2025.08.08

2025.08.08

海外で注目された「天国大魔境」が日本のアニメファンに刺さらなかった原因とは?

「天国大魔境」をご存知でしょうか?この質問に、海外のアニメファンなら「Yes」と答えるでしょう。しかし、日本のアニメファンに同じ質問をしても、答えられる人は多くないかもしれません...。

海外アニメコミュニティで「今年最高の作品」と絶賛された傑作アニメが、制作国である日本では知る人ぞ知る存在になっている…なぜこれほど違うのでしょうか?作品の内容が問題でしょうか?それとも、ヒット作ほど宣伝されていないからでしょうか?

各投票サイトの結果を分析した結果、作品の質は高いと言えるため、たまたま海外で評価されただけとは考えにくいはずです。

つまり、大衆受けしづらい一部の人向けの内容である可能性と、話題性の確保に苦戦したことが影響している可能性があるということです。

そこで今回は、天国大魔境の日本と海外での配信戦略と、作品そのものの魅力は人気に影響しているのかを分析していきます。特に配信プラットフォーム選択の影響を考える上で参考にしていただけるはずです。

日本と海外のアニメ人気ランキングの分析は「日本と海外のアニメ人気ランキングを比較!評価される作品の違いをプロが分析」をチェックしてみてください。

なぜアニメ「天国大魔境」は日本・海外で人気度(評価)が違うのか?

出典:TVアニメ『天国大魔境』メインPV / 2023 4.1 ON AIR - YouTube

海外では「年間最優秀作品」で5冠も達成するほど話題でも、日本では人気ランキングトップ3入りに苦戦する…こんな不思議な現象が起きています。

それこそが、2023年春に放送された「天国大魔境」という漫画原作のアニメ作品です。日本と海外それぞれの評価を知るために、投票や口コミ評価の一部を比較してみましょう。

日本・海外での人気を比較:海外(グローバル)では圧倒的な高評価

まず、「天国大魔境」の海外での評価を見てみましょう。数字だけ見ても、その評価の高さは一目瞭然です。

出典:天国大魔境公式サイト

アニメランキングサイト「Anime Trending」で毎年開催される「Anime Trending Awards 2023」では、年間最優秀賞など5冠を達成しています。

参考:Tengoku-Daimakyo Wins Anime of the Year at 10th Anime Trending Awards - Anime Trending

参考:REVIEW: I Hate Science Fiction but I Like Tengoku Daimakyou - Anime Trending

参考:「Anime Trending Awards」にてアニメ オブ ザ イヤー(年間最優秀賞)受賞! ほか各部門で5冠達成 - 天国大魔境公式サイト

出典:MyAnimeList

アニメコミュニティ&データベースサイト「MyAnimeList」では、8.21/10点というヒット作並の高評価を獲得していました。

参考:Tengoku Daimakyou - MyAnimeList

出典:IMDb

世界最大級の映画やテレビ番組のデータベースサイト「IMDb」でも、7.9/10点という高評価です。およそ9,700人からの評価ということを考慮すると、如何に評価が高いかがお分かりいただけるはずです。

また、特に注目すべきは、海外のアニメファンによるレビューの熱量です。IMDbには熱量の高いレビューが投稿されています。

出典:IMDb

「I’ve never written a review on imdb, but I feel compelled to do so now because this anime is simply criminally overlooked.(IMDbでレビューを書いたことがないが、この作品があまりにも不当に見過ごされているので書かざるを得ない)」

引用:IMDb

他に影響力のあるイベントとして「クランチロール・アニメアワード 2023」が挙げられますが、本作品はディズニープラス独占配信となっているため、残念ながらノミネートされていません。

このように、海外(グローバル)での視聴者自身が直接作品そのものを評価した上で、推しの子を超えて複数の受賞も達成したほど圧倒的に評価されているのです。

参考:Tengoku daimakyô - IMDb

日本・海外での人気を比較:日本ではヒット作には届かず

一方、日本国内での状況は少し異なります。「日本と海外のアニメ人気ランキング」の記事で解説した通り、日本では放映時期にすらトップ3入りを果たせず、原作を知る人だけが知っているような印象となっています。

ただし、ランキングでは話題作に押されましたが、作品を視聴したファンからの評価自体は決して低くありません。以下の各投票サイトでの結果をご覧ください。

出典:みんなのランキング

みんなのランキング:2023春アニメ評価ランキング 4位(投票数7,493)Filmarks:2023年 春放送・配信アニメ おすすめ人気ランキング 5位

ただし、年間ランキング(2023年)でもトップ3までには入っておらず、海外ほどの圧倒的な評価とまではいかなった結果です。

出典:Filmarks

出典:FILMAGA

みんなのランキング:2023年アニメ一覧&人気ランキング! 6位(投票数21,392)Filmarks:FILMARKS AWARDS 2023 アニメ部門 7位2023年製作アニメ おすすめ人気ランキング 11位(おすすめ順)

参考:今年、最も話題を集めたアニメは?「FILMARKS AWARDS 2023」アニメ部門TOP10結果発表! - FILMAGA

円盤売上も話題作りにはつながっていない

また、商業的な成功を示す指標のひとつである「円盤の売上枚数」という指標で見ると、初動わずか600枚程度(ヒット作品では10,000〜20,000枚の水準)とも言われており、話題作りの面で苦戦した印象です。

・円盤売上は初動わずか600枚ほどと言われアピール材料にならず
・同時期の「推しの子」「水星の魔女」などに話題を持っていかれる

ランキングはサイトごとにバラバラであるため一概に人気度を判断することは難しいですが、この結果が示すのは「作品の質的には高評価だが、量的にはまったく届いていない」ということです。

こうした隠れた名作のような状況は、昔からよく見られることがありました。理由としては、宣伝活動の不足や大衆受けしないコアな作品だったなど、「宣伝の方法」と「作品の質」のどちらかが視聴者とマッチしなかったことが考えられます。

日本で円盤が売れなかったのに世界最高評価を受けた理由とは?

出典:Anime Trending

円盤が売れることが人気作品とは限らない

円盤が売れないアニメは、つまらないアニメだからという印象を持つかもしれませんが、天国大魔境が教えてくれたのは、売上と作品の価値は別物だという現実です。

これまで日本のアニメ業界では「円盤が売れる=人気作品」という考え方が当たり前でした。1万枚売れれば大成功、5000枚なら合格点、1000枚以下は失敗作などの基準ですべてが決められてきたのです。

ところが天国大魔境は、この常識を完全に覆した事例のひとつです。この背景には、2つの大きな変化が関係しているかもしれません。

変化1:お金の稼ぎ方が変わった

Netflix や Disney+ などの配信サービスが普及し、円盤以外でもお金を稼げるようになりました。大手配信会社は、作品の配信権に対して従来の円盤収入を大きく上回るお金を払うようになったのです。

変化2:評価する場所が世界に広がった

海外のアニメ評価サイト(MyAnimeList・IMDbなど)が大きな影響力を持つようになりました。これらの評価は、日本の円盤売上とはまったく違う基準で行われています。

他にも、ストリーミングプラットフォームとソーシャルメディアなども普及したことで、世界中の視聴者と直接関わることが可能になり、口コミによる急速な広がりが生まれるようになりました。

こうして世界中でアニメが見られる時代になった今、従来の「日本で円盤が売れる=良いアニメ」という考え方だけでは通用しなくなっているのです。ただし、円盤の売上については認知度や話題性などを判断するひとつの指標としては今後も参考にできるのではないでしょうか。

個人的な見解としては、ディズニープラス独占配信によって国内での認知度が上げづらくなってしまった(原作ファンにしか観られない)ことが特に影響しており、これは「大ヒットよりも原価割れを防ぐこと」を優先した戦略があったのかもしれません。

参考:The Impact of Cultural Code on Communication Promotion of Japanese Animation in the USA - iafor

日本で人気獲得に苦戦した理由を分析

映像の質が高いにもかかわらず日本での反応が限定的だった理由は、タッチポイントの少なさ=限定的な配信先だったこと、作品の認知度アップと興味を持ってもらう宣伝活動の不足にあると筆者は感じています。

もちろん作品自体が観る人を選ぶ印象があるとも感じていますが、この場合は国内・海外という括りよりも、人それぞれの趣向の話なので一概に言えないと考えました。

ただし、漫画原作では「このマンガがすごい!2019 オトコ編」で1位を獲得しており、物語(ストーリー)の評価・質も決して悪いわけではないことは証明されています。

出典:Googleトレンド

まず、Google検索トレンドでは、「天国大魔境」は「鬼滅の刃」の10分1程度と大きな差がある通り、そもそも作品自体がヒット作になるほど知られていないことは明らかです。

作品を知る人からの内容面での評価と映像品質は高かった点と、認知度が不足していた点を考慮すると以下のことが見えてきます。

ディズニープラス独占配信だったことで…

1.作品とのタッチポイントが少ない
=作品を知ってもらう機会が十分に得られない

2.ディズニープラスに新規加入する必要性
=原作ファンや熱狂的な人にしか視聴されづらい

このように、タッチポイントがなくて視聴できていないユーザーがほとんどで、結果的に認知度も上がらなかった点が日本と海外で結果を分けたと言えそうです。

参考:【インタビュー】『このマンガがすごい!2019』オトコ編第1位! 石黒正数『天国大魔境』 探偵脳発動!「この第1位は本物か!?」

視聴したいと思わせる仕掛けが不足?

出典:天国大魔境公式サイト

作品のストーリーにおいては、約束のネバーランドやメイド・イン・アビスのように、雰囲気の近いジャンルでも過去に話題作となった実績があることから十分なポテンシャルは感じます。

しかし、本作品のように質は高いのに選ばれていないのは、ぱっと見の派手さがないこともあわさり、作品自体に興味を持ってもらう対策が不足していたと言わざるを得ないでしょう。

単に露出を増やせば良いのか?と言えば、現代では少し足りないかもしれません。

興味を持ってもらう施策としてYouTube無料公開なども行われていたものの、その取り組み自体のPRが必要だったかもしれません。具体的には、ショート動画の活用で一部を見せて本編に誘導することや、ファンの感想をインタビュー形式で見せるなどの「今に合ったPR戦略」も組み込んでいくなどです。

では、次に配信先プラットフォームの選択が人気視聴者に作品を知ってもらう際に与える影響を考えていきます。

天国大魔境とは?海外を魅了したアニメの内容を分析

天国大魔境はどんな作品?

天国大魔境は、石黒正数による漫画を原作とした、Production I.G制作のアニメ作品です。2023年4月から6月にかけて全13話で放送されました。

原作者石黒正数
制作会社Production I.G
監督森大貴
放送期間2023年4月〜6月
話数全13話
配信プラットフォームDisney+独占
参考:天国大魔境公式サイト

作品そのものの魅力:2つの世界を描く独特な物語

天国大魔境の最大の特徴は、2つの異なる時間軸と舞台を並行して描く複雑な物語構造にあります。

第一の物語:荒廃した外の世界

文明が崩壊してから15年後の日本。キルコとマルという二人の主人公が、「天国」と呼ばれる場所を探して荒廃した世界を旅します。この世界には「人食い」と呼ばれる謎の化け物が生息しており、人々は常に危険と隣り合わせで生活しています。

第二の物語:壁に守られた学園の日常

一方、美しい壁に囲まれた施設では、トキオをはじめとする子供たちが平和に暮らしています。彼らは外の世界を知らず、ロボットに管理されながら学園生活を送っています。しかし、ある日トキオは「外の外に行きたいですか?」という謎のメッセージを受け取ります。

参考:STORY - 天国大魔境公式サイト

作品そのものの魅力:Production I.G.による圧倒的クオリティ

「天国大魔境」が評価される理由の一つは、制作スタジオProduction I.G.による圧倒的な技術力です。「PSYCHO-PASS」「攻殻機動隊」などのSF作品で培ったノウハウが存分に活かされ、美しい背景画とキャラクターアニメーションを実現しています。

海外のレビュー(IMDb)では、以下のような評価も見られました。
From the first episode, what immediately caught my attention was the stunning animation and artwork-both are breathtaking in a way that’s hard to put into words.(第1話から言葉では言い表せないほどのアニメーションとアートワークでした。)」

物語の面で課題となりそうな点

では、評価が高かったとはいえ、作品自体に問題はあるのでしょうか?原作を読む人は、もともとそのジャンルや描写に慣れた人、または好む人が必然的に多くなります。

そのため、作品のストーリーは大衆受けするのか?という視点で課題となりそうな点を考えてみましょう。

1.心理的な距離感

荒廃した東京の描写は、実際に自然災害を経験している日本の視聴者には「起こりうる現実」として重く感じる人もいて万人受けしづらいと言えます。

特にファミリー層には少し距離のある内容で、エンターテイメントとしての距離感を保ちにくい設定です。

2.ストーリーの複雑さ(文化的な理解)

日本のアニメファンは、仕事や勉強で疲れた時に「気軽に楽しめる娯楽」を求める傾向があります。これは他の記事でも触れていますが、日本を含むアジア圏では日常系のような気軽なジャンルが人気を集めやすい傾向にあります。

天国大魔境のように考察が必要な構造は、ながら視聴には向かない(コアファン向け)ため、国内では新規層を取り込む点でハードルがあるかもしれません。

3.ジェンダー・差別テーマに対する意識

キルコは作中で「男でも女でもない」と語るなど、ジェンダーテーマに扱っています。この点はまだ賛否が分かれる可能性があります。

そして、自分もそうなってしまうかもしれない人喰いが差別されるような構造も、誰でも楽しめるとは言いづらいかもしれません。

つまり、作品の内容として好みが分かれやすい可能性が高く、日本では話題作に注目が集まったことで認知度を集めづらくなったことが考えられるでしょう。

海外で絶賛されたアニメ「天国大魔境」が日本で埋もれる配信戦略の闇

出典:一緒に観る、しあわせを。心つながるディズニープラスへ。|30秒CM|Disney+ (ディズニープラス) - YouTube

ディズニープラス独占契約は失敗?

天国大魔境の認知度格差を生み出している最大の要因は、前述の通りディズニープラス独占配信という配信戦略にあると筆者は考えました。

もちろん、大ヒットを狙ってむやみに配信先を広げるよりも、黒字化を優先して独占配信とする考え方もビジネスにおいて重要なため、どちらが正しいなどの話ではありません。

しかし、独占配信と個別課金の構造では、制作サイドとプラットフォームサイドの利益は確保されますが、興味を持った視聴者の利便性は完全に後回しにされてしまいます。

ディズニープラス独占配信の問題点

配信戦略の問題は、前述の通りアニメファンに視聴してもらうことを完全に無視している点にあります。これは作品の質とは関係なく、作品を埋もれさせてしまうことにつながってしまいます。

利用者数を見ても、AmazonやNetflixが一般的と言わざるを得ないため、それらの配信先で作品を配信しなければ、新しい視聴者との接点や認知度を確保することは容易ではありません。

Disney+の利用者数は、世界全体で1.57億人(2023年1-3月期)となっており、海外の普及率は非常に高いと言えます。

出典:THE WALT DISNEY COMPANY REPORTS SECOND QUARTER AND SIX MONTHS EARNINGS FOR FISCAL 2023

日本国内限定の正確な人数は明らかになっていませんが、Media Partners Asia(MPA)の子会社で、UK Mediatel Media Research Awards「Best International Video Media Research Award(2023年/2024年)」を受賞している調査・分析会社AMPDの分析によると、2023年の時点で「Amazonプライムの加入者数は1,860万人」、「Netflixは810万人」、「Disney+は380万人」と推定されています。

さらに、ナイル株式会社の調査した動画配信サービスの利用比率も見ると「Netflixの半分程度」と考えられるため、Disney+の利用者数は380万人程度(2023年時点)と考えて良いでしょう、

海外での成功要因
・Disney+の普及率が高く、アクセスしやすい環境
・「隠れた名作を発見する」文化が根づいている
・独占配信でも「話題の作品」として認識される

日本での失敗要因
・Disney+の普及率が相対的に低い(Amazon Prime、Netflix、U-NEXT中心)
・主要プラットフォームにない作品は「存在しない」扱い
・話題性がないと「わざわざ観に行く」動機が生まれにくい

これらの数字が意味するのは、Disney+独占配信=日本アニメファンの多くが視聴困難という問題です。単純に国内でのDisney+利用者が他プラットフォームに比べて少ないだけでなく、本作品とのミスマッチも考えられます。

ディズニープラスの主要ユーザー:ファミリー層、ディズニーファンが中心になりやすい

実際、Disney+のことは多くの人が「ディズニー作品を観る人が加入する」と考えがちであり、ディズニー以外のアニメを中心に視聴する人にとっては、取扱アニメ作品の多い他プラットフォームを優先するはずです。

視聴ハードルを生むと口コミが増えない

そして、視聴する人が増えづらければ口コミも増えないため、悪循環になってしまうのです。SNSの投稿という形での口コミまで増えなければ、「話題になっている作品」という印象を持たれることもなくなってしまうでしょう。

その結果、原作ファン以外の新規視聴者が興味を持つきっかけが減ってしまい、ヒット作になるチャンスを逃してしまうことにつながります。

このように、Disney+による独占配信の結果、制作側は独占による多額の配信料が入る代わりに、ファンに届きづらいというハンデを抱えてしまったことは、話題作となる機会を自ら減らしたことにもなったのではないかという見方ができます。

参考:利用中の動画配信サービス、Top3は「アマプラ」「Netflix」「ディズニープラス」/ナイル調査 - Markezine

競合作品との話題性の比較

2023年春アニメは激戦区でした。特に以下の作品が圧倒的な話題性を獲得したことで、不利な状況だったと言えます。

推しの子:ABEMAで「歴代アニメ作品No.1の視聴者数」を記録
機動戦士ガンダム 水星の魔女:ガンダムブランドによる安定した人気
鬼滅の刃 刀鍛冶の里編:社会現象クラスの知名度

「天国大魔境」は質的には同等以上の評価を受けながらも、これらの「話題になっている作品」の前では埋もれざるを得ませんでした。

この事例を今後のアニメ作品の宣伝に活かすには?

天国大魔境は、アニメ業界の古い常識に疑問を投げかけ、変化への対応の必要性を表した重要な事例なのです。円盤が売れず国内で話題にならなくても、海外で大きな影響を与えるほどのポテンシャルがあれば国内でも配信方法を見直せば人気になる可能性を秘めているのです。

もちろん、文化的な違いによって作品自体が国内、または海外で受け入れられないケースもあるため、視聴者の評価と認知度それぞれの視点から効果的な策を導く必要があります。

従来の「売れる作品」だけでなく、「愛される作品」「議論される作品」「文化に影響を与える作品」も、等しく価値のある成功なのです。重要なのは、多様性を認識して、それぞれに適した戦略を立てることです。

世界中でアニメが見られる時代の文化的多様性は、むしろ大きなチャンスです。作品自体の魅力を上げることばかりではなく、受け入れられるエリアや視聴者が他にいないかも考えていきましょう。

天国大魔境が海外で大人気になった理由についてのまとめ

ここまでのポイントをまとめます。

  • 日本で売れなくても海外で評価されたアニメの事例である
  • 日本では評価が低いわけではなく認知不足
  • 海外と日本では文化的な受け取り方に違いがある
  • 視聴者の心理的な距離感が作品への共感や評価を左右する
  • ジェンダーやアイデンティティというテーマが欧米では評価された
  • 円盤売上と作品価値の関係性が変化している(=売上≠価値)
  • 配信サービスの台頭により収益構造が変わった
  • Disney+の独占配信によって制作側の利益確保と視聴側の視聴機会の減少が起こった
  • 制作会社の技術力とブランド力が世界評価を支える武器になった

「天国大魔境」は、アニメ企画・制作におけるグローバル展開のヒントが詰まった貴重な成功事例です。

国内売上では目立つことのなかった作品が、文化的・視覚的・物語的な魅力によって、海外で熱狂的に支持されました。これは、地域によって評価が変わることや、作品に触れやすい状況を作ること、そして作品の存在を知ってもらうことの重要性を意味します。

アニメ作品の海外展開や国内でのヒットを狙う際には、作品の制作品質だけでなく、配信先や知名度を上げる方法についても重要視して進めていきましょう。

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