2025.10.17

2025.10.15

【取材】リアルとバーチャルの境界を溶かす「現実侵食」- META TAXIが仕掛ける体験型コンテンツ

今、YouTubeで注目を集めつつある「META TAXI(メタタクシー)」。さまざまな二人組の本音トークが人気を博すこのチャンネルが、ついにリアル世界への「現実侵食」を本格化させました。

2025年に開催されたポップアップストア「META TAXI MEETS vol.1」から、開催間近の「META TAXI POOL vol.2」まで、その革新的な取り組みについて、プロデューサーの佐川俊介氏(株式会社講談社)と中尾沙希氏(大日本印刷株式会社)、そして今回のMETA TAXI MEETSディレクターを務めた大森隆博氏にインタビューを実施しました。

現実侵食型ポップアップストア」は、どのような戦略で実現されたのか。そして、第100回を迎えたYouTubeチャンネルが目指す次なる展開とは。新しい時代の新規IPの創出を検討している方には注目の記事となります。

META TAXI

■META TAXI/メタタクシーとは
夜の東京を走るタクシーに乗り合わせた二人が、ここだけのトークを繰り広げる —— アーティスト、芸人、クリエイターなど様々なジャンルのゲストが毎回アバター姿となって登場し、ここだけの本音トークが聞けるYouTubeチャンネル。毎週金曜日21時更新。

公式サイト:https://metataxi.jp/
YouTube:https://www.youtube.com/@METATAXI.official
X:https://x.com/METATAXI_jp
ECストア:https://metataxi-store.jp/

■META TAXIゲスト
佐川俊介氏株式会社講談社 第四事業本部 クリエイターズラボ  副部長『META TAXI』プロデューサー
中尾沙希氏大日本印刷株式会社(DNP)出版イノベーション事業部 コンテンツ・マーケティング企画推進本部 コンテンツビジネス開発部 ビジネス開発課 『META TAXI』プロデューサー
大森隆博氏:META TAXI MEETSディレクター 今回のポップアップストア「META TAXI MEETS vol.1」企画・運営担当


■インタビュアー
漢那 徳馬:株式会社NOKID 代表取締役。 ショートアニメを主軸に映像制作やグラフィックデザインを手がける制作会社を率いる。 VALORANT YORU TYPICAL DAYS 映像、初音ミク×セブンプレミアム15周年映像制作、倖田來未 -「100のコトバ達へ」など、アニメーションを主軸としたPVやMVの領域で幅広いプロジェクトやコンテンツをプロデュース。
X(旧Twitter):@nakan_12

目次

META TAXI MEETS vol.1運営陣が振り返る「初ポップアップイベント」の手応え

コラボグッズ即完売から見えたファン層拡張の兆し

大森:今回のポップアップイベントは初めての試みでした。以前「META TAXI POOL」という音楽イベントは経験していましたが、「META TAXI MEETS vol.1」は物販を中心とした展示型イベントだったので、これまでとはまた違ったチャレンジでしたね。

来場者数の見通しがなかなか立たず、当日までは正直かなり不安でしたが、いざ蓋を開けてみると予想をはるかに上回る多くの方にご来場いただき、用意していたコラボグッズも想定以上に売れて、対応が追いつかないほどの盛況となりました!

会場のアクセスが良いとは言えない立地にもかかわらず、多くの方々が足を運んでくださり、来場者の皆様に楽しんでいただけるイベントを開催できたことを嬉しく思っています。

さらに、これまでの音楽イベントとは違う新しい層のお客様にも来ていただけて、今回のポップアップを通じて新たなファンが増えたことも、とても印象に残っています。

インタビュアーの漢那が実際にMETA TAXI MEETS vol.1へ伺った際の写真

なぜ立地を選ばず人が来たのか?ファンが好む企画の手応え

中尾:企画段階から「META TAXIのファンはきっと遊び心のある企画を楽しんでくれるはず」と想定していたんですが、実際に会場で多くの方々と直接お会いできて、その熱意を肌で感じられたことは大きな手応えになりました。

今回の会場は広すぎないことで、逆に親しみやすい雰囲気になりました。運営メンバーにとっても、今回はファンの皆さんと直接お話しすることができて、生の声も沢山聞くことができました。2日間限定でしたが、結果的に、密度のあるイベントになったと感じています。

狭さが強みに?距離感が生んだ“コミュニティ空間”の正体

中尾:会場全体がコミュニティのような温かい雰囲気に包まれていましたね。来場者同士が紹介し合ったり、仕事帰りの一般の方が立ち寄って交流が生まれる場面もありました。

YouTubeチャンネル発がリアルで“対話”を得た機会

佐川:普段のMETA TAXIはYouTubeチャンネルですので、オンラインやバーチャルにあわせて世界観を作っています。

ただ、META TAXI自体はリアルとバーチャルの境を企画コンセプトにしているので、リアルイベントの場合は「メタ」や「オンライン」といったバーチャルのイメージとは、違う切り口でやりたいと考えていました。そうした思いから、今回はより実在する場所や空間にこだわった内容にすることでとても良いイベントにできたと思っています。

「現実侵食」がテーマのMETA TAXI MEETS vol.1はパナソニー氏とのコラボで実現

パナソニー氏にコラボを依頼した理由

大森:もともと、パナソニーさんにお仕事を依頼したいという話が以前からありました。そこから今回、オフラインでのイベント開催が具体的に決まった際、せっかくならYouTubeチャンネルでの普段の投稿とは違う形でクリエイターとコラボすることで新しい可能性を示せるのではないかと考え、改めてパナソニーさんにご相談した結果、今回のイベントが実現しました。

「現実侵食」のクリエイティブはどう決めたのか?

大森:コンセプト自体は我々で作成し、「現実侵食」や「もしMETA TAXIが実際に存在したらどうなるか」といったテーマを提示しました。そこから先のクリエイティブな部分はパナソニーさんにご提案いただき、どれも素晴らしいアイデアばかりだったので、ほぼそのまま採用させていただきました。

レコードのようなTシャツ?現実侵食を体感させるアイデアの正体

大森:それもパナソニーさんからご提案をいただき、一緒に形にしていきました。パナソニーさんのクリエイティブは例えば、シューズボックスに絵を描いたり、すでに存在するアイテムにアイデアを加えるような「既存のものをカスタマイズする」という視点の作品が多いんです。

大森:だから、普通にTシャツをプリントで作るのではなく、元々販売していたTシャツの背面を使ってデザインしたり、Tシャツをそのまま売るのではなく、お弁当のパッケージやレコードのスリーブに入れるというアイデアも、今回のテーマを汲んでもらって生まれたものだと思います。

パナソニー氏にもMETA TAXIとのコラボについて取材しました

今回の取材とは別に、パナソニー氏には「META TAXIとのコラボレーションについて」をインタビューさせていただきました。

パナソニー氏について

パナソニー(Panasony™)氏は、独自のコラージュやパロディを用いた作品をSNSで発信して話題を呼ぶ「ビジュアルアート制作」を得意とするグラフィックデザイナーです。

KAMITSUBAKI STUDIOなど他のクリエイティブプロジェクトとも協力し、ネット上で絶大な人気を持つ謎多きアーティストであり、多彩なアーティストやブランドと積極的にコラボレーションしています。

X(旧Twitter):https://x.com/panasony

①META TAXIとのコラボ理由は?

Q. META TAXIとのコラボレーションを決められた理由やイベントで特に印象に残ったことがありましたらお聞かせください。

A. META TAXIはすでに拝見していたので。キャラクターやグッズまわりのデザインなど、めちゃくちゃ素敵だなと思っていました。

また、当日のイベントで印象に残ったのは設営中も近所のお年寄りが買い物に来ていたりと、とても良い感じの空気感でした。

②META TAXIのクリエイティブへのこだわりは?

Q. クリエイティブ制作にあたって特にこだわられたポイントがあれば教えてください。

A. 会場選びはギャラリーなどの白い空間ではない、会場のレコードコンビニさんのカオスな空間が最高すぎるので、お借りできると聞いた段階で良いものになると確信しました。

普段はSNSなどオンラインの表現が主流ではありますが、今回はポップアップなのでイラストやデザインを油性ペンで実際に描くことで本当に描かれたものを間近で見るという事に価値があると考えて制作しました。

META TAXI MEETS vol.1は店舗営業と並行開催する会場で「現実侵食」を実現?

普通の会場じゃダメ?レコードコンビニを選んだ理由

大森:レコードコンビニもパナソニーさんと一緒に会場を選定しました。META TAXIのオフラインとオンラインの曖昧さを表現するのに、普通のイベントスペースだと作り物感が出てしまうのではないかという話をしていました。

大森:数多くの展示会イベントが開催されている中で目立つフックが必要だと考え、会場そのものに独自性のある場所を探しました。レコードコンビニを選んだのは、通常のコンビニ営業を行いながら、私たちも別のイベント運営ができるという面白さがあったからです。

普通のコンビニとして買い物ができると同時に、ポップアップとしても買い物体験ができる。これは、私たちが掲げてきた「現実との曖昧さ」や「現実侵食」というテーマに一番マッチすると思いました。

コンビニをそのまま会場にする意味は“作り物感”を避けるため

大森:そうですね。もしイベントスペースをコンビニに見立てて作ると、どうしても“作り物感”が出てしまうと思います。でも、ここは実際にコンビニを営業しながらポップアップイベントが開催できる場所だったので、僕たちが考えていたこととも非常にマッチしていました。

通常の店舗営業とイベントが同時進行する異例の挑戦

大森:最初はコンビニのお客さんとポップアップの来場者の区別がつかなくなるのでは…と心配していましたが、レコードコンビニの店長さんが非常に柔軟に対応してくださり、私たちの手が回らない時はサポートもしてくれました。

作品展示についてもほとんど制限なく受け入れてくださって、本当に助かりました。

店長さんご自身も新しい試みに前向きな方だったので、レコードコンビニという場所だからこそ、さまざまなアイデアを実現することができたのだと思います。

商品棚にスニーカーも並べられた“現実侵食”の象徴

大森:ほぼNGがなかったので、すごくありがたかったです。そういう意味では、関わってくださった皆さんと一緒に作り上げてきたという感じがしました!

META TAXI MEETS vol.1のリアルとバーチャルの境界を探る「現実侵食」の今後

「現実侵食」を続ける意味とは?運営陣が掲げる次の展開

大森:今後もこの「現実侵食」というキーワードを継続しながら、第二弾、第三弾と展開していきたいと思います。「もしMETA TAXIが現実世界に存在したら」というコンセプトで、さまざまな可能性を探れると考えています。

今回はレコードコンビニの店長さんにとてもお世話になったので、また同じスペースでやりたいという気持ちもありますし、今後は飲食店の営業時間外スペースや書店の一角をお借りするなど、新しい場所での展開も可能性として考えています。

意外な企業コラボで生まれる“違和感の面白さ”

大森:META TAXIが自然に溶け込めるような場所が理想だと思っていますが、逆にあまり馴染まなそうな場所でも、その“違和感”が新しい面白さを生み出すのではないかとも考えています。

また、タクシーというコンセプトを活かして自動車メーカーやタクシー会社さんとコラボするのも面白そうだなど、色々な可能性を思い描いています。今回のオフラインイベントを通じて、そうした展開の幅が広がったので、ぜひ形にしていきたいです。

リアルイベントにこだわる理由は境界をなくすため

佐川:META TAXIは、初期からリアルとバーチャルの境界をなくすことを目指してきました。YouTubeが先行している現状ではオンラインに偏りがちですが、リアルイベントを増やすことでこそ、META TAXIらしさがより際立つと考えています。

実際、チームとしてもクリエイターやユーザーの動向を常に意識し、その時々でユーザーが求めている体験に目を向けています。最近では、現実的な体験イベントの需要が高まっていることも実感しています。

リアルとバーチャルが交錯する場所で、META TAXIらしい体験をさらに模索していくことで、今後も新たな価値を生み出していきたいと思っています。

若年層が自然に理解するようになった“体験価値”

佐川:私自身、学生時代には新しい体験を生み出す研究をしていて、水中に映像を投影するなど、少し変わった実験に取り組んでいました。当時はまだメディアアートのような企画は、「面白いけどこれがどう社会に役立つの?」と言われていました。

今では、こうしたチャレンジングな発想を「面白い」と感じてくれる世代が社会に出てきて、昔なら「これは何?」と説明が難しかったコンセプチュアルな企画も、若い世代を中心に、その意図が自然に伝わるようになってきたと感じています。

この変化はとても大きくて、従来は肝試しや謎解きなどの遊びの延長にしか思われていなかった体験型企画にも、新しい文化的価値が生まれているのを感じています。これって前例やマーケティングを重視しがちな企業の中で新事業をやる身としては、とてもありがたい変化なんです。

今後しばらく体験型コンテンツは増加傾向にあると思いますし、様々な企業が参画することで企画の幅も広がっていくと思います。既存の枠組みにとらわれない体験へのニーズは、これからさらに高まっていくと感じています。

運営陣が明かす「ゲスト選び」の裏側は相性重視?

中尾:基本的には、「この人いいな」と思った方に対して、相性の良さそうな相方を探すという形で選定しています。

立ち上げ当初は佐川さんと二人で選定していましたが、今ではチームが出来てアイデアを出しながら決めています。乗車する方のキャラクターや魅力を大事にした選定を心がけています。

会話が“作品”になる?META TAXIならではのコラボの魔法

出典:#77 | はじめまして松尾です × ぼくわたチャンネル、佐伯ポインティ × マユリカ中谷、nqrse × トップハムハット狂 / META TAXI - YouTube

中尾:この回は、まるでご本人のコント動画を見ているような感覚になるボケとツッコミのやりとりが本当に面白いトークでしたね。META TAXIならではの後日談もあります。松尾さんがなたろうさんにコント動画のネタのアイデアを提案する場面があったのですが、後日なたろうさんがそのアイデアを基にした動画を作られていたんです。

視聴者の方が後で「あ、これMETA TAXIで話していたことが形になったんだ」と分かるコラボが自然に生まれていて、私たちも嬉しく思っています。

中尾:お二人ともリアルとバーチャルの間で活躍する大先輩ですので、100回というアニバーサリーな回にご出演いただけたのは本当にありがたかったです。

出典: 100 | 花譜 × P丸様。、水槽 × lilbesh ramko、ぺいんと × ちーの / META TAXI - YouTube

META TAXI MEETS vol.1以外にも広がる今後の体験型コンテンツへの挑戦

META TAXIがリアル展開を増やす理由とは?2周年で広がる挑戦

佐川:そうですね。「META TAXI POOL vol.2」にお越しいただく方は、「驚天動地倶楽部」の主要メンバーでありTRPG文化の発展の中心人物でもある『ディズム』さんにご注目ください。ディズムさんが出演している理由は、実際に会場に足を運んでいただければわかると思います。

佐川:それから、META TAXIが2周年を迎えてこれから広がっていくにあたって、もっとユーザーや視聴者の方々が参加できる仕組みや、素敵な体験を作っていきたいと思っています。参加の方法はイベントへのご来場だけでなく、実際に自分自身がMETA TAXIを体験できる要素も取り入れたいと考えています。

今はMETA TAXIを視聴することがメインですが、「自分が乗ったらどんな気持ちになるだろう」「どんな会話をするのだろう」「誰と話したいだろう」といった、視聴者自身が体験をイメージできるコンテンツ作りを日々模索しています。

嬉しいことに、普段のコメントを見ていると、「自分だったらこの二人をキャスティングしたい」「自分が乗るなら誰と乗りたいか」など、自分ごととして楽しんでくださる方が増えてきました。

YouTubeでMETA TAXIを“メディアとして観る”だけでなく、「自分だったら」と想像しながら楽しんでもらえるコンテンツに成長しているのが、とても嬉しいです。

こうした参加型の体験をどれだけ広げていけるか、そしてユーザーさんにとってわかりやすく届けられるかが、3年目の大きな挑戦だと感じています。

第二弾の「META TAXI POOL vol.2」はどんなイベントになる?

音楽だけじゃない?トークと展示で進化するリアルイベント

中尾:「META TAXI POOL」は、今年3月にvol.1を初開催し、META TAXIのYouTubeの世界観をリアルに体験できるイベントとして立ち上げました。Z世代やデジタルネイティブ層に向けた音楽ライブイベントの形をとりました。

vol.2では、音楽ライブはもちろん、META TAXIならではのトーク企画も多彩なゲストを呼び、vol.1よりもさらにパワーアップした内容をお届けできる予定です。

META TAXIの2周年とも重なるタイミングなので、皆さんと盛り上がれるよう準備を進めています。

音楽ファン以外も歓迎!幅広い層に向けて開かれるイベント

中尾:普段クラブに足を運ぶ機会がない方や、深夜のライブイベントにあまり馴染みのない方にも、ぜひご参加いただきたいと思っています。2Fは音楽ライブのステージ、1Fはトークセッション、4FはDJとライブドローイングのステージなど、様々な企画を用意しています。

META TAXIを始めた当初から、クリエイターさんをはじめとしたモノづくりに情熱を注いでいる方々に届けたいという想いがありました。

今回のリアルイベントでもその想いは変わらず、クリエイティブな活動や創作に興味を持つ方にも気軽に来ていただけたら嬉しいです。興味関心が近い来場者の方が参加し交流することで、新しいムーブメントが生まれると期待しています。

カルチャーの交差点?META TAXI POOLが目指す「場」

佐川:「META TAXIとは何ですか?」と聞かれたとき、普段はいろいろな表現をするのですが、「カルチャーの交差点」、すなわちさまざまな文化が交わる場所、コミュニティとしての意味合いがしっくりくると感じています。昔の雑誌のように、多様なコンテンツが一つの場に集まる、そんなイメージです。

現在はインターネットコンテンツが細分化され、“フィルターバブル”や“界隈”ができて「この業界とこの業界は別物だ」という区分けが強くなっています。しかしMETA TAXIを運営していると、それらの境界は案外つながりやすく、交差することができるのだと実感しています。

例えばヒップホップ好きな方が、実はゲーム配信者やVTuberのファンだったりするように、異なる文化の接点となることをMETA TAXIは目指しています。

「META TAXI POOL」でも、まずは好きな演者をきっかけに足を運んでほしいですが、参加すればきっと新たな「好き」が見つかる――そんな出会いの場にしていきたいと思っています。

「“推しの推し”まで好きになる」出会いの交差点

佐川:こうした出会いや広がりが「META TAXI」というプロジェクトの一番の核だと思いますし、やっぱり“カルチャーの交差点”っていう表現がぴったりだなと、改めて感じています。

META TAXI POOL vol.2のイベント詳細

基本情報
  • イベント名:META TAXI -POOL vol.2-
  • 開催日時:2025年10月18日(土)開場 14:00 / 開演 15:00 / 終了 21:00
  • 会場:WOMB(東京都渋谷区円山町2-16)
  • 公式サイトhttps://www.womb.co.jp/
チケット情報
主な出演アーティスト

◆2F - MAIN FLOOR
☆Taku Takahashi / DONGROSSO / lilbesh ramko  / バーバパパ / in the blue shirt / 雨良 Amala / 水槽(LIVE SET) / clocknote.

◆1F - TALK JAM FLOOR
ベテランち(雷獣) / 喋ってなんぼ駒井(雷獣) / たむらかえ / ディズム / 梨 / ゲームさんぽ いいだ / DJ YANATAKE(INSIDE OUT) / 渡辺志保(INSIDE OUT)

◆4F - META TAXI LOUNGE
川村ナヲコ / ohuton / EREKA / HALU

イベントの特徴

デジタルネイティブ世代を中心に人気のYouTubeチャンネル「META TAXI」が企画する音楽&トークイベントの第2弾で、"異種カルチャーが交錯する溜まり場=POOL"をテーマに開催されます。DJ&ライブ、トークセッション、ラウンジ展示など複数フロアで構成され、クリエイター・アーティスト・芸人ら多数が出演。一夜限りのカルチャークロスオーバー体験を提供する注目イベントです。

公式関連URL

※この記事は2025年9月の取材に基づいています。イベント詳細は変更される場合があります。最新の情報は公式サイトやチケットページをご確認ください。


META TAXIの運営に聞く「MEETS vol.1」の裏側についてのまとめ

ここまでの取材結果のポイントをまとめます。

  • 初の展示型ポップアップ開催でコラボグッズは初日から即完売
  • 立地が良くないにもかかわらず、多くのファンが足を運んだ
  • 従来の音楽イベントとは異なる新しいファン層の来場が顕著
  • 会場の狭さが逆に距離感の近いコミュニケーションを生んだ
  • 「現実侵食」というコンセプトを共有し、クリエイティブはほぼパナソニー案を採用
  • レコードスリーブ型Tシャツなど、既存アイテムを再解釈する仕掛けを導入
  • バーチャルなMETA TAXIの世界観を現実空間に“侵食”させる演出が実現
  • 会場に「レコードコンビニ」を選んだのは、作り物感を排除するため
  • コンビニとして営業しながらイベントを行う二重構造が「現実侵食」にマッチ
  • 通常営業とイベントの両立には懸念があったが、店長の柔軟な協力で成功
  • コンビニの棚にスニーカーを置くなど“ほぼNGなし”の自由度が、実験的な空間を可能にした
  • 「現実侵食」というテーマをシリーズ化し、第2弾・第3弾へ展開予定
  • 書店や飲食店など異業種コラボも視野に、違和感すら楽しむ仕掛けを構想
  • リアルイベントに重点を置くことで「META TAXIらしさ」を強化
  • 若い世代はコンセプチュアルな企画への理解が進み、体験型イベントの需要が高まっている
  • YouTube世界観をリアルに再現した音楽+トークイベントの第2弾
  • 3フロア構成で、音楽ライブ・トークセッション・展示を同時に展開
  • 音楽ファンだけでなく、クリエイターやYouTuber好きも対象に間口を拡大
  • 「カルチャーの交差点」を掲げ、異なる界隈のファンを出会わせる場を目指す
  • “推しの推し”を通じて、新しい「好き」を発見できる場づくり
  • ゲストは「相性の良い組み合わせ」を重視して選定
  • 出演者本人が楽しめるコラボ企画を意識して企画を設計
  • トークが実際のコンテンツ化につながるなど、二次的展開も発生
  • META TAXI 2周年を機に、リアル展開を積極的に増やす方針
  • 視聴型から「参加型」へシフト、自分ごと化できる仕組みを模索
  • 「自分が乗るMETA TAXI」を想像させる体験コンテンツを企画中
  • 視聴者がキャスティングを考えるなど、参加意識が高まっている
  • 3年目の挑戦は、ユーザーにわかりやすい形で“体験できるメディア”へ進化させること

META TAXIの取り組みから見えてくるのは、「オンラインだけ」「リアルイベントやポップアップだけ」という片方の取り組みだけでは人々の心をつかみきれないということです。

実際、イベントに来場できるのは一部のファン層に限られます。しかし、その熱量をさらに拡散し、コミュニティを大きく育てるためには、やはりオンライン上での活動も欠かせません。

「リアルとバーチャルの境界をなくすMETA TAXI」の哲学を引き継ぐなら、デジタルの場でも「参加している感覚」を生み出す仕掛けが求められます。

リアルで生まれた熱狂を、デジタルの場で“もう一度”味わってもらう...。そうすることで、イベントに来られなかった人まで巻き込み、ファンコミュニティはさらに拡大していきます。

このように、オンラインとリアルそれぞれの強みを活かした取り組みこそが、今後より一層求められていくのかもしれません。


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株式会社NOKID 代表取締役。 ショートアニメを主軸に映像制作やグラフィックデザインを手がける制作会社を率いる。 VALORANT YORU TYPICAL DAYS 映像、初音ミク×セブンプレミアム15周年映像制作、倖田來未 -「100のコトバ達へ」など、アニメーションを主軸としたPVやMVの領域で幅広いプロジェクトやコンテンツをプロデュース。

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