2024.10.01

2024.10.01

“空間性”を武器に!イラストレーター古弥月氏が描く立体感あふれる世界

クリエイターの取材を通して、プロとしてのマインドやノウハウを記録していく「NOKID CREATIVE LOG」のクリエイターインタビュー企画。

イラストレーターの古弥月氏は、"空間性と立体感を生かした背景描写"という強みを活かした作品作りで知られています。

幼少期から絵を描くことが大好きだった古弥月氏は、背景イラストを描く中で空間の奥行きや立体感を重視した技術を磨いてきました。ゲーム会社での経験を通じて得た空間表現の技術が作品に独自の深みを与えています。

また、背景だけでなく、キャラクターのかわいらしさや衣装デザインにもこだわりを持ち、インスタグラムなどを活用して、最新のファッションを研究し、細部までリアルな魅力を追求しています。

今回は、絵に奥行きを持たせたい、またはキャラクターデザインを工夫したいと悩んでいる方のために、古弥月氏の成功ストーリーをご紹介します。


ゲスト:古弥月氏
プロフィール 2020年よりフリーランスで活動しているイラストレーター。

【主な仕事経歴】ホロライブ所属AZKi (3rdデザイン) 担当、 絵師100人展13・14 プロジェクトセカイ カ
ラフルステージ! feat. 初音ミク レグルスMVイラスト‥その他多数

Ofiicial Site:https://xfolio.jp/portfolio/komizuki
X(旧Twitter):https://x.com/koh_rd
Instagram:https://www.instagram.com/komizuki_rd/

インタビュアー:iBerry 
ギタリストとしても活動。 NOKIDでは主に映像・楽曲のプロデュースを担当。

【主な仕事経歴】TM NETWORK「Whatever Comes」REC参加、COUNTDOWN JAPAN 23/24 設置の企業ブースにて演奏、Positive Grid Spark セミナー出演‥その他多数

X(旧Twitter):https://x.com/iberry_guitar
Instagram:https://www.instagram.com/iberry_guitar/
YouTube:https://www.youtube.com/@iBerryGYM1515

「特別なきっかけはない」幼い頃からの習慣がプロへの第一歩に?

絵を描くようになった経緯は?

iBerry:絵を描くようになったきっかけ・経緯を教えてください。

古弥月:描くこと自体は幼稚園の頃から自然とやっていて、遊びの一つとして取り組んでいました。それが小学校、中学校になっても続き、中学生の頃に「これは自分が本当に好きなことだ」とはっきり自覚しました。

特に何かきっかけがあったわけではなく、遊びとしてずっと続けていたものが、中学生になって特別好きなものだと固まった感じですね。

最初は何を描いていた?

iBerry:幼少期からずっと絵を描き続けていたのですね。現在の作品を見ると、人物の絵が多いように思いますが、当時から人物を描いていたのですか?それとも他のモチーフも描いていましたか?

古弥月:最初はロボットが多かったですね。ロボットアニメが好きで、小さい頃からメカを描いていました。それからキャラクターも一緒に描くようになり、中学生になるとキャラクターを描くことが多くなりました。その時ハマっていたものを描くようになっていった感じです。

ロボットを描いたのはアニメの影響?

iBerry:メカを描くきっかけはアニメだったのですか?

古弥月:そうですね。

iBerry:人物キャラクターを描くようになったのは、クラスの友達の影響よりもアニメの影響が大きかったのですか?

古弥月:はい。元々アニメやゲームが好きだったので、アニメやゲームの絵をよく描いていました。

iBerry:メカからアニメのキャラクター、人間を描くようになっていったのですね?

古弥月:そうですね。絵を描く対象が自然とキャラクターに移っていきました。

ゲーム会社で掴んだ、プロのイラストレーターとしての第一歩とは?

イラストレーターを目指すきっかけは?

iBerry:幼少期や中学生時代に絵を描いていた古弥月さんが、イラストレーターになるきっかけは何だったのでしょうか?

古弥月:中学生の頃に絵が好きだと自覚して、将来は絵を描く仕事に就こうと決めました。

高校、大学とその目標に向かって進み、就職活動でスマホゲームのイラストを描く会社に就職しました。これがプロのイラストレーターとしての第一歩でした。

iBerry:プロになる第一歩は、スマホゲームのイラストを描く会社に就職されたことだったのですね・・・!

古弥月:はい、そうです。

会社員からフリーランスへ!SNSを活用して新たな道を切り開いた方法とは?

会社員からフリーランスとして独立した理由は?

iBerry:現在は個人で仕事を受けられているようですが、フリーランスになったきっかけは何ですか?

古弥月:元々体が弱く、病気で会社に勤められなくなったのがきっかけでフリーランスになりました。

趣味で絵を投稿していたSNSのアカウントで仕事の募集を始めたところ、多くの人に見てもらえて、個人でも仕事をいただけるようになりました。

会社員からフリーランスに転向できて、順調に仕事を続けています。

会社員とフリーランスはどの部分が違う?

iBerry :会社に所属しているイラストレーターと、フリーランスのイラストレーターの方は、お仕事の仕方や働き方など、違いを感じるところはありますか?

古弥月 :そうですね、会社でイラストを制作する場合は、周囲のスタイルに合わせた仕事が多いと思います。

それに対して、フリーランスになってからは、自分の個性や特徴を強く出せる点で違いを感じています。

使っている空間や、奥行きを出す技術は共通していますが、個人の制作物では「色使いや自分の特色をより強調できる」という点で大きく異なります。

制作物の雰囲気作りに関しても、自分が「こうした方が、この作品の雰囲気をより引き出せるのではないか?」と、自身の思う方向に工夫できるところが、特に楽しさを感じる(会社員とは違った)部分です。

自分の好きな表現方法で、良い雰囲気を持つイラストを仕上げることができるのが楽しいですし、それが仕事の好きな部分でもあります。

SNSでの案件募集はいつから?

iBerry:SNSで、お仕事を募集するようになったのは、会社を辞められてからですか?

古弥月:はい、会社を辞めてから個人で仕事を受けるようになりました。

会社に勤めながら、個人の仕事を請け負おうと考えていた時期に、体調が悪化して会社を辞めることになり・・・。

兼業からスタートする計画は崩れてしまいましたが、ありがたいことに、順調に仕事をいただけるようになりました。

淡い色使いと奥行き感!自分の絵のスタイルを確立したきっかけとは?

作品に奥行き感を出す技術はいつ頃身につけたの?

iBerry :絵を拝見すると、とても奥行きがあって3Dのように感じられます。

古弥月 :「空間性」ですね!

iBerry :とても奥行きのある絵だと感じましたが、そのような強みを見つけたのはいつ頃でしょうか?

古弥月 :会社員時代にはゲームの背景イラストを描いており、背景が中心の業務でした。その際、先輩たちから背景の空気感や奥行き感の作り方を学びました。

この経験が、現在の個人制作の絵にも反映されていて、空気感や空間づくり、雰囲気作りが自分の強みにつながっていると思います。

パステルカラーが多いのはこだわりがある?

iBerry :絵を拝見していて、パステルのような淡くて綺麗な色合いが多いと感じました。淡い色合いを多く使用されるのには、何か理由がありますか?

古弥月 :これは完全に自分の好みです。私は特に淡い色使いのイラストが好きで、その好みが自分の中で確立しています。

中学生の頃に絵が本当に好きだと感じ、インターネットで公開されている絵やイラストを見ていると、色の表現に工夫があるイラストに惹かれている自分に気づきました。

その後、自分が好きなイラストをブックマークしたり並べてみると、どれも淡い色使いのものばかりが揃っていました。

これらの経験やインプットの積み重ねが、今の自分の好みとしてのアウトプットに繋がっているのだと思います。

描く空間・背景を決める方法は?

iBerry :先ほど「空間性」という言葉を使われていましたが、外の景色や四季(春夏秋冬)を意識しているのでしょうか?それは感覚的なものでしょうか?

それとも、ご自身の空間性をより強く表現するために、外の景色を選んでいるのでしょうか?

古弥月 :たまたま思い浮かんだネタを描いている感じですね。

じつは、ネタを考えるのが少し苦手なので「今はこの季節だから、それに合った絵を描こう」といった感じで、季節感を意識してネタを絞り出すことがあります。

そして、季節のモチーフや背景を使って空間を仕上げるといった流れで、身近なネタを拾って作品を構築しています。

作品のテーマが決まってからの流れは?

iBerry :絵のテーマについて、桜の花びらの中で女の子が何かしているシーンなど、いろいろなテーマがあると思います。

ネタがふわっと浮かんだ時点で、背景や女の子の服、表情などはすでに決まっているのでしょうか?それとも、描きながら徐々に変わっていくのでしょうか?

古弥月 :ある程度最初に構想を詰めるタイプですが、たとえば背景で描きたい景色が決まったら、それに合わせてキャラクターの服装やデザインを考えることが多いです。

ただ、描いている途中で「このままだと力不足だな」と感じることもよくあります。その場合、コンセプトに合わせて、キャラクターやシチュエーションに新しい要素を追加・調整したりしています。

最初に思い浮かんだ段階では要素が足りないと感じることが多いので、描いている途中で「この絵をもっと良くするためには何が必要か」と考えるフェーズが発生することがあります。

こうした工程を挟みながら、最終的な絵を仕上げています。

日常の観察から生まれる!キャラクター衣装デザインの秘密とは?

魅力的なキャラクター衣装のために参考にしているものは?

iBerry :キャラクターの衣装が本当にかわいいと思いますが、こうした衣装デザインは何か参考にしているものがあるのでしょうか?

例えば、アニメやインスタグラムの写真などを参考にしているのか、それともご自身でデザインを考えているのですか?

古弥月 :洋服のデザインは、実際のブランドの服をネットで調べたり、街で見かけたものを参考にしています。

こうして得たアイデアをストックしておいて、絵を描くときに「今回はこの引き出しからこの服を使おう」と選んでいます。

基本的には、好きなブランドをいくつか決めて、そのコーディネートをウェブサイトでチェックしたり、街で見た服を覚えておいて後で描くこともあります。

そうやって、常に引き出しを増やしている感じです。

キャラクターの表情はどうやって描く?

iBerry :キャラクターの表情についても、正面を向いているものや、少し横を向いたり上を向いたりしているものがありますが、こうした表情は感覚的に描いているのですか?

古弥月 :絵の雰囲気作りには意図があって、自分の絵の方向性としては、美少女絵っぽくない、一般向けに展開できるイラストを目指しています。

そのため、女の子の主張が強すぎないように、目線を外すことで、男性向けに偏らない絵作りを意識しています。

ただし、目線を画面に向けることは、イラストとして人の目を引く絶対的な強みです。

展示会用のイラストやメインビジュアルなど、特に注目してもらいたい場合は、画面に向けた目線を使って視線を引くようにしています。絵の狙いや目的に合わせて、目線や表情を計算しながら決めるようにしています。

「自分の価値を高めたい」イラストレーターとしての今後の挑戦とは?

作品作りに対するこだわりや変化のポイントは?

iBerry:最近の作品制作に関して、特に注力している部分や変わった部分はありますか?

古弥月:自分の絵のクオリティを上げることを目標にしていて、それをずっと続けています。色使いやキャラクターの描き方など、時期によって細かい目標が変わり、それを積み重ねていく感じです。

これから何に挑戦したい?

iBerry:今後の目標や挑戦したいことは何ですか?

古弥月:イラストレーターとしての価値を高め、多くの人に自分の絵を使ってもらいたいです。

最終的には個展を開いたり、アニメのキャラクターデザインを手掛けたり、ライトノベルの仕事を増やしたりして、自分のイラストを商業的にも価値のあるものにしたいです。

そのために、イラスト業界での活動を通じて自分の価値を高めていきたいと思っています。

iBerry:具体的な目標があって素晴らしいです!インタビューはこれで終わりです。ありがとうございました。

古弥月:ありがとうございました。


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