NOKID編集部
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リブランディングは企業の未来を左右する強力な戦略のひとつですが、成功した企業ですら「ブランドの個性(コアバリュー)を見失う」という落とし穴にはまります。アイデンティティが崩れ、顧客の共感を失い、結果的に売上が落ち込む…これは、リブランディングの「失敗パターン」の典型例です。
では、成功する企業はどのようにリブランディングをしているのでしょうか?リブランディングの成功には「取捨選択」が不可欠なものの、「変えるもの」と「変えてはいけないもの」を間違えないことが大切です。
リブランディングの真の目的は「新しさを追求すること」ではなく、「ブランドの魅力を再定義し、強化すること」です。すべてを新しくすれば良いわけではなく、むしろブランドの核となる要素を守りつつ、戦略的に刷新することで、顧客の信頼を維持しながら新たな市場で成功することができます。
そこで今回は、リブランディングの具体的な進め方(やり方)と、その中でも重要となる市場調査のコツなどを事例も挙げながら、当社のIPブランディング経験ももとに解説します。
ブランドのどこを強化し、どこを守るべきなのか? その答えを今すぐ見つけましょう。
リブランディングの基本的な考え方は「リブランディングはデザイン変更だけでは解決しない?成功・失敗事例から学べるヒント」もチェックしてみてください。
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<記事のポイント> ・リブランディングの進め方(やり方)だけでなくブランドの軸を見つける重要性が分かる ・リブランディング成功のための10ステップの進め方(やり方)が分かる ・リブランディング時の「市場調査で本質を見抜く」進め方(やり方)が分かる ・「ブランドの軸」を守り抜いた成功例からリブランディングの進め方(やり方)のコツが学べる |
リブランディングは、単なるロゴやデザインの変更ではなく、ブランドの本質を再定義し、顧客との関係を再構築するプロセスです。
しかし、この「ブランドの軸」を見極めないままリブランディングを進めてしまうと、結果としてブランドのアイデンティティを失い、消費者の信頼を損なってしまいます。
リブランディングをすれば自然と売上が上がると考える企業は多いですが、実際にはブランドの「軸」が明確でないと逆効果になることが少なくありません。実際に、軸が明確でなかったために、ブランドのデザイン変更に失敗して顧客から批判を受けるケースもあります。
「ブランドの軸」は、家を建てる際の「土台」に相当します。デザインやマーケティング戦略は、内装や家具のようなもので、土台がしっかりしていなければ、どれだけ豪華な家具を置いても家が崩れてしまいます。つまり、リブランディングを成功させるためには、まず土台(=ブランドの軸)を固めることが最優先なのです。
実際、「Brand Identity: What Went Wrong」では、ブランドの核となる価値を見失うと、市場でのポジションを維持できなくなり敗北する危険が指摘されています。
・「なぜ当社のブランドを選んでいるのか?」を顧客に直接聞く ・「他社と差別化できているポイント」を明確にする ・過去の成功事例を振り返り、どの要素が顧客に最も響いたのかを分析する |
リブランディングを検討する際には、まず「今のブランドの核は何か?」をチェックすることが重要です。むやみにリニューアルなどを考えてデザイン変更を進める前に、的確なゴールを見つけましょう。
参考:Lundqvist, E. (2018) Brand Identity: What Went Wrong? Master’s thesis. Lund University. Available at: http://lup.lub.lu.se/student-papers/record/8963672
ブランドの「軸」は、単なるスローガンではなく、企業が何を提供し、顧客が何を期待しているのかを明確にするものです。
例えば、TOMSは 「One for One」というコンセプトで、商品購入が社会貢献(1足の靴を販売するごとに途上国の子どもに1足の靴を寄付するプロジェクト)につながる仕組みを提供しています。この軸が、単なる商品販売を超えた社会的な価値を顧客に提供しています。
・企業の歴史や創業の理念を振り返り、何がブランドの根幹を支えているのかを明確にする ・社員や顧客に「このブランドの最も重要な価値は何か?」をヒアリングする ・競合との差別化要素をリストアップし、他社にはない強みを特定する |
参考:【インタビュー】ハジメ・バーンバウム|世界中に笑顔を贈る「One for One」という<TOMS/トムス>のビジネスモデル - ISETAN men’s net
企業が考える「ブランドの価値」と、顧客が感じる「ブランドの価値」には大きなギャップがある場合があります。そのため、ブランドの軸を決める際には、顧客の意見をしっかりと反映させることが重要です。
例えば、dysonは「他者が見過ごしがちな問題を解決することに注力しています」と語る通り、「発明と改善」を軸に、「サイクロンの吸引力」「ライトによるゴミの可視化」などの顧客が気づかない解決方法=機能とスタイリッシュなデザインという期待に応えています。使わない機能を詰め込むのではなく、顧客の視点を取り入れている参考になる例です。
・アンケートやインタビューを通じて、顧客がブランドに求めている価値を具体的に調査する ・SNSやレビューサイトを分析し、顧客がどのような期待を持っているのかを可視化する ・顧客ロイヤルティの高い層にフォーカスし、なぜそのブランドを選び続けているのかを探る |
リブランディングの目的の一つは、「競合と差別化し、独自のポジションを確立すること」です。多くの企業が価格競争に陥りがちですが、成功するブランドは「独自の強み」を打ち出しています。
例えば、Appleは機能性だけでなく「洗練されたデザインと使いやすさ」をブランドの軸に据え、競合との差別化を実現しました。一方で、よく比較されるMicrosoftは、2014年頃に「生産性(プロダクティビティ)」を打ち出しました。
・競合のブランド戦略を分析し、自社ブランドの「他にはない強み」を特定する ・価格・品質・デザイン・ストーリーの各要素で差別化ポイントを整理する ・一貫性のあるブランドメッセージを作り、マーケティングや広告に落とし込む |
リブランディングの本質は、「何を変えるか?」ではなく、「何を守るか?」にあります。ブランドの軸を明確にし、それを沿って戦略を組み立てることで、消費者に信頼されるブランドとして成長を続けることができます。
もしリブランディングを検討しているなら、まずはブランドの核となる価値を再確認し、顧客の視点でブランドを見直すことから始めてみてください。
ブランドの軸を守ることがなぜ重要なのでしょうか?その参考になる事例として、世界的に愛される玩具メーカー「LEGO」を分析してみましょう。
一時は倒産の危機に瀕しながらも、ブランドの原点に立ち返ることで見事な復活を遂げました。「創造力を育む」というブランド軸を貫きながら、新たな市場への適応と革新を続けたことが、LEGOの再興のカギとなりました。
1990年代後半、LEGOは市場の変化に対応しようと、多角化戦略を加速しました。テーマパーク事業やアパレル展開など、玩具以外のビジネスに手を広げましたが、その結果、ブランドの核となる「創造力を育む」という価値が希薄になってしまったのです。
その結果、LEGOの魅力がぼやけ、売上は急落。2003年には2億9,000万ドルの損失を計上し、倒産寸前に追い込まれました。
このケースが示すのは、「ブランドの軸を守らずに拡大戦略を進めると、企業は簡単に迷走する」ということです。
ブランドを大樹に例えるなら、企業の成長は枝葉を広げることにあたります。しかし、根(ブランド軸)がしっかり張っていないと、枝葉は育たず、嵐(市場変化)に耐えられなくなります。LEGOは、一度「根」を見失ったことで揺らぎましたが、その後、軸を再確認して再び強いブランドへと成長しました。
1.ブランドの「コアバリュー」を定義する ・LEGOのように、「我々のブランドは何を提供するのか?」を明確にする 2.新規事業や拡大戦略がブランド軸と一致しているか確認する ・「この新サービスは、ブランドの理念に合致しているか?」を常に問い直す 3.ブランドのアイデンティティを社内外に徹底浸透させる ・全社員がブランド軸を理解し、顧客に一貫したメッセージを届けることが不可欠 |
LEGOの復活劇からは、「ブランドの軸を貫きながら、時代に適応することが持続的成功のカギ」であることがわかります。ブランドの価値(軸)を見失わずに、リブランディングによって変化に対応しながら進化し続けましょう。
参考:LEGO launches vibrant rebrand with dynamic graphics - Marketing Interactive
参考:「Rebuild The World ― 創造力が、世界を変える」キャンペーン第一弾!子どもたちの 創造の世界を体感できる新TV-CM 2021年9月20日から放映開始 - PR Times
リブランディングは、ブランドの本質を再定義し、時代の変化に適応させながら成長するための戦略的プロセスです。前述で見つけたブランドの軸に沿って、以下のステップで進めていきましょう。
リブランディングは、単なる「リフレッシュ」ではありません。競争力を高めるための戦略的な決断です。そのため、何を目指すのか?という目的が明確でないと、ブランドの軸がブレてしまい顧客の信頼低下につながります。
例えば、地図もコンパスも持たずに登山をして遭難してしまうように、思いつきで始めても良さそうなものを詰め込んだ一貫性のない状態になりがちです。
1.リブランディングの目的を「1文」で定義する ・「新規市場開拓のため」「ブランドイメージ刷新のため」など、目的を簡潔に整理する 2.現状分析を行い、変えるべき点と守るべき点をリストアップする ・例:「ブランドの伝統は維持するが、ターゲット層を拡大する」「ターゲット層は同じで、ブランドの軸をよりフィットさせる」 3.目的に合った成功事例と失敗事例を研究し、適切な手法を選定する ・例:他社は「服屋」から「ファミリー層のインフラ」へとブランドメッセージをシフトした |
市場調査はリブランディングの基盤ですが、データだけを鵜呑みにすると、本質を見落とすことがあります。アンケート結果や売上データだけでは、顧客が「なぜそのブランドを選んでいるのか?」という感情的な要素が分かりません。
例えば、1番人気の商品がもっとも好まれているとは限りません。実際には、人気だから選んだだけで満足度は他の商品の方が高いことはよくある話です。
売上データが示すのは「結果」ですが、その背後にある「なぜその選択をしたのか?」を理解しなければ、ブランドの本質的な魅力を強化することはできません。顧客が本当に求めているのは、商品そのものではなく、それによって得られる体験や感情なのです。
1.数値データ+感情データを組み合わせて分析する ・例:SNSのコメント分析や顧客インタビューを活用し、定量・定性データを統合する 2.市場調査の際に「なぜ?」を5回繰り返し、真のニーズを探る ・例:「なぜこれを選ぶのか?」→「品質が良い」→「なぜ品質が良いと感じるのか?」と掘り下げる 3.競合ブランドとの比較を行い、自社ブランドの強みを再認識する ・例:ユニクロと無印良品の違いは?ユニクロは「機能性」、無印は「シンプルで自然なライフスタイル」といったブランドの核を把握する |
リブランディングが成功する企業ほど、社内で意見の対立が発生するものです。関心や責任感がなければ反対意見を出してまで抵抗しないからです。異なる視点がぶつかることで、本当に守るべきブランドの核が明確になります。
これはアメリカの社会心理学者アーヴィング・ジャニス(Irving Janis)が提唱した「集団思考(Groupthink)」という概念を参考にすると、集団内では「調和・同調への欲求」が強まり、批判的な評価や現実的な判断ではなく、非合理的な意思決定に至る現象が起こると言われています。
つまり、相応の強い関心がなければ反対意見は出づらいと解釈できます。反対意見も交えて議論を重ねることで、より強固なメッセージが生まれるのです。
1.「リブランディング反対派」の意見を聞き、ブランドの守るべき要素を洗い出す ・例:「このロゴには歴史がある」「既存顧客が混乱する」など、現場の声を分析する 2.社員ワークショップを実施し、ブランドの課題を議論する ・例:「ブランドの強み」「変えてはいけない部分」「新しい価値を加える部分」をリスト化する 3.顧客にもアンケートを取り、「ブランドに求めること」を可視化する ・例:「ロゴ変更よりも、もっとシンプルなメッセージが欲しい」など、実際の声を反映する |
参考:Janis, I. L. (1982). Groupthink: Psychological studies of policy decisions and fiascoes (2nd ed.). Houghton Mifflin. Retrieved from https://archive.org/details/groupthinkpsycho00jani
リブランディングでは、新しさを追求するあまり、「変えてはいけないもの」まで変えてしまう企業が少なくありません。ブランド価値は「積み上げた信頼」のため、残すべき部分を見極めることも大切です。
例えば、古い家を改装する際は「柱や骨組み」維持しつつ、「内装」や「家具」を新しくするように、「顧客が愛着を持つ要素」は残しながら、デザインやメッセージを更新することが重要です。
1.ロゴ・カラースキーム・ブランドストーリーのうち、変えるものと守るものを整理する 2.長年の顧客が支持しているポイントを調査し、それを維持する戦略を考える 3.新しい要素を取り入れつつ、ブランドの伝統を活かす形でデザインを設計する |
次のSTEP5以降も、ブランドの核を守りながら効果的なリブランディングを進めるための具体的な方法を解説していきます。
多くの企業がリブランディングでデザイン変更に注力する一方で、メッセージの一貫性を軽視しがちです。ブランドの「言葉」と「見た目」が一致していないと、顧客はブランドの方向性を理解できず、信頼を失います。
例えば、ホラー映画のポスターが「恋愛映画風」だったら観客が混乱するように、ブランドの広告やパッケージデザインと実際の価値が合致しないと、顧客は期待外れに感じてしまいます。
1.ブランドメッセージの「トーン&マナー」を統一する ・例:「親しみやすいブランド」なら、広告・SNS・パッケージすべての文体をカジュアルに統一する 2.デザインとメッセージの整合性をチェックする ・例:「高級感のあるブランド」なら、ミニマルなデザイン+シンプルなフォントを採用 3.社内マニュアルを作成し、一貫したブランド表現を全社員で共有する ・例:ガイドラインを作成し、PRチーム・営業チームが一貫した言葉を使うよう調整 |
参考:Kandel, K., 2024. Effect of Logo Change on Brand Attitude: A Case Study of Mahindra at Nepal Electricity Authority. Journal of Business and Social Sciences Research. doi:10.3126/jbssr.v9i1.67993.
リブランディングは社外だけでなく、社内の意識改革も必要不可欠です。社員がブランドの意図を理解し、自分ごととして語れるようにならなければ、新しいブランドの価値は社外に浸透しません。
例えば、高級ホテルの従業員が「このホテルの特徴は…ちょっと分かりません。」と言ったら、顧客の信頼は一瞬で失われます。ブランドも同様に、社員がブランド価値を語れなければ、顧客に正しく伝わりません。
1.社員向けブランド研修を実施し、ブランドの意図を共有する 2.「現場の社員」が新ブランドについて語る機会を作る 3.社内SNSやイントラネットでブランドの成功事例を共有し、意識を高める |
リブランディングを一気に実施すると、顧客も社員も混乱し、成功率が下がります。優先順位をつけて段階的に進めることで、スムーズな移行が可能になります。
例えば、キッチン・バスルーム・リビングを同時に工事すると、生活できなくなります。ブランドも同様に、ロゴ・パッケージ・広告・社内ツールを段階的に変更した方がリスクを抑えられます。
1.ブランド変更を「段階ごと」にスケジュール化する 2.まず影響が少ない部分から変更し、市場の反応を見る 3.テスト運用の結果を基に、本格導入を判断する |
全体変更前に、小規模テストで市場の反応を見ることが成功のカギです。実際に試してみることで、問題点を事前に修正できるため、失敗リスクが減ります。
例えば、行きつけのスイーツショップが突然まったく知らない商品だけになっていたら戸惑うはずです。同様に、まず試食会などで顧客の反応を見て、改良すべき点を修正する流れを意識しましょう。
1.SNS広告や限定店舗で、新ブランドのテストを実施する 2.顧客アンケートを実施し、問題点を特定する 3.テスト結果を基に、改善後の最終バージョンをリリースする |
リブランディングの効果は、売上だけでなく、ブランド認知・顧客ロイヤルティ・SNSでの評価など、多角的に測定する必要があります。
例えば、体重が減ったからといって健康とは限りません。食生活・運動・ストレス管理など、複数の指標を見るべきなのと同じです。
1.売上・ブランド認知度・顧客満足度を定期的にチェックする 2.SNSの口コミやアンケート結果を分析し、課題を特定する 3.結果に応じて、戦略を柔軟に修正する |
主張:「ブランドは一度作ったら終わり」ではない。常に進化が必要
リブランディングは「完了」ではなく、「進化のプロセス」です。市場や顧客の変化に合わせて、定期的にアップデートしていく必要があります。
1.1年ごとにブランド戦略を振り返り、必要な改善点を洗い出す 2.定期的な顧客調査を行い、市場の変化をキャッチする 3.リブランディングの効果を最大化するために、トレンドを取り入れ続ける |
以上の10ステップに沿った進め方・やり方を参考に、ブランドの核を守りながら、市場で競争力を持ち続けるリブランディングに取り組みましょう。
リブランディングの成功は、ブランドの「軸」を明確にし、顧客の本音を正しく理解することにかかっています。しかし、「アンケートを取れば顧客のニーズがわかる」と誤解し、数字だけを追い求めてしまいうケースがあります。顧客は理屈ではなく「感情」でブランドを選ぶものです。
つまり、単なる数値データだけでは、こうしたブランドの「本当の価値」は見えてきません。
市場調査では、売上データやアンケート結果を分析することが一般的ですが、それだけでは「顧客の本音」は見えてきません。データは事実を示しても、なぜその選択をしたのかという感情までは教えてくれないからです。
例えば、「なぜこのブランドを選んだのか?」と聞かれたとき、多くの顧客は「デザインが好きだから」「使いやすいから」などと答えます。しかし、実際にはその背景に、ブランドのストーリーや情緒的なつながりがあることが多いのです。
1.「なぜ?」を深掘りしていく
例えば、「なぜこのブランドを選んだのですか?」と聞かれたとき、顧客は「安いから」と答えるかもしれません。しかし、それに対して「なぜ安いものを選ぶのか?」とさらに掘り下げることで、「コスパを重視する生活スタイル」や「以前のブランドで失敗した経験」など、より本質的な理由が浮かび上がります。
2.日記調査を実施する
ターゲット顧客に「日常でブランドに触れた瞬間」を記録してもらい、行動の裏にある感情を分析します。例えば、「このブランドのCMを見た後に購入を決めた」「広告を見ても購入しなかった」など、数値では見えない感情の動きを捉えることができます。
3.表情解析ツールを活用
商品のパッケージや広告を見た際の表情の変化を分析し、無意識の好意・嫌悪を数値化することで、直感的なブランドの印象を把握できます。
従来のアンケート調査では、顧客は「こう答えるべき」という意識が働き、実際の購買行動とは異なる回答をすることが多いです。例えば、あるファッションブランドの調査では、「シンプルなデザインが好き」と答える人が多かったにもかかわらず、実際に売れていたのは派手なデザインのアイテムでした。
・Webサイト・SNSのリアクション解析
「いいね」やシェア数だけでなく「スクロールの速度」「関連テーマの投稿に対するコメント」「口コミサイトの質問」などのデータを分析し、潜在的な興味を探ります。
多くの企業が「競合の成功事例を真似すれば成功する」と考えていますが、実は競合の「失敗事例」こそが最大の学びになります。
例えば、ある飲料メーカーがパッケージデザインを変更した際、ブランドのアイデンティティを損なったことで売上が減少したケースがあるように、表面だけを真似るのではなく顧客と向き合うことが重要です。
1.「失敗事例だけを分析するレポート」を作成 競合のリブランディングの失敗事例を収集し、その共通点を分析する 2.消費者の批判をリスト化 SNSや口コミサイトで、競合ブランドに対する「ネガティブなコメント」を集めてリスク回避する 3.「もし自社が競合だったら?」シミュレーション 競合の戦略をそのまま実施した場合、どのような結果になるかを事前にシミュレーションする |
市場調査では、一部の顧客の意見が大きくなりすぎて、全体の傾向を正しく反映できていないことがあります。日本人は特にサイレントクレーマーと呼ばれるように、不満を口にするケースが少ないため、理想とする顧客の本音をしっかりと見極める必要があるのです。
例えば、SNSでの評価が高くても、実際には購買層のニーズとズレていることがあります。
・新規顧客とリピーターの意見を分け、それぞれの重要度を考慮して分析する ・「気にしていない層」のデータを収集することで、新たなニーズを発掘する ・反応は良いが購入しない場合などに、感情と行動のギャップを特定する |
リブランディングの市場調査を「一度きり」の作業として考えてはいけません。トレンドは数カ月で変わるため、リブランディング後も継続的にデータを収集し、調整する必要があります。
・リアルタイムで顧客の声や売上データを分析できる仕組みを構築する ・SNSや検索ワードの急変動をチェックし、顧客の関心を分析する ・小規模なキャンペーンを頻繁に実施し、常に市場の反応を確認する |
市場調査は単なるデータ収集ではなく、「顧客の本音を見抜き、競合との差別化を図る」ことにあります。あなたのブランドは、本当に市場の「本音」を捉えていますか?
ここまでのポイントをまとめます。
リブランディングを成功させるには、単なるデータ分析ではなく、顧客の感情や潜在的なニーズを見抜く力が求められます。今回お伝えした10ステップと市場調査を参考に、ブランドの軸をより強固なものにして、競争優位性を確立していきましょう。
キャラクターを活用したPR、ブランドのイベント企画といったPR活動は、動画制作だけでなく数々のイベントの認知拡大を支援してきた我々NOKID(ノーキッド)なら、幅広いご提案とクリエイティブ制作が可能です。
アニメーションという表現方法の中にも、スライドに動きをつけたものから3DCGを活用したもの、セル画など多岐に渡るテイストがあります。
動画を制作する場合には、要望通りに動画を制作することだけでは効果を発揮しないことが多くあります。NOKIDでは、動画の活用目的に沿った構成や表現を計画しております。
例えば、TikTokであれば認知に適したアルゴリズムになっておりユーザーが次々と動画をスワイプして観ていきます。そのため、冒頭の2〜3秒で注意を引くためのアイデア、PRに繋げるためにどのような情報を発信すべきかといった"ビジネス視点とクリエイティブ視点"のバランスを意識しております。
「初めてのアニメーション制作」「PRまで考慮した映像」をご検討の方はお気軽にご相談ください。
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NOKID編集部
1000件以上の映像制作実績を誇る株式会社NOKIDの編集部メンバーが監修。キャラクター・アニメーション分野のノウハウやトレンドの活用手法の紹介が得意です。