラボレーションすれば、その影響力によって自動的に成功できるというわけではありません。コラボ商品の販売を成功させるためには、そのVTuberのファン層とコラボ商品が適切にマッチしている必要があります。
つまり、ファン層の興味や購買力、ブランドへの忠誠心を正確に理解し、それに基づいて商品を企画することが重要です。
相性の悪いブランドとのコラボレーションは、双方のイメージを損ねるリスクがあり、「儲かれば何でも良い」といった悪い印象を与え、消費者の信頼を崩す可能性があります。したがって、コラボする相手の選定には、戦略的な観点から慎重に行う必要があります。
過去に似たようなケースで成功したり、他社の実績をそのまま参考にしても上手くいくとは限りません。自社との相性や変化する市場やトレンドも考慮する必要があります。
例えば、子どもおもちゃのブランドが、フィットネス系のコラボ相手を選んでもターゲットがマッチしない可能性が高いケースなどがあるからです。
そのため、他社で上手くいった事例を鵜呑みにして実践するのではなく、自社の一貫性を保て、ブランド価値の向上に繋がる相手を選ぶようにしましょう。
ターゲット層の分析が浅く、広範囲にマーケティングを行っていると、大手ブランドでもない限りは結果的に誰の欲求も刺激できません。ブランドが知られていないうちは、最善の機能であることや、ポジションを明確にしておかなければ誰にとって良い商品なのか伝わらないからです。
例えば、同じ洗濯用の洗剤でも、繊維を傷めない洗剤なら「おしゃれ着に最適」であるメッセージを求めている人にターゲットを定める方が伝わりやすいことが挙げられます。
まずは、ターゲット層を詳細に分析し、ピンポイントでマーケティングを行うことで、マーケティングコストを削減し、効果を最大化しましょう。
前述のターゲットに近いですが、競合他社との差別化を図らず、似通った商品を販売してもブランド力で劣る場合はターゲットに選ばれづらくなってしまいます。同じようなものであれば、多くの人が使っている安全性が保証された商品を選ぶからです。
例えば、商品の製造を委託する工場が設備的に同様であれば、有名企業から委託されている方を選択することが挙げられます。
そのため、独自の商品特性を明確に打ち出すことで、市場内でのブランド認知度が上がりやすい状況を作ることが大切です。ただし、商品力で差別化が難しいコモディティ化したジャンルであれば、キャラクターやデザインといった新たな切り口を考えることが大切になります。
コラボ商品を企画する際には、ただ人気があるという理由だけで選ぶのは避ける方が良いでしょう。ここからは、企画に役立つポイントを紹介します。

にじさんじとは、ANYCOLORが2018年より運営する国内No.1のVTuberグループです。VTuberとは、アニメキャラクター要素とYouTuber要素を掛け合わせた仮想のアイドルのような存在です。

にじさんじは、メーカーやゲーム関連企業との積極的なタイアップを行なっており、IP活用の新たな形を実現しています。
ファン層の特性を調査する際には、既存のデータを利用することから始めるべきです。にじさんじ自身が持つフォロワーや視聴者のデータ、または過去のコラボ商品の販売データなどが活用できます。
さらに、実際にファンの1人として各コンテンツに触れたり、投稿などのコメント欄からも熱狂度の高いファン層や考え方をリサーチする参考になります。さらに、ファンへの取材を行ってインサイトを探るのも良いでしょう。
どのデータが重要かを判断するためには、目的に合わせたKPI(重要業績評価指標)を設定し、それに基づいて必要な情報を収集すると良いでしょう。
分析すべきポイントとしては、以下が挙げられます。
これらのポイントを考慮して企画を進めることで、リスクを最小限に抑えつつ、プロジェクトを成功に導けます。
IP事業のプロモーションサポートを行っている当社が、それぞれのコラボ事例を例に挙げながら、コラボによって想定される効果を分析していきます。

おせち料理という一見すると接点のない商品とのコラボを分析していきましょう。にじさんじのファン層の特性を考えると、特に以下のような効果が期待できます。
通常、おせち料理はファミリー層が主な購入者ですが、にじさんじのファン層のデータを見ると、18歳から34歳の若い男性が多いことがわかります。この年齢層では独身者も多く、従来のおせち市場ではあまりターゲットにされていない層です。
にじさんじとのコラボにより、彼らが興味を持ちやすい商品となり、伝統的なおせちの新たな購入層を開拓する可能性があります。
おせちのデメリットとして、お正月だけに食べるもの、伝統的で新鮮さがないといったことが挙げられます。多くの人が知る食べ物だからこそ、新たな楽しみ方を提案する必要があります。
そこで、にじさんじというエンターテインメント要素を加えることで、おせち料理という伝統的な商品に新しい魅力をもたらせると考えることができます。
これにより、他のおせちとの差別化が図れ、注目度や話題性が増します。
特に祝日や新年などの特別な時期に、好きなVTuberと関連する商品を購入することで、ファンはその喜びを共有できると感じるかもしれません。
これは、ファンとの接点を増やし、より強いコミュニティ感を醸成する手段となり得ます。
VTuberとのコラボによるおせちという新しい形の商品は、SNSなどでのシェアが期待でき、若年層に新しい年越しの形を提案するトレンドを生み出すかもしれません。
以上のように、にじさんじのコラボおせちは、特定のファン層に向けた新しい試みとして、複数の面で良い選択と言えるでしょう。ただし、これが成功するかどうかは、最終的には商品の質やマーケティングの効果にも依存します。

にじさんじとEDWINのコラボ服が発売されることは、ファッションとエンターテインメントの融合で非常に効果的な戦略です。ファッションアイテムは、コラボの王道とはいえ、専用のアイテムによって改めて注目を集める機会を生みます。
にじさんじのファン層が18歳から34歳の若い男性が中心であることを考えると、ファッションに対する意識も高い可能性があります。
EDWINとのコラボにより、ファッションに敏感なこれらの層を直接ターゲットにすることができます。従来のファンだけでなく、ストリートファッションが好きな若者にも改めてアプローチすることが可能です。
EDWINはデニムを中心としたアパレルブランドとして知られていますが、にじさんじとのコラボによってブランドの新しい面を見せることができます。これにより、ブランドの若返りやイノベーションとしてのイメージが強化される可能性があります。
特定のキャラクターにちなんだデザインの服は、ファンにとって非常に魅力的です。ファンはお気に入りのキャラクター専用アイテムを身に着けることで、より一層の愛着を持つことが期待できます。
若年層はソーシャルメディアを活用して情報を得ることが多いため、このようなコラボはSNSでの共有や話題になりやすく、自然とマーケティング効果が高まります。
このように、にじさんじとEDWINのコラボ服は、若い男性を中心としたファン層に新しい購入の動機を提供し、両ブランドにとってプラスの効果をもたらす良い選択と言えるでしょう。

にじさんじとサウナボーイがコラボする場合、それぞれのブランドの特性を考慮した上で、以下のような効果が考えられます。
サウナボーイは、サウナや温浴施設に関連するアイテムを提供しているブランドであるため、通常はウェルネスやリラクゼーションに関心のある層が主な顧客です。
にじさんじのファン層が20〜30代中心であることから、このコラボによって、サウナや温浴文化を若い世代に広める新たな機会を創出できます。若者にサウナの魅力を伝え、新しいライフスタイルの一部として取り入れてもらうチャンスとなるでしょう。
にじさんじのキャラクターを活用したサウナ関連商品(サウナハット、バスタオル、水着、サウナマットなど)を展開することで、通常のサウナ商品にはない独自性を持ったアイテムを市場に投入できます。
これにより、商品の差別化が図られ、特にファンには魅力的な選択肢となります。
にじさんじのエンターテイメント性とサウナボーイの健康面を重視するブランドイメージが融合することで、双方のブランドイメージが新たな側面から強化されます。
特にサウナが持つ健康へのメリットを若者に伝えることで、より広い層にブランドイメージを植えつけることが期待できます。
にじさんじとサウナボーイがコラボすることで、SNSやメディアにおける注目度が増す可能性があります。
特に、にじさんじの持つ強力なファンベースとSNSでの影響力を活用することで、プロモーションのリーチと効果が大幅に増加するでしょう。
このように、にじさんじとサウナボーイのコラボレーションは、新しい顧客層の開拓、プロダクトラインの拡張、ブランドイメージの向上、そしてマーケティング戦略の強化に寄与する可能性があり、両者にとって有益な選択と言えるでしょう

2024年3月12日より、全国のローソン店頭にて開催された「にじさんじ」プレゼントキャンペーンでは、対象のお菓子を一度に3個(組み合わせ自由)購入した方に「オリジナルクリアファイル (全7種)」を1つプレゼントされました。
にじさんじとローソンのコラボキャンペーンは、にじさんじ側にも多くの利点がある良い選択です。このキャンペーンによる効果やその理由を以下に示します。
にじさんじのファン層である18歳から34歳の若い男性を中心に、コンビニを日常的に利用する顧客がターゲットです。
この年齢層の消費者はお菓子の購入頻度も高く、お菓子を購入する際にオリジナルクリアファイルの特典があれば、特ににじさんじファンにとっては購買意欲を刺激する機会となります。
さらに、普段からコンビニを利用する独身男性にとっても、興味を引くキャンペーンとなります。
にじさんじとローソンのブランドが連携することで、互いのブランドイメージや知名度の向上が期待できます。
にじさんじは新しい顧客層にリーチする機会を得る一方で、ローソンは若年層との接点を強化し、トレンドに敏感なブランドとしての印象を強めることができます。
にじさんじファンにとって、限定のクリアファイルはコレクションの一部として価値があります。
ファンはキャンペーン期間中に積極的に参加することで、限定アイテムを手に入れることができるため、リピーターの訪問が増える可能性があります。
にじさんじのファンはソーシャルメディアを積極的に使用しており、キャンペーンの詳細や限定アイテムをSNSで共有することで、キャンペーンの露出が増え、さらに多くの人々の関心を引くことができます。
このように、にじさんじとローソンのコラボキャンペーンは、特に若い男性を中心とした消費者に対して効果的なマーケティング戦略であり、両ブランドにとって有益な取り組みと言えるでしょう。

「にじさんじ」と「カラオケまねきねこ」のコラボレーションは、エンターテインメント業界において両者の強みを活かす素晴らしい機会です。
にじさんじの所属ライバーによる大人気ユニット「ROF-MAO (ろふまお)」「ChroNoiR (クロノワ)」× カラオケまねきねこによるコラボが、2024年4月16日〜5月15日までの期間限定で開催されました。
オリジナルノベルティー付きのコラボドリンクや、描き下ろしイラストを使用した限定グッズ、限定特典がもらえる「カラオケ歌唱キャンペーン」などが登場しました。
特にROF-MAOやChroNoiRのファンは、ライブイベントと連動したカラオケキャンペーンに積極的に参加するでしょう。これにより、ファンは自分たちの好きな曲を歌いながら直接的に関与できるため、ファンのエンゲージメントが深まります。
オリジナルノベルティーや描き下ろしイラストを使用した限定グッズは、コレクターアイテムとしての価値があり、ファンにとって非常に魅力的です。
特に、ランダムで配布されるステッカーは、繰り返し来店する動機となり得ます。
にじさんじとまねきねこのブランドが連携することで、それぞれのフォロワーに向けて相手ブランドの認知度を高めることができます。
特にまねきねこは、にじさんじの若いファン層を取り込むことで、新しい顧客層を開拓できる可能性があります。
大阪城ホールでのワンマンライブとタイミングを合わせることで、ライブ参加者がコラボキャンペーンに参加しやすくなります。
ライブの興奮をそのままカラオケで継続できるため、参加者にとって一層記憶に残るイベントとなります。
「カラオケ歌唱キャンペーン」のような参加型のアクティビティは、顧客に直接的な体験を提供し、ブランドへの愛着を深める効果があります。
特に、課題曲を歌うことで特典がもらえる仕組みは、繰り返しの参加を促進します。
このように、「にじさんじ × まねきねこ」のコラボレーションは、相互のブランドを強化し、ファンに新しい楽しみ方を提供する良い選択です。
また、カラオケというエンターテインメントの場を活用することで、ファンの参加意欲を高め、長期的な関係を築くための基盤を作り出しています。
VTuberのキャラクター設定を、企業が商品の名前にどう落とし込んだかの例は、宝鐘マリンのIPコラボ商品の名前で分析しています。



「にじさんじ」と「しまむら」のコラボレーションは、双方にとって多くのメリットがあります。
大人気を誇るバーチャルYouTuberグループ「にじさんじ」× ファッションセンター「しまむら」全国にて、2024年3月23日よりコラボグッズが発売されました。「にじさんじ × しまむら」のコラボグッズにはファッションアイテムからグッズまで多数ラインナップしました。
しまむらは幅広い消費層にリーチする大手ファッションリテーラーであり、にじさんじは若年層に非常に人気のあるバーチャルYouTuberグループです。
このコラボにより、しまむらはより若い顧客層を取り込むことができ、にじさんじは自身のブランドをファッション業界に広げる新たな機会を得ることができます。
フロアクッション、枕カバー、ダイカットクッションなど、しまむらならではの家庭用品ににじさんじのキャラクターを取り入れることで、一般的なアパレルアイテムにとどまらないユニークな商品を提供することが可能です。
これはファンにとっての魅力的なコレクターアイテムとなり、ブランドへの忠誠心を深める要因となります。
一部はオンラインストアでも販売されていましたが、基本的に店舗での販売のみにすることで、にじさんじをきっかけとして来店理由を作る効果が期待できます。
にじさんじの強いSNSプレゼンスとしまむらのマーケティング能力を組み合わせることで、コラボレーションのプロモーションがさらに強化され、より多くの消費者にリーチすることができます。
市特に若年層をターゲットにした製品は、市場での競争が激しい中、ブランドの魅力を高める要素となり得ます。
このように、にじさんじとしまむらのコラボレーションは、双方にとって有益であり、市場での新たな機会を創出する良い選択と言えるでしょう。
ここまでのポイントをまとめます。
コラボレーション商品を成功させるためには、ターゲット市場のニーズを正確に理解し、適切なコラボ相手を選定することが不可欠です。
また、人気VTuberやその他のブランドとのコラボでは、単に名前の知られている相手と組むのではなく、そのファン層とのマッチングを確認して双方が価値を提供できるかを検討することが重要です。
最終的には、コラボレーションが単なる短期的なキャンペーンで終わらず、ブランド間で持続可能な成長を遂げるために、戦略的な計画と継続的な努力を続けていきましょう。

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キャラクターIPの専門メディア NOKID Lab の編集部です。アニメーションとキャラクター制作を手がける株式会社NOKIDの知見をもとに、IPの起用事例やコラボ・ライセンスの実務、業界の動きを解説しています。