漢那 徳馬
株式会社NOKID 代表取締役。 ショートアニメを主軸に映像制作やグラフィックデザインを手がける制作会社を率いる。 VALORANT YORU TYPICAL DAYS 映像、初音ミク×セブンプレミアム15周年映像制作、倖田來未 -「100のコトバ達へ」など、アニメーションを主軸としたPVやMVの領域で幅広いプロジェクトやコンテンツをプロデュース。
いつもどおり鏡を見るだけで、自分の目の前にキャラクターが現れて同じ空間を共有できる...しかも、手を振ればキャラクターが反応してくれる...こんな「“会えた”実感を得られる」夢のような鏡があるのを知っていますか?それこそが、株式会社Peili(代表取締役:新山聡)の次世代ミラー型ディスプレイ「mirrafy(ミラフィ)」です。
mirrafyの優れたところは、ふつうの鏡として自然に使える鏡像品質と、鮮明な画像を表示できる独自の高効率光学設計です。もちろん省エネで薄型、明るい環境でも高い視認性まで確保されています。センサーとリアルタイム処理を組み合わせた鏡像ARによって、従来のデジタルサイネージでは決して味わえなかった「いつでもキャラクターと一緒にいるような体験」が味わえます。
店舗DXや空間演出において、デジタルサイネージを活用することは重要な戦略のひとつですが、ただ従来のモニターと同じように映像コンテンツを流すだけでは、このような効果を得ることは難しいでしょう。
これまでの常識であれば「ディスプレイである以上、同じ広告映像を放映するしかない」と考えてしまいますが、従来のサイネージとは異なり、mirrafyのようなミラー型ディスプレイでは、自分と同じ空間を共有しているという「没入感のある体験設計(ユーザーへの反応)」も不可欠になります。
だからこそ、次世代ミラー型ディスプレイ=mirrafy(ミラフィ)を「ただの新しい表示デバイス」だと勘違いしないでください。実際は、鏡像としての品質と鮮明な画像表示を両立させ、リアクションなどのインタラクティブ(双方向)な要素を取り入れる工夫をしない限り、真の意味でのキャラに会える体験は得られないからです。
そこで今回は、株式会社NOKID 代表取締役 漢那徳馬が、次世代ミラー型ディスプレイ「mirrafy(ミラフィ)」を開発・展開する「株式会社Peili 代表取締役 新山聡」氏に、サービスを実際に体験させてもらいながら魅力をお伺いしました。
| 株式会社Peiliについて2024年10月に設立された株式会社Peiliは、AGC株式会社の事業開拓部門からカーブアウトで生まれました。事業共創カンパニー株式会社Relicとも連携しながら、エンターテインメントの分野と、オフィス内の分野(次世代受付システムなど)を中心にmirrafyの可能性を追求しています。 |

出典:株式会社peili
漢那:本日はよろしくお願いいたします。まず最初にmirrafyはどんなサービスですか?
新山:mirrafyは鏡として今居る空間を背景として自然に映しながら、キャラクターをその背景に重ねて、人の位置や仕草にリアルタイムで反応させる鏡像AR型の映像ロボットに利用することができます。単なる映像ではなく、キャラクターが mirrafy を見ている方と同じ空間に正に居る体験を提供できることがポイントです。

※NOKIDが実際にmirrafyを体験した時の様子を撮影
漢那:スマホのARやヘッドセットのMRと違い、インターフェースが日常に普段からある鏡というのもあって説明不要ですぐに体験できるのですね。
新山:誰もが毎日使う鏡は、その場の現実が背景となるため、映像のような合成感が出にくいのが特長です。鏡を見る際、人は自然に視線の焦点を鏡の表面からの表示と背景となる鏡像の奥行き方向に切り替えることで、奥行きと実在感が生まれます。
漢那:技術の肝はどこでしょう。なぜそんなに馴染むのか、気になります。
新山:それは光学設計にあります。従来は「鏡らしさを上げると表示が暗い」「表示を明るくすると鏡が暗い」というトレードオフがありました。mirrafyは、ミラー型ディスプレイ用に特化した光学設計により光利用効率を高めることで、鏡として普通に使える状態を保ちながらコンテンツも鮮明に見えます。さらにその光利用効率の高さから省エネ・低排熱であることから薄くできるため、設置の自由度が高まります。

※NOKIDが実際にmirrafyを体験した時の様子を撮影
漢那:確かに普通の室内用液晶ディスプレイのレベルであって、LEDディスプレイのような熱が発生していませんね。ちなみに大きさの種類はいくつあるのですか?
新山:サイズのラインナップはミラーの対角が17〜79インチを用意しており、10インチ前後の小型品も準備中です。
漢那:結構幅広いサイズで展開しているのですね..!!今見ているこれもそうですが、LEDディスプレイと比較すると馴染み方がまるで違ってみえるのは驚きです。
新山:表示されるキャラが見ている方と同一の現実の背景に同居することから、同じ空間にいる感覚が立ち上がります。深度カメラによって鏡の前の人の位置を捉えてキャラを逐次描画(Realtime rendering)することにより、キャラが見ている方と視線が合うように動きますので、正に「生きているかのような実在感」も創出します。また見慣れた鏡による背景は、距離感の出方が自然になります。
漢那:日々の生活に溶け込んでいる鏡だからこそ、その空間に自然に溶け込むような存在であることは興味深いです。
新山:そうですね。また鏡は、タッチセンサーでは実像と鏡像の二重で汚れてしまうため、触らなくても操作可能なモーションコントロールなどの非接触UIもデモ機には導入してお客様に操作感をお聞きしています。。
漢那:もう少し具体的な活用シーンについてもお聞きしてよろしいでしょうか。
新山:AGC社からのカーブアウトと前後して、VTuberのリアルイベントにおいて mirrafy を活用していただきました。イベント後にファンが推しと1対1で会える、1 on 1 コーナーは特にお客様から好評でした。距離や動きに反応するので、「会った実感」が残ります。
実際に撮って見るとわかるのですが、お客様が鏡像としてVtuberと記念写真を撮ることで、空間を共有して自然に並んでいるような構図を写真に残すこともできます。

※NOKIDが実際にmirrafyを体験した時の様子を撮影
漢那:3Dアバターを使えば、ライブのように動かすことも可能でしょうか。
新山:可能です。モーションキャプチャをつないでリアルタイムに動かせます。モーションデータから映像ロボット側でキャラを描画する際に背景を鏡像とするのが鏡像ARの肝で、キャラだけを鏡面上に表示します。

出典:株式会社peili
漢那:ちなみに法人側の活用はいかがですか。例えば受付や店舗、展示での活用もありそうだと思いました。
新山:たとえば、本日来ていただいたAGCの横浜テクニカルセンターでは、入場ゲートで安全啓発を自動化しています。
今月の安全スローガンをキャラクターが伝えたり、歩行時の注意を促したり。ウイークリータイマーでの自動起動とシャットダウンと共に、最新のインターフェースではサーバーを介した机上からの音声差し替えの運用も可能となっています。
漢那:受付の最初の案内を担って、人が必要なところから有人対応に切り替える、といったハイブリッドも現実的ですね。
新山:そうですね。生成AIによる音声による対話は、音声認識と音声合成のレイテンシやテンションの設計がまだ難しい場面もありますので、“最初の声掛けはプリセット、その後の会話は有人での対応が現時点では現実的なバランスではないかと思います。非接触かつ視線誘導による「実在感」は、離脱率の低減に効きます。
漢那:他には例えば、子ども向けイベントとの相性はどうでしょう。
新山:子供向けの相性は大変良いです。カーブアウト前に実施した大阪での小中学生対象の科学技術イベントでは、子どもたちが行列になりました。
漢那:ホテルやミュージアムのような場所での壁掛け常設も、体験の入口になりそうですね。
新山:そう思います。チェックインでウェルカム、館内回遊の誘導、イベント時は持ち出しといった二段活用がしやすいですね。mirrafyは薄型で省エネ、かつ移動が容易なキャスター付きスタンドへの実装が標準となります。仮に表示がない状態でも日常的な鏡ですので、“普通の部屋”に置けることが導入の後押しになります。

出典:株式会社peili
漢那:mirrafyの良さは、ハードを売って終わりではなく、体験全体を一緒に設計できるところにあると感じています。制作の流れを、ざっくりご説明いただけますか。
新山:まず、何を伝えたいか(目的)とどんな体験にしたいか(シーン)を整理します。
次に、鏡面品質/サイズ(17〜79インチ)/表示領域/輝度などハードの仕様を決めます。並行して、キャラクター設計(2Dからの3Dモデリング/VRMファイル準備)、ロボットアプリの制御、センサーとの連動仕様を詰めていきます。
鏡像背景にキャラだけを重ねる”前提で、視線・距離感・身振りの見え方”に関するパラメーターを調節していきます。
漢那:仮に、3Dモデルを新規で作る場合もご相談可能ですか?その場合期間の目安はどれくらいでしょう。
新山:2Dデザインの難易度によりますが、2~3ヶ月程度を見ていただくのが安全です(モデリング→リグ→動作確認)。
お客様が既にVRM形式の3Dモデルをお持ちであれば、そちらのご利用も可能です。映像ロボットの音声は、サーバーの専用サイトから入力や更新を行うことができます。

出典:株式会社peili
漢那:ありがとうございます。音声や演出もネット上または現場で回せるのですね!音声を机上で完結させたいという相談が多いのは、私も感じています。
それと、絵作りで工夫できるポイントがあれば、ぜひ知りたいです。具体的には、どのような点に注意すれば良いでしょうか?
新山:非接触UIの核となるのは、深度カメラでの位置情報認識からの視線誘導とモーションキャプチャーを介したキャラクターの任意操作です。
ユーザーが直感的にキャラクターの「実在感」を理解できるよう、「視線を合わせるようにキャラが自然に体の向きを変える」「手を振ると振り返す」といった、“判り易い”インタラクションを徹底的に追求します。ユーザーが説明書を読むことなく、自然にデバイスに接することで操作できるようになることを目指しています。
またモーションキャプチャー技術については、モーションデータのみをサーバーを介して映像ロボットアプリに伝送、 mirrafy 側で高解像度(通常4k解像度)の映像を描画することにより、高解像度の映像伝送で課題となりやすい伝送遅延の問題を大きく改善しています。
新山:映像ロボット以外の mirrafy デモ用アプリにおいても、深度カメラやリープモーションを利用した非接触UIを基本と考えています。鏡面の利用を前提としてキャラクターやオブジェクトの配置、そしてラインオブサイト(視線)を非常に丁寧に調整することが成功の鍵となります。
例えば、キャラクターがユーザーと自然にアイコンタクトを取れるように配置したり、特定の情報にユーザーの視線がスムーズに誘導されるよう、デザイン上の工夫を凝らすことが重要です。
これにより、ユーザーは鏡面に映し出されたデジタルコンテンツを鏡像の背景に重ねて、鏡像ARの映像効果よる没入感を体感できます。
漢那:カメラによりユーザーの情報を取得するとなると安全配慮やプライバシーは気になるところですが、どのように対応されてますか。
新山:直接のカメラ映像は保存されることはなく、深度カメラの距離情報から抽出するボーン配置からユーザーの位置情報を取得します。ミラーの背面に顔認証カメラを配するデモもありますが、基本ローカル処理での口角の位置情報の取得のみが参照されます。一方、非接触であること自体は衛生・安全に寄与すると思います。
漢那:ありがとうございます!非常に興味深いです!
こちらを実際のお願いしたい!となった場合は、どう進めていくのでしょうか?
新山:mirrafy 単体については、用途/期間/台数/コンテンツの有無を確認したあと、販売またはレンタルでの個別見積もりになります。
レンタルの場合、半年〜年契約で定点設置いただくと日額費用を抑えられますのでお勧めしています。お客様の必要頻度によりますが、必要時に持ち出しされる方が、費用対効果が運用安定性と共に高い場合があります(輸送・組立は別途)。
漢那:ちなみにキャラクターIPとのコラボの可能性はどうお考えでしょうか。
新山:“会える演出”との相性が高いので、ファンコミュニティや観光地、ホテル・商業施設と組むのは効果的な集客や交流人口の拡大に繋がりますね。
常設×期間イベントの設計がしやすいのも、導入後の近接での移動は容易なmirrafyならではです。

出典:株式会社peili
漢那:研究開発の話題も、ぜひお伺いしたいです。
新山:現在、鏡像体験と創造性の関係を探っておられる大学が取り組んでいる、短時間の鏡像体験が思考や感情に与える影響についての研究に協力しています。
たとえば、数分間 mirrafy に投影される特殊な映像の体験によって発想が変わったり、創造性が刺激されるといった仮説ですね。
イマーシブ空間のような大掛かりな施設を作らなくても、日常の鏡として設置できることから、長期・反復での検証ができるのが強みです。
漢那:そうなると教育・医療・ウェルビーイング分野へも広がりそうですね!
新山:そう思います。身体性のある対話や自己効力感の支援など、鏡というパーソナルなメディアならではの可能性があります。
もちろん、倫理・プライバシーには最大限配慮してご提案いたします。
漢那:最後に、初めてmirrafyを知った方へ何かメッセージをお願いします。
新山:ご自宅に少なくとも1枚はお持ちであろう鏡は、お客様やお客様の周縁を映すメディアです。mirrafyは、高品質な鏡像に視認性の高い画像を重畳させる鏡像ARを実現します。多様なセンシング技術と連携して、パーソナルな利用から受付や推しとの対面まで、様々な場面で新しい体験を提供します。
「どこで、誰に、何を感じてほしいか」をご相談いただき、まずは小さく試して、大きく広げていきたいですね。
漢那:本日はありがとうございました。鏡の中で会うのが当たり前になる未来を、楽しみにしております。
mirrafyを見てまず言えるのは、これは「広告を見せる表示画面」とは大きく異なり、「その場の人の行動を変える装置」だという点です。
デジタルサイネージは、通行人に“見る”ことを求めます。一方で、今回のミラー型ディスプレイ mirrafy は違います。
人は鏡の前に立つと、姿勢を正し、顔を見て、自然に立ち止まります。ここにキャラクターや案内を重ねると、情報が体験として入ってきます。怖いのは、これが人の警戒心を飛び越えて入ってくることです。
ただの映像は「観るだけ」でしかありません。ですが、キャラに会えた実感を得られることを考慮すると、IPとファンの深い関係構築の方法も大きく変わってくるのかもしれません。
ブランドとキャラクター(IP)コラボは、これまでパッケージなどの装飾中心でした。しかしmirrafyを活用していくことで、IPは「接客の役割」も持つことになります。
入口で迎えたり、注意喚起をするといった“スタッフの仕事”を担うようなコラボも検討できるでしょう。
ただし、ここで成功する条件は単純ではありません。ファンは特に敏感です。好きだからこそ、雑さを許しません。
世界観を壊さない配置、距離感の自然さ、ラインオブサイトの調整、声のテンション、操作の分かりやすさなど、今まで以上に考えるべきことは多くなります。
愛されるIPほど、運用の手抜きが致命傷になります。コラボは「運用を続けること」まで含めて設計する必要があります。
今回の取材結果をまとめてみます。
mirrafyは、ただの新しいディスプレイではありませんでした。日常の「鏡」というインターフェースを活かしながら、物理的な接触なしにキャラとのコミュニケーションを可能にする多くのビジネスで応用できるデバイスです。
没入体験を軸にした体験設計によって、従来の広告・接客・教育など、あらゆる場面で新たな価値を創出しており、今後がとても期待できるのではないでしょうか。
具体的な相談は、mirrafyのサービスページをご確認ください。
| 取材・編集:株式会社NOKID(インタビュアー:代表取締役 漢那 徳馬) 協力:株式会社Peili(代表取締役 新山 聡) 製品・導入の詳細はこちら:mirrafy|株式会社Peiliサービスページ |
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漢那 徳馬
株式会社NOKID 代表取締役。 ショートアニメを主軸に映像制作やグラフィックデザインを手がける制作会社を率いる。 VALORANT YORU TYPICAL DAYS 映像、初音ミク×セブンプレミアム15周年映像制作、倖田來未 -「100のコトバ達へ」など、アニメーションを主軸としたPVやMVの領域で幅広いプロジェクトやコンテンツをプロデュース。