2025.06.10

2025.06.10

「光と影を描く」コタチユウが追い続ける、フィクションとしての“夏”と絵の二面性

クリエイターの取材を通して、プロとしてのマインドやノウハウを記録していく「NOKID CREATIVE LOG」のクリエイターインタビュー企画。

イラストレーターのコタチユウ氏は、“柔らかなタッチと明るい色彩で描かれる風景の中に、どこか影を感じさせる”独自の作風で注目を集めています。

デジタルとアナログの両面で培われた技術と感性を武器に、彼女の作品は「夏の記憶」や「フィクションとしての季節」といったテーマを内包しながら、見る人の心に物語をそっと投げかけます。日常の中にある儚さや、希望と哀しみが共存する二面性を描く表現は、多くのファンを魅了してやみません。

今回は、自分らしい作品づくりに悩んでいる方、絵に“物語”を込めたいと感じている方に向けて、コタチユウ氏のこれまでの歩みと、作品に込められた想いをご紹介します。

コタチユウ氏アイコン

ゲスト:コタチユウ氏
フリーランスイラストレーター。岡山県出身。

【主な仕事経歴】富士見L文庫 竹岡葉月/著『旦那の同僚がエルフかもしれません』装画 、Flyhigh Works『ミキとネコの島 -Neko Odyssey-』メインビジュアル 、プロジェクトセカイ 2DMVイラスト‥その他多数

HP:https://kotatiyu.tumblr.com/
X:https://x.com/kotatiyu
Instagram:https://www.instagram.com/kotatiyu/
iBerry_newicon
インタビュアー:iBerry 
NOKIDでは主に映像・楽曲のプロデュースを担当。

【主な仕事経歴】小室哲哉氏プロデュースユニット「OVAL SISTEM」ギタリスト・マイメロディ「めろめろ♡マイメロディ」作詞協力・TM NETWORK「Whatever Comes」REC参加‥その他多数

Official Site:https://lit.link/iBerry
コタチユウ氏イラスト01

子どもの頃から、自然に描いていた

始まりは、マウスで描いたネットのお絵かき掲示板

iBerry: コタチさんが絵を描き始めたのって、何かきっかけがあったんですか?

コタチユウ: 実は、特別なきっかけってないんです。本当に子供の頃からずっと描いていて。気づいたら、小学3、4年生の頃にはパソコンでお絵かき掲示板に絵を投稿してました。

iBerry: めちゃくちゃ早いですね!時代の先取りですね!

コタチユウ: 姉が同じ趣味だったので、家にそういう環境があって。最初はマウスで描いてたんですけど、小学5、6年生くらいのときに板タブを買ってもらって、それから本格的にペイントツールSAIで描くようになりました。お絵かき掲示板よりも自由に描けるようになって、どんどん夢中になっていきましたね。

デジタルから油絵へ。表現の幅を広げて

「観察すれば描ける」ことに気づいた受験期のデッサン

iBerry: デジタルから油絵に移行されたのもすごく興味深いです。ギャップはありませんでしたか?

コタチユウ: めちゃくちゃありました(笑)。美術高校受験のときに石膏像のデッサンを描いたんですけど、顔がすごく漫画っぽくなっちゃって。「あ、これはまずいな」と思いました。

iBerry: デジタルとアナログの描き方の違いって、やっぱり大きいんですね。

コタチユウ: でもその分、石膏像とか瓶とか「与えられたものをちゃんと観察して描く」っていう経験ができて、苦手だった背景や風景にも抵抗がなくなりました。観察すれば描けるっていう自信になったんですよね。

“描く楽しさ”との再会

好きなゲームから描き始めたファンアートで再燃した創作欲

iBerry: 大学時代はしばらく描いていなかったのですか?

コタチユウ: そうなんです。受験やバイトで時間がなくて。でもある冬休みに、好きなゲームのファンアートを描きたくなって、すごく久しぶりにパソコンで絵を描いたんです。

iBerry: そこから、再び描くことに火がついたんですね!

コタチユウ: はい、それが本当に楽しくて。「やっぱり私はこういう絵が好きなんだ」って再確認できました。そのとき「イラストレーターになりたい」って思ったんです。

イラストレーターになるという選択

フリーランスを目指しながらコンテストに挑戦する日々

iBerry: そこからお仕事として絵を描く道を進まれたんですね。

コタチユウ: はい。まずは会社に就職して経験を積みつつ、同時にSNSで発信したり、コンテストにも挑戦していました。電撃イラスト大賞をはじめ、いくつか受賞したことで少しずつお仕事の依頼が増えてきて。

フリーになる決断と、“自分の絵”を見つける難しさ

iBerry: フリーランスになったのは自然な流れだったんでしょうか?

コタチユウ: ちょうど仕事も増えてきた頃にコロナ禍で在宅勤務が普通になっていて。「このタイミングでフリーに挑戦してみよう」と思ったんです。でもやっぱり難しさもあって…。

iBerry: 具体的にはどういう部分に難しさを感じられたんですか?

コタチユウ: フリーランスになると、自分の名前で絵を描くじゃないですか。「コタチユウさんにお願いしたい」って言われると、自分らしさや軸がないと迷ってしまう。会社では方向性が決まってたから、その違いをすごく実感しました。

夏の景色に惹かれて

コタチユウ氏イラスト02

ひぐらし、ジブリ、フィクションがくれた“夏”のイメージ

iBerry: コタチさんの作品、夏っぽい景色がすごく素敵ですよね。夏が好きなんですか?

コタチユウ: ありがとうございます。最初は自覚なかったんですけど、夏の絵ばかり描いてて「私、夏が好きなんだな」って(笑)。昔好きだった『ひぐらしのなく頃に』や『スタジオジブリ』の影響が大きいと思います。

iBerry: 私も『スタジオジブリ』作品の夏の表現大好きです!

「明るい画面に暗いテーマ」二面性を描きたいという想い

iBerry: あの世界観、明るいのにちょっと影を感じるところが魅力ですよね。

コタチユウ: そうなんです。明るい風景の中に寂しさや儚さがあったり、逆に暗いモチーフでも希望が見えるような…そういう“光と影”の両面を絵に込めたいなと思ってます。

iBerry:二面性があることで作品に深みを感じます!素敵です!

コタチユウ氏イラスト03

憧れのミクを描いた日

iBerry: 印象に残っているお仕事はありますか?

コタチユウ: ポッキーの日の広告を描いたときは本当に嬉しかったですね。小さい頃から食べてたものに自分の絵で関われるなんて、感慨深かったです。

iBerry: おおお!ポッキー!本当にすごい体験ですね!

コタチユウ: あと、『プロジェクトセカイ』で初音ミクを描かせていただいたときも感動しました。ボカロ世代なので、「ミクちゃん描いてる…!」って感動しっぱなしでした(笑)。

iBerry:自分もボーカロイドを聴いて育ったところもあるので初音ミクちゃんは興奮しますね!!

これから描きたい未来

挿絵の仕事で、物語を一枚にする

iBerry: 今後挑戦したいことはありますか?

コタチユウ: 展示ですね。グループ展でも個展でもいいので、自分の絵を並べて人に見てもらう機会を作りたいです。まだ一度もやったことがなくて。

iBerry: 素敵な展示になりそうです!!ほかにやってみたいことはありますか?

コタチユウ: 挿絵の仕事ももっとやりたいです。文字からシーンを想像して、それを一枚の絵にするのがすごく好きなんです。小説や文章から影響を受けることも多いので、ぜひ挑戦していきたいですね。

コタチユウ氏イラスト04


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認定クリエイターは、実力や影響力、次世代クリエイティブの創出などの選定基準を突破して招待されたプロのクリエイターだけの限られた称号です。深いコミュニティでの繋がりによって得たクリエイターのリアルな情報から、各企業にぴったりなクリエイターとのタイアップ(コラボレーション)作品作りを実現します。

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iBerry

ギタリストとしても活動。 NOKIDでは主に映像・楽曲のプロデュースを担当。【主な仕事経歴】TM NETWORK「Whatever Comes」REC参加、COUNTDOWN JAPAN 23/24 設置の企業ブースにて演奏、Positive Grid Spark セミナー出演‥その他多数

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