2025.05.15

2026.10.04

『ファンタジーもリアルの延長線上にある』——イラストレーターZinbeiが描く、想像を超える世界

クリエイターの取材を通して、プロとしてのマインドやノウハウを記録していく「NOKID CREATIVE LOG」のクリエイターインタビュー企画。

漫画家・イラストレーターとして活動するZinbei氏は、日常の一瞬を丁寧にすくい取り、どこか懐かしく、それでいて新鮮な魅力を持つ作品を数多く描いています。

同氏の描くイラストや漫画には、写真のようなリアリティと、空想のエッセンスが共存し、見る人の記憶や感情を優しく刺激します。背景の細部、キャラクターの何気ない仕草からも、日々の生活の中で受け取ったインスピレーションが静かに息づいており、見る人に“自分ごと”のような感覚を呼び起こします。

もともとは会社員として働きながら、同人活動やSNSでの発信を続けていたZinbei氏。継続的な創作が編集者の目にとまり、現在は商業連載を手がけるプロの漫画家として活躍しています。

今回は、原作と作画の両方をこなし、リアルとファンタジーの間を描き続けるZinbei氏に、創作への想いや今後の展望についてお話を伺いました。

Zinbeiさんアイコン
ゲスト:Zinbei氏
漫画家・イラストレーター。民俗学と生き物と映画が好き。

【主な仕事経歴】2023年『ティアズマガジン144』表紙イラスト担当 ・2024年『現代民俗学入門』特別カバーイラスト担当 ・漫画『酒と鬼は二合まで』原作:羽柴実里 作画担当 やわらかスピリッツにて連載中‥その他多数

Official Site:https://xfolio.jp/portfolio/zinbei
X(旧Twitter):https://x.com/zinbei_info
iBerry_newicon
インタビュアー:iBerry 
NOKIDでは主に映像・楽曲のプロデュースを担当。

【主な仕事経歴】小室哲哉氏プロデュースユニット「OVAL SISTEM」ギタリスト・マイメロディ「めろめろ♡マイメロディ」作詞協力・TM NETWORK「Whatever Comes」REC参加‥その他多数

Official Site:https://lit.link/iBerry
Zinbei氏イラスト01

絵の原点は、セーラームーンのジャケット模写から

iBerry:まずはZinbeiさんが漫画やイラストを描き始めたきっかけについて教えてください。

Zinbei:最初の記憶は、「セーラームーン」のCDジャケットのイラストを真似して描いていたことですね。キャラクターを自分で考えて、セリフをつけて物語を作る…そんな遊びが原点でした。

iBerry:すでにイラストと並行して物語も作られていたんですね…!すごいです!

祖父の言葉がくれた、“自由に描く”という感覚

iBerry:絵を描かれる中で印象的だった言葉はありますか?

Zinbei:美術教師をしていた祖父に、塗り絵をしているとき「模写じゃなくて、自分の思うままに描きなさい」と言われたことがあって。そのときは「えーっ?」って戸惑ったんですけど(笑)、歳を重ねるうちに、その言葉の意味が少しずつわかってきたんです。

iBerry:自由に描くって、実はすごく難しいことですよね。

Zinbei:本当にそうなんです。中学3年から高校1年くらいのときに美大を目指し始めて、思い通りに描くためには“うまく描く”技術が必要なんだって痛感しました。

「描きたい」と「うまく描きたい」のはざまで

iBerry:美大の受験って、やっぱり“うまさ”が評価される世界なのでしょうか?

Zinbei:自分らしく描きたいのに、技術が足りないと理想の世界を表現できない。そのギャップに悩んで…大学に入ってからも4〜5年は、“うまさ”と“自分らしさ”のバランスに迷い続けました。

転機はコミティア。そこから始まった商業の道

iBerry:その悩みの中で、イラストレーターとして転機になった出来事はありましたか?

Zinbei:やっぱりコミティアですね。イベントで編集さんに声をかけていただいて、後日メールをもらい、それが商業漫画デビューにつながりました。その後は隔週20ページの連載も始まって、ついには会社を辞めてフリーランスに。今は『酒と鬼は二合まで』の作画を担当しています。

酒と鬼は二合まで イラスト

出典:やわらかスピリッツ - Webサイト

原作と作画、それぞれの役割の中にある発見と挑戦

iBerry:Zinbeiさんはご自身で原作も描かれるとのことですが、今回は作画を担当されていますよね。原作がある漫画の制作はどうですか?

Zinbei:大変さも魅力もありますね。特に表情のニュアンスやレイアウトなど、原作者とのイメージのすり合わせが難しい。でも、自分では思いつかないキャラクターやストーリーに出会えることは、本当に楽しいです。想像していなかった“絵”が生まれる瞬間って、やっぱり嬉しいんですよ!

ファンタジーとリアルが融合した世界観のインスピレーション

iBerry:Zinbeiさんの絵って、虹色の髪の少女や人魚など、幻想的な世界がリアルに存在しているような不思議な魅力がありますよね!どこからインスピレーションを得られているのですか?

Zinbei:ありがとうございます。実は、そういうファンタジー的な要素も、私にとっては日常の中から着想を得てるんです。たとえば人魚の絵は、実家の父の漁船に乗って釣りに行った経験がもとになっていたり。虹色の髪も、螺鈿やアスファルトに落ちた油が虹色に光っていた印象から来ています。

iBerry:日常の中にあるものがヒントになっているんですね!すごく面白いです!“ファンタジー”も“リアル”の延長線上にあるというのがとても素敵です!

子どもたちへ——絵で心に残る本を届けたい

iBerry:今後やってみたいお仕事はありますか?

Zinbei:ふたつあって、ひとつは本の装丁。そしてもうひとつは児童書のお仕事ですね。特に、小学生高学年から高校生くらいに向けた本に関わりたいと思っています。

iBerry:素敵です!ちなみに、児童書に何か思い入れがあるのですか?

Zinbei:私自身、子どもの頃に読んだ児童書にすごく救われたんですよね。その体験が今の作風や世界観の土台になっているので、今度は自分が、誰かの心に残る絵を描けたら…と思っています。


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iBerry

iBerry

NOKIDで映像と楽曲のプロデュースを担当。ギタリストとしても活動し、TM NETWORK「Whatever Comes」のレコーディング参加、COUNTDOWN JAPAN 23/24 の企業ブースでの演奏、Positive Grid Spark のセミナー出演などの経歴を持つ。

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