2026.02.16

2026.02.10

不二家「ペコちゃん」が75周年も続く理由とは?資産になるキャラクター作りのヒントを調査

不二家のペコちゃんは1950年の誕生から75周年を迎え、ブランドの象徴として存在し続けています。一方で、多くの企業が自社の認知度を高めるためにキャラクターを作りますが、そのほとんどは印象に残らず、一時的なもので終わってしまいます。

なぜこれほどの差が生まれるのでしょうか。

「ペコちゃんは老舗だから成功した特殊事例だ」「70年前と今では環境が違う」と考え、参考にならないと思う方もいるかもしれません。

しかし実際には、ペコちゃん誕生時の不二家は大企業ではなく、戦後復興期の洋菓子店でした。そしてペコちゃんが75年以上も愛される理由には、偶然ではない明確な工夫が存在します。

ペコちゃんが成功した本質的な理由は、企業がこのキャラクターを「広告や商品パッケージの素材」としてではなく、「店舗や商品の一部」として扱ったことにあります。

本記事では、不二家のペコちゃんが1950年の誕生から75周年を迎えるまで、世代を超えて愛され続けるブランドになった理由を調査し、キャラクター戦略のヒントとしてご紹介します。

目次

ペコちゃん事例から学ぶ“商品(ミルキー)一体化”の戦略

戦後復興期に誕生した「希望の象徴」

不二家は1910年(明治43年)創業の老舗洋菓子メーカーです。ペコちゃんが誕生したのは1950年(昭和25年)、終戦からわずか5年後の戦後復興期でした。

当時の日本は戦後の混乱が残り、物資も十分ではない時代です。洋菓子という「甘い贅沢」を扱う不二家にとって、子どもたちに夢と希望を与える存在が必要でした。創業者の「お菓子を通じて世の中を平和にしたい」という理念のもと、ペコちゃんは生まれました。

ペコちゃん誕生には意外なきっかけがあります。当時、創業社長が観劇した日劇(日本劇場)のレビュー『真夏の夜の夢』に登場した張り子の動物人形にヒントを得て、日劇の大道具担当者に制作を依頼したのが始まりです。こうして生まれた張り子の人形は、殺伐とした世相の中で、たちまち街の「平和と希望の象徴」となりました。

ここで重要なのは、1950年代は企業キャラクターを活用したマーケティングがまだ一般的ではなかったという事実です。この「初期の優位性」が差別化につながったのは確かですが、それだけでは75年以上の継続は説明できません。ペコちゃんには、次に述べる戦略的な意図が組み込まれていました。

参考:会社・IR情報 - 不二家公式サイト

参考:ニッポン・ロングセラー考 Vol.87 ミルキー - NTTコムウェア

「舌を出した表情」に込められたデザイン戦略

ペコちゃんの最大の特徴は「舌を出した愛らしい表情」です。この表情には、明確な意図と由来がありました。

まず名前の由来を見てみましょう。「ペコちゃん」は、東北地方の方言で「子牛」を意味する「べこ」を西洋風にアレンジしたものです。なぜ子牛なのでしょうか。それは、翌年1951年に発売される主力商品「ミルキー」の主原料が牛乳(練乳)だからです。

つまりキャラクター名の段階で、すでに商品原料との結びつきが設計されていたのです。

そして「舌を出した表情」は、お菓子を欲しがっている様子や、食べた後の満足感、そして子どもの無邪気さを表現しています。社員へのインタビューによると、具体的なデザインの指示書などは残っていませんが、おいしいお菓子を食べた時の「ペロリ」という動作や幸福感を象徴するデザインとして定着しました。

威圧感のない、柔らかく愛嬌のある表情は、子どもだけでなく大人にも受け入れられやすい普遍的なデザインといえるでしょう。

参考:大人気キャラクターの知られざる秘密 - ESSE-online

キャラが先に作られ商品ブランドを表現した設計

ペコちゃん誕生の翌年、1951年に「ミルキー」が発売されました。この商品とキャラクターのほぼ同時期の投入は、非常に計算されたものでした。

当時の開発者は「母親が安心して幼児に与えられるお菓子」を目指し、栄養価の高い練乳を50%近くも使用するという、当時としては贅沢な配合を行いました。そしてそのパッケージにはペコちゃんが大きく描かれました。

この戦略の本質は、「ペコちゃん=ミルキー=不二家」という一体化したブランディングの確立です。消費者は「ペコちゃん」を見ると濃厚なミルクの味を想起し、「ミルキー」を買うときに「ペコちゃん」の笑顔を感じます。キャラクターと商品が切り離せない関係になることで、相互に価値を高め合う構造が生まれました。

多くの企業が犯す失敗は、キャラクターを広告素材として扱い、商品との関連性が弱いことです。ペコちゃんの成功は、商品の「中身(ミルク味)」とキャラクターの「由来(牛)」を完全にリンクさせ、一体化させたことに本質があります。

参考:プロフィール - 不二家公式サイト

参考:ミルキー&ポップキャンディ - 不二家公式サイト

ペコちゃん事例から学ぶ“核の一貫性”と“デザイン”

リニューアルで多くの企業がキャラクター継続に失敗する理由

75年という長期継続の裏には、何度も訪れたであろう「キャラクター変更の誘惑」があります。

「時代に合わせてリニューアルしよう」「もっと今風のデザインに変えよう」──こうした提案は、社内の会議で必ず出てくるものです。

実際、多くの企業が「リニューアル」の名の下にキャラクターを刷新し、結果として失敗しています。なぜなら、キャラクター変更はそれまで蓄積した認知・信頼・愛着という目に見えない資産をリセットする行為になりかねないからです。

消費者は「変わらないもの」に安心感を覚えます。特に、子どもの頃から見てきたキャラクターが突然変わると、「自分の知っているあのキャラクターはどこに行ったのか」という喪失感を抱きます。これはブランドへの信頼を損なうリスクにつながります。

不二家は75年間この誘惑と戦い続けました。もちろん、素材が初期の「張り子」から耐久性のあるプラスチック(ソフトビニールやFRP)に変わったり、目の描き方やプロポーションが時代に合わせて微調整されたりと、進化はしています。しかし「舌を出した表情」「赤いリボン」「ツインテール」という基本的なアイデンティティは、一度も変わっていません。

参考:ペコちゃんの歴史 - 不二家公式サイト

なぜ不二家は75年間キャラを変えなかったのか?

なぜ不二家はキャラクター変更という選択をしなかったのでしょうか。その答えは、一貫性こそが最大のブランド資産だという理解にあります。

不二家の歴史において、経営環境の変化や困難な時期もありました。そのような時でもペコちゃんというキャラクター資産を守り、前面に出し続けることで、顧客との絆を維持してきました。

消費者の記憶・認知・愛着は、時間をかけて少しずつ積み重なります。1年目より5年目、10年目より30年目のほうが、「ペコちゃんといえば不二家」という結びつきは強固になります。

もし途中でキャラクターを安易に変えてしまえば、この積み重ねが崩れます。不二家の経営判断は、短期的な「目新しさ」よりも、長期的な「信頼・認知の蓄積」を優先するものでした。

この判断こそが、75年という時間を味方につけた理由です。

参考:不二家75周年プレスリリース

核を変えないからこそブランド資産になる仕組み

変わらないことは、変化の激しい現代において、強力な差別化要因にもなります。

現代は商品もサービスも短サイクルで消費される時代です。SNSでバズったキャラクターも、数か月後には忘れ去られることも珍しくありません。こうした環境だからこそ、「変わらず、そこにある存在」は、消費者に安心感と信頼感を与えます。

ペコちゃんは、祖父母の世代も、親の世代も、そして今の子どもたちも知っています。この「3世代にわたる認知」は、一貫性がなければ絶対に実現できません。

さらに、一貫性は記憶の定着を促進します。人間の脳は、繰り返し接触するものを「重要な情報」として記憶します。ペコちゃんが75年間変わらずに存在し続けることで、記憶の一部として深く刻まれているのです。

これが、一貫性によってブランド資産が蓄積される仕組みです。

日本リサーチセンター(NRC)による全国キャラクター調査において、ペコちゃんは長年にわたり高い認知度を維持しています。その価値は時間の蓄積によって幾何級数的に高まっています。一貫性を保ち続けることは、時間を味方につけてブランド価値を複利で増やしていく投資活動そのものなのです。

参考:第12回 NRC全国キャラクター調査 - 日本リサーチセンター

ペコちゃん事例から学ぶ“リアルの接点”の優位性

時代に適応させてきたデザインの微調整

「一貫性が重要」といっても、75年間化石のように変化しなかったわけではありません。ペコちゃんは、時代に応じて巧みに「進化」してきました。

ペコちゃんの基本要素である舌を出した表情、ツインテール、リボンは現在まで維持されています。しかし、当初は張り子で作られていた人形も、技術の進歩とともに耐久性のある素材になり、デザインも微妙に変化しています。

たとえば、初期のペコちゃんは今よりも目が大きく見開かれたデザインでしたが、徐々に現在の親しみやすい表情へと洗練されていきました。また、当初はズボン姿(オーバーオール)だけでしたが、後にスカート姿も登場するなど、ファッションも多様化しています。

これは「コア・アイデンティティは死守しつつ、表現技術は時代に合わせる」という戦略です。根本的なイメージチェンジは行わず、しかし古臭く見えないように微調整を続ける。このバランス感覚が、ペコちゃんを「レトロ」ではなく「現役」の存在として保ち続けています。

「店の前のペコちゃん」が持つ記憶定着の優位性

「店頭人形なんてアナログで時代遅れだ」と考えるのは早計です。ペコちゃんの成功要因の一つは、まさにこの「店頭人形」という物理的存在にあります。

不二家は1950年に銀座の店舗に張り子のペコちゃん人形を設置したのを皮切りに、全国の洋菓子店舗前に人形を展開しました。初期の張り子人形は子どもたちが触れると壊れやすかったため、後に耐久性のある素材へと改良されていきました。

物理的な存在は、デジタル広告よりも記憶定着率が高い傾向があります。人間の脳は「場所」と「体験」を結びつけて記憶するからです。

「駅前の不二家のペコちゃん」「誕生日に家族で行った時に頭を撫でたペコちゃん」──こうした記憶は、スマートフォンの画面で見た広告よりもはるかに鮮明で、長期間残ります。

デジタル全盛の時代だからこそ、触れられる距離にある物理的接点の価値は相対的に高まっているのです。

参考:D.M. Nielson et al., Human hippocampus represents space and time during retrieval of real-world memories, PNAS 112 (35) 11078-11083 (2015)

場所の記憶×家族の物語が世代を超えた理由

店頭のペコちゃん人形は、認知させる看板代わりという役割以外にも、家族の思い出と結びつける役割を果たしています。

多くの人が、子どもの頃に親と一緒に不二家に行き、店頭のペコちゃんと写真を撮った記憶や、頭がゆらゆら揺れる人形に触れた記憶を持っています。あるいは、待ち合わせ場所として利用されたこともあるでしょう。こうした体験は、ペコちゃんを自分の人生の思い出の一部に変えます。

ペコちゃんから見える不二家ブランドの本質は、お菓子を売ることではありません。世代を超えた「家族の思い出」を作ることにブランドの存在意義があります。

親が子どもを不二家に連れて行くのは、単にケーキを買うためではありません。「自分が子どもの頃に感じた幸せ」を、自分の子どもにも体験させたいという欲求があるからです。ペコちゃんはその「幸せの記憶」のスイッチを押す役割を果たしています。

「ママの味」というキャッチコピーが75年以上続いているのは、それが味の説明ではなく「母の愛情」という普遍的な価値への憧れを象徴しているからです。

親、子、孫の三世代が、同じペコちゃんを見て同じように微笑むことができる。この「共通言語」としての機能こそが、ペコちゃんが提供している真の価値です。ペコちゃんは、世代間の断絶を埋め、家族の絆を確認し合うための「感情のインフラ」として、日本の家庭に深く根を下ろしています。

さらに、店頭人形は季節やイベントに応じて衣装が変わります。クリスマスにはサンタの衣装、お正月には晴れ着、夏には浴衣やマリンルック──この変化が、街行く人に季節の訪れを告げ、話題性と再訪理由を生み出します。常に新しい衣装をまとうことで、古さを感じさせない工夫がなされており、そのバリエーションは時代とともに増え続けています。

参考:不二家 サステナビリティレポート2024

SNS時代に店頭人形を活用するデジタル連携

現代のペコちゃん戦略では、物理とデジタルが見事に統合されています。

消費者は店頭のペコちゃん人形(特に新しい衣装や限定デザイン)と写真を撮り、SNSに投稿します。「#ペコちゃん」「#不二家」といったハッシュタグとともに投稿されれば、それが信頼性の高い口コミ広告となり、拡散されます。

つまり、店頭人形(物理)→写真撮影→SNS投稿(デジタル)→口コミ拡散→新規顧客の来店(物理)という循環が生まれるのです。デジタルは瞬間的なリーチ力を持ちますが、物理は深い記憶定着と感情的結びつきを生みます。

不二家はこの両者を対立させず、相互に補完し合う関係として活用しています。

中堅企業がキャラクター戦略を考える際も、小規模でも「物理的接点(立体物やフォトスポット)」を作ることが、デジタル拡散の起点として有効であることをペコちゃんの事例は示しています。

ペコちゃん事例から学ぶ“危機(炎上)対策”になった秘密

ペコちゃんが企業の盾となり顧客が感情移入した日

2007年の不祥事において、ペコちゃんは批判されるどころか「被害者」として同情を集め、企業と顧客の感情的な絆をつなぎ止める「命綱」となりました。

通常、企業の不祥事はマスコットキャラクターのイメージも汚染し、嫌悪の対象にします。しかし2007年、期限切れ原料の使用で不二家が激しいバッシングを受けた際、店頭から撤去されたりブルーシートをかけられたペコちゃんの姿は、人々の保護本能を刺激しました。

消費者は「不二家(経営陣)」は許せないが、「ペコちゃん」は可哀想だ、と無意識に切り分けて捉えたのです。営業休止中の店舗には「ペコちゃんは悪くないよ」「待ってるよ」という励ましの手紙や貼り紙が多数寄せられました。

当時の報道や、その後の「信頼回復対策会議最終報告書」においても、顧客からの声やペコちゃんの扱いに関する記述があり、この逆説的な現象を裏付けています。

積み上げたキャラクターへの愛着は、企業本体の信頼が揺らいだ時でさえも消えることなく、むしろ企業を再生させるための土台として機能したのです。

参考:信頼回復対策会議最終報告書 - 不二家

山崎製パン主導によるブランド復活のストーリー

経営危機を経て、山崎製パンの支援のもとで復活したペコちゃんは、困難を乗り越えたという新たな魅力を手に入れました。

営業再開の日、店頭に戻ってきたペコちゃんはニュースで大きく取り上げられ、「復活の象徴」として歓迎されました。このプロセスを通じて、ペコちゃんは「甘いお菓子のマスコット」から、苦難を乗り越え企業と共に再生する存在として認識されるようになりました。

『会社四季報オンライン』などの経済メディアでも、不二家が山崎製パンの支援を受けて再生していく過程で、ペコちゃんの存在がブランドの継続性を担保し、ファンをつなぎ止める役割を果たしたと分析されています。

ペコちゃんは、企業の失敗さえも復活の物語として取り込み、より強固なブランド・ロイヤルティを構築する「最強のストーリーテラー」となったのです。

参考:不二家、急回復を支える「パン屋」化 - 会社四季報オンライン

参考:駅前から消えた不二家…20年赤字の洋菓子事業に復活の道はあるか? - MONEY VOICE

ペコちゃん事例から学ぶ“IP(キャラ)展開”のプロセス

マスコットからライセンスビジネスへの拡張

不二家はペコちゃんを「自社商品のためだけの広告塔」から、「他社に貸し出して利益を生むタレント」へと戦略的に拡張しています。

かつてペコちゃんは、お菓子のパッケージや店頭人形としてのみ使われる存在でした。しかしこれではお菓子が売れないとペコちゃんの活躍の場もありません。

そこで2010年の不二家創業100周年を機に、ライセンス事業を本格化させました。これによりペコちゃん自身が稼ぐ力を持ち、お菓子市場が縮小しても生き残れる収益源へと進化したのです。

アパレル等の専門性が高い分野では、ライセンスエージェントと連携し、市場トレンドに合致した商品企画を行っています。自社だけではリーチできない層に対しても、パートナー企業の商品を通じてペコちゃんを届けることが可能になりました。

ペコちゃんはブランド商品によって「お菓子屋さんの看板娘」として広く認知を獲得したあと、自ら稼ぎ出す「IP資産」へと活躍のフィールドを広げています。

近年のペコちゃんは、積極的に他社ブランドとのコラボレーションを行っています。アパレルブランド、コスメブランド、さらには高級ブランドとのコラボまで多岐にわたります。これにより「お菓子屋さんのキャラクター」という枠を超え、ファッションアイコンとしての地位も確立しつつあります。

また、不二家公式X(旧Twitter)などのSNSでは、ペコちゃん自身が語りかけるような投稿や、トレンドに合わせた発信を行い、消費者と双方向のコミュニケーションを取っています。これにより、生きているキャラクターとして認識され続けています。

参考:ライセンスコラム - 新規事業ドットコム

ハイエンド市場への進出:BE@RBRICK、シュウウエムラ、BEAMS

ペコちゃんは「お菓子ブランドのキャラクター」の領域を超え、高額で取引される「投資価値のあるアート作品」や「ファッションアイコン」としての地位まで確立しました。

少子化が進む中、子ども向け市場だけでは限界があります。不二家は高額消費を行うコレクター層やファッション感度の高い層をターゲットに据えました。その象徴がクマ型フィギュア「BE@RBRICK」や、コスメブランド「シュウ ウエムラ」、セレクトショップ「BEAMS」とのコラボレーションです。

出典:BE@RBRICK

BE@RBRICKの「招き猫 ペコちゃん 金メッキ」モデルは、日本の伝統と融合し、二次流通市場では数十万円で取引されるほど高騰しました。

BEAMSとのコラボでは、ペコちゃんの舌をあえて逆に出させたり、目が隠れるデザインを採用したりと、公式による「崩し」を許容し、ストリートファッションを好む層からの支持を獲得しました。

これらのコラボアイテムが即完売し、プレミア価格で取引されている事実は、コレクターたちが大金を払ってでも手元に置きたいと願う、現代アートと同等のブランドイメージを手に入れたことを示しています。

参考:海外からも注目を集めている<F-LAGSTUF-F>と不二家の人気キャラクター “ペコちゃん” 、<BEAMS T>のトリプルコラボレーションが実現 - BEAMS

参考:【ベアブリック(BE@RBRICK)】高額ランキング TOP5公開!

参考:メタリックなペコちゃん&ミルキーの甘い香りがやみつきに!「シュウ ウエムラ × ペコ コレクション」を徹底解剖 - @cosme

「裏不二家の日」とブラックペコちゃんによるバイラル手法

清廉潔白なイメージを逆手に取った「ブラックペコちゃん」の成功は、不二家が自らのブランドイメージさえもネタにできる高度なユーモアと戦略性を持っていることを証明しました。

長寿キャラクターの最大の敵はマンネリです。「いつもの可愛いペコちゃん」だけではニュースになりません。そこで不二家は「不二家の日(2月28日)」の半年後にあたる8月22日を「裏不二家の日」と設定し、全身真っ黒なペコちゃんを登場させました。このダークファンタジーな世界観は、既存の「良い子」のイメージとの強烈なギャップを生み出しました。

2023年に開始されたこのキャンペーンでは、普段の明るい店舗がダークな雰囲気に包まれ、黒い衣装のペコちゃんが登場しました。この意表を突くビジュアルはSNSで瞬く間に拡散され、『販促会議』などの専門誌によれば、キャンペーン初年度(2023年)の売上は前年比258%という驚異的な数字を記録しました。

守るべきは守りつつ、時には自らを「闇落ち」させるような大胆な演出を行うことで、ブランドに強烈なインパクトと新鮮さを吹き込んでいます。

参考:ブラックなペコちゃん登場の「裏不二家の日」とは 「かわいい系」が苦手な客層も開拓 - Adver Times.

ファミリーマートとの定期コラボに見る新規顧客獲得

2020年代以降、戦略的に重要な意味を持つのがファミリーマートとの継続的なコラボレーションです。

ファミリーマートは「ファミマの二重マル」という品質方針を掲げ、老若男女あらゆる世代に受け入れられる商品を展開しています。その中で、75年以上の歴史を持ち全世代に安心感を与える「ミルキー」ブランドとのコラボは、理想的なパートナーシップでした。

公式ニュースリリースによると、両社はパン、スイーツ、アイスなど多岐にわたるジャンルでコラボ商品を展開し、ミルキーの練乳を使用した「白生コッペパン ダブルミルキー」などを市場に投入しました。

このコラボの意義は、日常的な動線上にあるコンビニエンスストアを通じて、不二家洋菓子店への来店頻度が低い層(若年層や男性層)との接点を創出することにあります。

消費者がファミリーマートで「ミルキー味」のパンやスイーツを手に取ることで、ブランドの想起率が高まります。ファミリーマート側は強力なIP商品で集客でき、不二家側は新規ファンを獲得できるという、相互にメリットのある構造が、このコラボレーションを長期化・定期化させている要因です。

参考:ファミマの白生コッペパンと不二家の「ミルキー」がコラボ! - PR TIMES

ペコちゃん事例に学ぶキャラを“ブランド資産”に育てる方法のまとめ

  • ペコちゃんは戦後復興期に「希望」を象徴する存在として誕生した。
  • 舌を出した表情は、お菓子の満足感と子どもの無邪気さを直感的に伝える設計だった。
  • キャラクターが先に存在し、その後に商品(ミルキー)が結びつく構造を取った。
  • 商品の中身(練乳)とキャラの由来(子牛)を強く結びつけ、一体化させた。
  • 店頭人形という物理的接点により、記憶と場所を結びつける体験を作った。
  • 不祥事の際には、企業と切り離された存在として顧客の感情をつなぎ止めた。
  • 復活の過程そのものが物語となり、ブランドへの信頼を再構築した。
  • 見た目の核を変えず、微調整だけで時代適応を続けてきた。
  • 物理体験とSNS拡散を循環させ、現代でも記憶に残る仕組みを維持している。
  • マスコットからIPへ拡張し、自ら価値を生み出す存在へ進化した。

ペコちゃんは、時代ごとに“新しく見せる”ことよりも、「変わらずそこに在り続けること」を選び、記憶・感情・家族の物語と結びつくことでブランドそのものになりました。

キャラクターを短期施策で消費するのではなく、時間をかけて信頼を積み上げる設計こそが、世代を超えて機能する“本当の資産”を生み出すのです。


キャラクターを「自社に合う見栄えか?」だけで作っても、顧客から受け入れられないことがほとんどです。なぜなら、ユーザーは多くの情報に晒されており、自分が興味を持つものしか見ないからです。興味を持つことは、共感したり何らかの感情的な刺激が必要になります。そのためには、キャラクターの人格や設定などが重要だということです。魅力的なキャラクターを作る要素などの「キャラクター作りのポイント」を「無料資料ダウンロードページ」で公開中です。ぜひ活用してみてください。



ショートアニメ(映像)・キャラクター(IP)企画・開発ならNOKID

株式会社NOKID(ノーキッド)はショートアニメ/アニメーションCMの企画・制作・SNSアカウント運用・プロモーションを得意とする東京の企画・制作会社です。キャラクターIPの開発・企画立案・制作からプロモーション企画立案・実施まで話題性を意識したサービス提供が可能です。



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