iBerry
ギタリストとしても活動。 NOKIDでは主に映像・楽曲のプロデュースを担当。【主な仕事経歴】TM NETWORK「Whatever Comes」REC参加、COUNTDOWN JAPAN 23/24 設置の企業ブースにて演奏、Positive Grid Spark セミナー出演‥その他多数
クリエイターの取材を通して、プロとしてのマインドやノウハウを記録していく「NOKID CREATIVE LOG」のクリエイターインタビュー企画。
イラストレーターの宇野草壁氏は、"背景の細かくリアルな描写"という強みを最大限に活かした作品作りで知られています。彼の背景描写は、まるで現実の風景を切り取ったかのようにリアルであり、その細部にわたる職人的なこだわりが作品全体に反映されています。
宇野氏は、絵に対する真摯な姿勢とストイックな作業スタイルを貫く、職人気質のイラストレーターです。インタビュー中でも、彼の作品に対する強いこだわりや真面目な姿勢が垣間見えました。特に「今後やりたいこと」という問いに対しても具体的な答えを避けたのは、常に現時点での作品に全力を尽くす彼の性格が現れているからでしょう。
今回は、背景描写に悩むイラストレーターや、プロとしてのストイックな姿勢に共感する方に向けて、宇野草壁氏の成功ストーリーをご紹介します。
ゲスト:宇野草壁氏 国内のあちこちを巡ったり古い情報を集めて絵を描いたりしている 【主な仕事経歴】和祭巡礼画報 イラストで見る日本の祭りと伝統行事【北海道・東北編】 イカロス出版 (2024)・塚原重義/クラガリ映畫協會『クラユカバ』 背景制作 (2023)・神西亜樹/著 新潮文庫nex 『東京タワー・レストラン』 (2018)‥その他多数 Official Site:https://kusakabe.uno/ X(旧Twitter):https://x.com/kusakabe Instagram:instagram.com/kusakabe |
インタビュアー:iBerry NOKIDでは主に映像・楽曲のプロデュースを担当。 【主な仕事経歴】マイメロディ「めろめろ♡マイメロディ」作詞協力・COUNTDOWN JAPAN 23/24 設置の企業ブースにて演奏・TM NETWORK「Whatever Comes」REC参加‥その他多数 Official Site:https://lit.link/iBerry |
iBerry:絵を好きになったり、描き始めるようになったきっかけがあれば教えてください。
宇野草壁:何から話しましょうかね…。きっかけはなんでしょうね…。多分、一つのきっかけは「広告を見た」ことだと思います。それから、自分にもできるかもと思った理由は、結局はスタジオジブリ作品だったと思います。
でも、最初は美術と全然関係ないことをやっていました。学校も全く関係なくて。
ただ、スタジオジブリ作品を見て「こういうのが人の手で描けるんだ」って知ったのが大きかったですね。
iBerry:絵を描き始めた頃から、背景が写実的な絵を描かれていたんですか?
宇野草壁:今とあまり変わらないです!当時そういう絵を描く人は全然いなかったです。例えば、キャラクターにある程度情報量を持たせて背景を描くっていう人は本当に少なかったです。
iBerry:キャラクターに注力する方が多かったので、背景に情報量をたくさん詰める方が珍しかったという感じですか?
宇野草壁:そうですね、そういう人もいましたが、あまり積極的に発表する人は少なかったです。多分、個人で発表する前に仕事に就いてしまった人もいるかもしれません。
例えば2000年代の頃に誰かが描いていたとしても、帝国少年さんとか、背景ではaquamary imagesさんが個人で情報公開していたりしましたが、そういう人たちは少数派でしたね。
iBerry:そこからプロを目指そうと思った明確なきっかけは何かあったんですか?
宇野草壁:そういう明確な感じはなかったですね。ただ描けるっていうだけで、目指そうとまでは思っていなかったです。趣味の延長で絵を描いていた感じです。
pixivが隆盛する前の、個人サイトをHTML手打ちで作っていたような時代です。自分もそういうものを作れるんだっていうのを覚えて、それで「ハコ(箱)を作ったから中身を埋めるために絵を描こう」っていう感じでした。
iBerry:プロのイラストレーターさんになられたきっかけを教えていただいてもいいですか?
宇野草壁:一番のきっかけは、翔泳社さんでチュートリアル本を出したことだと思います。背景を描くイラストを大きく取り上げた本って、当時あまりなかったんですよ。
発行は2012年なのですが、当時コミティアに出展していて、そこで編集者の方に声をかけていただいて、そこから「本を作りませんか」って話をいただきました。背景を描くイラストを大きく取り上げた本って、当時あまりなかったんですよ。
イラストのチュートリアル本を出したことで、仕事の依頼が増えました。
iBerry:草壁さんといえば、「背景」が強みの一つだと思いますが、影響を受けた作家さんはいらっしゃいますか?
宇野草壁:実際には影響を受けた作家さん、例えば新版画(明治後期に登場した近代的な浮世絵)の分野だと川瀬巴水や吉田博の影響があります。
風景の中に小さな人がいるような絵が多いですが、それを見ていると「人物を入れなくてもいいかな」と思ってしまうことがありますね。
iBerry:なるほど。背景に対してキャラクターデザインやキャラの表情をどう組み合わせるかというのは、直感で決めているんですか?
宇野草壁:あまり考えずに気まぐれでやっていることが多いですね。後で考えることが多いです。「この季節だからこの服装にしよう」とか、そういう感じで進めています。
iBerry:お仕事としては「背景の描き込みが丁寧」という草壁さんの作風に対して、ご依頼いただくことが多いですか?
宇野草壁:基本的にはゲームやアニメの背景を描いてくださいという依頼が多いので、自然とそうなります。キャラクターを描くのもプレッシャーを感じるので、そちらの方が自分には合っています。
iBerry:今後についてお伺いしたいのですが、絵を描き続けてきた中で変化したことはありますか?
宇野草壁:あまり変わった感じはしないですね。むしろ描けるようになった分、難しくなったという感じです。昔なら手を出さなかったような難しい描き方をするようになったので、かえって大変になっているというか。
iBerry:技術が上がった分、苦労も増えたという感じですか?
宇野草壁:そうですね。自分で難易度を上げてしまっている感じです。ただ、僕はあまり絵の練習をしていないんです。だからぶっつけ本番で描いていることが多いんですけど、そうすると進むスピードが遅いんですよね。
宇野草壁:もし何かしらの訓練を受けていたら、もっと効率的にできたかもしれないなと感じることもあります。実際、練習するよりも1枚の絵を完成させたほうが、得られるものは多いと思っています。
例えば、服のしわや特殊な仕草などを描いて、それをしっかり作品にすることで、自分のスキルとして身につくので。だから、練習に固執するよりは、それを作品として仕上げる方が価値があると感じているんです。
iBerry:作品制作の中で技術を上げていってるということですね。
宇野草壁:そうですね。練習を繰り返すよりも、その一部を生かして1枚の作品を仕上げた方が、その作品を通して評価されたり、販売できたりするので。結構そんな適当な考えでやってるんです。
iBerry:確かに、本番だと思って描いた方が力が入りますし、精神的な面でも違いますよね。
宇野草壁:どこのブログか忘れましたが、「最初からどういう作品を作るか決めているときに、わからないポーズや仕草をすぐ調べて描けるようにした方が、学びが多い」という記事を読んだことがあります。出典は忘れてしまいましたが、僕もそう思っています。
iBerry:作品を作る過程で「わからない」と感じたときに調べて試行錯誤することで、それが自分の糧になっていくという感じですね。
宇野草壁:正直、事前に練習するのとどちらがいいのかはわかりません。僕はあまり練習する機会がなかったです。自分の描く絵で認知されたいときに、練習の時間を取るよりも、ぶっつけ本番で何枚も描いて、その都度試行錯誤しながら描いた方が、作品の数も増えて、目に留まる確率が上がると思うんです。
iBerry:確かに、SNSで作品を公表できる時代ですからね。
宇野草壁:そうなんです。失敗したら次のキャンバスに移ればいいんです。結局、作品は完成しないと経験にはならないと、いろんな人が言ってますしね。
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